映画『追い風』

映画をつくることで追い風に。親友の笑顔に抱き続けた疑問と映画への想い。安楽涼監督インタビュー

8月7日(金)から、アップリンク吉祥寺にて、映画『追い風』(安楽涼監督)が公開される。本作は、2019年に劇場デビューを果たした『1人のダンス』安楽涼監督の長編二作目で、MOOSIC LAB 2019長編部門 最優秀男優賞・ミュージシャン賞(DEG)を受賞。
主演は、監督の幼なじみのラッパーDEG で、本人役として出演している。このたび、安楽涼監督に、本作製作のきっかけから、幼馴染のDEGに抱き続けていた疑問、映画に対する想いを語っていただいた。

映画『追い風』

内容
1. 安楽監督が語る 映画『追い風』とは
2. 時を経て、映画作りに着手したきっかけ
3. DEGを主人公に選んだ理由
4. 理解できなかったDEGの笑顔の理由
5. 映画作りの流れ。脚本の片山さん、主人公のDEGさんへの声がけについて
6. 「すねかじりSTUDIO」とは
7. 俳優と監督について
8. 安楽監督作品と仲間・友人、スタイル
9. 出演者とのつながり・ひろがり
10. 劇場にいらっしゃる方々へのメッセージ

安楽監督インタビュー

1. 安楽監督が語る 映画『追い風』とは

– はじめに、映画『追い風』とはどんな映画か教えてください。

安楽涼監督
主人公は、僕の20年来の友人DEG(出倉俊輔)です。
DEGには、中学時代の初恋の女の子がいて、ずっと忘れられないでいました。
そんな中学時代の共通の友人の一人が結婚することになって、そこに参列するDEGは、初恋の女の子に会えるかもしれないと思って、その女の子に向けた曲をつくり、式場でライブをすることを考えたんです。そのライブをミュージックビデオ(以下、MV)として撮ってほしいと僕はDEGから頼まれて、それがきっかけとなってつくった映画です。
結婚式の参列者って、主催の方以外は誰が来るか、わからないですよね。DEGとその初恋の女の子同士は連絡先を知らなかったので、その女の子が当日に結婚式に来るかどうかはその日までわからない状態でした。そんな“来るかもしれない”という可能性に賭けているDEGの純粋な気持ちに、僕は感動しました。DEGは、“その子が来るだろう”という予想を立てて、曲をつくったんです。その時にみたDEGは、僕が今まで見て来た中で一番輝いていて、「あぁ、僕はこれを映画にしたい」と、思いました。実際に脚本に取り掛かるのはだいぶ後でしたが、「僕はこの話をいつか映画にする!」と、結婚式の後にDEGに宣言してつくった映画です。

映画『追い風』

主演:DEG(場面写真より)

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2. 時を経て、映画作りに着手したきっかけ

– 結婚式から、時を経て、今回映画制作となったきっかけはなんですか?

安楽涼監督
結果的には、MOOSIC LABの企画で制作することになりましたが、以前から映画にしたい気持ちが僕に強くありました。(映画と音楽の融合を目指すMOOSIC LAB作品として)音楽(DEGの曲)があったのですが、MOOSIC LABでの上映予定はなかったんです。
偶然、MOOSIC LABの上映作品の枠が1つ空いた時に、前作の『1人のダンス』を流す話があったのですが、その空いた1枠に『追い風』を作りたいとすぐに返答しました。企画から3ヶ月くらいで完成までたどりつきましたね。
この話は内容的に、晴れ舞台に立てなかった人の話なので、MOOSIC LABは映画祭というお祭りだし、この映画をつくることでDEGを晴れ舞台に上げてやりたいという気持ちがありました。

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3. 親友DEGを主人公に選んだ理由

– 安楽監督作品を振り返ると、『弱者よ踊れ』や『1人のダンス』など、監督自身が主人公の作品イメージがありますが、ご自身以外を主人公に撮ったのは『追い風』が初めてですか?

安楽涼監督
友人と遊びで撮った映像は抜きにして、きちんと映画として撮ったものとしては初めてですね。他人の出来事で映画にしたいと思う機会が、僕には今まであまりなくて、ほとんどが、自分と相手の出来事なんです。『追い風』では、“僕が思ったDEG”というよりは、“僕が見たDEGの良いところ”を写したいと思ったんです。それがDEGを主演にしたかった理由です。

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4. 理解できなかったDEGの笑顔の理由

-「どんな時でも笑うDEGに対して、理解できずにいた」と作品紹介に書かれていましたが、理解できずにいたことについて詳しく教えてください。

安楽涼監督

映画『追い風』
これは自問自答になるところがあるんですが、僕も「なんで笑ってごまかしているんだろう…」って自分を嫌に思う時があって、その理由をなぜなのか、僕自身はずっと考え続けてきていたんです。笑ってごまかしたくないはずなのに、笑ってごまかして、それを何度も繰り返して、29年間生きてきて、そこで一番近くにいたDEGが、何とも思っていないようにみえていたんです。DEGは何でも笑って誤魔化して、「明日には寝たら忘れるから」って言うことがありました。それに対して僕は「そんなわけないだろう!」って29年間思っていました。
年を追うごとに、しがらみがうまれてきて、そう思う機会が増えてきました。それが自分では納得がいかなくて、どんどん積もりつもってきて、自分への疑問も増えて、DEGへの疑問も増えたんです。
「なんでDEGは、そんなに大丈夫なの?」って、「もっと悔しいと思うだろう?」って、そんな風に僕はDEGの笑顔が理解できなかったんです。

– 突き詰めてDEGさんを問いただしたことはなかったんですか?

安楽涼監督
問いただしたことはなかったですね。DEGとは仲は良かったんですけど、そこに関しては、お互いに違う部分だったので、あえて聞かなかったんだと思います。

– 相手の処世術的なものでもありますしね。DEGさんも、ただ笑っているだけではなくて、心の中では何か考えていることがあるのでしょうね。

安楽涼監督
僕の場合は笑ってごまかしながらも、反省というか顧みるのがDEGと異なるスタイルだと思っていました、映画にする時に、DEGの内面を描き出そうと強く思いましたね。

– 映画の中でも、様々な笑顔をDEGさんはみせていましたね。

安楽涼監督
DEGって、本当に笑いジワが染み付いているんです。まだ28歳なのに(笑)

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5. 映画作りの流れ。脚本の片山さん、主人公のDEGさんへの声がけについて

– 前作、『1人のダンス』と同じく、脚本に片山享さんの名前がありますが声がけや、主人公のDEGさんへの映画作りの相談などはどういった流れですすめていったのですか?

安楽涼監督
『追い風』に関しては、まず、DEGに映画にしたいということを伝えました。片山さんには、「僕、いま、こういう映画が撮りたいです」っていう話をして、「まずは一回、僕自身で脚本を書いてみます」と伝えました。なので、大元の流れは僕が作っています。こういうことがやりたいっていう枠組みは僕が作って、そこから先は片山さんに全てお願いして、そこに、僕がしたいことを抽象的な言葉で全て伝えていきました。それを形にするとともに、片山さん自身が思ったことも入れてくれて、脚本づくりは進んでいきました。

– 前作『1人のダンス』の時の脚本づくりとくらべて、違いはありますか?

安楽涼監督
『1人のダンス』の時にも、大元の枠組みは僕自身で書いたのですが、その内容に納得がいかなくて、初期段階から片山さんに「こういう話が撮りたい」っていう話の内容を伝えて、全部お任せしました。
『追い風』に関しては、僕が大元の枠組みを書いて、そこに片山さんが順序などを入れ替えて書き直してくれて、共同脚本という形になっています。

– 脚本が出来上がっていく中で、DEGさんに、「じゃぁ、撮ろう!」と、声がけをしたのはいつでしょうか?

安楽涼監督
脚本が出来上がって、これから「さぁ、撮るぞ!」となった段階で、やっとDEGに脚本を見せました。

– 脚本に関して、DEGさんの意見は入っているのでしょうか?

安楽涼監督
DEGの意見に関しては、脚本を書いている段階で、僕から聞き出しました。
普段僕らは、地元のコンビニ(ローソン)の前でコーヒーを飲むだけで酒を飲まないんですが、この時は久々に居酒屋に呼び出して聞き出しました。
会った瞬間に、「色々とあったことを聴くから長くなるし、掘り下げたところまで全部聞きたい」って伝えて、携帯を置いてボイスレコーダーアプリで録って、そこからこの映画は生まれました。ここで撮った音は片山さんとも共有しました。ここから得たものが数多く、映画に反映されています。自分が思うDEGと、本当のDEG自身とをきちんと織り混ぜてみたくて、こういった動きをしました。

– この居酒屋での出来事は、DEGさんにとってもターニングポイントかもしれませんね。

安楽涼監督
はい。なかなか聞いたことがない話ばかりで、それを映画にすることができました。

– 居酒屋でのDEGさんは、しゃべりづらいというか、抵抗する素振りはありませんでしたか?

安楽涼監督
いつも笑ってごまかすので、やはり掘り下げて聞くと誤魔化すんですけど、「いやいや、そういうことじゃなくてさぁ」って、「なぜ、どうしてそう思ったの?」という質問を繰り返して、掘り下げて行きました。

– 笑顔の裏にある真のDEGさんの姿をさらけださせるというか、裸にするような作業ですね。

安楽涼監督
DEGのことは、僕にも理解できないとはいえ、自分とも重なる部分があって、おそらく、僕が感じたものは、誰にでも気持ちが重なるだろうって思います。僕の周りではDEGが一番、笑って誤魔化す行為が誇張されている人間です。ただ、それが悪いことだとは思っていなくて、DEGの魅力だともずっと思っていました。だから、理解はできないけど、否定はしないで過ごしてきて、それを肯定したくなった出来事が、冒頭で話した結婚式だったんです。

– 長年積もり積もった恋心とか、そこから曲をつくったりとか、DEGさんの抱えているものは大きそうですね。

安楽涼監督
はい。DEGの抱えているものの大きさを感じ取ったんです。なんかすごいなぁと思って、それを撮りたいと思いました。DEGが背負っているものを感じました。今回、映画の中で背中のカットが多いんですけど、弟役のサトウヒロキと話している時もラストカットが背中だったり、重要なシーンでも背中を撮っています。DEGが笑って誤魔化していない部分が見えた時に、哀愁とも違う男の色気みたいなものを感じたんです。

映画『追い風』

映画『追い風』パンフレット

-「背中で語る」なんていう言葉もありますものね。DEGさんに惚れこんだ感じですね。

安楽涼監督
なんだかんだ言って、DEGとはずっとやってきたんですよね。
クサイ言い方をすると「一緒に人生変えようぜ」っていう感覚でずっといるので、僕がDEGの魅力を一番知っていると思うし、僕とじゃないとできないことがいっぱいあると思うし、僕自身もDEGとじゃないとできなことがいっぱいあるし、お互いにそれがあると思っています。

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6. 「すねかじりSTUDIO」とは

– 本作の製作・配給としてクレジットされている「すねかじりSTUDIO」も安楽監督とDEGさんで運営されているのでしょうか?

安楽涼監督
僕とDEGだけですね。別に会社というわけでもなく、二人でノリでやっている感じです。何か屋号が欲しくて、名前をつけているだけなんで(笑)
MVを撮る時に、ロゴをつけるときに使うイメージなんです。初めた当初は、MVを撮る時に“安楽涼”とは書かずに“すねかじりSTUDIO”だけを書いていました。映画をやることによって、映画の内容にもMVの話(映画『1人のダンス』)をつくるようになったから、どんどんリンクしてきて、今までMVを撮ってきた人たちも、僕が映画を撮っているっていうのはそんなに詳しくは知らなくて、「あぁ、安楽君、映画を撮っているんだね」ってなってきています。なので、「すねかじりSTUDIO=安楽涼」みたいに僕の中でもつながってきました。

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7. 俳優と監督について

– 俳優と映像作家とどちらもこなしていますが、どちらになりたい気持ちが先にありましたか?

安楽涼監督
それは俳優ですね。オーディションとかを受けても、全然、映画に出ることができなくて、上映もされないし、公開作が全くなかったので、もう自分で撮ってしまおうと思いました。「これで最後…」っていう気持ちではないですけど、それで無理だったら、もうしょうがないって思えると考えたんです。これでダメなら、僕自身の責任だよなって思って、一度、自分がやりたいっていう気持ちに賭けようと思いました。それでだめだったら、僕自身が本当に悪いし、そこは一回逃げずに向かってみようと思って、始めたのが監督ですね。

– 監督作品の1作目って、どんな作品なんでしょうか?

安楽涼監督
映画祭でしか上映されたことがないんですが、『幸せ屋』っていう作品があるんです。おそらく5年くらい前になると思います。内容的には、自分の話なので、今と似ているといえば似ているんですけど、当時やりたいことと、今やりたい表現は、やはりちょっと違っています。“安楽の初期作”というと、『弱者よ踊れ』なんですけど、それは2作目なんですよ。
『幸せ屋』っていう映画を撮って、結局何も自分の中で進まなかった…ってなって撮ったのが『弱者よ踊れ』なんですよね。『幸せ屋』のことなんて、初めて話しました(苦笑)

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8. 安楽監督作品と仲間・友人、スタイル

– 安楽監督ならではのご自身の映画作りのスタイルはどんなものだと考えられていますか?

安楽涼監督
僕は、割と脚本は他の方に書いてもらっているんですけど、「役者のこういう部分が見たい!」とか「僕はこうしたい!」っていうものがあって、『追い風』でのDEGとか映画作りのきっかけもそうなんですけど、感情って、その裏の部分がすごくあると思っているので、それを引き出したいというのがあります。演出っていう感覚が僕にはないんです。役者の裏・真の姿を引き出すっていうのが演出になるのかもしれませんが、僕には演出にこだわるっていう感覚が無いです。いかにその役者さんの素の根っこの部分を引き出せるかをずっと考えています。僕は役者さんと現場でずっと対話しているだけの感覚なんです。
「今、どう思った?」とか、「なんで、そう思うんですか?」とか。例えば、僕の中では理想があるから、ここでこうしてほしいっていうのを伝えて行って、それでも役者さんが持ってきてくれた時の気持ちが強かったら、それは僕は正解だって思えるようになってきて、僕がこの映画の中で、その役が必要な気持ちって現場でしかわからなくて、超・現場主義な気がします。僕は台本を現場でガンガン変えますし、セリフも流れも変えますし、現場で生まれたものを完全に掴む感覚です。基本的に、テイクはあまり重ねないスタイルですね。リハーサルはするけど、色々と重ねて、その後で、役者同士が会話をするわけだから、そこで生まれたものを僕は一回で撮るっていう感覚でいつもいます。もちろん、重ねるときは重ねますけど。

– 元々が俳優志望だったことが影響しているのかもしれませんね。俳優同士ならではのお互いが高めあうミックスアップ的なものがあるのではないでしょうか。

安楽涼監督
元々が俳優志望である点は影響しているとは思いますね。脚本はすごい大事だと思いますし、そこに書かれた台詞通りに言えればベストかもしれないんですけど、もし理解できないなら、言葉として発しているわけだから、埋め合わせないと生きた人間にならないと思っているので、もちろん台詞通りにもっていく方向で演じて、持っていくんですけど、でも結局は話し合いの中で、役者さんがそうしたいっていう気持ちを強く僕が感じられたら、そちらを優先します。いつも、そういう作り方かな。今回も特にそうだと思います。

– 身近な話を映画にするっていうスタイルですが、ドキュメンタリーにはしないというこだわりはありますか?

安楽涼監督
こだわりはありますね。大体、僕の出来事を撮っているので、そのまま撮っても何も変わらないんです。僕の人生が変わらないですよね。例えば今回だとドキュメンタリーではDEGの人生は変わらないと思うんですよ。一歩先に行かないと思うんですね。映画を作ることで、なにか現実と虚構みたいなものが、今回の映画のタイトルの通りに、DEGの追い風にならないと…。DEGが最高の姿を見せてくれた出来事が元にはなっていますが、さらにその映画を作ることで、それが追い風にならないといけないと思っています。だから作ることに意義を感じています。だからフィクションじゃないとダメなんです。
ドキュメンタリーには今のところ、興味が全くないわけではありませんが、今はフィクションに興味があります。だから、(劇中に出てくる少年)ごめんとかも、僕の中では虚構の部分だと思いますね。

映画『追い風』

– 安楽監督自身が気づいたことを映画を作ることによって、DEGさん自身への気づきにして、本人の成長につなげていく感じですね。

安楽涼監督
その時に感動していますが、それで満足してはダメだと思うんです。その出来事を映画にすることで、さらに一歩先に行かないと、それを見せないと意味がないと思っています。

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9. 出演者とのつながり・ひろがり

– 今回、出演者の数がとても多いですね。どのように声がけをしたのでしょうか。

安楽涼監督
元々誘っていた方が出演できなくなって、頼んだ方々もいますが、だいたいが直接連絡しました。僕が知り合いではないキャスティングって、“ごめん”の少年と、山本奈衣瑠という女の子だけで、あとはみんな何かしらの繋がりがあって、みんなが直接声をかけて、「この人がいい!」って、サッと思いついて、サッと声をかけました。サトウヒロキさんだけがオーディションですね。

– それぞれの役に、ぴったりな方が出演されていて、交友関係が広いなと思いました。

安楽涼監督
映画を撮っていくたびに、仲間が増えていく感じになっていて、そこが楽しいですね。
映画をやっていなかったら、こんなに交友の広がりとかはなかったと思います。普段、西葛西以外には出ないですしね。今日は映画の上映があるので、吉祥寺まで来ていますけど。映画の上映が無ければ、今日一日、ずっと家にいましたね。映画を作らないと友達が増えないですね。役者の現場も最近は呼ばれないんです。映画を作っているせいかわかりませんけど。

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10. 劇場にいらっしゃる方々へのメッセージ

– 劇場にいらっしゃる方々へのメッセージをお願いします。

安楽涼監督
最近はオンラインの先行配信などが行われていますが、僕は映画を作っていく中で、先行配信は一切やらないと決めています。
コロナ禍によって、劇場での上映と配信との共存という文化自体は間違いではないと思いますが、それに抗う人がいないと絶対にいけないと考えています。そうしないと、今は便利な時代だから、配信への流れが強くなってしまうのが確かだと思うんですよ。その流れは絶対に食い止めないといけないと僕は思うんです。
一回、劇場での興行があってからは配信をするかもしれません。ただ、なにがあるかはわかりませんが、興行に関しては絶対に公開したくて。それって、多分、劇場でしか感じられないものが絶対にあって、家で一人で映画を観るってことは、一人の時間で観ることができるかもしれません。
映画館って、なんらかの他者と観るわけで、劇場という空間で、みんな各々の思いを持って映画を観ているわけですよ。それってすごく大事なことだと思っています。全員がスクリーンを見上げて観ていて、その想いをみんなで共有し合えているんです。
僕が劇場公開をした時に、それってすごいことだなっていうのを実感していて、劇場で観ることによって、生まれた会話もあるし、生まれた気持ちもあります。「一生忘れられない出来事になった」って言ってくれた人もいるし、多分、これは配信では絶対に生まれなかったことだと僕は思っています。
なので、なんでもかんでも配信という流れは食い止めないとダメだと思っています。コロナ禍の真っただ中なので、もちろん万全の体制で臨みます。毎日検温もしますし、具合が悪かったら絶対に劇場には来ないように僕はします。来られない人はしょうがないけど、来られる人は絶対に来て欲しいってずっと思って、宣伝を続けています。
『追い風』は、本当に劇場で観て欲しくて、僕じゃなく、DEGに出会ってほしいんです。
DEGのこれからを思って作った映画なので、DEGに会うことによって、映画を観た後のこれからに繋がると思うので、それこそ、映画を観た後の気持ちを共有できる場だと思います。
だから僕は絶対に劇場公開にこだわっています。多分、いろいろな考えがあって、その考えのひとつでしかないのは自分でも分かっているんで。ただ、僕は僕でそう思っているから、その気持ちを強く持ち続けようとおもってこだわりたいと思っています。新作がなくなったら、劇場は終わりだと思うので。

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[聞き手・写真:Ichigen Kaneda]

映画『追い風』

【概要】
ミュージシャンの出倉は誰にでもどんなことがあっても笑う。誰も傷つけたくない、だから笑う。そうやって自分自身を傷つけてきた。年齢は 28 歳、身の回りの人はそれなりに幸せを掴みかけている。人に合わせ愛想笑いをする出倉はアーティストとしては評価されずにいた。そんな折、友人の結婚式の知らせが届く。そして、その式には、ずっと好きだったひかりが来るとの事だった…。昨年、劇場デビューを果たした『1 人のダンス』安楽涼監督の長編二作目。幼なじみのラッパーDEG が本人役で主演。
“MOOSIC LAB 2019 長編部門 最優秀男優賞・ミュージシャン賞(DEG)男優賞(サトウヒロキ)”

【キャスト、スタッフ】
出演: DEG 安楽涼 片山享 柴田彪真 関口アナン サトウヒロキ 大友律 大須みづほ ユミコテラダンス 柳谷一成 アベラヒデノブ 吉田芽吹 山本奈衣瑠 髙木直子 宮寺貴也 マックス 大森勇一 佐藤考哲 杉山葉 安楽楓 守山龍之 介 藤原夢美 藤田義雄 木村昴 RYUICH
監督:安楽涼
音楽:DEG
脚本:片山享 安楽涼
プロデューサー:山田雅也 撮影:深谷祐次 録音:坂元就 鈴木一貴 新井希望 助監督:太田達成 小林望 登り山智志 ヘアメイク:福田純子 ウェディングドレス制作:磯崎亜矢子
スチール:片山享 ハルプードル 装飾:JUN 題字:広部志行 宣伝協力:髭野 純 特別協賛:黒川和則
企画:直井卓俊
製作・配給:すねかじり STUDIO
(2020 年/日本/カラー/アメリカンビスタ/71 分/ステレオ/DCP)
映画『追い風』公式サイト: https://www.oikaze-film.com/
映画『追い風』公式Twitter: https://twitter.com/oikaze_cinema

予告編

8 月 7 日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

※各日舞台挨拶登壇者(予定)※詳細はアップリンク吉祥寺サイト(LINK)まで
8月7日(金)20:25の回 登壇者:DEG 安楽涼監督 片山享
8月8日(土)20:30の回 登壇者:DEG 大須みづほ 安楽涼監督
8月9日(日)20:30の回 登壇者:DEG 関口アナン 片山享
8月10日(月) 20:20の回 登壇者:DEG 大須みづほ 杉田協士(映画監督)
8月11日 (火)20:20の回 登壇者:DEG サトウヒロキ 柳谷一成
8月12日(水) 20:20の回 登壇者:DEG 安楽涼監督
8月13日(木)20:20の回 登壇者:DEG 大須みづほ 柳谷一成

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