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祈り ―幻に長崎を想う刻―

高島礼子・黒谷友香W主演、被爆した長崎を舞台に描く戯曲初映画化『祈り ―幻に長崎を想う刻―』

戦争の爪痕が色濃く残る昭和32年の被爆後の長崎を舞台に、焼け落ちた浦上天主堂に残るマリア像を人知れず運び出そうとする鹿(高島礼子)と、忍(黒谷友香)の二人の女性を描いた人間ドラマ、映画『祈り ―幻に長崎を想うとき―』の公開が決定。キャストらからのコメントが到着した。

第6回岸田演劇賞受賞 第10回芸術選奨受賞 日本演劇史の金字塔、原作:田中千禾夫『マリアの首-幻に長崎を想う曲-』ついに映画化

先の戦争で長崎に投下された原爆は浦上天主堂の上空に投下。長崎市の人口24万人のうち約7万4千人が一瞬にして亡くなった。長崎市民は「最後の被災地であってほしい」と今も慰霊をささげ、世界に向けて平和国家を祈り続けている。

本作は、明治の長崎市に生まれ、文学座創設への参加や岸田国士戯曲賞の審査員を務めるなど1990年に亡くなるまで、劇作家・演出家として日本の演劇界に多大な影響と発展に寄与した田中千禾夫(ちかお)が、戦争と原爆の悲惨さを後世に伝えていきたいと1959年に発表し、第6回岸田演劇賞、第10回芸術選奨文部大臣賞を受賞した戯曲『マリアの首-幻に長崎を想う曲-』を原作として初映画化した作品。
昨年の戦後75年ではコロナ禍の影響により式典など中止が相次ぎ、戦争を知る世代が少なくなっている今、戦争の悲惨さ、愚かさを伝える貴重な作品となっている。

被爆のケロイドを持つカトリック信徒・鹿役に映画『長崎ぶらぶら節』(00)で、第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、最近作では主演映画『おみおくり』(18)、『犬鳴村』(20)。一方、舞台、ドラマ、CMで活躍中の高島礼子。
詩集を売りながら、原爆の跡地で自分を犯した憎き男を探している忍役に映画『TANKA 短歌』(06)で初主演を果たし、最近作では『Daughters』(20)また宮本亞門演出舞台「画狂人 北斎」と映画・舞台・ドラマの他に自ら実践するライフスタイルを提案するなど幅広い活躍をみせる黒谷友香。
さらに、田辺誠一、金児憲史、村田雄浩、寺田農、柄本明、温水洋一ら個性派・実力派俳優陣が魅力溢れる熱演で脇を固めている。
監督はニュース映画『今なお苦悩は続く~土呂久公害70年~』で毎日映画コンクール短編映画部門グランプリを受賞し、その後、映画監督として『天心』『サクラ花 桜花最期の特攻』『ある町の高い煙突』などを手掛けた松村克弥。
撮影は『ラヂオの時間』で第21回日本アカデミー賞優秀撮影賞受賞の髙間賢治、編集には『おくりびと』で第32回日本アカデミー賞最優秀編集賞受賞の他、数多くの受賞経験を持つ川島章正が手掛けるなど一流のスタッフが結集。

また、主題歌には長崎出身のさだまさしの「祈り」(新自分風土記Ⅰ~望郷編~)を採用。奇しくも浦上天主堂で市民コーラスの方々に協力してもらい収録した楽曲となる。さらに、美輪明宏が「マリア像」の声を唯一無二の存在感で演じて作品に神秘的な世界をもたらしている。

本作は、8月20日より、シネ・リーブル池袋他全国公開、8月13日(金)より、ユナイテッド・シネマ長崎にて先行公開される。

祈り ―幻に長崎を想う刻―

ポスタービジュアル

今回解禁されたポスタービジュアルでは、焼け落ちた浦上天主堂に残るマリア像と美しい海辺の夕景をバックに高島礼子と黒谷友香の二人が佇む全身カットが配置され、その二人の表情は、哀しみにも憂いにも決意にも見え、マリア像を巡って、映画のラストでは、どんな幕引きを迎えるのか注目せずにはいられない仕上がりになっている。
また2017年に長崎を訪れたローマ教皇が平和の大切さを訴えるため、「戦争がもたらすもの」とメッセージを添えて紹介したことで、「被曝マリア像」同様に世界の注目を集めた写真「焼き場に立つ少年」をポスターにも象徴的に使用されている。

祈り ―幻に長崎を想う刻―

メインカット

そして解禁されたメインカットは高島礼子演じる鹿と黒谷友香演じる忍を中心に、焼け落ちた浦上天主堂に残るマリア像に向けて祈りをささげる象徴的なカットとなっている。

コメント

●高島礼子/鹿(しか)役
撮影前に長崎で被爆者の方から直接お話を伺ったことで、とても気持ちの入った演技が出来ました。
教科書では習わなかったことや被害の大きさ、被爆者差別などを知って愕然としました……コロナ禍にある現在との共通点も強く感じます。
本作では、皆さんが1つの目的を持って力を合わせれば、きっと成果につながるという熱いメッセージが込められています。是非、映画をご覧いただき、何かを感じ取っていただければと思います。

高島礼子

高島礼子

●黒谷友香/忍(しのぶ)役
76年前に上空約500メートルの高さで炸裂した一発の原子爆弾により、長崎の街は一瞬で破壊され多くの方々の命が奪われました。
長崎ロケに向かう飛行機が徐々に高度を下げ、眼下に広がる街並の中に人々の暮らしを見た時、戦争は過去にあった出来事などではなく、人類が確かに行ってしまったしわざであって、何かの歯車が少し狂っただけで、この当たり前な平和は保っていられなくなるのだと強く感じました。
世代を超えて、特に若い方々に是非観ていただけたらと思っています。

黒谷友香

黒谷友香

●松村克弥監督
長崎の被爆を舞台にした作品は多いが、田中千禾夫の原作は戦後10余年の設定にしたところが秀逸。経済成長をめざす流れの中、被爆の記憶を必死に残そうとする名もなき市民、しかも女性たちが主役である。
戦争は悲劇であるはよく言われるが、田中の原作は、戦後もそれが続く現実を庶民の目から徹底的に真摯に描く。
戦後75年を超え、いまだ悲しいニュースや不穏な時世に揺れる日本と全世界に、田中が遺した劇中のセリフを捧げたい。私たちに今も響く真の言葉である。「一緒にいのちのゆくえば祈りましょう」

映画『祈り ―幻に長崎を想うとき―』

物語
1945年8月9日11時2分、広島に次ぐ二発目の原子力爆弾が長崎市に投下され、人口24万人のうち約7万4千人が一瞬にして命を奪われた。
東洋一の大聖堂とうたわれた浦上天主堂も被曝し、外壁の一部を残して崩壊。それから12年の時が過ぎて──、浦上天主堂跡から被曝したマリア像を盗み出す一味の姿があった。首謀者はカトリック信徒のふたりの女。彼女たちは、なぜマリア像を盗み出さねばならないのか……?!

出演:高島礼子/黒谷友香
田辺誠一/金児憲史/村田雄浩/柄本明/美輪明宏(被爆マリア像の声)

監督:松村克弥『天心』『ある町の高い煙突』
脚本:渡辺善則/松村克弥/亀和夫 統括プロデューサー:家喜正男
撮影:髙間賢治  美術:安藤篤 音楽:谷川賢作 プロデューサー:亀和夫/城之内景子
原作:田中千禾夫「マリアの首」(戯曲)
主題歌:「祈り」(新自分風土記Ⅰ~望郷編~) 歌:さだまさし
制作協力:NHKエンタープライズ 製作:Kムーブ/サクラプロジェクト
協力:映画「祈り」を応援する会 後援:長崎市/(一社)長崎県観光連盟
2020年/日本/110分
(C)2021 Kムーブ/サクラプロジェクト
配給:ラビットハウス/Kムーブ
公式サイト:inori-movie.com
公式Twitter:@inori_movie

2021年8月20日(金)より、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー!
8月13日(金)より、ユナイテッド・シネマ長崎にて先行公開

祈り ―幻に長崎を想う刻―

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