羽瀬川なぎ

【インタビュー】羽瀬川なぎ「3年ぶりの舞台で皆さんにお会いできることが楽しみ!」

室龍太主演舞台「ON AIR ~この音をキミに~」が7月28日より上演される。主人公の妹役で出演する羽瀬川なぎに、3年ぶりの舞台で目の見えない役を演じることの想いや、今後の抱負などを聞いた。

本舞台は、閉局が決まっているとある町の小さなFMラジオ局を中心に、音には人を救うチカラがあると信じる主人公・桜木真(演:室龍太)が、目の見えない妹・りん(演:羽瀬川なぎ)や、町の人々を巻き込みつつ、局の存続に向け動き出す物語。
羽瀬川なぎは、多くのドラマで活躍中。2022年4月まで放送されていたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、「ミス条映コンテスト」で優勝するエントリーナンバー9番・高山理恵役を演じ話題となった。舞台出演は本作で3年ぶりとなる。

羽瀬川なぎ インタビュー&撮り下ろしフォト

■3年ぶりの舞台

-舞台「ON AIR ~この音をキミに~」の出演が決まった時のお気持ちは?

羽瀬川なぎ
もともと舞台がとても好きで、このお話をいただく直前にも「だからビリーは東京で」という舞台を観て、「舞台をやりたい!」って思っていた時だったので、お話をいただいた時はとても嬉しくて、マネージャーさんとハイタッチしました。

羽瀬川なぎ

羽瀬川なぎ

-「だからビリーは東京で」はどんな舞台だったんですか?

羽瀬川なぎ
コロナ禍で葛藤する役者を主人公とした物語なんですが、伏線回収が見事で終わったあともいろいろ考えさせられて、劇場を出た帰り道でも私は泣いてしまうくらいでした。
他にもいくつも素敵な舞台を観て、私もまた舞台の上でお芝居をしたい!って思うようになりました。

-今回3年ぶりの舞台ということについては?

羽瀬川なぎ
舞台をやるたびにまた次やりたい!という思いが湧いてくるんですが、それは楽しいだけじゃなくて、1ヶ月の稽古期間を乗り越えてみんなで作り上げた舞台を最後まで演じきれた達成感と、同時にこうすればよかったな、次はこうしよう!っていう想いも芽生えるので、3年ぶりの舞台はとても嬉しいです。
初めましての共演者の方もいらっしゃって、中には人見知りですとインタビューに答えていらっしゃる方もいるのですが、皆さんと仲良くなれたら嬉しいです。

羽瀬川なぎ

-「ON AIR ~この音をキミに~」はどういう物語ですか?

羽瀬川なぎ
主人公の真(演・室龍太)が、いろんな人を巻き込んで、巻き込まれた人も当初は戸惑いながらも徐々に心を動かされて、それぞれが違う方向に向かって行動している中で、いろいろと入り組んで問題も起きるんですが、最後にはそれらが大きくひとつにまとまって観る者の心がポカポカする物語だと思います。ラジオを聴いたことが無い人、舞台を初めて観る人でも馴染みやすい作品になったら嬉しいです。

-そんな物語の台本を読まれた時の印象は?

羽瀬川なぎ
お兄ちゃんの真を中心にいろんな物語が起きて、私が演じる妹・鈴ちゃんもそれに巻き込まれつつも、兄弟愛や家族愛、葛藤など、いろんなところにいろんなストーリーがあって、混じり合っていくんだなという印象を持ちました。

羽瀬川なぎ

-羽瀬川さんが演じる“桜木鈴(さくらぎ りん)”というキャラクターについてご紹介ください。

羽瀬川なぎ
目が見えないという点に注目されがちですが、性格は普通で真面目な女の子なのかなという印象を持っています。希望も持っているし、目が見えない私を労ってよというところもない。目は見えないけど、彼女なりの景色を見ているし、考えを持っています。

-お兄ちゃんの真との関係性は?

羽瀬川なぎ
お兄ちゃんにはすごく救われているんじゃないかなと思います。もちろん、「お兄ちゃん、やめてよ」って言う場面もあって均等な関係性の側面もありますが、“鈴”ちゃんが彼女なりの景色を見ることができているのは、お兄ちゃんがいろんな音を録ってきて聴かせてくれるからこその景色だと思います。お兄ちゃんは純粋な気持ちで妹にいろんな音を聴かせたいと思って、旅にも連れて行く。お互いがお互いを支え合っている関係、それはやってあげなきゃというような感情じゃなくて、もう一段上の、純粋に想い合っている関係性なのかなと感じています。

-セリフは関西弁ですか?

羽瀬川なぎ
そうです!関西弁のレッスンはこれからです!

-ではそのレッスンの成果は舞台でお楽しみにということですね。

羽瀬川なぎ
はい!あんまり大きな声では言えないけれど(笑)

羽瀬川なぎ

■目が見えないことの自由

-目の見えない役ということも含めて、演じられるにあたって取り組まれていることは?

羽瀬川なぎ
目が見えない体験ができる「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行って、白杖を持って道を歩くことをやってみたりしました。そこで案内をしてくださる方は目の見えない方で、目が見えないことの体験だけじゃなく、日常を過ごす中でのお気持ちも伺うことができました。

-どんなお話がありましたか?

羽瀬川なぎ
いちばん印象的だったのは、案内してくださった方が「目が見えないということは、すべてを自分の発想で感じることができるから、それは自由なことなんだよ。」とおっしゃったことです。
たとえば、その日着る服の色は、一応家族がいくつか用意してくれたものがあるけど、見えないから違う色の組み合わせになることもある。でも、それはそれで今日のファッションなんだと楽しむようにしているということも伺って、新たな観点の発想を教えていただけました。

羽瀬川なぎ

■ラジオの魅力

-本舞台の羽瀬川さんのコメントで「日常生活においてラジオは欠かせない存在」とありますが、1日の中で、どの時間帯にどういった番組を聴かれますか?

羽瀬川なぎ
朝の支度中はずっとラジオを流していますし、夜ご飯を食べている時もラジオです。自分の家がずっとラジオを聴く習慣があったので、天気予報も交通情報も耳から聴いているし、いろんな情報をラジオから得ています。
私、小さい頃は不器用な子だったらしく、テレビをつけているとご飯を食べられなかったので、それでラジオになっていったとも聞いています。

羽瀬川なぎ

-この舞台はニッポン放送さんの企画ですし、羽瀬川さんはピッタリですね(笑)あと、語学番組も聴かれているとか?

羽瀬川なぎ
はい、英語、韓国語、中国語の番組を聴いています。ちゃんとテキストを買っているのは中国語なんですが、耳から聴くだけでも、日常生活で違う言語を聴くことになるので、すごく勉強になると思っています。

-ちなみにラジオは、radikoで聴かれてますか?

羽瀬川なぎ
radikoで聴くこともあります!でもメインはアナログのラジオで周波数合わせて聴いています。

-改めてラジオの魅力とは?

羽瀬川なぎ
いちばんの魅力はながらでいろんな情報を得られるところです。移動中でも、寝ながらでも聴けますし、日常生活で常に情報をキャッチできる便利なツールかなと個人的には思っています。是非ラジオを聴いてほしいです。

-なるほど。私は大阪在住時代、朝からずっとその日のニュースを解説してくれる番組を朝支度しながら聴いてました。それこそ朝シャワーしながらも。

羽瀬川なぎ
いいですね!

羽瀬川なぎ

■スライム動画を中学生の頃から日常的に見ています!

-羽瀬川さんが俳優の道に進まれたきっかけは?

羽瀬川なぎ
小さい頃から両親に舞台に連れて行ってもらうことが多くて、徐々にその魅力にハマっていって、いつの日か、舞台って観るだけじゃなく、演じる側に立つこともできるんじゃないか?って気づいた時に、徐々に俳優というお仕事に興味を持つようになったのがきっかけです。

-今後、挑戦してみたい作品ジャンルや、キャラクターはありますか?

羽瀬川なぎ
ミステリー作品が大好きで、小学生の時にミステリーの本を読みすぎて視力が落ちてしまったりしたほどに。
ミステリー且つ自分が好きな作家さんの作品の実写化に自分が関われたら嬉しいなって思います。

-お好きな作家さんとはたとえばどなたですか?

羽瀬川なぎ
最初に好きになったのはミステリーというよりホラーに近い山田悠介さんで、その後、伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」を呼んで好きになったり、ミステリー作品を通して仲良くなった友だちもいるくらいです。

羽瀬川なぎ

-最近ハマっていることは?

羽瀬川なぎ
スライムの動画を見るのが大好きです。ASMRが好きで、スライムの動画は中学生のころから日課のようにずっと見ています。自分で買ってきて遊んだりもします。
あと、スクイーズっていう低反発のおもちゃがあって、これも好きでいっぱい持っています♪

-最近観て良かった映画作品があれば教えてください。

羽瀬川なぎ
『トップガン マーヴェリック』『リーマン・トリロジー』『五等分の花嫁』です。あと、単館の映画館で映画を観るのが大好きで、そこで1日3本ハシゴをしたり、そういう時は時間に合った作品を観てみたりします。最近では『JUNK HEAD』や『14歳の栞』も面白かったです。

羽瀬川なぎ

■ドラマにレギュラー出演してみたい

-6月19日はお誕生日ということで改めておめでとうございます。なにかお祝いしていただきましたか?

羽瀬川なぎ
お祝いメッセージをいくつもいただきましたし、母親が風船を膨らませてくれたんですが、上手に結べなかったらしくて、ハートになるはずが別の形になってました(笑)

-24歳になられたこの1年、あるいは今後でもいいですが、抱負をお聞かせください。

羽瀬川なぎ
一番はドラマにレギュラー出演してみたい。そしてまた舞台に立ちたい。さらに好きなラジオに出たい。この3つを目標としています。
お芝居ってこんなに楽しいんだって、作品に出会う度に感じますので、それが映像と舞台ではまた違って楽しさがあって、両方をずっとやっていけたら幸せだなと思います。

-お芝居のどういうところが魅力ですか?

羽瀬川なぎ
演じることで違う人格や思考になれることです。もちろん難しいところもありますが、楽しいなって思います。

-羽瀬川さんが思う映像と舞台の違いは?

羽瀬川なぎ
極端な話で言うと、映像は最後のシーンから撮ることもありますし、限られた角度だけで切り取られるものです。でも舞台はそれこそ360度シアターもあるように、いろんな角度から観ることができますし、最初から最後までたとえば2時間ずっとその役を演じることになります。
役に対する向き合い方は同じことだと思いますが、その先にある見え方や順番がまったく違うものだなと思います。

羽瀬川なぎ

■最後にメッセージ

-最後に舞台「ON AIR ~この音をキミに~」を楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。

羽瀬川なぎ
個人的には3年ぶりの舞台だから皆さんにお会いできることが楽しみですし、舞台とラジオに少しでも興味のある方は観に来ていただけたら嬉しいです。いろんな感情に出会えると思います!

羽瀬川なぎ

■撮り下ろしフォトギャラリー

羽瀬川なぎ(はせがわ なぎ) プロフィール
1998年6月19日生まれ(24歳)。身長158cm、特技はバレーボール 十露盤 着付け。趣味はスライム、スクイーズ、語学勉強(英語)。
2018年から俳優活動を始め、2022年だけでも、NTV「真犯人フラグ」、CX「ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇」、KTV「ドクターホワイト」、NTV「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」、EX「未来への10カウント」など出演作が目白押し。
NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、「ミス条映コンテスト」で優勝するエントリーナンバー9番・高山理恵役を演じ話題となった。

[インタビュー・撮影:三平准太郎]

舞台「ON AIR ~この音をキミに~」

【あらすじ】
彼の名前は桜木真。目の見えない妹の鈴とともに東京からこの小さな町に引っ越してきたのだ。
真は、音響効果を行う音効マン。人の声だけでなく、あるゆる自然、街の音を録音する。
それは目が見えない鈴のためでもあり、音には人を救うチカラがあると信じているからだった。

「ラジオは聴いて楽しいだけじゃない。人の悩みを解決する場所だ。
顔が見えないからこそ本心を打ち明けられる場所なんだ」

真が勤めることになった町のラジオ局「FMほし観河」。ネット社会の御時世、聴取率も振るわず、予算の関係上、閉じることが決まっていた。
町役場の職員、茜はその予算を防災などインフラ整備のために充てるという。
お互い町のためを考えているが意見が合わない。
だが、真はラジオの力を信じ、町の高校生の明人も巻き込み、局の存続に向け動き出す。

出演:室龍太 新内眞衣 小西成弥 羽瀬川なぎ
植村好宏 笠井隆介 森下ひさえ seico 谷野まりえ 伊藤駿九郎 古賀柚奈
螢雪次朗

作・演出:宇田学
原案:田中渉
企画・製作:ニッポン放送
公式サイト:https://konooto.jp/
公式Twitter:@OAkonooto

<東京公演>
2022年7月28日(木)~8月7日(日)全16公演
会場:新国立劇場 小劇場

<京都公演>
2022年8月13日(土)・14日(日)全3公演
会場:京都劇場

ON AIR ~この音をキミに~

 

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