• HOME
  • News
  • 音楽
  • 【ライブレポ】50年歌い継がれた名曲をイルカとゆかりの音楽仲間が大合唱。さだまさしや息子の冬馬もサプライズ登場
イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

【ライブレポ】50年歌い継がれた名曲をイルカとゆかりの音楽仲間が大合唱。さだまさしや息子の冬馬もサプライズ登場

2022年1月23日、東京国際フォーラムホールAにて『イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート』が開催され、イルカゆかりのゲストとして伊勢正三、尾崎亜美、杉田二郎、南こうせつ、そしてスペシャルゲストとしてさだまさしと、イルカの息子である神部冬馬が登場した。

本公演は、イルカが1971年5月にシュリークスに参加してデビューしてから50年、1991年10月にラジオ番組「イルカのミュージックハーモニー」(ニッポン放送)が始まって30年。こうしたイルカにとってアニ バーサリーな年に合わせた形で開催されたコンサートだ。
なお、本公演は、3月10日(木)、J:COMにて無料放送予定。

ライブレポート

■南こうせつ/伊勢正三/イルカ

会場には番組のオープニングテーマ「ダンス・ウィズ・ミー」とともに、イルカの「時刻は午後4時を回りました」といつものラジオ番組と同じような雰囲気のナレーションが流れる。会場が暗転し、雪が降る演出の中、ステージにスポットライトが当たると、イルカ、南こうせつ、伊勢正三の3人がステージ中央に並び、イルカバンドの演奏をバックに1曲目の「なごり雪」をフルアレンジで演奏する。この曲は元々は伊勢正三が作詞・作曲したかぐや姫の楽曲で、イルカによるカバーバージョンが1975年に発売&ヒットし、今も歌い継がれている誰もが知る楽曲だ。イルカがこの曲を広めた育ての親だとしたら、生みの親と育ての親による歌唱に、会場は冒頭から大きな拍手に包まれた。
続けて、この3人でハーモニーを交えつつ「海岸通」(1979)を披露。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

南こうせつ/イルカ/伊勢正三

伊勢正三がイルカに「50周年おめでとうございます」と声をかけると場内は大きな拍手に。南こうせつが「学生の頃からの長いお付き合いで」と懐かしむとイルカは「その時私は19歳でした。大分からすごい後輩が来たということで紹介してもらいました。」と振り返った。

ここでイルカの衣裳の話題に。「スタッフの方が用意してくれたんだけど、『ちょっと短くない?』っていう話になって(笑)」とイルカが語ると、伊勢正三は「(そんなに足を出して)勇気がある。でも似合ってる」。
「ありがとう。若い方なら当たり前けど、古希を過ぎた私なので皆さん、プラスアルファで見てちょうだい」とイルカは客席に呼びかけた。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

南こうせつ/イルカ/伊勢正三

■杉田二郎/イルカ

ここで、南こうせつ、伊勢正三はいったん降壇し、杉田二郎が登場。イルカが横でハーモニーでサポートする形で、杉田二郎は、「風」(1969/はしだのりひことシューベルツ)、そして、「これからも子どもたちがずっと戦争を知らない世界であってほしい」と願いを込めて「戦争を知らない子供たち」(1970/ジローズ)と2曲を披露した。
イルカは「二郎ちゃん」と呼びながら、シュリークスとして(夫でもある故・神部和夫と)2人で歌っていた時に、事務所にも入っていない私たちを、当時人気絶頂だった杉田二郎の家に呼んでもらって、杉田二郎手作りのスープをご馳走になった50年前の思い出などを語った。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

杉田二郎/イルカ

■サプライズゲスト・さだまさし登場!

杉田が降壇した後、イルカは番組内で「もしかしたらサプライズゲストが来るかも?」と匂わせていたことを話し出す。「スケジュールが間に合うかわからない。まだ会場に来ていないから、どこかで“雨やどり”しているのかしら? “関白宣言”しちゃってたらどうしよう!」と話し、観客はすぐに誰が登場するのかわかったようで大きな拍手が巻き起こる。
そして、サプライズゲストとしてさだまさしが50本の赤いバラの花束を持って登場。
実は、同じ日の23日、隣の東京国際フォーラム ホールCで平原綾香のコンサートが開催されており、さだはそのコンサートのスペシャルゲストでもあり、なんと掛け持ちでの登壇となった。
さだは、「1972、73年頃、僕がまだアマチュア時代に長崎国際文化会館でシュリークスのコンサートを聴きました」と、イルカとの出会いの思い出を語り、「(コンサートで)しゃべっていいんだなということは、シュリークスのライブで知ったんです。それからです。僕のライブのMCが長くなったのは。」と明かし、会場内の笑いを誘った。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

さだまさし/イルカ

そして、イルカがコーラスでサポートする形で、さだは自身のギター弾き語りで「案山子」(1977)を歌い上げた。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

イルカ/さだまさし

■尾崎亜美/イルカ

20分の休憩を挟んで後半がスタートすると、イルカは紫色のスタジャンに衣裳チェンジし登場。そしてまたしてもミニスカートだ。
イルカによると紫色は「古希色」でもあるとのことで、古希のお祝いとしてこのスタジャンがプレゼントされたと紹介した。

そして、ここで尾崎亜美が登場。イルカは「私たちは声が似ている声の美人姉妹と言われたり、(色気がないから)不可能姉妹とか、もののけクローバーZ、ニッポン放送のイベントで『春一番』を歌った時にドタキャンディーズと呼ばれたりすることがありました。」と尾崎との仲の良さを見せる。
尾崎亜美は「イルカさんとは仲が良いけど、意外にも二人でデュエットする機会が少なかったので今日は楽しみにしてた」とコメントしつつ、イルカバンドの演奏でイルカが1978年にリリースした「サラダの国から来た娘」を披露。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

尾崎亜美/イルカ

そして、イルカと入れ替わる形で、尾崎亜美の夫でもある小原礼が登壇。尾崎のピアノと小原のベースのみの演奏で、「春の予感」(1978)、「マイ・ピュアレディ」(1977)と2曲続けて演奏した。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

イルカ/小原礼/尾崎亜美

■伊勢正三/イルカ

そしてイルカの「正ちゃん!」の呼び声と共に、伊勢正三が再度登場。イルカバンドの演奏で、イルカとデュエットする形で2曲を披露。
まずは、イルカのソロデビュー曲となった「あの頃のぼくは(イルカVer.)」(1974/伊勢正三・作詞作曲)。イルカは「正ちゃんは私が持っていないものを惹きだしてくれる」と伊勢正三に改めて感謝を述べる。
次に、「雨の物語(イルカVer.)」(1977/伊勢正三・作詞作曲)と、イルカのルーツとなった曲を続けて演奏した。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

イルカ/伊勢正三

■南こうせつ

ここで南こうせつが一人で登場。「うちのお父さん」(1974)を披露したあと、小学一年生の大分に住んでいた頃、兄と二人でバスを乗り換え、幼い2人にとってはまるで冒険のようにおばさんの家にたどり着いた時の感動の思い出を語り、それを歌にしたという「幼い日に」(2001)を哀愁漂う歌声で会場を響かせた。

■南こうせつ/伊勢正三

そして、イルカと交代する形で伊勢正三が登場、「神田川」(1973/かぐや姫)、「22才の別れ」(1975/風)の2曲を2人で歌唱。
「神田川」 は昨年逝去された喜多條忠氏が作詞した曲。 「22才の別れ」は フォークデュオ・風のデビュー曲で、ともに活動していた大切な音楽仲間、大久保一久氏昨年亡くなられている。2人への追悼の意を込めて歌われたこの2曲は、 それぞれにとっても大切な楽曲で、歌い上げた後 2人は「生きていると色々あるよね」としみじみと語っていた。

■イルカ&2人目のスペシャルゲストとして息子・神部冬馬登場!

終盤はイルカのソロパート。本日2度めの衣装チェンジもミニスカートに白いブーツ。「今まで履けなかったけど、人生楽しまなきゃ。私の母は昨年秋に95歳で大往生しました。私も年齢的にメインは終わったけど、還暦を過ぎるとデザート世代ということで皆さんへの応援歌のつもりで。」と、「人生フルコース」(2017)を披露。
ステージバックスクリーンは青空になり、イルカ曰く「古希+1」の年齢とは思えない軽やかなステップを踏み、間奏では両手を大きく上げて、客席に拍手を煽る一幕も。

イルカとして50周年ということだが、そのプレとして2年前にスタッフからは「シュリークスからやりましょう」という声も出たが「亀吉くん(=イルカの亡き夫・神部和夫氏の愛称)がいないからできないじゃない」とイルカが答えたところ、「息子さんの冬馬くんがいるんだから、神部和夫さんのパートは息子さんに歌ってもらえばいいじゃない」という意見が出たという。
そこで、「今日は、せっかくだから息子を働かそうと思います」と、シンガーソングライターとして活躍する神部冬馬をステージに呼び込む。
イルカが「髪の毛長いね」と言うと、冬馬は「お父さんのイメージで髪の毛を伸ばしてました。」と、2020年に発売されたイルカのアルバム「原石時代」のツアー(1箇所を除いてコロナ禍で中止)以来伸ばし続けていることを明かす。
そして、初の母子合作の「原石」を母子でデュエット。2番は冬馬が歌い出しするなど、大サビでは二人で美しいハーモニーを会場に響かせた。
イルカは「4月からレコーディングに入るので、また母子で合作できたらいいね」とも。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

神部冬馬/イルカ

そして、再びイルカ一人になり、「いつか冷たい雨が」(1979)を披露。

最後は本日のゲスト全員(さだを除く)が登場し、「まあるいいのち」(1980)を大合唱。この曲は、イルカ10周年の1980年に、イルカの亡き夫・神部和夫氏のひと言「命の大切さを歌にできないかな・・・」をきっかけに生まれた。歌い終わるとイルカは大きな声で会場に集まったファン、リスナーに「ありがとうございました!」と感謝を述べ、イベントはフィナーレを迎えた。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

神部冬馬/杉田二郎/南こうせつ/イルカ/伊勢正三/尾崎亜美

アンコールでは「なごり雪」を再び息子の神部冬馬と一緒に熱唱。最後に「これからも是非『イルカのミュージックハーモニー』を聴いてくださいね! また会いましょう!」と集まった観客にメッセージを送り、イルカにとってのアニバーサリーを祝う記念すべきイベントは、晴れやかに幕を下ろした。

イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート

小原礼/尾崎亜美/伊勢正三/杉田二郎/イルカ/南こうせつ/さだまさし

■セットリスト

この日のセットリストは、「イルカのミュージックハーモニー」でリクエストの多い楽曲を選曲して構成された。

南こうせつ/伊勢正三/イルカ
M01. なごり雪
M02. 海岸通

杉田二郎/イルカ
M03. 風
M04. 戦争を知らない子供たち

さだまさし/イルカ
M05. 案山子

尾崎亜美/イルカ
M06. サラダの国から来た娘

尾崎亜美
M07. 春の予感
M08. マイ・ピュアレディ

伊勢正三/イルカ
M09. あの頃のぼくは(イルカVer.)
M10. 雨の物語(イルカVer.)

南こうせつ
M11. うちのお父さん
M12. 幼い日に

南こうせつ/伊勢正三
M13. 神田川
M14. 22才の別れ

イルカ
M15. 人生フルコース

イルカ/神部冬馬
M16. 原石

イルカ
M17. いつか冷たい雨が

全員
M18. まあるいいのち

イルカ/神部冬馬
EC1. なごり雪

[記事:桜小路順]

■フォトギャラリー

 

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA