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脳天パラダイス

南果歩「良い子は観に行かないでください」前代未聞のお祭り映画『脳天パラダイス』公開プレミア試写会舞台挨拶

11月17日、都内にて、映画『脳天パラダイス』の公開直前プレミア試写会が行われ、南果歩、いとうせいこう、田本清嵐、小川未祐、山本政志監督が登壇。理屈で理解しようとしても不可能な本作そのままに、自由なトークが繰り広げられた。(動画&フォト)
「観たら、キマる」という強烈なキャッチフレーズとともに不況にあえぐ日本社会に放たれる本作は、あらゆる厄を吹き飛ばす前代未聞の作品となっている。

舞台挨拶レポート

脳天パラダイス

■どうやって薦めたらいいかわからない作品!

南 果歩(昭子 役)
お披露目の席に来ていただき、ありがとうございます。昨年の夏の撮影だったのですが、その時は、まさかこういう世の中になるとは夢にも思ってもいませんでした。つらい現実の中で、アナザーワールドに、山本政志監督ワールドにへ行ける作品です。
監督は個性の塊という方なので、私自身、自分の殻を破るつもりで参加しました。
独創的アイディアたくさんの現実離れした内容ですが、家族のような連帯感もあり、現場もとても楽しかったです。
今日、この作品を観て、おもしろいなと感じた人、ぜひ、たくさんの方にすすめてください。今は、自宅でもいろいろなエンタメが楽しめますが、やっぱり映画館に集まって大きなスクリーンで観るのっていいですよね。徐々にそういう時間が戻ってきて、すごく幸せに感じています。

南 果歩

南 果歩

いとうせいこう(笹谷修次 役)
今、果歩さんが人にすすめてくださいっておっしゃてったけど、どうやってすすめたらいいかわからない作品ですよね(笑)
最近は、映画もドラマも小説も、ちょっと隙があると感動させようとしてきます。
夫婦が出てきたら別れるし、親子が出てきたらどっちかが死ぬ、とか。一回引き離してくっつけるのが悲劇の構造です。
僕自身、そういうものに反発してきた割に、意外と毒されていることに、この映画に出てよくわかりました。
この映画を観て、“これこそが現実なんだ!”と分かりました。
この映画の面白いところは、いなくなった人は何らかの形で帰ってきているし、それぞれの人生にケリがついている。だけど、なぜケリがついているのか意味がわからないというところにこの作品のおもしろさがある気がします。
なので、“全然感動しないから、一緒に観に行こう!”と誘うのがおすすめかと思います。感動なんてそこら中に溢れているから、こんな感動しない映画ってないから!そこが大事なんですって。

いとうせいこう

いとうせいこう

南 果歩
そうかもしれない!
なんか、通り一遍に“たくさんの人にすすめてください”って言っちゃった自分が恥ずかしい。
この映画には“良い子のみなさんはマネをしないでください”という内容がふんだんに盛り込まれています。実人生ではやってはいけないことだらけです。でも虚の世界ではやっていいんです。
なので、現実から離れたところで、みなさんの気分転換のため、発散するためという意味では本当にいい映画。

いとうせいこう
(おかしいことだらけで)あまりのことにボーっとしちゃう映画です。だからこそ、映画館でみんなと一緒に笑う場所を分担しながら観るのがいいんです。家にいて1人で観ていると、笑いどころがわからない映画ってありますよね。映画館で観れば、他の人が笑っているのを聞きながら“ここ、笑うところだ!”ってわかると思います。
そういう意味では、映画館で観ること、映画の良さを表している作品です(笑)
なので、そんなことを隣に座った人に言うために、映画館で観るのがいいかもしれません。話しかけたら無視されると思いますが(笑)

田本清嵐(笹谷ゆうた 役)
これ以上、何を語ればいいの?というくらい、お父さんとお母さんが全部話してしまいました。でも、今の(二人の)説明で、この作品がよくわかったかもしれない(笑)
こういう時代だからこそ、ぶっ壊して好きなことを好きなだけやって乗り越えて行こうという気持ちになると思います。

田本清嵐

田本清嵐

南 果歩
想像力だけは制限かけられないので、“あのコーヒー豆、家にあったらいいな”などちょっとしたイマジネーションのヒントや、引き金になったらいいなと思っています。
それにしても田本くんは現場では一番しっかりしていて、すべてを分かっている子だと思っていたのに、実は何も分かってなかったというのが衝撃。

南 果歩

いとうせいこう
そうだったんだ。何もわからず、やってたんだね。

田本清嵐
(隣の小川未祐に)え?分かってた?

いとうせいこう
(誰も)わかってなかったよ。あの脚本でわかれというほうが難しいよ。映画になって初めてわかったことは僕もいっぱいありますよ(笑)

田本清嵐
とにかく(撮影現場は)楽しかったですよね。

小川未祐(笹谷あかね 役)
この映画は、どんな言葉で説明しても当てはまらない気がしています。いろんなところで言葉では説明できないって目にすると思いますが、好きとかおもしろいとかいうものに、説明とか理由を求められがちな世の中だけど、ここまで潔く言葉で説明できないものを目の当たりにすると、こういうものが一番大事なんだなって、この映画を観た時に気づかされました。もう“楽しかったです”としか記憶にありません(笑)
いろんな世代の人に、この楽しい映画を観ていただけるように、これからできることをやっていきたいと思います。

小川未祐

小川未祐

小川未祐

いとうせいこう
ひとことで言うと“不要不急”。この作品を四字熟語ですよ。こんな大事はものが他にありますか!?

■カタルシスはある!スッキリしますよ。

山本政志監督
内容が無い映画って言われてきたけれど……

いとうせいこう
カタルシスはある!スッキリしますよ。

山本政志監督
いや、俺はずっと感動しっぱなしでこの映画を作っていました。最近、あれやっちゃダメ、浮気しちゃダメ、とか細かいことにとにかくうるさい世の中なので、なんか(気持ちが)楽になるような映画を作りたいというところから始まった作品です。
コロナもあるけど、“なんとかなるんじゃない?”と思ってくれればいいなと。この状況下で、この作品が公開されること自体、試されているような感覚です(笑
そんな環境になっていることが楽しいし、おもしろいなと感じたら、町内回覧板でもなんでもいいので、いろんな努力で広めてください。

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山本政志監督/いとうせいこう

■ひととき、いろんな常識を取っ払って、自由な世界で自分を解き放つ。

山本政志監督
今回は本当に役者が素晴らくて感謝しています。アイデアはたくさん持ってきてくれるし。僕は自主映画出身なので、これまで酷い目にあってきましたが(笑)、偉そうな役者もいなくて本当に楽しかったです。

いとうせいこう
こっちはこっちで、山本監督ってうるさい人なんだろうなって思っていたけれど、すごいジェントルマンでびっくりしました。

南 果歩
監督は現場で一番楽しんでいました。それこそ、リハも本番も、お弁当の時間まで楽しみ尽くそうという、半端ない意欲を感じました。

山本政志監督
なんか、俺、頭悪そうに聞こえる・・・

南 果歩
すべてに愛情を注いで、すべてを楽しむという姿勢が山本監督の持ち味だと思いました。

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山本政志監督
南さんが、“監督~”って寄ってきて、“あのさー”ってアイデア出しをしてくれました。ただ、時々、あとからやっぱり“さっきのはやめようと思うの”って言ってくることもあって、それが肝試しみたいでおもしろかったです(笑)

南 果歩
一筋縄ではいかないストーリーなので、監督のイメージがすべて。だからこそ、私たちはすべてを理解することはやめて、イマジネーションの世界でどれだけ遊べるかというのを考えていました。
ひととき、いろんな常識を取っ払って、自由な世界で自分を解き放つこと。日常生活で苦しいニュースが多い中、自分の想像力を大いに遊ばせてあげるためには、まさしくぴったりな映画だと思います。

南 果歩

いとうせいこう
監督、(この映画は)映倫取ってるんだよね?

山本政志監督
取ってる、取ってる(笑)

■こういう褒め合うのっていいね

山本政志監督
(いとうせいこうの芝居は)修正力が半端ない。変更をすればすぐに次の芝居に切り替えている。

いとうせいこう
コント上がりの人間だから、言われたらすぐに修正に対応するのは芸人の習性です。監督がいろいろとアイデアを受け入れてくれたからものすごくやりやすかったし、果歩さんたち役者の方々が普通に仲間に入れてくれたから。

いとうせいこう

山本政志監督
(田本清嵐は)一人の時と、家族一緒の時と芝居が変わるのがおもしろかった。

南 果歩
(小川)未祐ちゃんのダンスも素晴らしかった。キラキラしていたもんね。

脳天パラダイス

小川未祐
ほんとに楽しかったです!

小川未祐

いとうせいこう
音楽的だったよね。

山本政志監督
どう?こういう褒め合うのっていいね。

いとうせいこう
でも、ここでけなしあうのなんだけどね(笑)

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■最後にメッセージ

山本政志監督
手口を選ばす、宗教活動だと思ってこの作品を広めてください!

南 果歩
大事な注意点があります。この作品はR15です。みなさんには自由な世界を楽しんでいただきたいですが、良い子のみなさんはマネをしないでください!

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■舞台挨拶動画レポート

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[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

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映画『脳天パラダイス』

ストーリー
東京郊外、高台にある一軒の大豪邸。あとは引越し業者のトラックに荷物を積み込むだけとなった部屋を、やさぐれた表情で見わたす笹谷修次。家⻑でありながら、この家を手放す原因を作った張本人である。
引きこもり気味の息子・ゆうたは淡々と現実を受け止めている。
一方、生意気盛りの娘・あかねは不甲斐ない父親にイラつきながら、ヤケクソ気分で Twitter に「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と地図付きツイート。
そのままフテ寝してしまう。投稿がリツイートされまくり、瞬く間に拡散している状況を示す通知が鳴り響いていることも知らずに……。
数年前、恋人を作って家を出たはずの自由奔放な元妻・昭子がやってきた。
パーティーのツイッターをみてやってきたのだ。ゆうたは、久しぶりの母との再会を喜ぶが、修次やあかねにとっては招かれざる客でしかない。借金まみれになり、一家離散目前の笹谷家にツイッターをみて、次々にパーティー客がやってくる。インド人のゲイカップル、やる気のない運送業者、手癖の悪いあかねの友人、台湾から来た観光客の親子、酔っ払いの OL、恋人を探しているイラン人、謎のホームレス老人…。
そんな中、来客を頑なに追い返そうと一人奮闘する修次だったが、珍客はどんどん増え続ける。
しだいに豪邸は、ドンチャン騒ぎを超えた、狂喜乱舞の縁日の境内状態になっていく。
笹谷一家の引越しは!? いやいや、もうそれどころじゃない!
客たちによって一家の運命はめくるめく奇々怪々と狂喜乱舞へと導かれていく……!
これは現実か、それとも幻覚か、果たして彼らの行く末は!? もう誰も逃げられない。
『脳天パラダイス』への扉が今、開いてしまったのだ!

<出演>
南果歩 いとうせいこう 田本清嵐 小川未祐 玄理 村上淳 古田新太 柄本明
大河内健太郎 小竹原晋 星野園美 沢井小次郎 安田ユウ 李丹 張天屹 野村陽介
ニール・ターリセッチィ アレック・アスギャリー 和川ミユウ 植田紗々 髙橋里恩 江波里香
渡瀬うみな 齋藤勇真 森川貴 庄司浩之 ノブヲ 畑中タメ 吉田茂樹 牧山みどり 紀那きりこ
藤本国彦 島津志織 小林敏和 菊地敦子 清水ひさを 鳳ルミ 柳川竜二
永山愛樹/竹舞(TURTLE ISLAND/ALKDO)

<スタッフ>
監督:山本政志
脚本:金子鈴幸、山本政志
メインテーマ:Oto
特殊スタイリスト:百武朋 操演/特殊効果:羽鳥博幸
VFXディレクター:中口岳樹、島田欣征
ドローンオペレーター:池田佳史、山本雅映
エグゼクティブプロデューサー:吴清萍、大江戸康
プロデューサー:村岡伸一郎
企画:シネマインパクト、C・C・P 協賛:高見庭園
配給:TOCANA
製作協力:UNIVA Guangzhou Trading 製作:パンクチュアルカルチャー 大江戸美術
(C)2020 Continental Circus Pictures
公式HP:no-ten.com

予告篇

YouTube player

『脳天パラダイス』公開応援プロジェクト、クラウドファンディング実施中!
https://motion-gallery.net/projects/NOUTEN-PARADISE

2020年11月20日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開!

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