あふれ出てくる感情が作品に。‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく- 内覧会＆記者会見

2018.04.19

“牙をむく”ポーズをするのんさん

女優・ミュージシャン、そして創作あーちすとでもあるのんさんが、自身初の展覧会「‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく-」を、4月19日より渋谷・GALLERY X BY PARCOで開催する。
それに先立って、18日、関係者向け内覧会＆記者会見が会場で行われた。
のんさんは、何に“牙をむく”のか？創作アイディアはどこから思いつくものなのか？など、“やりたいことが止まらない”と、彼女自身の言葉で語った（動画＆フォトギャラリー）。

のんは “止まれない”

インスタレーションに初挑戦した展示会

「女の子は牙をむく」という、のんさん自身が打ち出したコンセプトをもとに描き下ろした絵画、立体物、インスタレーションを中心に、スケッチ、自作の衣装など、コンセプトに合わせてセレクトされた過去作品など、様々な形態のアート作品が展示されている。
インスタレーションという言葉通り、一歩会場内に入ると、床から天井まで空間全体を使った３Ｄな展示になっていて、そこはまさしく「‘のん’ワールド」。
のんさんの内面に潜んでいたのであろう彼女の「感情」が、‘あーと作品’となって所狭しと並んでいる。
今回は「‘のん’ひとり展」となっているが、のんさんは、共同作業もすごく好きだということで、何人かのスタッフと共同でアイディア出しをし、製作も共同でやったものもあるという。
そういう意味では、「‘NON’ひとり（＝ひとりではない）展」とも言える。ぜひ今回の展覧会で彼女の作品世界に直に触れてほしい。

のんさんの描き下ろし作品を買える！

なんと、展示会の作品の一部は実は買うことができる。どれが購入可能で、値段はいくらか？は、会場スタッフまで問い合わせてほしいとのこと。
のんさん描き下ろしの作品を直接買えるというまたとないチャンスだ。
なお、購入予約済みの作品には、作品下に赤い丸のシールが貼られる。

のんさんの創作意欲は「自分でもやれる」っていう悔しさが原動力

のん
なにか作品を観たりライブを観たりとか、自分が楽しくて興奮したりした時に「自分でもやれる」ってやる気が満ちてきて、その溢れてくる「やりたい！」っていう気持ちを何か描いたり作ったりすることにぶつけている感じですね。
それは「悔しい」っていう気持ちでもあり、それが大きいですかね。

のんさんのこの言葉から、彼女自身の感情から湧き上がってくるエネルギーが熱くてとても強いことが伝わってくる。
本展覧会のタイトル「女の子は牙をむく」とは、女の子の無鉄砲なパワーを表しているといい、やりたいと思ったことはやらずにいられない、その時の気持ちが「ギッと牙をたてる」ということだという。

女優・のんにしか表現できない展示会図録

一般書店では5月中旬発売予定の展覧会公式アートフォトブック「女の子は牙をむく」が会場限定で先行販売される。
これは展覧会図録としての位置づけだが、単なる図録ではおさまらず、のんさん自らが、作品の見方・楽しみ方を身体で表現したページもたっぷりある。
実はこの図録の編集に携わったのは北尾修一さん。この方は、１年前に太田出版から出版された「創作あーちすと NON」も編集された方だ。その北尾さんが会場にいらしたのでお話を伺うと、
「のんさんは作品を創るだけでなく、女優さんなので身体表現もできます。なので、この図録ではそんなのんさんが全身で表現したページも構成されていて、まさしく彼女にしかできない新しい“アート解説本”なんです。」
と、のんさんの豊かな表現力を高く評価されていた。

展覧会公式アートフォトブック「女の子は牙をむく」を持つのんさん

クロージングイベントは、渋谷クラブクアトロでワンマンライブ！

展覧会最終日の5月8日は、クロージングイベントとして渋谷クラブクアトロでの、のんさん初のワンマンライブも予定されている。
スペシャルゲストとして、大友良英、高野寛、弓木英梨乃（KIRINJI）らも出演する。

‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく-
会期：2018年4月19日(木)～5月8日(火)
場所：GALLERY X BY PARCO（ギャラリーXバイパルコ）
営業時間：11:00～20:00 ※会期中無休
入場料：500円（おみくじ付）
主催：パルコ

のんシガレッツ／ファースト・ライブ
公演日：2018年5月8日(火)
開場／開演：18:00開場／ 19:00開演
料金：前売り4,000円当日4,500円（税込／ドリンク別／オールスタンディング／整理番号付）
※ドリンク代600円

のんさんがなりたい「ヒーロー」とは？

のんさんの楽曲に「スーパーヒーローになりたい」というタイトルがある。
記者会見後、のんさんに「のんさんがなりたいヒーローとは？」と聞いてみると、
「私を応援してくれるファンの方々にとってのヒーローになりたいです！」と、笑顔で力強く語ってくれた。

記者会見

– 会場内はのんさんの作品で溢れていますが、改めてどうですか？

のん
描き下ろした絵と今まで作ってきた作品たちが、洋服とかも含めていろんなものが詰まっていて、すごくパワフルで、いいなと思いました。

ハムスターが大好き

– ふだん描かれてるスケッチだとかペイントの作品や衣装の他にもインスタレーションにも初めて挑戦されましたがどうですか？

のん
すごい楽しかったです。
いちばんメインとして作ったのがそこにあるハムスターなんですけど、すごいかわいくて、私、ハムスターがすごい好きで、おっきくしたいなぁって思いつきだったんですけど（笑）
私がこういうことをやりたいっていう発想と、形にしてくれる方たちの発想とが合わさっていくのがすごく楽しかったです。

のんさんお気に入りのハムスター

共同作業が好き

– ふだんはひとりで作品を作られることが多いですか？

のん
絵を描いたり洋服作ったりそういうのはひとりでやることが多かったりするんですけど、誰かと一緒にアイディアを出し合って作っていくというのはもともと好きなので、こういう個展を開くっていう時に、新しいジャンルに挑戦できたのがすごい嬉しかったです。

– 入り口入ったすぐのところに大きな壁画があります。これはどういったアイディアから？

のん
ひとり展に合わせて女の子が牙をむいているところが見えたらいいなというのがあって、絵を描く時にいつもあまり明確なものを決めないで描いていくので、好きな色の青い絵の具をとって、グルっと丸いものを描きながら発想していったんです。
そしたら、地球にたくさんの女の子が牙をむいてかじりついている絵になりました。

展示会のみどころ

– のんさんの視点で展覧会の見どころを教えてください

のん
入ってすぐに道路があって、止まれって文字が止まれないってなってたり、今回の個展は盛りだくさんで、私が、こりゃぁ面白いんじゃないかって思ったものを全部つめこんだので、自分のやりたいっていう気持ちを止められないってところが、すごく強く出ていると思います。
私のこの止まれないっていう感覚に共感していただけたり、観てくださる人に、私もなにかやりたいなっていう気持ちを持ってもらえたらなぁと思っています。

創作意欲とアイディアはどこから

– のんさんの創作意欲はどこから？

– 作品のアイディアはどこから？

のん
なにかをやりたいっていう気持ちが先行して、絵を描くぞってなった時にキャンバスの前に座って、そこから自分がその時、何を描きたいかっていうのを考え始める感じです。
今回はテーマを決めてやっていたので、女の子が牙をむくっていうのがどういうふうに形になったらいいのかなぁっていうのを、何か違うことをやっている時もずっと頭の中で考えてました。
そしたら、突然何かと何かがつながってアイディアが形になって来る感じです。

「女の子は牙をむく」

– タイトル「女の子は牙をむく」の意味は？

のん
私自身が女の子の凶暴さだったりとか、無鉄砲なパワーとかがすごく好きで、そういうのを見てるとすごく楽しくて、やる気に満ちてくる魅力だと思っていたので、自分でもそういうところを大事にしているので、初めての個展の時は女の子のはちきれるエネルギーを表現できたらなぁと思って、このタイトルにしました。

– のんさんは何に牙をむきますか？

のん
いろんなものに。
大きな一つのものに向かって牙をむいていくというよりは、見境なく好きなものに飛びついてギッと牙をたてて、楽しいことをやっていくっていう感じですね。

– 特に牙をむきたいと思ったものは？

のん
いっぱいあるんですよね（笑）
最近だと、今回ここでも展示している「無防備な興奮」っていう作品がパリで展示されることになって行った時に空港で日焼け止めを買ってきて、今までずっとそれを使って日焼け対策をしてたんですが、それが実は、アンチエイジングケアのクリームだったってことが判明して、それがちょっと「くそー」って思いました（笑）
なので、パリにすごく牙をむきたくなりました（笑）