「なら国際映画祭2020」開催決定。ユースプロジェクト企画を映画業界のプロフェッショナルが講師として牽引
「なら国際映画祭2020」が、9月18日(金)から22日(火)まで開催されることが決定。合わせて3本のユースプロジェクト企画が組まれており、映画業界で活躍するプロフェッショナルが講師として参加する。
本映画祭は、国際コンペ、学生コンペ、ユースプログラムを核とした、人材育成を柱としており、その中でも次世代を担う世代に、世界と繋がる機会を提供したいとし、映画への入口的な体験として13歳から18歳の学生を対象としたユースプロジェクトを3本企画している。
その一つシネマインターンに関しては、本映画祭としては初めての試みとしてスタートしている。
ユースプロジェクトには、その主旨に賛同した業界で活躍するプロフェッショナルが講師として参加する。
ユース映画制作ワークショップには、国内外の映画祭で受賞歴もある中川龍太郎監督。
そして、シネマインターンには、配給会社を運営している増田英明氏と、映画ポスターのデザインで活躍している三堀大介氏。
さらに世界的にも著名な写真家である、レスリー・キー氏が、この企画に強く賛同し奈良まで出かけ、子供たちを撮影した。
各方面のプロフェッショナルからの直接指導を受けられる魅力あふれるプログラムが組まれている。
1.ユースシネマインターン
「映画を見せること、伝えること、届けること」を体験できるプログラム。
若い世代が、彼らの感性で映画を観客に届けることを通して、他人に伝える難しさと喜びを感じ、チームで協力しいつもとは違った視点で物事を捉え、自ら考え、行動することで想いを形にし、共有できるようになることを目的としている。
応募した15歳~18歳の子供たちは、9月のなら国際映画祭で上映する映画1作品について、情報を世の中へ広めていき、お客様の来場へいかにつなげるかを試行錯誤しながら学ぼうとしている。
映画配給会社ラビットハウス代表の増田英明がインストラクターとして子供たちの自主性を尊重し見守るように寄り添う。
去る6月20日(土)7月5日(日)、それぞれ2時間以上かけてのZOOMミーティングを終え、上映作品と、その宣伝の方向性、役割分担などが話し合われている。
そして、7月20日に行なわれた第1回目は、講師から映画配給業務の全般、ポスター、タイトル名についての多面的な考察、そしてマーケティングの入り口でもある消費者行動についてや、ピーター・ドラッカーのエピソードにまで話が及んだ。
2回目以降は、概論を受けて、自分達で試行錯誤をしながら宣伝の準備が始まった。具体的には奈良向けにカスタマイズしたチラシを作った方が良いのではないかという提案もあり、そのためにはどういう要素が必要で、そもそも変更手続きは出来るのかについて交渉段階へと進もうとしている。
また、メディアへのアタック、ゲスト招聘についても子供たちだけで話し合われている。今後、9月の上映に向けて、より実践的なアクションへとステップアップしていくという。
2.ユース映画制作ワークショップ
『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』の中川龍太郎監督を講師に招き、中高生が奈良の町を舞台に構想、脚本、出演、撮影、編集、上映、舞台挨拶、映画が生まれるまでの全ての過程を体験する映画制作ワークショップを8月より実施し、完成した作品は「なら国際映画祭2020」で上映される。
今年はオンラインでの新たな取り組みも取り入れつつ、今だからできる映画制作を実施する。
8月16日(日)より8月23日(日)の日程で、開催予定。
3.ユース映画審査員
パートナーシップを結ぶ「ベルリン国際映画祭」が推薦する長編映画5作品、 「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」が推薦する短編映画5作品を、13歳から18歳の参加者が、国際コンペ、学生コンペの審査員を務める世界を代表する映画人と並び、なら国際映画祭の審査員として審査を行う。
作品に真摯に向き合い、一つの作品を選ぶ責任の重さと、評価する喜びを体験する。クロージングセレモニーでは、ユース審査員による総評と最優秀作品の発表が行われる。
≪ユースプロジェクト 講師プロフィール≫
●中川龍太郎
映画監督、脚本家。
1990年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
在学中に監督を務めた『愛の小さな歴史』(15)で東京国際映画祭スプラッシュ部門にノミネート。『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(16)も同部門にて上映され、2年連続入選を最年少で果たす。
フランスの一流映画誌カイエ・デュ・シネマからその鋭い感性を絶賛される。
『四月の永い夢』(18)は世界4大映画祭のひとつ、モスクワ国際映画祭コンペティション部門に選出され、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰をダブル受賞。
『わたしは光をにぎっている』(19)がモスクワ国際映画祭に特別招待されワールドプレミア上映を果たす。
最新作『静かな雨』(20)が釜山国際映画祭にてキム・ジソク賞にノミネートされ、東京フィルメックスにて観客賞を受賞。
詩人としても活動し、やなせたかし主催「詩とファンタジー」年間優秀賞を最年少で受賞(10)。
●増田 英明(ラビットハウス)
岐阜市出身。ギャガ、アスキー映画、20世紀FOX映画、マイシアターで映画配給、製作を経験し、2015年 株式会社エレファントハウス代表取締役就任。
「あん」「淵に立つ」「寝ても覚めても」と製作に参加した作品全てがカンヌ国際映画祭のコンペ部門で上映される。
また「真白の恋」(プロデューサー)は2016年の なら国際映画祭の観客賞を受賞した。
2019年「愛がなんだ」の配給宣伝を成功させ、2020年3月より株式会社ラビットハウスを始動させる。
設立早々に配給作品「本気のしるし」が2020カンヌオフィシャルセレクションに選出された。
●三堀 大介(SIREN Inc.)
グラフィックデザイナー。
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、株式会社パルコプロモーション(現パルコスペースシステムズ)デザイン部に入社。パルコのディスプレイ、エキシビジョンなどのデザイン・ディレクターを経てフリーランスとして独立。2013年、デザイン事務所SIREN Inc.設立。ドラマチックな世界観を一枚のグラフィック空間に封じ込めた「絵(ビジュアル)で語るデザイン」を志向。映画・演劇・ドラマ・音楽・アート・スポーツなどエンターテイメント全般を中心にジャンル問わず展開。オリジナルキーアートのアートディレクション・デザイン・合成加工から、ロゴ作成、エディトリアル、各種ツール開発など。2015年よりNETFLIX社と提携、配信業界最先端の技術仕様にも準拠。
●レスリー・キー
シンガポール出身の写真家。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。浜崎あゆみやレディー・ガガ、松任谷由実、安室奈美恵など多数の芸能人を撮影したことなどで知られる写真家で、アート、ファッション、ドキュメンタリー、広告、CDジャケット、PV映像監督などの撮影を中心に日本・ニューヨーク・アジア圏で活躍している。
<なら国際映画祭とは>
奈良の平城遷都1300年目となる2010年、映画作家の河瀬直美をエグゼクティブディレクターに迎え始まった「なら国際映画祭」。2年に1回開催される映画祭の企画運営の他、国内外の若手監督と奈良を舞台とした映画制作や、こども・海外学生とのワークショップ、奈良市内を移動する映画館「ならシネマテーク」など、映画の魅力を伝える数々のプロジェクトを実施しています。2020年9月18~22日に第6回なら国際映画祭を開催。
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