三田麻央

【インタビュー】「三田麻央」というジャンルになりたい!

「NMB48を卒業してからの4年は怒涛だった」と振り返る三田麻央。ライトノベル出版、イラスト個展、声優、舞台俳優としてマルチで活躍中の彼女に、まもなく上演される舞台『インデシネンス ビューティフル』のこと、今後の抱負などを聞いた。

三田麻央 インタビュー&撮り下ろしフォト

三田麻央

三田麻央

■武術の殺陣を頑張りました!

-今回ご出演される舞台は、2022年に上演された『INDESINENCE(インデシネンス)』の続編で、2作連続ということですが、まずこのシリーズについて簡単にご紹介ください。

三田麻央(南上宮陽子/ナガミヤヨウコ 役)
『Case:Dry Crimson Thistle(ケース:ドライ クリムゾン・シスル)』(以下『ドライ』)が前作の後日譚で、私が出演する『Case:Beautiful Vermilion Ways(ケース:ビューティフル ヴァーミリアン・ウェイズ)』(以下『ビューティフル』)は前作の前日譚となっています。そして、前回の公演を観ていなくてもわかる内容になっています。

三田麻央

三田麻央

-三田さん演じる“南上宮陽子(ナガミヤヨウコ)”が所属する「タリオ」というグループは?

三田麻央
警察や政治が動かない事件を解決する慈善団体のようなグループです。報酬はもらわず、法で裁けない闇で渦巻く悪にそれ相応の報いを受けさせます。

-報酬を受け取らない点が違いまずが、必殺仕事人シリーズや「クロサギ」に近いでしょうか?

三田麻央
近いと思います。

-今回の2作品はキャストが違いますが、タリオのメンバーが変わっていくということでしょうか?

三田麻央
いえ、前作ではタリオのメンバーは2人しか出ていなくて、今回新しく3人登場するんですが、『ドライ』と『ビューティフル』は、同じ人物を違うキャストが演じるんです。これもまた新しい楽しみ方になっていると思います。

-三田さんが出演される『ビューティフル』について簡単にご紹介ください。

三田麻央
私が演じる南上宮陽子(ナガミヤヨウコ)は、自分の家族がバラバラになる要因となった詐欺師を独りで追っていたんです。その詐欺師をタリオも追っていたということから、共同戦線を張ることになります。
もともと南上宮は独りでやっていこうと決めた時点から、精神的にも肉体的にも修行をして強くなった女性なので、タリオに頼ってというよりは、「私はここまでできるけど、あなたたちはどう?」という姿勢です。
そして、もともと追っていた詐欺師に加えていろんな要素が交差していく展開のある面白い舞台となっています。ミステリー要素もあります。

-南上宮陽子は護身術の名手ということですが、役作りや、アクション練習の取り組みについて教えてください

三田麻央
剣の殺陣はやったことがあるので大丈夫かなと思っていたんですが、武器が己の身ひとつの武術の達人ということで、まず構えから練習したんですが、難しかったです。
私、パンチもめっちゃダサいんです(笑)なので、そこの矯正から殺陣師に指導していただき、頑張って練習しています。

-武術の傾向としては?

三田麻央
合気道と空手のミックスのような独自の流派の武術です。

-稽古の進み具合はどうですか?

三田麻央
稽古場での最終稽古は終わりました。先に『ドライ』の公演があるので、その合間に『ビューティフル』の稽古を劇場でやることになっています。

-稽古全体を通して大変だったことなど印象に残っていることはありますか?

三田麻央
今回で2回目の主演なんですが、アイドル出身の私にとって、まだ技術面含めてわからないことがあったり、殺陣もありますし、足を引っ張ってしまわないかと不安もあったんですが、演出の方、役者として精鋭ぞろい共演者の方々がとても優しい上に「ここはこうした方がいい」というアドバイスはたくさんいただけるんです。それが私にとってとてもありがたいです。「大丈夫だよ」って言ってもらえるよりは、そうしてアドバイスいただけて一緒に作っていくということがとても嬉しいです。
なので、大変だったけど稽古が終わってみて、この座組の主演で良かったなって感じています。この気持のまま本番の舞台に立てたらなと思っています。

三田麻央

-先ほどもお話されましたが、『ドライ』と『ビューティフル』、一方しか観れないお客さんでも楽しめますか?

三田麻央
はい、楽しめます!
この2作品は、登場人物はつながっていますが、話はつながっていないので、タリオが活躍する物語のそれぞれの独立したエピソードです。
でも、もし両方観れる方は両方観るとさらに楽しめると思います。

-なるほど。それぞれ単独でも成立しているけど、両方観るとより深く楽しめるということですね。

三田麻央
はい、とても!
『ドライ』は後日談なので、『ビューティフル』を終えたあとの南上宮陽子が登場しますが、このタリオのメンバーたちはなにがあってこうなったのかというのを、『ビューティフル』で観られるのが魅力的だなと思います。是非2作品とも観てほしいです。
※『ドライ』は、新宿村LIVE公演は終了しているが、2月26日(日)23:59まで配信にて観劇できる。

-最後に本舞台の見どころ含めたメッセージをお願いします。

三田麻央
見どころしかないんですけど、舞台ならではの演出だったり、映像では見れないような表現の仕方がふんだんに盛り込まれています。そのために稽古は難しかったんですけど、ご覧になっていただくと観終わるまでの疾走感と熱量を感じていただけます。舞台にこれまで触れたことがない方はもちろんこれからも舞台を観たいと思えるきっかけになるでしょうし、舞台をよくご覧になってきた方も「こういう表現方法があるのか」と頷いていただける作品になっています。是非劇場に足を運んでいただければなと思います。

-三田さん自身のここを観てほしい!というアピールポイントは?

三田麻央
殺陣もそうですが、意外と南上宮陽子と私は似ているところがあって、三田麻央を知ってくださっている方は「三田は陽子のこういうところが好きなんだろうな」って考察していただけると嬉しいです!

三田麻央

■怒涛の4年でした

-三田さんが俳優をやろうと思われたきっかけは?

三田麻央
もともとは声優になりたいと思っていて、アイドル時代も含めて卒業してからも声のお仕事をいただている中、俳優のお話もいただけるようになりました。
“お芝居”の勉強として、俳優という手段があってもいいんじゃないかなと思ってやりはじめました。
でも私の性分として、絵もそうなんですけど、自分で何かを作り上げること、自分の世界観を見てもらえるコンテンツが好きなので、俳優は私に向いていました。

-2019年にNMB48を卒業して今日までを振り返ってみていかがですか?

三田麻央
怒涛でした(笑)
アイドルを卒業して、どういう形の仕事にシフトチェンジしていくのか、自分でもあんまりわかってなかったんです。これまではたくさんいる人数の中の1人だったのが、三田麻央単体になるから、その分頑張らなきゃというのはあったんですけど、自分自身どうやって何を頑張るのか漠然としていました。
なので、とりあえず目の前にあるものに取り組み続けていたら、気づいたら4年経っていたという感じなので、振り返ったら走り続けて きたなぁって感じです。

-感覚的には早かったですか?

三田麻央
とても早いです。ファンの方にも「もう4年経ったね」って言っていただけると「あ、もう4年ですか」って他人事みたいな反応しちゃいます。

三田麻央

-その怒涛の4年近くのあいだ、様々な活動をされてます。たとえば、21年にライトノベル『夢にみるのは、きみの夢』を作家として出版されましたが、作家活動について今後の抱負はありますか?

三田麻央
「事務所の方から三田さんは2次元好きだから書けるよね」っていうアバウトなことがきっかけだったんですが(笑)、先ほどもお話したように、私はどういうジャンルにおいても自分の中の世界を作って見せるのが好きなので、やってみたいなと思って取り組みました。
でも最初はすごい難産でムリだ!ってなったんですけど、編集の方がとても素敵な方で一緒に取り組んでいただいたり、昔から大好きな漫画家のあおのなち先生に扉絵を描いていただいたり、いろんな奇跡的な人との繋がりと優しさでできた作品なので、自分にとっても愛しい作品です。
もしまた新たに書くとなったら真逆のものになるかもしれませんし、いずれにしろ時間がかかるかもしれませんが、書きたいとは思っています。

-アイドル時代、番組でBL短編漫画を披露されたこともありましたが、作家の才能と合わせて、今後オリジナル漫画作品披露など、そういった野望はありますか?

三田麻央
それが、絵が描けるから漫画が描けるとは、また違う話で・・・。好きなんですけど、難しいかもしれない。単体のイラストを小出しにはしていきたいかもしれないですけど。

-本格的な漫画作品とはいかなくても、ライトノベルを次回出すとしたらイラストもご自分でとかはいかがでしょう?

三田麻央
そういう話もあったんですけど、それぞれの分野でプロがいますからね。自分の書いた物語が他人の解釈を経てどのように生まれ変わるのかを見たいというのがあって、前回はお願いさせてもらったんです。ラフ画があがってきたときも楽しくて嬉しくて、自分の携帯の待ち受けにしたぐらいです(笑)

-なるほど。伺っていると、三田さんは作品のプロデュース的な立場が向いているのかなと感じました。それぞれの得意分野の方と組んで。

三田麻央
是非やりたいです!「僕が考えたドリームチーム」みたいなのをやってみたいですね。

-それでアニメ作品を作るとか。三田さんは声優でも参加すると。

三田麻央
いいですね!オープニングソングは友だちに作ってもらって歌ってもらったり。

-同じく21年に個展『なかみ』も開催され画家デビューされましたが、この方向での抱負は?

三田麻央
美術部に所属してたり、美術の学校にも通っていたのもあり、前回の『なかみ』のように、抽象的な作品の絵画展をまたしたいなとは思っています。
なんにしろ、やりたいことをいっぱいやれたら最強だなと思うので、できないことよりも、全部挑戦してみて、向いてなかったらやめたらいいし、という考え方でやっていこうかなと思っています。

三田麻央

■「三田麻央」というジャンルになりたい!

-作る側じゃなく、読者、視聴者として最近推しの漫画作品があればご紹介ください。

三田麻央
たくさんありすぎて悩みますが、最近面白かったのは「星屑家族」です。今月発売されたばかりの漫画で、もともと作者の幌山あきさんが大好きなんです。未来の日本が舞台で、子どもを持つのが免許制になるという物語で、その許認可をする公務員が子どもなんです。この作品は私の好きな終わり方でとても良かったです!
もうひとつは、偶然星続きなんですけど、「そこで星屑を見上げてろ」。芸能界のサラブレットの男の子がオーディション番組に出るというお話です。歌やダンスの描写がとても上手なのと、惹き込まれやすい画面の使い方、そしてなにより物語が面白いんです。
あと、「双影双書」もおすすめです!

-そういう好きな作品との出会いはどうやって?

三田麻央
好きな作家さんの作品を読むというのが前提で、そうすると関連作品が出てきたり、本屋だと書店員さんのポップです。私は書店のポップがとても好きで、それを書く推し書店員さんがいるんです。その方がポップを書いた作品は絶対に買うということもしていました。

-どのポップがどの書店員さんが書いたっていうのはわかるものですか?名前は書かれていないのに。

三田麻央
わかります!ポップって、その人の性格が出ますし、好きな作品の系統もあるんです。

-そういう本屋さんの楽しみ方ってあるんですね。

三田麻央
書店員さんの独特の表現があって面白いですよ!興味がないジャンルの本棚のポップを見に行っても面白いって思うことがあります。

三田麻央

-そういうサブカル好きの三田さんの特性を生かしてやってみたいことはありますか?

三田麻央
どういう作品を見たり読んだりしたらいいか迷っている人に、作品を紹介するプレゼンをやってみたいですね。
たとえば、ドラマでこういうサスペンス作品を見たんですけど、漫画ではどういうものがあるかな?って人に「じゃぁ、この作品はどう?」とか紹介するような。

-最後に2023年はどんな1年にしたいですか?

三田麻央
私にしかできないことをやっていきたいです。
今は、インフルエンサー含め、どのジャンルでもいろんな方がいますが、そこに入っていくのではなくて、これだったら三田だよねってっていうジャンルを作れたらなって思います。「三田麻央」っていうジャンルになりたいです!

三田麻央

三田麻央(みたまお)プロフィール
大阪出身、1995年9月9日生まれ(27歳)
特技:アニメ・漫画について語り続けること、絵を描くこと
Twitter:https://twitter.com/kyunmao_m99
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@user-ms7jz9vo9y

■撮り下ろしフォトギャラリー

[写真・インタビュー:三平准太郎/撮影データ:Nikon Z9]

2023年2月『INDESINENCE(インデシネンス)』シリーズ 公演情報

脚本・演出:佐藤信也(疾駆猿)
作品サイト:https://luckup.co.jp/news_topics/#post698
チケット申込み総合URL:http://confetti-web.com/INDESINENCE
『Case:Dry』:http://confetti-web.com/Dry
『Case:Beautiful』:https://confetti-web.com/Beautiful

『INDESINENCE Case:Dry Crimson Thistle』

インデシネンス ケース:ドライ・クリムゾン・シスル

[STORY]
或る日、一人の家出女子高生を保護する。彼女は大きな事件の鍵を握る人物であった。
「タリオ」のメンバーは彼女が持つ鍵が、国家を揺るがす程の代物だとは気付いていなかった…。
大きな渦に巻き込まれていくメンバー達。
それぞれの目的もあり、反目し合い、傷付きながらも、彼らが最後に下す決断とは?

[キャスト]
市川知宏 吉澤要人(原因は自分にある。) 井尻晏菜
滑川恭子 上地慶 齋藤貴裕
牧田哲也 阿瀬川健太 森大地
白鳥かすが 市瀬瑠夏 高橋明日香
悠 青木梨乃 妻木尚美
安居剣一郎

[劇場公演]
※2月19日で終演

[配信期間]
2月19日(日)18:00~2月26日(日)23:59

『INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways』

インデシネンス ケース:ビューティフル ヴァーミリアン・ウェイズ

[STORY]
メンバーの一人・南上宮陽子(ナガミヤヨウコ)の父親を嵌め、大きな借金を負わせた詐欺師が、尻尾を出した。
独自の調査により詐欺師を追い掛ける「タリオ」メンバー。詐欺師達は新しい標的を決め、再び大きな金を稼ごうとしていた。
同時に依頼が進行し、メンバーは二手に分かれて行動する事になる。
陽子と東堂瞭(トウドウリョウ)、そして西連寺穏歌(サイレンジシズカ)の三名は、法の抜け目を掻い潜る詐欺師達を出し抜き、法の裁きを受けさせられるのか?
最後に待っているのが、切ない幕引きであるとも知らずに…。

[キャスト]
三田麻央 市川知宏 中林登生(円神)
滑川恭子 上地慶 齋藤貴裕
澤邊寧央 幸田尚子 山本匠馬
新田えみ 荒木凪瑳 卯野壮馬
璃音 木村圭介 薮正紘
敦士

[劇場公演]
会場:新宿村LIVE(東京都新宿区北新宿2-1-2 新宿村CENTRAL 地下2階)
期間:2月22日(水)~2月26日(日)

[配信期間]
2月25日(土)18:00~3月4日(土)23:59

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