最優秀新進女優賞・森田想「長い時間をかけてしまったけど」第16回TAMA映画賞授賞式【完全フォトレポート】

2024年11月30日、パルテノン多摩大ホールにて、第16回TAMA映画賞授賞式が行われた。本記事は、そのうち、最優秀新進女優賞を受賞した俳優・森田想（『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『NN4444』『愚鈍の微笑み』『正欲』）の受賞スピーチを特集。

受賞スピーチ【完全】レポート

すごく緊張しているんですけども、『辰巳』という映画は、すごく温かい人たちで作った映画で、映像では血みどろの荒くれ者が登場しますが、人情溢れる人たちとの裏の繋がりというか、いろんな力強い気持ちがうずまく、画力の強い映画を作ろうということで、物語の核となる小路紘史監督と、出演の辰巳を演じた遠藤雄弥さんをはじめ、頼もしいキャストの皆さんと一緒に映画を作りました。

それがこうして、私が最優秀新進女優賞として、歴史あるTAMA映画賞さんに評価していただいたことはとても嬉しいと思っています。

私は子役から（俳優の仕事を）やっているので、すごく長い時間をかけてしまったんですけど（涙）、とても好きな先輩方が、新進女優賞受賞をお祝いしてくれて光栄に思います。そしていつも応援してくれている事務所の方や家族や友人に感謝したいと思います。ありがとうございます。

‐７年前、TAMA映画祭で、初主演作『アイスと雨音』が上映されたとき、客席でご覧になっていた森田さんが、高校の制服のままサプライズ登壇されましたが、覚えていらっしゃいますか？

 

もちろんです。その時もたくさんの観客の方に観に来ていただいて、松居大悟監督が作られた『アイスと雨音』という74分の映画なんですけど、その時は初主演ということにあまり実感が無かったので、映画祭を通して嬉しさと共に実感を噛み締めました。

‐『辰巳』は、殺された姉の復讐を誓う妹を森田さんが演じられたフィルム・ノワール（暗黒社会や人間の心の闇を描き出す映画のジャンル）でした。演じてみていかがでしたか？

 

アクションもそうですし、言葉としても強い演技が多かったので、私だけではなくて、遠藤さんはじめ皆さんが同じような立場だったんですけど、身も心も傷つけてしまう可能性があるので、そうならないように裏でしっかりとコミュニケーションを取ったりとか、脚本について、監督をはじめ皆さんと一緒にいつも以上にじっくり話し合って作れた作品だと思います。

‐『辰巳』の撮影は、5年前、森田さんが19歳の時でしたね。ちなみに、今年は『朽ちないサクラ』やホラー映画の『サユリ』など、幅広いジャンルの映画に出演されていましたが、いかがでしたか？

 

『辰巳』は５年前に撮ったという特殊な事情がありますけど、他の映画はこれまでご一緒した方からのお声がけなど、そういう縁を強く感じる１年だったので、とてもありがたかったですし、この映画賞では、今年の映画も載せてくださったので、すごく応援されている気持ちでいます。

‐今後取り組みたい役やジャンルはありますか？

 

『辰巳』を観ていただいた方には、すこく生意気でアグレッシブな印象を持たれていると思うんですけど、そういう期待にも、私でよければ是非応えていきたいですし、それ以外でもいろいろチャレンジできるものがあればどんどん挑戦していきたいと思っています。

‐最後に今後の抱負や映画のご予定があればお願いします。

 

今年はホラー映画にたくさん出させていただいておりまして、来年の１月もホラー映画から始まるんですけど、私は食わず嫌いをせず、自分ができることをコツコツ頑張ってきたつもりですし、これからもそうします。森田想という名前を覚えてくだされば幸いです。

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[記事・写真：三平准太郎]