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アルプススタンドのはしの方

【囲み会見レポ】今の仕方がない状況だからこその意味を持ち輝く映画『アルプススタンドのはしの方』

7月4日、映画『アルプススタンドのはしの方』の先行上映が行われた。また、本作の舞台版が上演されていた浅草九劇にて囲み会見も行われ、小野莉奈、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、平井亜門、城定監督らが登壇した。(動画&フォトギャラリー)

本作は兵庫県立東播磨高校演劇部が上演し、第63回全国高等学校演劇大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞、今も全国の高校でリメイクされ続けている名作戯曲が原作。
昨年浅草九劇でリメイク上演され、同年度内に上演された演劇から選出される”浅草ニューフェイス賞”受賞。
映画版では舞台版から引き続き、小野莉奈、西本まりん、中村守里が出演。平井亜門、黒木ひかりは映画版からの参加となった。
メガホンを取ったのは城定秀夫監督で、脚本は九劇での演出を手がけた奥村徹也が担当している。

高校野球の応援に来た、冴えない高校生たち4人が、アルプススタンドの隅っこで繰り広げる会話劇。演劇部の女子高生2人は、インフルエンザ罹患のせいで大会に出られず、「しょうがない」といろんなことを諦めがちとなっていたが、物語が進む中で、それぞれの想いが交差し、先の読めない試合展開と共にいつしか熱を帯びていく。
それは、図らずとも今のコロナ禍にも通じるものになったと城定監督は語る。不可抗力で諦めざるを得ないことが多くなっている今だからこそ、この映画を見ることでなんらかの意味を見いだせるかもしれない。

アルプススタンドのはしの方

囲み会見レポート

アルプススタンドのはしの方

■自身の役紹介

小野莉奈(安田あすは・演劇部)
田宮がインフルエンザになって頑張ってた演劇の大会に出られなくなって、それ以来“しょうがない”って、どこかで折り合いをつけている女の子。
でも友だち思いで、面白い子です。

小野莉奈

小野莉奈

西本まりん(田宮ひかる・演劇部)
あすはが“しょうがない”って何事も諦めがちなのを受け入れようとするんですけど、やっぱり諦められなくて、でもそれを伝えることができないという、ちょっと複雑な感情を持っている子です。

西本まりん

西本まりん

中村守里(宮下恵・帰宅部)
すごく成績が優秀で、でもみんなの輪に入らず一人黙々とやる子。野球部のエースの子を好きになってしまって、でもなかなか一歩を踏み出せない女の子。
そんな中野球の応援に行って、最後は仲間たちと一緒に応援するようになるという成長の姿があります。

中村守里

中村守里

黒木ひかり(久住智香・吹奏楽部/部長)
吹奏楽部部長で頭の良い子です。でも自分なりに努力していて、芯は強いけど、人には優しく生きている女の子です。

黒木ひかり

黒木ひかり

平井亜門(藤野富士夫・元野球部)
野球部だったんですが、自分の才能の伸び代の限界に気づいてしまって部活を辞めます。
でも未練もあって、野球を頑張っている友だちの姿を球場に見に行くという男の子です。

平井亜門

平井亜門

目次立樹(厚木修平・英語教師)
熱血教師です。恐らくモデルは松岡修造さんだと思います(笑)

目次立樹

目次立樹

■高校野球大会がまさかの中止の中での映画公開

城定秀夫監督
撮影は昨年の秋だったんですが、その時は世の中がこんなこと(コロナ禍)になるとはまったく想像していませんでした。
この作品も一度公開延期になりましたが、今回公開できることになったことで、さらに意味を持つことにもなりました。本作でもインフルエンザで諦めてしまった登場人物が登場しますし。
これは当初思っていたこととは違う意味づけとなりましたが、本作をご覧になった方が元気になってほしいと単純に思います。
そして来年以降、観客を入れた状態で高校野球ができるようになればいいなと願っています。

城定秀夫監督

城定秀夫監督

■舞台版と映画版との違い

中村守里(宮下恵・帰宅部)
いちばん大きな違いは、ひかりちゃん演じる久住智香が舞台だと登場しない人物だったので、実際にいるとより気持ちが出せました。

中村守里

中村守里

西本まりん(田宮ひかる・演劇部)
あすはとの関係性は、舞台だとけっこう差をつけないといけないと思っていました。それが映画になるとどうしてもやり過ぎ感が出ちゃいます。
監督にももうちょっと抑えてほしいって言われて、熱量の違いを調整するのがけっこう大変でした。一回一番高いところに設定してしまってるので、ナチュラルなテンションに持っていくように工夫しました。

西本まりん

西本まりん

小野莉奈(安田あすは・演劇部)
私も舞台では熱量が高くて、映画だとナチュラルにしていくっていうのでは同じです。
また、舞台では場所もテンポも変わらないですし、お客さんが観ている前で生のお芝居をしますが、映画だと実際に球場に行って、エキストラさんがいて、自分たち以外の応援する人がいて、太陽の光を浴びだりとか、よりリアルになって感じるものがあり、伝えるものがある。それが映画になった良さだなと思いました。

小野莉奈

小野莉奈

アルプススタンドのはしの方

小野莉奈/目次立樹/西本まりん

■映画から参加の二人はやりにくかった?

平井亜門(藤野富士夫・元野球部)
自分の出演が急遽決まったのもあり、最初はぶっちゃけすごいプレッシャーがありました。
なので、自分のシーンを撮影するぎりぎり前まで台本を読んで、とにかく必死に追いつこうと思ってました。
でも、藤野のひょうきんなキャラクターだったりとか、ちょっとふてくされたような性格とか、素の自分と近いところもあって、やりにくいなと思うことはそんなになかったです。意外とすんなりできました。

平井亜門

平井亜門

黒木ひかり(久住智香・吹奏楽部/部長)
久住智香のイメージに合うかどうかっていうのが、すごく不安でした。私は頭も良くないですし、トランペットもぜんぜん吹けなかったので。そして、舞台をされていた皆さんと馴染めるのかという不安もありました。
でも役柄がコメディタッチなのと、皆さんが楽屋でお話してくれたので、緊張がほぐれていきました。楽しかったです。トランペットを吹けてる風に見せるのも(笑)

黒木ひかり

黒木ひかり

■舞台版演出家は、映画版を見てどう感じたか。

奥村徹也(舞台版演出)
客席だけのシチュエーションコメディを映画化って、どうやるんだろうと最初はまったく想像がつきませんでした。
でも、百戦錬磨の城定秀夫監督がしっかりと1本の映画に仕上げていただいて、そこはほんとうに感動と驚きがありました。
そして映画ならではの迫力のあるカットもあり、舞台を観てくれていた人も改めて映画版も観てほしいなと感じました。

奥村徹也

奥村徹也(舞台版演出)

■自身の学生時代、冴えていた? or 冴えていなかった?

小野莉奈(安田あすは・演劇部)
いい思い出あります。冴えてました!
ダンスをやってて、スポーツの面でも頑張ってましたし、多くは無いんですけどすごく良い友だちがいて、環境に恵まれていました。
目標があって友だちがいて、好きな学校に通えて楽しい学生時代でした。もちろん、悲しいこともありましたけども(笑)

西本まりん(田宮ひかる・演劇部)
私は学校行事が大好きでした。文化祭だったり球技大会だったり。それに向けて練習したり、皆と団結したりするのが楽しくてしょうがないタイプで、積極的に参加していました。

中村守里(宮下恵・帰宅部)
私はまりんとは逆で、行事とかは苦手なタイプです(笑)
でも、今、高校2年生ですが、1年生の時に文化祭で皆で作ったフライドポテトがすごく美味しくて、それが楽しかったです(笑)
なので、冴えてます!

黒木ひかり(久住智香・吹奏楽部/部長)
私も行事が大好きで、動くことが大好きで体育の授業は率先してやってたんですけど、でも勉強がほんとに苦手でサボったりもしてました(笑)
運動会の朝練は積極的に参加して、練習では3位だったクラスが本番では1位を獲って嬉しくて大泣きした思い出があります。
そういう意味では、私も冴えてた方だと思います。

平井亜門(藤野富士夫・元野球部)
僕は全然冴えてなかったです。軽音楽部には入ってましたが名ばかりで、帰宅部みたいな感じでした。
学校からの帰り道にブックオフでマンガを読んで、家ではずっと自室にこもってるだけでした。キラキラした青春時代は送ってなかったと思います。もっといろんな人と触れ合いたかったですね。
今になってめちゃめちゃ後悔してます。なので、今こうやって映画に出て取り戻そうとしています(笑)

平井亜門

平井亜門

アルプススタンドのはしの方

中村守里/黒木ひかり

■本作の見どころ

小野莉奈(安田あすは・演劇部)
こういう状況で、諦めなくてはいけなくなってしまったことが出てくるような今だからこそ、あすはの気持ちに共感してもらえるんじゃないかなと私は感じています。
あと、亜門くんみたいに学生時代ちょっと後悔しちゃったとか、もうちょっと楽しんでおけばよかったとか、大人の方で自分の学生時代がどうだったかなって、この作品を見ることで青春を感じることができますし、楽しんでもらいたいと思います。

■動画レポート

動画は記事ではカットした部分を含む拡大版!

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[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『アルプススタンドのはしの方』

INTRODUCTION
本作は兵庫県立東播磨高校演劇部が上演し、第63回全国高等学校演劇大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞、今も全国の高校でリメイクされ続けている名作戯曲が原作だ。
高校野球の応援に来た、冴えない高校生たち4人が、アルプススタンドの隅っこで繰り広げる会話劇。「しょうがない」と最初から諦めていた彼女たちだったが、それぞれの想いが交差し、先の読めない試合展開と共にいつしか熱を帯びていく。
2019年、浅草九劇でリメイク上演され、同年度内に上演された演劇から選出される“浅草ニューフェイス賞”受賞。
好評を経て業界注目の名匠・城定秀夫監督により堂々の映画化となった。
脚本は九劇での演出を手がけた奥村徹也。
出演に小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、目次立樹ら注目の俳優たちが揃った。

STORY
高校野球・夏の甲子園、全国大会一回戦。
夢の舞台でスポットライトを浴びている選手たちを観客席の端っこで見つめる冴えない4人。
夢破れた演劇部員・安田と田宮、遅れてやってきた元野球部・藤野、帰宅部の成績優秀女子・宮下。
「しょうがない」と最初から諦めていた4人だったが、それぞれの想いが交差し、先の読めない試合展開と共にいつしか熱を帯びていき…。

出演:小野莉奈 平井亜門 西本まりん 中村守里 黒木ひかり 平井珠生 山川琉華 / 目次立樹
監督:城定秀夫|脚本:奥村徹也|原作:籔博晶・兵庫県立東播磨高校演劇部
主題歌:the peggies「青すぎる空」(EPICレコードジャパン)|演奏協力:シエロウインドシンフォニー
応援曲編曲:田尻政義|撮影:村橋佳伸|録音:飴田秀彦| サウンドデザイン:山本タカアキ
スタイリスト:小笠原吉恵|ヘアメイク:田中梨沙|制作プロダクション:レオーネ
製作:2020「アルプススタンドのはしの方」製作委員会
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS|宣伝協力:MAP
カラー/16:9/5.1ch/75分
公式サイト:https://alpsnohashi.com

7.24(金)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

アルプススタンドのはしの方

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