小川未祐

【インタビュー】ダンサーから女優に転身。作曲にも挑戦中の小川未祐(19)。映画『脳天パラダイス』

11/20に公開となる映画『脳天パラダイス』。理屈で理解しようとしたら頭の中がブッ飛んでしまう本作で、そのカオスのきっかけを作ってしまう生意気盛りの娘・あかね役を演じた小川未祐(おがわみゆ/19歳)に、得意のダンス含めて自身のことについて伺った。

ローザンヌ映画祭(スイス)にも出品された本作は、これまで『ロビンソンの庭』をはじめ、『ジャンク フード』、『水の声を聞く』など、独創的な作品で常に時代を先行してきた山本政志監督の、理屈抜きにブッ飛んだ映画を撮ろう。そんな執念のもと、その想いを昇華させた最狂昇天トランス映画。
その内容は、激毒を含んだキワドさに満ち溢れ、冒頭で家族を題材にしたドラマが始まるかと思いきや、すぐに夏祭りのようなハイテンションと祝祭感に満ちた展開を迎える。やがて“お焚き上げ”状態に至ると、後はコメディー、SFX、ミュージカル 、動物、ワイヤーアクション、怪獣、と、あらゆる映画要素が目まぐるしく投入される。

脳天パラダイス

小川未祐インタビュー

小川未祐

小川未祐

小川未祐演じる笹谷あかねは、不甲斐ない父親(いとうせいこう)の金銭トラブルが原因で、東京郊外の高台にある大豪邸を引っ越すことになりイラついている。
引っ越し当日、あかね(小川未祐)はヤケクソ気分でTwitterに 「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と地図付きツイートし、ふてくされたまま寝てしまう。瞬く間にカオスな状況へと突入してしまっていることに気づかずに・・・。

■とにかくダンスが好きだった女の子が女優を目ざしたきっかけ

-小川さんは、中学からプロダンサーとしても活躍されていたそうですが、学生時代はどんな女の子でしたか?

小川未祐(おがわみゆ)/笹谷あかね 役
学校よりもダンスが自分の中心にあって、ずっとダンスばっかりでしたね。
中2にダンススクールに入ってそれから高1にかけての3年間は、アーティストのバックダンサーをしたりとか、ツアーで地方を飛び回ったりとか、そういう生活をしていたので、学校生活の記憶よりもほんとにダンスの記憶ばっかりです(笑)

-スクールに入る前からダンスをされていたんですか??

小川未祐
バレエは3歳からやってたんですけど、ダンスは小6くらいで始めました。そしてオーディションを受けて、ダンススクールに入ることになったんです。

-それから女優目ざされたきっかけについて教えて下さい。

小川未祐
高1になった時に、これから自分はどうしていこうかなって考え始めた時に、バックダンサーで踊ったり、決められた振り付けを踊るっていうよりも、もうちょっと自分で表現をしてみたくなったんです。
そして、ダンスとは違う形でできないかなって考えた時に、自分の身近にあったお芝居でやってみたいという気持ちになりました。
それでワークショップオーディションを受けて、そこから今の事務所に入ることになりました。

小川未祐

■どの作品よりも想像がつかないイメージがあった

-“最狂昇天トランス映画”と銘打った本作ですが、小川さんは、オーディションとワークショップを経てのあかね役出演と伺いました。

小川未祐
はい。事務所からこの作品のオーディションを紹介してもらって受けました。ワークショップではひたすら台本からシーンを選んで皆でやりながらああでもないこうでもないと言いながら進めましたね。

-本作の台本を最初に読まれた時の印象はどうでしたか?

小川未祐
全体的にどういうストーリーだったって残るというよりも、ミュージカルシーンやコーヒー豆など、ワードの力の印象が強すぎて、それだけが頭の中にポンポンって残っている感じでした(笑)
でもすぐにもう1回読もう!って思って、何回か読み直して、ようやく細かいところが入ってきたって感じでした(笑)

-台本を読み終えて、「しまった!なんだこの作品は?」って思わなかったですか(笑)?

小川未祐
「しまった」とは思わなかったですけど(笑)、確かに今までのどの作品よりも想像がつかないイメージはありましたし、楽しみだなっていう気持ちが大きかったですね。

脳天パラダイス

場面写真 (C)2020 Continental Circus Pictures

■「もっとネジを外していいんだよ」

-本作出演にあたって、山本政志監督から小川さんへの演出はどんなものがありましたか?

小川未祐
お芝居していく中で、「マジメすぎる」「俺はマジメだからわかるんだけどさ、もっとネジを外していいんだよ」っていうのを何回も言われました。
後半になるにつれて、周りの影響もあって、私の中のネジも外れていったなと思いますけども、前半はお父さん(いとうせいこう)との受け答えもマジメに返しすぎて、「もうちょっと軽く受け流してほしい」「とにかく何も考えずにやって」と言われました。

-確かに、本作では小川さん演じる“笹谷あかね”が唯一に近いくらい理性を保っているキャラクターですからね(笑)

小川未祐
そうなんです(笑)そういうこともあってバランスが難しかったです。

小川未祐

■いつカメラが回っているのかもわからなかった

-“あかね”のSNS投稿がきっかけで、舞台となった引っ越し直前の家にどんどん人が集まってきます。中庭はいつの間にか屋台も出ていたり。撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

小川未祐
後半はとにかく人がたくさんいるし、今どこを撮っててっていうのも把握するのが難しいくらいゴチャゴチャしてました。でもとにかく芝居をし続けるしかなくて、いつカメラが回っているとかも判断が難しかったので、ずっと気を抜けない感じでした(笑)

-共演者の方とはどんなお話をされましたか?

小川未祐
スタンバイ中に南果歩さんが、海外だったらどこの国がいいとか、海外に住まれていた時のお話をしてくださいました。
あとは、同級生役の同世代の子たちと話していることが多かったですね。

脳天パラダイス

南果歩(右) (C)2020 Continental Circus Pictures

-小川さんは海外旅行されたことありますか?

小川未祐
私は小さい頃にしかなくて、ぜんぜん記憶にないので、いつか行きたいなって思います。

-コロナ禍が収まってまた自由に海外旅行もできるようになるといいですね。

小川未祐
是非そうなってほしいです!

小川未祐

小川未祐

■小川未祐の真骨頂発揮!のミュージカルシーン

-お葬式と称してのミュージカルシーン(*)は、小川さんの得意分野ではとお見受けしましたが、あのシーンはどうやって作り上げられましたか?途中、ボリウッド映画の雰囲気も感じました。

小川未祐
ミュージカルシーンは、ミュージカルバージョン、インド風バージョン、盆踊りバージョンと3つに分かれていて、5回くらいリハーサルをしました。
私はずっとダンスをやってきてたので映画の中で踊れるっていうのがすごい嬉しかったので、リハーサル含めてとても楽しかったです。
ただ共演者の中には、ぜんぜんダンスをやったことない方もいて、「死ぬ~!」って言いながら頑張ってました(笑)

脳天パラダイス

小川未祐のダンスシーンは見どころ! (C)2020 Continental Circus Pictures

[(*)解説]このミュージカルシーンは、「サザンオールスターズ」や「乃木坂46」、「くまもん」をはじめ数多くのCMで振付演出を担当した南流石がダンス演出で参加。音楽は、伝説のバンド「JAGATARA」のOtoで、王道ミュージカルから始まリアップテンポのインド風ダンスになり大団円の音頭へと至る、突き抜けたメイン音楽を提供。撮影時は、もはや撮影を超えた一大イベントの様相を呈したという。山本監督は、「ミュージカルシーンは、いつかやりたかった。3曲目の『宇宙音頭』で出演者全員が開放的な表情に変化していくところは、撮っていて感激したなぁ。JAGATARA仲間のOtoや南が音楽と振り付けを担当してくれた事で、アケミ(JAGATARAのボーカリスト江戸アケミ。1990年1月27日死去)も参加してるような気配もして感慨深かった。」と述懐している。

古田新太や南果歩もミュージカルシーンで踊る!

 

■ギターで作曲にも挑戦!

-春から夏にかけての自粛期間中はどのように過ごされていましたか?また、最近ハマっていることや、趣味などあれば教えてください。

小川未祐
本を読んだり映画を観たりとか、あとは外に走りに行くか、ギターで歌ったりとか、エネルギーを消費できることをやってました。

-ギターを弾かれるんですね。

小川未祐
そうなんですよ。曲作りもしていました。そういうものづくりを始めてましたね。絵も描いてました。

-ギターは独学で?

小川未祐
アコギなんですけど、お父さんがやってて、それで興味を持ちました。それが1年くらい前なんですけど、そこからは自分で独学で練習しています。

-歌は得意ですか?

小川未祐
得意かどうかはわからないですけれど、歌うことがすごく好きです。

-では今後、ミュージカル的な映画のお仕事が来たら?

小川未祐
喜んでやりたいです!

■手紙は満たされる

-自粛期間中、その他はどんなことをされてましたか?料理とか。

小川未祐
お菓子作りはしました。あと、友だちと文通もよくしていました。

-文通をやろうと思われたのは?

小川未祐
どうしてもLINEだと温度を感じづらいというか、手紙を最初やりとりした時にすごい満たされて、こんなに素敵なものがあったんだって感動したんです。
(自粛期間中は)けっこう寂しい期間だったじゃないですか。それには文通がちょうど良かったですね。また、手紙だとみんなけっこう素直になるんですよ。普段こんなことを絶対言わないような言葉が書いてあったりして。

■求められる存在になりたい

-小川さんは、『海辺の金魚』など出演作の公開が控えられてますが、今後の抱負があれば教えて下さい。どんな作品、あるいはこんな役をやってみたいでもけっこうです。

小川未祐
形を問わずいろんなことをやってみたいというのが今はあるので、こういう役をやりたいとか、そういうことよりはいろんなことを経験して、求められる存在になりたいなっていうのが大きいですね。

小川未祐

■理由なんてない面白さ!

-最後に、本作をこれからご覧になる方に、見どころ含めたメッセージをお願いします。

小川未祐
この映画は言葉にはできないけど、とにかく面白かった!という感想を自分は持っています。それって、今はとても大事なんじゃないかなって思っています。
いろいろ理由を求められがちな今ですが、理由を考えようとしても出てこない面白さを持った、とにかくスッキリする爽快感を味わえる映画です。是非いろんな方に観てもらいたいです。

小川未祐(おがわみゆ)プロフィール
2001年3月25日生まれ、東京都出身。
中学時代からプロダンサーとして活動し、高校2年で女優に転身。女優・ダンサーとして活動。
『最期の星』(17/小川紗良監督)で 主演デビュー。出演作品に『よこがお』(19/深田晃司監督)、『海辺の金魚』(21/小川紗良監督)、テレビドラマ『ゴールド!』 (20/NHK)などがある。

小川未祐

[写真・聞き手:Jun Sakurakoji]

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映画『脳天パラダイス』

ストーリー
東京郊外、高台にある一軒の大豪邸。あとは引越し業者のトラックに荷物を積み込むだけとなった部屋を、やさぐれた表情で見わたす笹谷修次。家⻑でありながら、この家を手放す原因を作った張本人である。
引きこもり気味の息子・ゆうたは淡々と現実を受け止めている。
一方、生意気盛りの娘・あかねは不甲斐ない父親にイラつきながら、ヤケクソ気分で Twitter に「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と地図付きツイート。
そのままフテ寝してしまう。投稿がリツイートされまくり、瞬く間に拡散している状況を示す通知が鳴り響いていることも知らずに……。
数年前、恋人を作って家を出たはずの自由奔放な元妻・昭子がやってきた。
パーティーのツイッターをみてやってきたのだ。ゆうたは、久しぶりの母との再会を喜ぶが、修次やあかねにとっては招かれざる客でしかない。借金まみれになり、一家離散目前の笹谷家にツイッターをみて、次々にパーティー客がやってくる。インド人のゲイカップル、やる気のない運送業者、手癖の悪いあかねの友人、台湾から来た観光客の親子、酔っ払いの OL、恋人を探しているイラン人、謎のホームレス老人…。
そんな中、来客を頑なに追い返そうと一人奮闘する修次だったが、珍客はどんどん増え続ける。
しだいに豪邸は、ドンチャン騒ぎを超えた、狂喜乱舞の縁日の境内状態になっていく。
笹谷一家の引越しは!? いやいや、もうそれどころじゃない!
客たちによって一家の運命はめくるめく奇々怪々と狂喜乱舞へと導かれていく……!
これは現実か、それとも幻覚か、果たして彼らの行く末は!? もう誰も逃げられない。
『脳天パラダイス』への扉が今、開いてしまったのだ!

<出演>
南果歩 いとうせいこう 田本清嵐 小川未祐 玄理 村上淳 古田新太 柄本明
大河内健太郎 小竹原晋 星野園美 沢井小次郎 安田ユウ 李丹 張天屹 野村陽介
ニール・ターリセッチィ アレック・アスギャリー 和川ミユウ 植田紗々 髙橋里恩 江波里香
渡瀬うみな 齋藤勇真 森川貴 庄司浩之 ノブヲ 畑中タメ 吉田茂樹 牧山みどり 紀那きりこ
藤本国彦 島津志織 小林敏和 菊地敦子 清水ひさを 鳳ルミ 柳川竜二
永山愛樹/竹舞(TURTLE ISLAND/ALKDO)

<スタッフ>
監督:山本政志
脚本:金子鈴幸、山本政志
メインテーマ:Oto
特殊スタイリスト:百武朋 操演/特殊効果:羽鳥博幸
VFXディレクター:中口岳樹、島田欣征
ドローンオペレーター:池田佳史、山本雅映
エグゼクティブプロデューサー:吴清萍、大江戸康
プロデューサー:村岡伸一郎
企画:シネマインパクト、C・C・P 協賛:高見庭園
配給:TOCANA
製作協力:UNIVA Guangzhou Trading 製作:パンクチュアルカルチャー 大江戸美術
(C)2020 Continental Circus Pictures
公式HP:no-ten.com

予告篇

『脳天パラダイス』公開応援プロジェクト、クラウドファンディング実施中!
https://motion-gallery.net/projects/NOUTEN-PARADISE

2020年11月20日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開!

脳天パラダイス

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