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映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

キャストらが明かす「ジャンル横浜聡子監督」とは?ちょっとおかしな人生讃歌!映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

2025年8月30日、新宿ピカデリーにて、映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶が行われ、原田琥之佑、高良健吾、唐田えりか、菅原小春、宮藤官九郎、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、坂井真紀、横浜聡子監督が登壇。(動画&フォト)
 
漫画家・三好銀による原作漫画を実写映画化した本作は、第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplusにて正式上映され、特別表彰を獲得した。
また、現在開催中の日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025に映画としては初参加。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。
予測できない魔法とユーモアに満ちた、愛おしい人生賛歌として、多くの観客の心を掴むだろう。

舞台挨拶レポート

■動画レポート

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■【詳細】フォトレポート

最初の挨拶

まず、本作の主人公・奏介を演じた原田琥之佑は、2月にベルリン、先月に小豆島で上映され、ついに全国公開を迎えたことへの喜びを語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

原田琥之佑

続いて、町にやってきた包丁売りの男・高岡役の高良健吾は、自身の役柄紹介で笑いが起きたことに触れ、「こういう役に出会えて本当に嬉しかった」と述べた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

高良健吾

高岡の恋人・ヨーコ役の唐田えりかは、初日を迎え、豪華キャストと並んで登壇できたことを喜んだ。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

唐田えりか

アーティストからの借金取り立てのために東京から戻ってきたメグ役の菅原小春は、「借金を取りに来たメグです。菅原小春です。よろしくお願いいたします」と役柄になりきった挨拶で会場を沸かせた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

菅原小春

奏介の美術部の後輩・立花役の中須翔真は、暑い中来場した観客に感謝し、「この映画は共演者の方々と一緒に頑張って撮った、自分にとっても思い出に残る映画」と作品への思いを語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

中須翔真

奏介の美術部の先輩・テルオ役の蒼井旬は、撮影から2年が経過し、今日という日を迎えられたことへの喜びを述べた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

蒼井旬

新聞部の平井ほのか役の山﨑七海は、公開を迎えることができたことを「とても幸せ」と表現した。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

山﨑七海

テルオの妹で奏介の同級生・カナ役の新津ちせは、多くの観客が映画を見てくれたことへの感謝と喜びを伝えた。
 
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

新津ちせ

静香のランチ店の常連客・五郎役の宮藤官九郎は、自身のビジュアル(ウェットスーツ姿)について会場から笑いが起きたことに対し、「なんで笑うんですか?」と問いかけつつ、「僕らしい、いいビジュアルだ。アクリルスタンドが欲しい」とユーモアを交えて話した。

メインビジュアルの宮藤官九郎(五郎 役)

映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

宮藤官九郎

海辺でランチ販売をする静香役の坂井真紀は、来場者に感謝を述べ、自身も本作を見て「この映画のファンになった」と語った。また、撮影現場では宮藤官九郎との共演がほとんどだったため、今日他のキャストに会えたことを喜んだ。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

坂井真紀

最後に、脚本・監督を務めた横浜聡子監督は、公開初日に客として映画館で作品を鑑賞し、「やっとお客さんの立場で客観的に見ることができて、少し肩の荷が下りた気がした」と心境を明かした。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

横浜聡子監督

10代キャストの視点

続けて、10代のキャストへの質問が投げかけられた。
原田琥之佑には、ラストシーンで自分の絵を変えていく奏介の描写について、監督からの演出があったか尋ねられた。
原田は「監督から具体的な演出はなかった。先に考えて書くよりも、書きながら考えるタイプなので、いろいろ書いてから考えようと思っていた」と答えた。しかし、「僕の演出以上に最後に出てきた猫の演出の方が多くて、ラストシーンなのに猫に全部持っていかれてちょっと悔しかった」と意外なエピソードを明かした。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

原田琥之佑

これに対し横浜監督は、「私は猫の近くにいなかったので、演出は原田君がその時やってくれた。あの絵を描いている原田君の顔がすごく好きで、お芝居しているように全く見えず、本当に原田君という人はいつも物を作っているんだなというのが分かるシーンでとても好き」と原田の演技を絶賛した。
 
中須翔真には、立花の特殊能力で祖父の腰を曲げる印象的なシーンについて尋ねられた。
中須は「工夫したことや意識したことは特になく、直感で『こんな感じかな』と力を入れていたら、撮影現場が暑すぎて熱中症みたいになってぶっ倒れてしまった」と撮影中の苦労を語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

中須翔真

蒼井旬は、知り合いの祖母のために作ったマスクが思わぬ展開を生むテルオのキャラクターについて、「奏介からは憧れの先輩、妹のカナからは変な兄、大人からはふざけた少年という、様々な視点を持つキャラクターだと捉えて演じた。その二面、三面をどう表現するかを意識した」と語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

蒼井旬

横浜監督は、テルオが祖母に会いに行くシーンを「この映画で一番感動的なシーンかもしれない」としながらも、「あまりしんみりさせたくなかったので、蒼井さんが祖母の笑顔に引っ張られすぎず、感情的になりすぎないちょうど良い加減で演じてくれた」と蒼井の演技を評価した。
 
山﨑七海は、新聞部の平井が独自の嗅覚で取材するキャラクターに共感する部分があったかという質問に対し、「私自身は平井のように明るいタイプではないので、最初は共感点はないと思っていた。しかし、演じていくうちに、平井が持っている正義感や様々なものに興味を持つ点は、表には出さないが自分にもあると感じ、共感できた」と答えた。
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山﨑七海

新津ちせは、物作りに夢中な男子3人を外から見ているテルオの妹・カナについて、監督とどのような話をしたか尋ねられた。
新津は、「カナは、才能のままに創作する男子3人に対して『何なんだ』と思っており、怒りの気持ちと同時に『こんなに夢中になれるものがあるんだな』という羨ましい気持ちも抱いている、という話をした。カナが食事をするシーンでは、そのやるせない気持ちでむしゃむしゃ食べるのを意識して演じた」と語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

新津ちせ

横浜監督は、中学生キャストの演出について「正直、子供はよく分からないので、むしろあまり近づきすぎず、距離を取るようにした」と明かした。監督は、子供たち同士が仲良くなることで成長すると考えていたため、「必要な時はそばに行って何か言うけれど、基本的には彼らが自分自身の力で絆を育んでいく場が作れればそれで良いと思っていた。見事に彼らがその絆を繋いでくれたので、それがそのまま映画に良い形で映っていると思う」と述べた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

横浜聡子監督

大人キャストの視点

次に、大人キャストへ、横浜監督の作品の魅力についての質問が向けられた。
坂井真紀は以前ドラマで横浜監督の作品に出演経験があるが、他のキャストは今回が初めての出演であった。
 
高良健吾は、「横浜監督の作品が好きでずっと見ていたので、今回オファーが来た時は本当に嬉しかった。横浜監督の作品の魅力は、私の中では『ジャンル横浜聡子』だと思っている」と独特の表現で語った。
また、高岡の関西弁の演出について「台本を読んだ時、『こういう役なのか』と思ったが、監督からは『高良君が思う関西弁でいい』と言われ、自分に任せてくれる部分があった」と振り返った。
さらに、高良と唐田が初めて家を見に来るシーンで、高良が突然浮き輪に手を合わせてお祈りしたエピソードを披露し、「『何でもありじゃん』と思って色々できた」と撮影の自由さを語った。会場からは「うさん臭い」という声も上がったが、高良は「意識してはいなかった」と笑いを誘った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

高良健吾

唐田えりかも高良と同様に「ジャンル横浜聡子」という表現に共感し、「ちゃんと世界観があって、私もずっと見ていたので、出演が決まった時はすごく嬉しいと思った」と語った。
特に「横浜監督が映し出す子供たちの顔がすごく好きで、子供が子供としてちゃんと映っている顔をされているのが良い」と述べ、本作も「まさに横浜監督の映画になった」と感想を述べた。
ロケーションの印象については、「小豆島での撮影で、何かを考えることなく、風景や温度感、虫の音などを楽しみながらお芝居ができた。お芝居をしたという感覚すらあまり残っていない」と自然体での撮影を振り返った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

唐田えりか

さらに、唐田と中須が演じるヨーコと立花が金魚の袋を渡すシーンで、唐田の長い唾が中須のおでこに当たったというエピソードが明かされた。唐田は「ちょっと狙った」と告白し、中須は「びっくりしました」と正直なリアクションを見せ、会場は再び笑いに包まれた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

唐田えりか/原田琥之佑/高良健吾/中須翔真

菅原小春は、普段ダンスを踊っているため、これまでは身体を動かす役のオファーが多かったが、横浜監督からは「借金取り、どう?」と身体を使わない役のオファーがあったことに「それがすごく嬉しかった」と語った。
そして、「横浜監督は本当にラブリーな人で、ユーモアの塊のような方。横浜監督自身の細胞がすべて映画になっているから大好きだ」と熱烈な思いを伝えた。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

菅原小春

映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

菅原小春/横浜聡子監督

宮藤官九郎は、以前横浜監督作品に2度出演経験があることに触れ、「台本を読んだ時に『開放されるとこんな感じなんだな』とすごいと思った」と横浜監督の世界観に驚きを表明した。
特に、作中でキッシュを食べるシーンで「空気が漏れるんですよね」という監督からの独特な演出指示があったと明かし、「どうやってもできないのに頑張って練習したが、最終的には『それ忘れてください』と言われた。さすがだなと思った」と、監督とのユニークなやり取りを披露。完成した映画ではあまり音が聞こえなかったとしながらも、「参加できてよかった」と語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

宮藤官九郎/坂井真紀

坂井真紀は、「横浜監督の作品はすべて見ており、大ファンだ」と公言した上で、「優しくて温かくて、静かな狂気が潜んでいる。監督はどんなぶっ飛んだ方なんだろうと思っていたが、お会いしたらこのテンションで、まさに高良君が言った『ジャンル横浜聡子』だと思った」と監督の人間性と作品の魅力を語った。そして、「静かなカリスマ性がある」と締めくくった。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

坂井真紀

キャストからのコメントを受け、横浜監督は「皆さんと再会できたのが本当に嬉しくてありがたい」と感謝を述べた。特に、撮影以来の子どもたちとの再会に喜び、身長が伸びたことなどに触れながら、和やかな雰囲気でキャストとの交流を楽しんでいる様子だった。

締めの挨拶

最後に、原田琥之佑と横浜聡子監督から来場者へのメッセージが送られた。
 
原田琥之佑は、「改めて今日は来ていただきありがとうございました。この作品の魅力は、子供たちよりも大人たちの方がはしゃいでいるという対比、そして何よりも小豆島の綺麗なロケーションがあっての『海辺へ行く道』だと思っている」と述べた。
そして、「自分の新たな代表作がまた増えたととても嬉しい。ぜひいろんな方々にこの作品の魅力を教えていただいて、たくさんの方々に見てほしい」と力強く語った。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

唐田えりか/原田琥之佑/高良健吾

横浜聡子監督は、主演の原田琥之佑について言及した。
「個性豊かな魅力的なキャストばかりの中で、主人公の奏介がお客様にどう見えるのか不安だった時もあった。周りが個性的すぎて、海に沈んでしまわないか心配したが、改めて映画を見てみると、原田君が素晴らしい皆さんの間をうまく渡り、ゴールにたどり着いてくれたことが本当に嬉しい。原田君は素晴らしかった」と称賛した。
また、完成から1年半が経過しての公開であることに触れ、「監督という立場だが、実はまだこの映画がどういう映画なのか自分では理解できていない。映画は本当にお客様に見られることで完成するものだと今ひしひしと感じている」と述べた。来場者に向けて「よろしければ様々な言葉を発していただき、私たち制作者に気づきや、これまで気づかなかった言葉を与えてくださったらとても嬉しい。皆さん、この映画をこれからも育ててほしい」と語り、感謝の言葉で締めくくった。
映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

横浜聡子監督

映画『海辺へ行く道』公開記念舞台挨拶

宮藤官九郎/坂井真紀/新津ちせ/蒼井旬/唐田えりか/原田琥之佑/高良健吾/中須翔真/山﨑七海/菅原小春/横浜聡子監督

■フォトギャラリー

[動画・写真・記事:三平准太郎]

映画『海辺へ行く道』

《INTORODUCTION》
予期せぬ出来事と出会う人生の幸福を陽気なユーモアと想像力で描く、すべての登場人物が愛おしい、ちょっとおかしな人生讃歌!
映画『海辺へ行く道』の脚本・監督は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』でその度ごとに話題を巻き起こして来た、横浜聡子。最新作は、知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズをまさかの映画化。
主演をつとめるは、約800人のオーディションを経て主演を射止めた15歳の俳優・原田琥之佑。
麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀ら個性豊かな大人たちに加え、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせなど、実力派の若手俳優たちが見事集結。
さらに、様々なシーンから熱烈な支持を受ける至高のラップトリオDos Monosのフロントマン荘子itが、初の映画音楽を担当。
本作は、第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplusにて正式上映され、特別表彰を獲得した。
また、現在開催中の日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025に映画としては初参加。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。
 
《STORY》
アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介(原田琥之佑)とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。
街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。
そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。
ものづくりに夢中で自由奔放な子供たちと、秘密と嘘ばかりの大人たち。
果てなき想像力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。
出演:原田琥之佑
  麻生久美子 高良健吾 唐田えりか 剛力彩芽 菅原小春
  蒼井旬 中須翔真 山﨑七海 新津ちせ
  諏訪敦彦 村上淳 宮藤官九郎 坂井真紀
 
監督・脚本:横浜聡子
原作:三好銀「海辺へ行く道」シリーズ(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
製作:映画「海辺へ行く道」製作委員会
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2025映画「海辺へ行く道」製作委員会
公式サイト:https://umibe-movie.jp/
 
予告編
YouTube player
 
2025.8.29(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
映画『海辺へ行く道』

メインビジュアル

 
 

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