
安田章大の「全裸に前掛け」生活にのんも衝撃!? 映画『平行と垂直』舞台挨拶でまさかの自宅ルールを赤裸々告白!
映画『平行と垂直』公開記念舞台挨拶が2026年8月29日に新宿バルト9にて開催され、W主演の安田章大とのん、小林聖太郎監督が登壇。お互いの素顔を明かし合う爆笑トークのほか、安田が語る「普通」への深い想いなど、笑いと温かな感動に包まれた。
本作は、大阪・堺を舞台に、自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴(安田章大)と、彼を支えてきた妹・希(のん)の絆を描くヒューマンドラマ。
清掃員として几帳面に働く大貴と、カウンセラーとして兄に寄り添う希。 平穏な日常は希の結婚話を機に動き出し、二人は初めてお互いの存在や“これから”と向き合うことになる。
安田が企画から参加し、専門家の監修を経て約2年かけて練り上げられた物語は、特別な奇跡ではなく、日常にある小さな優しさや「味方であること」の尊さを静かに問いかける。
舞台挨拶【詳細】レポート
安田章大(大貴/だいき 役)
“幸せ”安田章大です。よろしくお願いいたします!(笑)
‐ 幸せいっぱいの安田さん、ありがとうございます。続いてのんさん、お願いいたします。
のん(希/のぞみ 役)
あ、えっと、“穏やか”のんです。よろしくお願いします!
‐ のんさんらしい、穏やかなご挨拶ありがとうございます。それでは小林監督、お願いいたします。
小林聖太郎監督
えっと、すいません……、“悲観論者”の小林です(苦笑)
‐ 幸せ”と“穏やか”のあとに、まさかの“悲観論者”というキラーワードが出ましたね(笑)。さて、いよいよ昨日(8月28日)から本作が全国で封切りとなりました。昨日・今日と、安田さんと監督はロケ地となった大阪なども回られて、映画を観終わったばかりのお客さんの顔を見て直接お話しされたと思いますが、本日を迎えられた今のお気持ちを教えてください。
安田章大
やっとこうして皆様に届けられるという、本当に幸せな気持ちでいっぱいです。まずは、本当にゼロからイチを一緒に作ってくれた原案・脚本の山野海さんに「感謝」ですね。言葉にするなら「山野海、感謝」というこの5文字に尽きます。
そして、一緒に作り上げてくれた監督がいなかったらこの作品はできなかったですし、各部署のスタッフの皆様の力がなければ、すべてが総合的に出来上がっていなかったと思います。そして、相棒であってくれたのんちゃん。周りを固めてくださったたくさんの役者の皆様にも心から感謝しています。
これからこの映画をいつまでも生き続けさせてくれるのは、観てくださる皆様だと思っていますので、この日を迎えられて本当に「幸せ章大(幸せ者)」だなと思います。本当に嬉しいです。
のん
本当に嬉しいですね。お越しいただきありがとうございます。これから観ていただくということで、すごくドキドキしているのですが、安田さんと山野さんで立ち上げた作品が、こうして素敵な物語として紡がれています。ぜひじっくりご覧いただきたいなと思います。
小林聖太郎監督
そうですね。3年ほど前からなんとなく構想を始めて、今年の3月に完成したのですが、「できたのになかなか観てもらえないな。まだかな、まだかな」と足止めを食らっているような気分でした。映画としては完成から公開まで割と早い方だとは思うのですが、それでもようやく今日、皆さんに観てもらえる段階になり、ちょっとホッとしています。
‐ 各地での舞台挨拶などを経て、何か印象的な反響や感想はありましたか?
安田章大
昨日から公開が始まっていますが、昨日の朝8時半からの第1回上映が終わった直後から、SNS等にたくさんの感想が上がっていったそうなんです。それを聖太郎監督やプロデューサーの佐藤(現)さんといったスタッフの皆様が、ずっと携帯と睨めっこするようにチェックしてくれていて。それを僕たちに「こんな感想があったよ」と分かりやすく教えてくれるので、1つ1つの反応が伝わってきて、ありがたいなと思いながら聞いていました。
小林聖太郎監督
僕は、そういう感想を読んだりするのが割と好きなんですよね。
安田章大
そう、いつも分かりやすく伝えてくれるんです。
‐ 監督はエゴサがお好きそうですね!観客の皆様もぜひこの後、プレッシャーに感じない程度に……
安田章大
そんな難しい言葉使わんでいいですよ!(笑)
‐ 安田さんは、主人公・大貴と向き合った2年間だったと思いますが、この期間を通してご自身の考え方や、日常の生活で何か変化した部分はありますか?
安田章大
より強固なものになった、と言ったらよろしいのですかね。「人はそれぞれ違い、それぞれの普通がある。その普通を否定せずに、しっかりと認めて肯定すること。そして時間を使って待つことで、手を取り合える瞬間が来る。もしダメだったらもう一度待つこと。ちゃんとそれぞれのペースがある」ということを、この期間を通して再度確認し直しました。
分かりやすく言うと、「発達障害」や「定型発達」という言葉がありますが、それは単に医学的に「診断されているか・されていないか」という分け方、見え方の違いに過ぎないなと。そういう違いはあるにしても、「人としてそれぞれが個性を持っていて、それぞれの光り方がある」というのは誰も変わらないものなんだなと、改めて強く思いました。
‐ 私たちはつい「普通」という言葉を使いがちですが、そこに対しても考えさせられますね。
安田章大
はい。僕も幼少期から「普通、普通」ってよく言われて育ってきて、「普通って何なんだろうな」っていつも思っていたんです。僕は10代の時からスカートを穿いていましたし、今もこうしてネイルをつけていたりしますけど、やっぱり人からパッと見たら「何でスカート穿いてるの?」「何でネイルしてるの?」って言われてきました。
でも、人にはそれぞれの「普通」がちゃんとある。そのそれぞれの普通に対して、「あ、そうなんですね」と上っ面だけの相槌で返すのではなく、ちゃんと相手に興味を持って、寄り添うことが本当にできるようになれたらいいなと思います。そうすれば、まず自分の周りが変わり、日本が変わり、アジア諸国が変わり……本当に夢物語のように聞こえるかもしれないけれど、誰かが変わっていかなければ世界は変わらないと思うんです。この映画をきっかけに、誰かが1つ1つ変わっていけたらなと思っています。
‐ のんさんは、希(のぞみ)としてこの物語を生きたことで、家族との距離感や、劇中でも描かれる「支えること・支えられること」について考えが変わったことはありますか?
のん
私も改めて、すごく家族のことを考えましたね。自分はこれまで家族に支えられているのが当たり前になっていたな、と気づいたんです。自分の活動を応援してもらったり、実家に帰れば当たり前のようにご飯を作ってくれたり……なんだか今までの自分が「亭主関白」なお父さんみたいだったなと(笑)。「ご飯まだ?」みたいな態度を取っていたな、と反省して、最近は態度を見直しました。前よりもすごく素直に「ありがとう」と感謝を伝えたり、「美味しい!」と口に出して言うようになりました。
安田章大
実家だとね、どうしても甘えが出てしまって、そういう素直な態度が出がちですよね(笑)
のん
そうなんです。美味しいとか、あんまり言葉にして言ってこなかったなと思って。亭主関白なお父さんみたいだった自分を改めて、最近はすごく感謝したり、家族の好きなものをリサーチしたりして、知っているようで実は知らない部分をもっと知ろうという気持ちがすごく芽生えました。
‐ 安田さんとのんさん、この兄妹の関係を演じるにあたって、お互いに刺激を受けたことや、心が動かされたエピソードはありましたか?
安田章大
もちろんお芝居なので、作られた演技ではあるのですが、根底に「信頼関係」がないと成り立たないと思うんです。お互いを信頼して、相手の演技によって心から動かされたものに、こちらもさらに心が動いていく。そういう生身の心の動きが、この映画の中にそのまま収まっているなと感じています。フィクションではありますが、自分の中では「ちゃんと心がリアルに動き合っている状態」で作り上げられていった感覚がとても強いですね。
‐ 確かに、映画の中で感じる感情は本当に生身のものだなと、観ていてすごく伝わってきました。のんさんはいかがですか?
のん
安田さんとの演技の時間は、本当に尊いものとして今も自分の中に残っています。安田さん演じる大貴の表情を見ているだけで、希としての感情が自然と溢れてくるような感覚だったので、本当に「もう一回最初から同じことを繰り返したい!」と思うくらい大好きな時間でした。そのくらい、お互いの気持ちが豊かに動いている瞬間が収まっていると思います。
‐ 兄妹を演じる上で、事前に「こうしよう、ああしよう」とお互い話し合ったりしたわけではないのですね。
安田章大
してないね。
のん
自然に。全くしてないです。
安田章大
すいません、面白みのある裏話じゃなくて(笑)。本当に何もしてないんです。
‐ いえ、それだけ自然に信頼関係のもとで作られていったのですね。
安田章大
そうですね。相手がこう動いてくれたから、自分も自然にこう返すという、人間の「動物的な反応」というか、直感的なコミュニケーションですね。人間はまだその感性を忘れ去っていないんだな、と撮影を通して感じました。
‐ お二人の自然な演技によって構築されたものが多かったと思いますが、監督はお二人の芝居を見て、演出を途中で変えたり、方向性を変えたりしたことはありますか?
小林聖太郎監督
僕は元々、役者さんに対して「一挙手一投足すべてをガチガチに支配したい」というタイプではないので。むしろ、「一番最初の観客」としてカメラの横で彼らのお芝居を真剣に見る、という気分で現場にいました。衣装合わせや脚本(ホン)を作る段階で、ある程度の下地づくりは終わっています。あとは役者の皆さんが脚本をしっかり自分の中に消化して現場に来てくださるので、それを見て「さあ、どうなるか」と見守る役でした。
‐ 原案・脚本の山野海さんは現場にいらっしゃって、何かお話しされたりしたのですか?
小林聖太郎監督
山野さんは、クランクアップの日だけ現場に来られました。「僕を信頼して任せてくださったんだな」と勝手に思うようにしています(笑)。本音は聞いていないですけどね。
安田章大
あ、それ僕、山野さん本人に聞いたんですよ! そしたら、「指揮(演出)は1人でいい。小林聖太郎さんにすべてを委ねたい。監督にそこを任せる必要があるから現場に行かなかった」とおっしゃっていました。
小林聖太郎監督
おお……そうだったんですね。ありがとうございます。
‐ 劇中の大貴はとても几帳面なこだわりを持っていますが、皆様の「人にはなかなか理解してもらえないかもしれないけれど、自分にはこんなこだわりがある!」というものを教えてください。安田さん、いかがですか?
安田章大
僕、言うたらまたなんか言われる気がするんですけど(笑)。最近「色々変わってるよね」って言われるんですよ。
こだわりというか……普通の話をしますね。あの、家では全裸で生活しています。
‐ 全裸ですか!(笑)
安田章大
はい(笑)。ただ、お料理をする時だけは、さすがに危ないので下半身には「前掛け(エプロン)」だけはつけるっていうこだわりがあります。
「上半身は大丈夫か?」って聞かれたら、「あとは体を鍛えてカバーしてる」って言うんですけどね(笑)
小林聖太郎監督
揚げ物とかする時も全裸に前掛けなの?
安田章大
揚げ物とかも、たまにやりますよ! でも、「熱っ!」ってなりながら、自分で「何でこんなことしてんねやろ?」ってセルフクエスチョン(ツッコミ)を突きつけながらやってます(笑)
‐ 劇中では正方形のきれいな卵焼きを自分で焼くシーンがありますが、普段もお家でそうされてるのですね。
小林聖太郎監督
劇中の卵焼きのシーンで、「全裸に前掛け」を想像するとすごい違う見方になってしまうので……(笑)。皆さん、そこは大貴として見てください!
安田章大
ちょっと一瞬その想像は忘れてください!(笑)
‐ 自宅で練習された時はそういう状態だった、ということですね(笑)。のんさんは何かこだわりはありますか?
のん
私は、カーテンにこだわっています。遮光カーテンを使っているのですが、5ヶ月くらい前までは、家で1日中カーテンを開けずに暗い部屋で過ごしていました。
でも最近、お家に観葉植物を導入したんです。そうしたら、どうしてもカーテンを開けざるを得なくなって……。
安田章大
完全に開けたくなさそうやな(笑)。
のん
そうなんですよ(笑)。しょうがない、あいつらのために開けてあげるか……という感じで。
安田章大
植物は光合成する必要があるからな(笑)
のん
はい(笑)。カーテンを開けるのがあまり好きではないので、地方のホテルに泊まるときも1日中ずっと開けないです。
‐ 家でそこまでカーテンを開けなかったのは、何か理由があるのですか?
のん
1人っきりの空間に閉じこもっているのが、すごく落ち着くんですよね。だから以前は、周りから「モグラ」って呼ばれていました。
安田章大
いきなり「モグラ」って呼ばれてたことを公開するの、びっくりするから!(笑)
のん
(笑)今は植物と共生しているので、ちょっとずつカーテンを開けるようにしています。
‐ 監督はいかがですか?
小林聖太郎監督
僕は大したこだわりはないんですが……横断歩道を渡るときに、1歩目は必ず右足から白いところを踏む、というしょうもないこだわりくらいですね。
‐ 毎回必ずですか?
小林聖太郎監督
多分そうです。渡る1歩目は絶対に右足で白いところ。
安田章大
え、それって歩幅を合わせるために、横断歩道の手前の段階から逆算して歩いているんですか?
小林聖太郎監督
そうそう。歩数が合わないと、手前でちょっと調整して、走り幅跳びの助走みたいになってます(笑)
‐ 安田さんは、今回の舞台挨拶などで一緒に移動していて、監督のその挙動に気づいていましたか?
安田章大
いや、見てはいましたけど、横断歩道は一緒に歩いてないですからね。意外と車移動が多くて歩かないんですよ(笑)
‐ 撮影を通して、お互いに「ここには敵わないな」「すごいな」と感じた部分を教えてください。まずは安田さんからお願いします。
安田章大
敵わないなと思うところですか……。それこそ、さっきののんちゃんの「モグラ」発言のような、突発的に出てくる言葉のセンスや面白さですね(笑)。いきなりポンとキラーワードが出てくるのが敵わないなと思います。
あと監督に関しては、一番最初の挨拶の自己紹介で「悲観論者」っておっしゃいましたよね(笑)。普通、舞台挨拶の最初に「悲観論者です」なんて言わないじゃないですか。そういう、お二人の突発的な面白ワードの引き出しには敵わないなと思います。僕は頭に「幸せ」しか付けられませんでしたから(笑)
‐ でも、そのおかげでお二人のボケに対して、安田さんの見事なツッコミが見られるので、すごく良いバランスだなと思っていました。
安田章大
いや、ツッコミたくて突っ込んでいるわけじゃないんですけどね、勝手に体が動いちゃうんです(笑)
のん
安田さんの敵わないところは、本当にたくさんあります。敵わないと思うこと自体がおこがましいくらいです。現場でもスタッフやキャスト全員と積極的にコミュニケーションを取って、現場の士気を上げてくださって。自分には足りない部分だなと思って、日々尊敬の眼差しで見ていました。あと、プロモーションの宣伝活動中も、安田さんの言葉を聞いていると本当に素晴らしい方だなと思って……。
安田章大
何も(お礼は)出てこえへんからね!(笑)
のん
いやいや、真実なので!(笑) 本当に、以前も安田さんにお話ししたことがあるんですけど、物事の辛辣な部分も、美しい部分も、どちらもフラットに一度すべて受け止めて、それを考えてから自分の言葉にされる方なんです。それってなかなか誰にでもできることではないと思うので、本当に敵わないなと思います。
あと監督は、最初に映画の打ち合わせをした時に、今回の参考資料をすべて出してくださったんです。その資料の量が、本や映像作品のタイトルも含めてものすごい膨大な量で。「これを全部網羅するのは大変だな」と思うくらい、深い知識と準備を持って映画に挑まれていたので、本当に敵わないなと感じました。
小林聖太郎監督
のんさんはね、すごく「山猫感」があるというか、瞬発力がすごいんです。さっきヤスさんが言ったような突発的な面白さや、ちょっとブラックだけどクスッと笑えるパンチがシュッと光る。それを見ていてとても楽しいですね。
ヤスさんに関してはね、本当に「今までに出会ったことがないタイプの人」なんです。何回かお話ししているんですけど、初対面で喋ってから4時間後くらいには、いつの間にか「私はこういう人間です」という内面の告白をさせられてしまっていて(笑)。一歩間違えると、すごい危ない人(勧誘など)になるんじゃないかというくらい、人の心をほぐして懐に入るのが上手い。いつの間にか「分かりました、契約します」って言わされてしまいそうな(笑)。
僕はちょっと人との距離の取り方が難しくて、人見知りなところがあるんです。のんさんも多分、あんまりパーソナルスペースにすぐには人を入れないタイプですよね?
のん
そうですね。
小林聖太郎監督
そうですよね。なのに、ヤスさんはいつの間にか、もうこの辺(すぐ隣)にいるんです。普通なら「ちょっと近寄らないで」って言いたくなるはずなのに、なぜか全然嫌じゃない。
いつの間にか隣にいて、「あ、そうやね」って自然に話し合っている。その不思議な人懐っこさは本当に敵わないなと思います。
‐ これから映画を観る皆様に向けて、ネタバレにならない範囲で、監督のこだわりの演出や、ここをポイントとして見ると楽しめるというポイントを教えてください。
安田章大
難しいですね……ネタバレなしで楽しめるポイントか…
個人的にすごくこだわっているなと感じたところで言うと、劇中の兄妹の描き方ですね。人生において、兄弟と言えど色々な交わり方があるし、ハレーション(衝突)が起きる時もあれば、お互いにぶつかり合える瞬間もあると思うんです。それが人間関係だと思うんですけど、そういう、なんだかお互いの感情が弾けてしまいそうな瞬間や、耐えている時の緊張感、そしてそこから感情が弾けていくまでの流れを、過度に誇張しすぎず、丁寧に、滑らかに、シームレスに繋げていっている感じがします。
台本に書かれているそういった繊細な流れを、監督はすごくこだわって具現化されたんじゃないかなと思いますし、演じていてそこを強く感じました。
シーンごとに日が変わっていたり、時系列が変わっていたりするのですが、観終わったあとに「ああ、だからあのシーンがこう繋がっていたんだ」と滑らかに納得できる。今の言葉を頭の片隅に置いて観ていただくと、「なるほど」と楽しんでもらえると思います。のんちゃんはどうですか?
のん
そうですね。家族と対面するシーンなどは、監督がすごく丁寧に演出されていたなと感じますし、あとは、なんと言っても「大阪弁(関西弁)」へのこだわりですね。
私は兵庫県出身なのですが、大阪の堺の言葉とはイントネーションやニュアンスが違う部分が割とあるんです。
小林聖太郎監督
近い言葉だからこそ、一番ややこしいんですよね。
のん
そうなんです。その中で、撮影中にご迷惑をおかけしてしまって……。
小林聖太郎監督
言葉はキャラクターのリアリティに関わる大事なところなので、本当に申し訳ないなと思いつつ、やっぱり厳しく指導しないとなと、引き裂かれる思いで「ごめん、でも今のちょっと違ったな」と調整していました(笑)
‐ 引き裂かれる思い(笑)。でも、そのこだわりの関西弁のやり取りも、ぜひ注目して聴いていただきたいですね。
クロージングメッセージ
小林聖太郎監督
世の中、どうしても「(経済的に)役に立つか、役に立たないか」という基準で、人間の存在価値が測られることが多い気がしていて、僕はここ10年くらいずっとそれが気になっていました。そんな時にこの脚本をいただき、自分の問題意識と非常にフィットしたので、「表現するのは恐ろしいけれど、ぜひやってみたい」とメガホンを取りました。「ただ、そこにいるだけ」ということが許されるような世の中になれば、もっとみんな豊かになれるのではないかと思っています。
映画を観た結果、「自分はそうは思わないな」と思われるかもしれませんが、もし「なるほどな」と共感していただけたら、周りの方に「面白かったよ」と広めていただけると嬉しいです。本日はよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
のん
安田さんと山野さんが立ち上げ、皆で大切に、丁寧に作り上げてきたこの作品に参加させていただけて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
大貴と希の物語が皆様の心に残ることで、皆様のこれからが少しでも豊かになっていったらいいなと思っています。ぜひじっくりとご覧ください。本日はありがとうございました。
安田章大
世の中には、寛容な対話や態度もあれば、辛辣な対話や態度もあり、時には無視をしてしまうというようなこともあると思います。言葉にしないこと。本当に色々な態度や関係性がはびこっています。でもそれって、僕たちが毎日「一生懸命生きているからこそ」、したくなくても起きてしまうことだと思うんです。そのたびに、自分で「もうちょっとこうしてあげられたら良かったのに」と反省したり、落ち込んだり、あるいは自分を励ましたりしながら生きているんだと思います。
ということは、皆様1人1人が、常々心の内側でそういった葛藤や想いがうごめいていることを理解していれば、人と人との距離はもっと近くなるでしょうし、寄り添っていいタイミングが来た時に、すっと近寄ることができると思うんですね。そうやって1人1人が変わることで日本が変わり、少しずつ世界が変わっていく。
そして、それぞれが思っている「普通」は人によって違います。だからこそ、相手の「普通」を否定せず、ちゃんと受け止めてあげてほしいと思います。
何より、「自分は1人ぼっちじゃない」ということだけは心に留めておいてください。昔は横の繋がりがあって、近所の子たちもみんな家族のように、地域で子供を守ろうという温かさがありました。それは良いことだったと思います。今は時代が変わり、少し変わった人がいれば、生きづらい世の中になってしまうこともあります。だからこそ、1つ1つ相手を理解していけば、良い方向に変わっていくことだってできると信じています。そのためには、「1人じゃない」ということ、そして「少なくとも味方はいる」ということを肝に銘じてください。そして、みんなそれぞれ違っていていいということも、よく心に留めてほしいです。
僕たちがこの映画を通じて、1つ1つ世界を変えていければと思っています。ぜひ、この作品を皆様の手で育ててください。これからも映画『平行と垂直』をよろしくお願いいたします。ありがとうございました!
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[写真・記事:三平准太郎]
映画『平行と垂直』
《INTRODUCTION》
安田章大が、劇団ふくふくやを主宰し女優としても活躍する山野海のオリジナル脚本に感銘を受けて、旧知の佐藤現プロデューサーに「これを映画化できないだろうか?」と持ち込んだことから企画が始動。
そこに企画に共鳴した小林聖太郎監督も加わり、自閉スペクトラム症(ASD)の専門家の方々に監修を仰ぎながら約2年をかけて脚本を練り、企画の実現にこぎつけた。
また安田はASDの役を演じるにあたり、幾度となく専門家のレクチャーを受け、ASDなどの特性をもつ方々が通う教育機関を訪れて生徒の方々と交流を持つなどして理解を深め、真摯に役作りに向き合った。
一方、カウンセラーとして働きながら兄を支える妹・希役を演じるのんも、本作の脚本に感銘を受けて、希役のオファーを快諾。実際に障がいのあるきょうだいを持つカウンセラーの方々から話を聞く機会を持つなど、こちらも誠実に役作りに取り組んだ。
さらに本作の舞台となった大阪府堺市出身で、これまで最年少受賞を含む3度の日本アカデミー賞音楽賞優秀賞に輝いた気鋭の作曲家・富貴晴美が音楽を手掛け、ぬくもりある音色で物語を彩る。
そして中江裕司、行定勲、井筒和幸、森崎東、根岸吉太郎など、多くの監督のもとで経験を積み、監督デビュー作『かぞくのひけつ』で第47回日本映画監督協会新人賞、新藤兼人賞を受賞し、『毎日かあさん』、『マエストロ!』など心あたたまる作品を生み続ける小林聖太郎が、地元・大阪を舞台に、兄と妹の感動の絆の物語を完成させた。
《STORY》
⾃閉スペクトラム症の⼤貴と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希。兄妹は幼い頃に⺟親を亡くし、ネグレクト気味の父親から距離を置き、二人で懸命に⽣きてきた。
⼤貴はほとんど会話をせず表情もあまり変わらないように見える。グループホームから自立を目指して、一人暮らしを始めた大貴は独⾃の規則を持っている。全てを平⾏と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強く、机に並ぶ⾷器も丁寧に揃える。週に一度の希との⾷事の時間は決まって19:00。1分でも過ぎると落ち着かなくなる。
カウンセラーの仕事をしている希は恋⼈からプロポーズを受け、⼀抹の不安を抱えながら兄と共に、婚約者の両親に会いに東京へ⾏くことに・・・。
- メインカット
- 場面写真1
- 場面写真2
- 場面写真3
W主演:安田章大 のん
出演:伊島空 高山トモヒロ 谷村美月 福田転球 芦川誠 早織 久保田磨希
河野咲良 髙田幸季 武藤凪 /神野三鈴 菅原大吉
監督:小林聖太郎
原案・脚本:山野海
音楽:富貴晴美
企画:安田章大
企画プロデュース:佐藤現
プロデューサー:樫﨑秀明 竹下新悟
撮影:大塚亮 照明:藤井勇 美術:須坂文昭 録音:西條博介 スクリプター:川野恵美
編集:宮島竜治
スタイリスト:山﨑忍 ヘアメイク:山井優
助監督:木川学 製作担当:土田守洋 キャスティングプロデューサー:伊藤尚哉
宣伝プロデューサー:丸山杏子
ASD監修:辻井正次 伊庭葉子 浮貝明典
製作:「平行と垂直」製作委員会(東映ビデオ、アスミック・エース、メディアプルポ、中京テレビ、テレビ大阪、ストームレーベルズ、ローソン、東映シーエム)
制作プロダクション:セントラル・アーツ
製作幹事・配給:東映ビデオ
撮影協力:大阪府堺市
取材協力:さくらんぼ教室 NPO法人アスペ・エルデの会 特定非営利活動法人PDDサポートセンターグリーンフォーレスト
後援:日本発達障害ネットワーク、日本自閉症協会
©2026「平行と垂直」製作委員会
公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/heikoutosuichoku/
公式X:@heikou_suichoku
公式Instagram:@heikou_suichoku
2026年8月28日(金)全国公開
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