のん、犬童監督、山田洋次監督らがその意義を語る。「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト×東京国際映画祭 スペシャルトークセッション」
2023年10月28日、東京・日比谷にて、第36回東京国際映画祭内のイベントとして、「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト×東京国際映画祭 スペシャルトークセッション」が行われ、山田洋次監督、犬童一心監督、のんらが登壇し、自身らの経験談を踏まえた本プロジェクトの在り方や期待するものなどを語った。
福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト、略称・ハマカルとは、福島県浜通り地域に新たな魅力を創出する経済産業省の取り組み。
映画制作者などのアーティストが現地に居住するアーティスト・イン・レジデンスや、フィルムコミッション設立など、プロジェクトの取り組みが本格化している。
今回のトークセッションでは、現地を訪問した犬童一心監督、小川真司プロデューサー、渡部亮平監督、山戸結希監督と共に、映画『おちをつけなんせ』の監督・主演を務めた のんが、作品の舞台となった岩手県遠野市で、アーティスト・イン・レジデンスを実践したときの経験を語った。
また、トークセッションとは別に、特別ゲストとして、山田洋次監督も登壇し、本プロジェクトへの想いを語った。
スペシャルトークセッション動画レポート
冒頭、経済産業省 福島復興推進グループ 芸術文化推進室の北村渉氏が本プロジェクトの背景と主旨を説明。2011年の東日本大震災以来、未だ元通りになっていない土地が残っている福島県浜通り地方(新地町、相馬市、南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、いわき市、ほか)の現状を紹介し、復興策の一貫として、映画制作による現地振興の取り組みを発表した。たとえば、「アーティスト・イン・レジデンス」として、映画制作者が現地に長期滞在して作品づくりすることの支援や、現地にフィルムコミッションを設立し、県外の映画制作者が浜通りでロケをしやすくするための支援など。
当初、経産省からは、山田洋次監督に打診があったが、山田監督は年齢と自身の映画制作の関係上、直接動きを取ることが難しいため、山田監督からの依頼で、犬童一心監督が受け継ぐ形となったという。山田監督自身はアドバイザーとして本プロジェクトに関わり続け、お隣の韓国などと比べると、行政による映画制作支援が弱い日本の現状を訴えると共に、本プロジェクトに大きな期待を持っていることを話した。
今回のトークセッションでは、その犬童監督と、小川真司プロデューサー、渡部亮平監督、山戸結希監督らは、浜通りを数日間視察した上で感じたことを語ったほか、のんは、映画『おちをつけなんせ』の制作において、岩手県遠野市での半年間に及ぶアーティスト・イン・レジデンスを実践しており、そのときの体験談からの考えを語った。
経産省のアーティスト・イン・レジデンスの提案では、2週間から長くて4ヶ月を想定していたが、それを超える半年間の実践をしたのんに、犬童監督ら登壇者一同驚愕し、大きく感心していた。
のんは、自身の体験として、「現地の空気を感じるには短い期間の滞在でも十分意味があると思います。でも長くいると、現地の人を集める人望を持った方と仲良くなれたりして、映画制作がよりスムーズに進むということを経験しました。」と語っていた。
トークセッションでその他語られたことは、下記の動画を御覧いただきたい。
【動画チャプタータイム ※動画概要欄にも記載】
00:00 オープニングナレーション
01:11 導入説明
02:44 自己紹介
10:42 浜通りという地域への印象
16:58 映像・映画の力を通じて、浜通り地域で何ができるか
21:28 岩手県遠野市で制作した映画『おちをつけなんせ』
26:35 アーティスト・イン・レジデンス『おちをつけなんせ』について
30:39 アーティスト・イン・レジデンス~福島浜通りの今と未来~
33:52 犬童監督「のんさん、半年も!?すごいね!」
36:45 のんメッセージ
37:19 山田洋次監督からの提言
■フォトギャラリー
[動画・写真・記事:三平准太郎]
「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト(ハマカル)」×東京国際映画祭2023スペシャルトークセッション~福島浜通りの今と未来~
日時:10月28日(土) 14:30~
会場:BASEQ HALL1(東京ミッドタウン日比谷6F)
主催:経済産業省
登壇者:犬童一心監督、のん(俳優・アーティスト)、小川真司プロデューサー、渡部亮平監督、山戸結希監督、板橋基之監督、山田洋次監督
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