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映画『かぞくへ』

話題騒然の映画『かぞくへ』上映期間延長決定!【舞台挨拶レポ】

ありがとう。けど、云わん。

心に深く突き刺さる人間ドラマで話題騒然!大ヒット御礼!異例の1週間延長上映が決定!!

渋谷ユーロスペースでは、連日上映&トークショー

映画『かぞくへ』
2月24日(土)から映画『かぞくへ』が渋谷ユーロスペースにて連日21時から上映され、話題騒然となっている。
このほど、『かぞくへ』製作委員会は、大ヒット御礼!ということで、映画『かぞくへ』の上映期間を1週間延長することを発表した。渋谷ユーロスペースでは、3月16日(金)まで。また、3月10日(土)からは横浜・シネマリンでの上映も決定しており、初日の3月10日(土)はキャスト・監督による舞台挨拶も予定されている。
そのほか、愛知・名古屋シネマテーク、大阪・シネヌーヴォ、京都・出町座、神戸・元町映画館、栃木・宇都宮ヒカリ座、群馬・シネマテークたかさきで順次上映予定。
ユーロスペースでは連日上映後イベントを開催中であり、本記事では、3月5日(月)に開催された“トーク「徹底討論!佳織一家vs旭・洋人」”の模様をレポートする。

映画『かぞくへ』とは

映画『かぞくへ』は、2016年東京国際映画祭スプラッシュ部門で上映され、その後フランスの映画祭での3冠受賞、ドイツ、オランダ海外映画祭でも高い評価を得てきた春本雄二郎監督が手掛けた映画。

物語は、家族の温かさを知らずに生きてきた主人公・旭が、婚約者・佳織との結婚を目前にしながら、親友の洋人に紹介した仕事で詐欺被害にあわせてしまうところからドラマが始まる。
施設で家族同然に育ってきた親友・洋人と、祖母の病状の進行を考えて結婚を急ぐ婚約者・佳織との間で、次第に追いつめられる主人公・旭を中心に描き出した人間ドラマである。

この映画の宣伝には、クラウドファンディングが利用され、その上映支援プロジェクトには、『観るひとの心を大切に。』というフレーズが見出しとしてつけられており、春本雄二郎監督の想いやメッセージが記されている。

[参考]
MOTION GALLERY(クラウドファンディング・プラットフォーム)
観るひとの心を大切に。
心を描き、揺さぶる春本雄二郎初監督『かぞくへ』上映支援プロジェクト!
https://motion-gallery.net/projects/kazoku_e/updates

連夜の監督登壇とトークイベント

現在上映中の渋谷ユーロスペースでは、毎日、舞台挨拶&トークショーが上映前もしくは上映後に開催されている。
3月9日(金)21:00の回上映後には“トーク「かぞくへオールスター大集合!」”が行われる予定で、キャストの多くが春本監督とともに登壇予定。

舞台挨拶およびトークイベントの詳細は、下記の渋谷ユーロスペースのHPにて。
http://eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000236

【レポート】トークイベント“トーク「徹底討論!佳織一家vs旭・洋人」”

春本監督によると、本作は台本以外の情報は俳優の方々には伝えず、俳優自身の考えで演じてもらったという。
3月5日(月)に開催されたトークイベント”トーク「徹底討論!佳織一家vs旭・洋人」”では、改めて各キャストがどういう思いで演じたのかが語られた。

映画『かぞくへ』

登壇者(敬称略)
【旭・洋人】
・松浦慎一郎 [主役:杉浦旭(すぎうらあさひ)]
・梅田誠弘 [旭の親友:大柴洋人(おおしばひろと)]

【佳織一家】
・遠藤祐美 [旭の婚約者:池内佳織(いけうちかおり)]
・下垣まみ [佳織の妹:池内佳奈(いけうちかな)]
・瀧マキ [佳織たちの母:池内尚子(いけうちなおこ)]

【急きょ参戦】
・三溝浩二 [旭の勤めるジムの会長:石井聡太(いしいそうた)] ※当日、急きょ、参加が決定

【監督】
春本雄二郎監督

以上の顔ぶれで、春本監督による進行のもと、佳織一家(遠藤さん、下垣さん、瀧さん)と、旭(松浦さん)・洋人(梅田さん)、そして、ジムの会長(三溝さん)によるトークが始まった。

俳優の方々には自由に演じてもらった

春本監督
それでは、佳織一家と、旭・洋人、そして、ジムの会長による対談と申しますか、結婚観・人生観についてお話いただきたいと思います。
トークの前に、まずお伝えしたい点があります。
この映画の演出をするうえで、ボクは台本上で細かい設定とか背景を空気がわかるように書いているところがあります。
台本で演出をするというところもありまして、現場に臨んだり、リハーサルをする際に俳優部のみなさんには、台本に書かれていることの外の世界に関しては詳しく話さないようにしていました。
背景を詳しく説明してしまうことで、俳優部の方々が考えられているプランだったり、芝居の幅をせばめてしまうことを恐れていました。
なので、みなさんに台本を読んでもらったうえで、解釈した演技をしてもらって、ボクのイメージと一緒であれば、俳優部のみなさんがバックグラウンドでつくりあげた人生設計だったり、キャラクター造形がボクと変わっていても、そこは全然問題ないと思っています。
その点、俳優部の方々には自由に演じてもらいました。
今日は、ボクも知らないようなことや、みなさんの心の中が見えたりするのではないかと思うので、その点を楽しんでいただければと思います。

映画『かぞくへ』

春本監督

旭の婚約者・佳織は、旭のどこを好きになったのか?

春本監督
早速、佳織さんに質問します。
旭のどこが好きになったのか、優柔不断な彼のどこが好きになったのですか?

遠藤祐美(池内佳織 役)
やっぱり、優しいところ、朴訥なところというか、独特の一緒にいるとほっとする感じが良かったんだなと思うんですけど。

映画『かぞくへ』

遠藤祐美(池内佳織 役)

春本監督
今まで付き合ってきた男とは違ったんですかねぇ?
エリートな人たちと付き合ってきたんじゃないかと思ったんですけど。

遠藤祐美(池内佳織 役)
そうなんだと思います。多分…
その結果、行き着いたのが旭だと思うんですけど。

春本監督
エリートではなく、男はカネじゃない、顔じゃない。

遠藤祐美(池内佳織 役)
こころ。こころ…だというところだと。

自分のことのようにうれしい!

松浦慎一郎(杉浦旭 役)
すごいですね。なんか、役の話なのに、なんだか自分のことを言われているみたいで、すごい嬉しいんですけど(笑)
僕は旭は本当に女性経験がない男だと思っていて、だからこそ、不器用であったり、女性に対してこうすればいいのにできない部分があると思うんですけど。
で、佳織に対しては、普段は、役だと、冷たい・きついイメージがあるとみなさん映画を観て思ったんじゃないかと思いますが、でも、こうやって話してみると、笑顔が素敵で、きっと旭も、会話している時になにか、ドジ踏んだ時でも笑ってくれて。その時にガツンとやられたんじゃないかと勝手に思っているんですけど。

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松浦慎一郎(杉浦旭 役)

遠藤祐美(池内佳織 役)
普段は、ふたりはもっといい感じなんだけど、映画の中ではああいうところばっかり。

松浦慎一郎(杉浦旭 役)
本当はもっと、こうやって、仲良くしゃべっていろいろ話して、旭の失敗もカバーしてくれていると思うんですけど。
そういうのは構築してやってました。

梅田誠弘(大柴洋人 役)
付き合った当初の感じは、ケーキを渡したあたりが、そういう感じだったんじゃないかと。
最初は頼りになって、その優しいというところとか、そこに惹かれたんじゃないかなと。観ていて思いましたけどね。

映画『かぞくへ』

梅田誠弘(大柴洋人 役)

佳織と洋人のピリっとしたファーストコンタクト

春本監督
洋人さん、マンションに一回来たじゃないですか。
あの時はすごい空気になっていましたけど。

梅田誠弘(大柴洋人 役)
いや、こわかった!

春本監督
ものすごい、腹の探り合いになっていましたけど。

遠藤祐美(池内佳織 役)
あの瞬間、本当にイラっとして。
ふたりがすれ違って、でもぶつけるにもぶつけられない。
彼は悪気はないし…

春本監督
絶妙なタイミングで、「結婚おめでとうございます」って。

梅田誠弘(大柴洋人 役)
やっと会えたと思ったのに、何をそんなにピリっとしているのかなって。
ビビりましたね。

佳織の母の佳織への想い

遠藤祐美(池内佳織 役)
だから、佳織としてはいろいろあった末に、旭を選んだ・いいなって思ったんだけども、
お母さんはそれをいいと思ってくれなくて。

春本監督
お母さんに聞いてみたいんですけど、お見合い写真持ってきたじゃないですか。
あれは、あてつけだったのか、本気だったのか、どっちだったんですか?

瀧マキ(佳織の母 役)
半分は本気なんですよね。
「ねぇ、だから私の言った通りになったでしょう」って、きっと言っていると思うんですよ。
やっぱり、自分も結婚に一回失敗している感じがあって、娘には幸せになってもらいたいけど、だから、娘のことをすごく考えてはいるんだけれども、よく考えてみると自分のもとに置いておきたいというか、自分の管理下においておきたいっていう、そういう大人っていうか親って結構いますよね。
自分は娘のためと思っているけども、実際は自分のためかもしれない。
そこが、きっと佳織はイヤになって、家を出ていってしまって、優しい旭に惹かれていったんだと思うんですよ。
それで、長女はそんな感じですけど、次女の佳奈は、そういう長女と母の確執をみているから、やっぱり、うまく立ち回るというか穏やかに、しょうがないその中でなんとかやっていきたいって思って…ね?

映画『かぞくへ』

母と姉との板挟み。佳織の妹・佳奈のストレス

遠藤祐美(池内佳織 役)
妹のストレスは絶対かなり強いと思う。

瀧マキ(佳織の母 役)
ストレスはどうでしょうか?

春本監督
お姉さんには戻ってきて欲しかった?
旭と別れればいいのにとか、実は思っていたりして。
実際、どうなの?

梅田誠弘(大柴洋人 役)
いろいろ思ってそうですよね。

遠藤祐美(池内佳織 役)
言わないだけでね。

下垣まみ(佳織の妹・佳奈 役)
多分、佳奈はいろいろフラストレーションがたまっていたとおもうんですけど。

遠藤祐美(池内佳織 役)
でも、応援はしてくれている的な。

下垣まみ(佳織の妹・佳奈 役)
そうですね、佳奈はお姉ちゃんの味方でありたいとは思っていたので、反対するよりは、応援しているはず。
佳奈としては、旭さんのことはきっと知らないので、どういう彼氏なのかなっていう、気にはなっていて。

映画『かぞくへ』

下垣まみ(佳織の妹・佳奈 役)

春本監督
聞いちゃいけない感じ。
なにか、お母さんが嫌っているっていうのを分かっているし。

下垣まみ(佳織の妹・佳奈 役)
多分、この板挟みの中で、ずっと険悪な雰囲気は流れているとは思うので、あまり聞きたいとは思わないと思いますね。
さみしいという想いはあったんじゃないかと思います。

父親が出てこない映画

春本監督
この映画は実は、どの家族も、父親がまったくでてこなくてですね。
フランスの映画祭でも、あなたの映画に父親がまったくでてこないのはなぜですかともきかれました。
そこで、唯一の父親の存在といえるジムの会長、三溝さん。
旭に対して普段からどんな眼差しでみていたのか、接していたのか。

三溝浩二(ジムの会長 役)
やっぱり、佳織さんと一緒だと思うんですよね。
朴訥さというか真面目さというか、結果として、こんな事件に巻き込まれてしまうっていうのが、まさにその通りだと思うんですけれども。
彼の真面目さに惹かれる。後押ししたくなる。
家庭環境もね。そういう状況において、支援してあげたい・手助けしてあげたいなという想いがありました。
お互い、話さない、言葉が少ない関係なんですけど、男同士で分かる関係っていうのもあって、その辺は、女性の方をみてしまうと、わかってほしいなっていうのは多少あるんですけどね。
なんでうまくいかなかったのかなっていう想いもあって、でも、あえてそこは聞かなかったりするので。

映画『かぞくへ』

旭に対するジムの会長の父親目線

春本監督
旭がね。
一回、多分、お前、みんな心配しているぞって言って、見つめ合うじゃないですか。
それで、俺は詐欺にあったんですよっていうじゃないですか。
借金の額もひょっとしたら聞いているかもしれない。
旭はそのあたりを溜めこむ人間なんで、人に頼ってはいけないと思って、会長にも借金は頼まないと思うんですけど。
会長はそれはどういう風に折り合いをつけたというか、こいつ困っているんだろうなって思いつつ。

三溝浩二(ジムの会長 役)
なんかね、逆もあると思うんですけど、放っておく部分というのも逆に、冷たさというか、自分でなんとかしなければいけないぞっていうことも、会長・親目線もあって。

春本監督
自分で解決してみろ、やってみろ、なんとかしてみろ的な。

三溝浩二(ジムの会長 役)
男同士ですから、かわいいかわいいだけじゃなくて、いい大人でね。
なんとかお前がしろよ的な、彼の性格もわかっていて、その関係性ってのはありましたけど、あえて具体的な数字的なものは言われたら乗る感じ。

春本監督
本当に旭が切羽詰まって、二進も三進もいかなくなって、どうしても貸してくださいってことになったら、貸したでしょうね。

三溝浩二(ジムの会長 役)
ちなみにあのジムは、青木ジムといいまして、世界チャンピオンも出したジムです。
たいへんご協力いただいて、すごいジムです。
(記事註:青木ボクシングジム

この後、会場のお客様からの質問タイムとなった。
劇場で販売されているパンフレットには、撮影稿が掲載されており、映画鑑賞前後の予習・復習も可能だ。
劇場に足を運び、監督及びキャストに、この映画に対しての質問や感想を直接述べていただきたい。

映画『かぞくへ』

『かぞくへ』上映イベント

◆3月7日(水) トークショー:矢部太郎(芸人、漫画「大家さんと僕」作者)×春本雄二郎監督
◆3月8日(木) トークショー:矢田部吉彦氏(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)×松浦慎一郎、梅田誠弘、遠藤祐美、春本雄二郎監督
◆3月9日(金) 「かぞくへオールスター大集合!」
登壇:松浦慎一郎、梅田誠弘、遠藤祐美、おのさなえ、下垣まみ、瀧マキ、春本雄二郎監督

※追加ゲストイベントなどは公式サイト、公式SNSにて随時発信していく予定

 

『かぞくへ』
【CAST】
松浦慎一郎、梅田誠弘、遠藤祐美、三溝浩二、おのさなえ、下垣まみ、瀧マキ、森本のぶ
【STAFF】
監督・脚本・編集:春本雄二郎、撮影:野口健司、照明:中西克之
録音・整音:小黒健太郎
制作:福田智穂
助監督:浅見佳史
音楽:高木聡
プロデューサー:深谷好隆・春本雄二郎・南陽
海外セールス:植山英美(ARTicleFilms)
配給:『かぞくへ』製作委員会
配給協力:コトプロダクション
劇場営業:髭野純
【DCP/シネスコ/ステレオ/カラー/2016/日本/117分】
【公式サイト】http://kazokue-movie.com/
(C)『かぞくへ』製作委員会

【海外映画祭】
第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門 公式出品
第23回フランスヴズール国際アジア映画祭 審査員賞&NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)&ギメ東洋美術館審査員スペシャルメンション
第14回ソウル国際アガペー映画祭 Re-Awakening of The Asia Agape Films部門 公式招待
第17回ドイツニッポンコネクション2017 ニッポン・ヴィジョンズ部門 審査員スペシャル・メンション授与
オランダ カメラジャパンフェスティバル2017 公式招待

映画『かぞくへ』

[写真・記事:Ichigen Kaneda]

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