森七菜×福山雅治×岩井俊二監督 『ラストレター』からトリプル受賞。第12回TAMA映画賞授賞式
11月29日、府中の森芸術劇場 どりーむホールにて、第30回映画祭TAMA CINEMA FORUMの第12回TAMA映画賞授賞式が行われた。その中から、最優秀作品賞受賞『ラストレター』から、最優秀新進女優賞・森七菜、最優秀男優賞・福山雅治、岩井俊二監督が喜びのコメントを語った。
最優秀新進女優賞 森七菜
■ハテナをビックリマークに変えたい
-岩井俊二監督が、経験豊富なキャストに囲まれてもアドリブを入れる余裕があるのがすごいと驚いていらっしゃったそうです。
森七菜
アドリブは、一番最初にちょこっとだけやってみたら意外と怒られなかったので、だったらもっと楽しいことを自分からでも何か提案できたらいいなと思ってやってみました。
-ステイホーム期間中の過ごし方で、夜中に食べるカップ麺が至福だったそうですが、コロナ太りとか大丈夫でしたか?
森七菜
大丈夫じゃないです(笑)
-そういった自粛期間中っていうのはどうでしたか楽しめましたか?
森七菜
すごく楽しかったです。お芝居をしたい気持ちはすごくありました。いくつか無くなってしまったお仕事もあって悔しいことも。
でも、やっぱりマイナスな気持ちに引っ張られてばっかりだと良くないなとも思ったので、普段だったらそれこそカップラーメンとかも気をつけて食べれないんですけど、でもこういうお仕事してなかったら食べてたなって思って、違う人生を歩んでるようなそういう気分になっていました。
-今後の抱負についてお聞かせください。
森七菜
今年は本当に皆さんに驚いてもらうことが多かった一年なんだと思っています。それはこの賞をいただけたこともそうですし、初めてドラマの主演、映画の主演をやらせていただいたので、私のことを初めて知った方も多いだろうなって思うからです。「なんだこの小娘は?いきなり現れて」って思った方もいらっしゃったと思います。
来年はそのハテナマークをビックリマークに、「なるほど!だから!」って思ってもらえるような一年に、それに努める一年にしたいと思います。
最優秀男優賞 福山雅治
■トロフィーの重さを噛み締めながら今夜の晩酌を楽しみに
福山雅治
こういった賞をいただくのは、ずいぶん久しぶりになりまして、本当に嬉しいです。
(トロフィーを)手渡されるとこんなに重いんだなと思ってですね、この重みを感じながら早速今夜晩酌するのを楽しみにしています。
-そして福山さんと言えばミュージシャンと役者の二つの立ち位置があります。そのミュージシャンとしての経験や感覚が役者として何かと役立つ時というのはあるんでしょうか?
福山雅治
どちらか一つだけの場合だと会える人と会えな人といるなとはよく思います。
お芝居の世界、音楽の世界、それぞれ違う表現方法のプロフェッショナル達と出会えることによって、こういう引き出しがあるんだとか、音楽でリズム的に言うとこういうリズムで台詞言うというのは無意識のうちにやっているかもしれません。
例えば大きな会場のライブでは、ライブ映像を大きく映すサービススクリーンってものがあるんですけれどが、通常は演奏してるシーンを撮ってもらうだけなんですが、僕はカメラ目線になって指差してみたりとか、そういうことを恥ずかしげもなくできてるのは意外と役立ってるかもしれないです(笑)
-本日のTAMA映画祭は今年で第30回です。奇しくも福山さんは音楽デビュー30周年。そして音楽の話も伺いたいんですが、ここは映画祭ということで今後の映画についての抱負をお聞かせください。
福山雅治
お呼びいただける作品をずっと待っております。
監督さん、プロデューサーさん、映画のスタッフの中でファンが多いTAMA映画祭ですから、この場をお借りしますが、これからもどんな役でも頑張って演じていきたいと思いますので、お仕事の方は事務所にお問い合わせていただければ、スケジュールを確認を致します(笑)
最優秀作品賞『ラストレター』
■監督は俳優・スタッフたちの活躍の場を作る立場だと気づいた
岩井俊二監督
一昨年の7月、8月、東京からやや北に離れた仙台、宮城県で撮影したんですけど、それでもとてつもない暑さでキャスト、スタッフの皆さん、炎天下の中で汗だくになりながら、時に熱中症と戦いながらのかなり過酷な撮影だったんですけど、映画を見るとその暑さはあまり感じなくて、涼やかな仕上がりなったなと思っています。そんなことを思い出しつつこの受賞噛み締めております。どうもありがとうございます。
-森さん、この大人の中でプレッシャーは感じませんでしたか?
森七菜
感じました。私はオーディションで選んでいただいたんですが、最初にお芝居を見ていただいた方も、オーディションで初めて私の芝居を見てくださるということで、その何十分間でこの重大な役を私に決めてしまったって思われてるんじゃないかなとも思いました。
やっぱり私も岩井さんの映画、この作品の現場が大好きだったので、良い映画にしたいなと思って、その分やっぱりプレッシャーはありました。
-岩井監督から見て森さんはいかがでしたか?
岩井俊二監督
子リスのような、カゴから出すと、ピューってどこ行くかわかんないような感じで。カメラのどの辺に立つんだろうみたいな所からスリリングな演技で素敵でした。
-最後に岩井監督の今後の抱負をお聞かせください。
岩井俊二監督
この作品をやりながら自分の大学時代、中学・高校時代を振り返る機会がありました。
当時からずっと本当に好きになるものに向かい合って、好きに作ってきたような、マイペースにやってきたような人生でした。
でも、今年に入ってコロナになって、いろんな俳優仲間やいろんなスタッフと話して思ったのは、今までぼんやりずっとやってたんですけど、「そうか、僕のような監督だったり脚本を書いたり、プロデュースするという立場にいる人間は、実は多くの人たちの活動の場を作っている立場でもあったんだなってことを、痛切に思い知らされたましたし、その重さも感じました。
さらにミニシアターとかいろんな劇場、またこういう映画祭っという形で映画に参加してくださってる多くの映画を愛する方たちに、コロナというものが容赦なく襲い掛かった現実もあって、つくづく自分たちが今までやってこれたことの幸せも噛みしめつつ、なにか恩返しできることを真剣に考えなきゃなと思っています。
ファンの皆さんの声に支えていただきながら、お互いに絆をより紡ぎながら何か作っていければと、その輪の循環をより高めていければなと思っています。
授賞式動画
授賞式フォトギャラリー
[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]
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