のん にとって今大切なこととは? 映画『マロナの幻想的な物語り』完成披露試写会舞台挨拶
8月20日、ユーロライブ(渋谷)にて、映画『マロナの幻想的な物語り』の日本語吹替え版・完成披露試写会舞台あいさつが行われ、CVを担当した、のん、小野友樹、夜道雪、平川新士が登壇した。
本作は、様々な飼い主の元で暮らしながら、健気に生きたミックス犬マロナの生涯を描いた物語で、ルーマニアの女性監督アンカ・ダミアンが『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のプロデューサー ロン・ディエンスと作り上げた“愛とアートと犬の気持ち”がいっぱい詰まったワンコ・アニメーション映画。
2020年3月の東京アニメアワードフェスティバル2020 コンペティション部門にて、長編アニメーション・グランプリと東京都知事賞のW受賞を果たしている。
特徴的なのは、そのアニメーション描写。一見、手描きイラストのような素材をベースに、アート感覚溢れる独特な動きのアニメーションが登場キャラクターはもちろん、画面の隅々まで表現されている。
その独特のアニメーション映像は、ルイ・ヴィトンがトラベル・ブック“パリ編”に選んだイラストレーター、ブレヒト・エヴェンスをはじめ、ボローニャ国際絵本展で注目のサラ・マゼッティといったヨーロッパの才能あるクリエータが集結し、2Dと3Dを融合させることによって実現した。
舞台あいさつレポート
■最初のあいさつ
のん(マロナ 役)
マロナの声を演じさせていただきました、のんです。マロナは、ハート型の鼻の形をした可愛いワンちゃんです。
小野友樹(曲芸師マノーレ 役)
曲芸師のマノール役を担当させていただきました。独特な描かれ方をされているので、ぜひ楽しんで観ていただきたいと思います。
夜道 雪(ソランジュ 役)
マロナと共に少女から大人に成長していく等身大の女の子、ソランジュ役を演じさせていただきました。
平川新士(イシュトヴァン 役)
工事現場監督のイシュトヴァン役を演じさせていただきました。すごく恰幅の良い体色が青い大きな男性です。
■日本のアニメとは描かれ方の土壌が大きく違う作品
– 作品をご覧になっての率直な感想から伺います。
のん
すごく素敵な作品でした。映像表現がすごく面白くて、アート性が強くて。
こんなに違う絵の人たちが共存してる映像って他にないんじゃないかと思って、すごく面白かったです。
犬の視点で描かれてるのがすごく新鮮で、人の世界が犬にはこうやって見えてるんだなと思って、すごく胸を打たれました。
– 犬の声を担当するっていうことでどんな所に気をつけられましたか?
のん
犬の声の役は初めてだったので嬉しかったですね。動物の役を演じるのがすごく面白そうだと思いましたので。
人間のことを外側の視点から見てる役だったので、その部分を受け入れて人に尽くしてるところがマロナの素敵なところだと思ったので、それを大事にしました。
– 小野さん、のんさんの声はいかがでしたか?
小野友樹
率直に思ったのが、原作の声のイメージすごく近い印象を受けたことです。
原作の声は、とつとつと感情を置いていくというか、達観した位置でやってられましたが、のんさんもそれを汲み取りつつ、のんさんなりのニュアンスをのせながらやってらっしゃるのが、耳に染み入る感覚がありました。大きな感情を乗せなくても伝わってくるものがあって。
のん
嬉しい・・・
– 小野さんは本作をご覧になっていかがでしたか?
小野友樹
のんさんもおっしゃってたんですけど、芸術性、日本においてのアニメと描かれ方の土壌がまず大きく違うなっていうのはやっぱり感じましたね。
日本のアニメは、ジャパニメーションとして世界に誇れることを僕も誇りに思っているんですけど、それを芸術に全振りするとこういう描かれ方になるんだっていうのがすごくカルチャーショックに近いものを受けました。
キャラクターにしても、ひとつの形を保って人間っていう概念がある中、僕が演じさせていただいているマノーレは、どんどん形も変わっていったりとか、服なの?体の一部なの?どうなってるの?みたいな。
距離感も、向こうにいたと思ったら、シュルンっと手前に来てたりとか、いろんな描かれ方をされていてすごく面白かったです。
– 夜道さんはいかがでしたか?
夜道 雪
芸術的な面もそうなんですけど、皆さん観てくださったらわかるとおり、動きとかが実際の人間ではありえないような描き方をされてるところとかも一つの表現としてすごい魅力的ですね。
のんさんとは収録は別だったんですが、完成した作品を観ると、実際には犬の声はわからないものですが、のんさんの声を聴くと、涙がとまらなくて鳥肌が立つ感覚を覚えました。ワンコってこんなふうに思ってくれてたんだって。
のんさんのすごく素敵なお芝居で、完成品が宝物になりました。
– 夜道さんはソランジュの声はどのように編み出していかれたんですか?
夜道 雪
ソランジュってのは多分外国の女の子なんですけど、作品を観てくださった女性だったら自分にもこういう小さい頃があったなーって思ってもらえるような本当にごく普通の女の子なんですね。
なので私にもこういう頃があったなぁとか、心の中ではこう思ってるのにうまく伝えられないとか、優しくしたいのに強くあたっちゃうとか、そういうソランジュの思春期特有の気持ちが自分にもすごくあったので、素直に演じることができました。
– 平川さん、ご自身の体格とはぜんぜん違うイシュトヴァンの演じられていかがでしたか?
平川新士
僕は小柄な方なので体格の違いはもちろんですが、イシュトヴァンの性格的な部分として、すごく大らかで、優しくて頼りがいがあってっていうところもすごい難しくて、自分の中のどこから持ってこようかっていうことが、お芝居をやる上で心を砕いたところです。
■ペットの思い出
– 皆さんは動物をお好きかと思うんですけれども、何か動物との思い出ですとかペットとの思い出ってございますか?
のん
11歳くらいの頃にハムスター飼ってたことがあって、すごくかわいがってたんですけど、友だちと一緒に砂場でハムちゃんと遊ぶという日があって。
砂で山を作って、ハムちゃんにトンネル工事をしてもらって、トンネルを繋げるという遊びをしてたんです。
で、トンネル開通したって思って、山を潰したら、私のハムスターだけいないってことに気づいて・・・。
慌てて掘り起こして無事に救出できたってことがありました。その衝撃をマロナを観た時に思い出して、今でも心が痛くてごめんなさいって思います。
小野友樹
僕はまだ1歳のワンくんって名付けた犬を飼っていて、好きすぎてワンくんの歌を作りました(笑)
是非、ダウンロードして聴いてください(笑)
夜道 雪
私は今までに猫を5匹飼ったり、犬もいましたし、ネズミもいましたしハムスターもいました。
中でも、初めて飼った猫ちゃんがすごい印象に残ってて、それは今回演じさせてもらったソランジュともすごく重なる部分があるんです。
私は、学生の時に学校に行けなくて、すごい悩んで辛かった時期があったんですが、親が私が少しでも元気になってくれたらってことで、保護猫を引き取ってきたんです。
黒い猫で、その子が来てから、ストレスばかりだった私が少し明るくなれて、夢だった芸能も目指してみようって前向きにさせてくれた猫だったので、思春期のなんとも言えない、ちょっと青くさい感じなんですけど、不器用な自分を変えてくれたのがペットでした。なので、この作品に参加させていただいたのがほんとに嬉しいなって思いますし、ソランジュ役で良かったなとも思っています。
– 平川さんはいかがですか?
平川新士
僕はファンシーラットっていうネズミを飼っています。ペット化されたドブネズミなんですけど、世界一カワイイドブネズミなんです。
自分のあぐらの中にピョンって入ってきて、しばらく撫でるのが毎朝のルーティンです。
で、マロナもそうなんですけど、僕の言葉をわかってるのかな?って。落ち込んでる時に大丈夫?ってみたいにそばに寄ってきてくれたり。
そういうところで、ペットが自分の心の救いになっているところがたくさんあるなって、最近富みに感じています。
■のん にとって今、大切なこととは?
– のんさんに伺います。この作品って、マロナに出会った人々が自分にとって大切なことに気づくっていうのもひとつのテーマだと思います。のんさんにとって今、大切なものってなんでしょうか?
のん
(作品を)観てくださる人に楽しんでもらうことがすごく大切だなって改めて思います。
今の(コロナ禍とか)いろんなことが渦巻いている中で、不要不急なものがちょっと難しくなったりとかする中で、こうやってマロナの映画を送り出したりとかできるのがすごく嬉しいです。
観てくださった人の心が温まるような作品に参加していく、表現していくっていうことをすごく大切に思っています。
■最後にメッセージ
– 最後にのんさん、代表して映画を楽しみにされてる方にメッセージをお願いします。
のん
『マロナの幻想的な物語り』は、すごく心を打つ作品だと思います。そして、ここにいらっしゃる素晴らしい皆さんの声で、いろんな形の人たちが生きて、マロナと関わっていきます。そのマロナの一生を通して、犬の目線で人の世界を見た時にすごく新鮮に捉えられる。
それで、自分のことに立ち返って考えることができる映画だと思います。
本当に観る方によってこの映像がどう見えてるんだろうとか、どういう風に捉えてもらえるんだろうっていうのが全く違う、それぞれの心の中で全然違う作品になると思うので、それをすごく楽しみにしています。是非たくさんの方に観ていただきたいです。
■トークノーカット動画
上記レポートには記載しきれなかったトーク全編は動画でどうぞ!
■フォトギャラリー
[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『マロナの幻想的な物語り』
STORY
血統書付きで差別主義者の父と、混血で元のら犬だけど美しくて博愛主義の母との間に生まれたマロナは、同時に生まれた9匹の末っ子で、「ナイン」と呼ばれていました。このハート型の鼻を持つ小さな犬は、生まれてすぐ彼女の家族から引き離され、曲芸師マノーレの手にわたります。マノーレはこの小さな犬にアナと名付け、アナにとっても、幸せな日々が訪れたかに思えましたが……
場面写真
監督:アンカ・ダミアン
脚本:アンゲル・ダミアン
キャラクター・デザイン:ブレヒト・エヴェンス
背景美術:ジナ・トーステンセン/サラ・マゼッティ
音楽:パブロ・ピコ
プロデューサー:アンカ・ダミアン/ロン・ディエンス(『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』)/トマス・レイヤース
提供:リスキット/マクザ厶/太秦/カルタクリエイティブ
配給:リスキット
後援:ルーマニア大使館
協力:キヤトルステラ/stylab/げんべい商店
(2019/ルーマニア・フランス・ベルギー/1:1.85/5,1ch/フランス語/日本語吹替/92分)
公式HP:maronas.info
公式ツイッター:@maronas_fantasy
公式instagram:@maronas_fantasy
公式Facebook:@maronasfantasy
日本語版キャスト:
のん(マロナ)、小野友樹(曲芸師マノーレ)、平川新士(イシュトヴァン)、原 涼子(ソランジュ/幼少時)、夜道 雪(ソランジュ/少女、大人)
『マロナの幻想的な物語り』<日本語吹替え版予告>
『マロナの幻想的な物語り』は8月29日(土)より、渋谷・ユーロスペースにて字幕版を先行公開後、9月11日(金)より吹替え版を含め、ユーロスペース、新宿バルト9、梅田ブルク7他全国順次公開
コメント ( 1 )
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完成披露試写会舞台あいさつのUPありがとうございます。
動画観られて嬉しいです😆
画像もたくさんで!
またお願いします。