役者と監督として相思相愛が判明!のん&沖田監督 映画『さかなのこ』大ヒット御礼舞台挨拶
2022年9月11日、テアトル新宿にて、映画『さかなのこ』大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、主演・のん、沖田修一監督が登壇。事前にSNSで募集したファンからの質問に答えていった。(動画&フォトギャラリー)
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
動画概要欄には、見どころ頭出しチャプターを記載しています。
■フォトレポート
のん(ミー坊 役)
皆さん、このたびはお越しいただき、ありがとうございます。おかげさまでたくさんの方に見ていただいてるようでとても嬉しいです。今日はよろしくお願いします。
沖田修一監督
『さかなのこ』が公開されて、しばらく経ちますが、観てくれた方からいろんな嬉しい声を聞いたりします。引き続きよろしくお願いします。
-のんさんは、テアトル新宿は、3月の『Ribbon』以来ですよね?
のん
はい。2016年の『この世界の片隅に』から始まって、テアトルさんにはとてもお世話になっていて、ご縁があると思ってるので、また来れて嬉しいです。
▼SNS募集質問コーナー
1問目:この映画が、のんさんの演技や創作意欲にどんな刺激・影響を与えましたか?
のん
ほう!
主人公のミー坊は好きなおさかなさんを追い求めてまっすぐ突き進む。何にも影響されない“好き”を持っている姿にすごく勇気づけられました。私もミー坊と似たところで、猪突猛進にやりたいことへ突き進む傾向にあるので、ミー坊のように生きていいんだな、そういう風になりたいな、という気持ちになりました。背中を押してくれる役柄だと感じてます!
2問目:沖田修一監督に聞きたいです。床屋の店主は何者なのでしょうか? モモコの裏設定、シングルマザーになるまでの人生があれば教えてください。
沖田修一監督
ロケハンであのアパートがいいね、となったときにもともと横にあの理容室があって無視することができなくて。上京したミー坊が新しい“愛の巣”に帰っていくような設定だったので、隣の床屋の主人を“愛の象徴”みたいにしてみたらミー坊たちが家族のように見えるんじゃないか、床屋のクルクル回るところもミー坊の新しい生活が始まった、人生の始まりみたいになったら、と思って裏設定にしてみました。
演じているのは『キツツキと雨』で一緒に脚本を書いた守屋文雄くんで、渋い方なんでメイクをさせて「ウン」しか言わない人としてやってもらいました(笑)
(モモコについては)台本には最初タカナシという悪い男がいて、酷いことをされてシングルマザーになる話を書いたんですが、あんまり面白くなかったんで思いっきりハショりました(笑)
3問目:ミー坊&ヒヨ、幼いころから右手をくるんくるんさせています。この仕草を2人が始めたエピソードを知りたいおでギョざいます。
沖田修一監督
走るときにあれをやると速くなる、というような話を大人になってもやろう、とミー坊とヒヨでやってくださった。大人になって最後にものんさんがやっているのを最初は気づかなくて、「あ、そっか!」と編集してて気づいたんです。やろうと決めてたんですか?
のん
そうですね、子どもたちと皆で走るシーンだったので、走るときはこれをやらなきゃ!と思いました。
4問目:サンマを頭から食べるシーンはヒィーとなりました。実際にはどこまで食べられますか?
のん
さかなクンが、本当に背骨が後ろに伸びているから頭から食べれば骨は刺さらない、と言うので沖田監督が試してくださったんです。
沖田修一監督
大丈夫だったんですけど、さかなによっては危ないなと思います(笑)
のん
(実際の撮影にあたっては)本当に食べてるんですけど、ちょっとズルを…背骨をちょっと抜いてもらってすごく柔らかくしてもらいました(笑)
沖田修一監督
(母役の)井川遥さんもめちゃくちゃ食べてましたよね。
のん
美味しくてカットかかっても2人でばくばく食べました。
5問目:ミー坊の口元に食べかすがついているのをお母さんのミチコが指摘するセリフはアドリブですか?
のん
あれは…勝手に私が口元につけてたんですよね?
沖田修一監督
そうだと思いますよ!井川さんがサっとやってくださんだと思います。いつもついてて何度も井川さんがやってくださって、独り立ちさせたいけど母はどこかでまだ子供だよ、と思っている名残にも思えて良かった。井川さんは狙ったのかな?とも思い最後までわからなかったけどそのままにしました。
のん
私よく口の周りに食べかすがつくんですよ…この間はおでこにドーナツのお砂糖が張り付いていて…(笑)
6問目:居酒屋でししゃもを注文したのにカペリン(カラフトシシャモ)が出てきて怒って店員に絡むシーンが、酔っぱらった昭和のおっさんぽくて大好きなのですが、監督からはどのような演技指導があったのですか?
のん
私もあのシーンすごく好きです!監督が酔っ払いの演技を目の前でやってくれたんです。それがすごく面白くてマネしました。監督が“酔っ払いの師匠”です!
沖田修一監督
2人で、酔っ払ってくだをまく練習をしましたね、昭和のおっさん感は僕がやったからですね(笑)
本番を撮っているときは、お猪口のお酒がめちゃくちゃこぼれてるのを見て大笑いしちゃいました。あそこまでならないけどな、と(笑)
7問目:のんさんは、『さかなのこ』でミー坊役以外にやってみたい役はありますか?
のん
(柳楽優弥演じる)ヒヨかな。“狂犬”とあだ名の付いた不良で鎖を付けていて、アウトローで暴れそうなのに縛られている、飼い主がいる、その矛盾した魅力が味わい深いなと面白かったです(笑)
沖田修一監督
似合いそうですね。コンパスで左手を刺さなきゃいけないですよ?(笑) ヒヨとミー坊のやりとりは微笑ましくてこっちが笑っちゃいました。柳楽さんが昭和の不良がすごい似合う、まさに昭和のスターみたいでした。
8問目:お互いにここがスゴイ、こんなところを尊敬している、というところを教えてください。
のん
もともと沖田監督のファンで大好きだったので、沖田組で役を演じられて本当に幸せでした。映画へのすさまじい集中力で、それが明るいパワーでいい空気が流れていて、私も乗っかるといい演技ができる、そんな威力のある監督でした。今日お話を聞いていても、映画の随所にちりばめられた沖田監督の演出がすべてキーになる、それを直接見せていただいて凄い方だなと、本当に勉強になりました。あと、酔っ払いの演技も(笑)。現場では、ファンだとバレないように、私は役者です、演技しに来ました、と舞い上がらないよう頑張ってました。
沖田修一監督
そんな冷たくならなくても!(笑) 後から(ファンだと)聞いてビックリしたんです、気づかなかったです。ありがとうございます。この映画はのんさんがミー坊をやっているから成立しているし、他に誰ができるのかと思っていたので、やってもらえて嬉しかった。(役について)一生懸命ずっと考えて練習しているはずで、でも現場でそういうところを見せないようにしているんだと思うんですが、現場でズバっと表現してくれて様になっていく。すべてOKを出してしまいそうになる、こんなことは初めてで、のんさんの凄さ。のんさんだから上手くいくことが沢山ありました。感謝です。僕もそういうことをあんまり現場では言わないように、まあ頑張ってますね、みたいな顔しているようにしてました(笑)
のん
2人とも現場ではスカしてたんですね(笑)
▼最後にメッセージ
沖田修一監督
自分でも気に入っている作品で、またたびたびミー坊に会えたら良いなと思うくらい好きな作品です。沢山の方に観ていただきたいです。
のん
この映画でミー坊を演じられて、本当に嬉しくて、これから自分の宝物になっていくと感じています。“好き”を追い求めるミー坊のまっすぐさは、皆さんにも大切にして欲しいなと思いますし、皆さん一人ひとりの映画になっていくと嬉しいです。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:三平准太郎]
映画『さかなのこ』
ふつうってなに?
どんなときも大好きなお魚だけを追い続けた子は、いつしか“さかなクン”になっていました。
まっすぐな主人公の、出会いとお魚に満ちた人生をユーモアいっぱいに描く、のん主演、沖田修一監督最新作。
INTRODUCTION
日本中の誰もが知るあの“さかなクン”の半生を、主演・のん×監督・沖田修一がユーモアたっぷりに描く、沖田作品の集大成とも言える映画『さかなのこ』が、この夏ギョギョッと誕生!
原作はさかなクン初の自叙伝「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)。子供の頃からお魚が大好きだったさかなクンが、たくさんの出会いの中でやがて“さかなクン”になるまでを描いた原作を、劇作家や映画監督でもある前田司郎が、フィクションも織り交ぜながら沖田監督と共にシナリオとして大胆にアレンジ。前田司郎と沖田監督は『横道世之介』以来のタッグとなる。主演をつとめるのは、のん。子供のように天真爛漫で好きなことに一直線、周囲の人間をいつのまにか幸せにする不思議な魅力にあふれた主人公“ミー坊”を、性別の垣根を越え生命力いっぱいに演じている。本作は2022年夏に公開となる。
STORY
ミー坊は、好きなことを、思う存分、本気でやりなさい。
お魚が大好きな小学生“ミー坊”は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。お魚を、毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、母親はそんなミー坊を温かく見守り、心配するよりもむしろその背中を押し続けるのだった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、町の不良ともなぜか仲良し、まるで何かの主人公のようにいつの間にか中心にいる。やがて1人暮らしを始めたミー坊は、思いがけない出会いや再会の中で、たくさんの人に愛されながら、ミー坊だけが進むことのできるただ一つの道にまっすぐに飛び込んで行くーー。
主演:のん
出演:柳楽優弥 夏帆 磯村勇斗 岡山天音 三宅弘城 井川 遥
原作:さかなクン「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)
監督・脚本:沖田修一
脚本:前田司郎
製作:『さかなのこ』製作委員会
制作・配給:東京テアトル
宣伝:ヨアケ
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
公式サイト:sakananoko.jp
公式Twitter:@sakananoko_jp
本予告
全国公開中
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