中川大志「想像力でお客さんを見ています!」映画『FUNNY BUNNY』初日舞台挨拶
4月29日、都内にて映画『FUNNY BUNNY』の初日舞台挨拶が行われ、中川大志、岡山天音、飯塚健監督が登壇。無観客となった舞台挨拶を残念がりつつも、作品を届けられることの感謝の気持ちを明かした。
本作は2012年に上演されて大いに反響を呼んだ、飯塚監督のオリジナル戯曲を映像化。舞台版では謎が謎を呼ぶという緻密なプロットが演劇ファンを熱狂させ、のちに飯塚自らの手によって小説化もされている。
自殺志願者を見分ける能力を持つ、自称“小説家”の剣持聡(中川大志)。彼が自らの正義のもとで繰り広げる奇想天外な騒動が、人生につまずき、暗澹たる思いをする若者に、再び生きる希望を与えていく。
舞台挨拶レポート
■公開初日を迎えた今の気持ち
中川大志(剣持聡 役)
ほんとなら、劇場でお客さんを迎えての舞台挨拶の予定だったんですが、こういう形になりました。でもまずはこの作品を届けられることになりまして、ほんとに感謝しています。
岡山天音(漆原聡 役)
こういった形での舞台挨拶はなかなか珍しいと思いますが、皆さんの元にこの作品が届くということで楽しんでいただけたらなと思っています。
飯塚健監督
やっぱりお客さんの顔を見て挨拶したかったなって改めて思います。ですが、映画が公開となりましたので、楽しんでいただけたらなと思います。
■久しぶりの共演
-中川さんと岡山さんは久しぶりの共演だったんですよね?
中川大志
はい。5、6年前にドラマの1話で共演しましたが、一緒のシーンが少しあるくらいだったので、そんなにお話もしてなかったですよね。
岡山天音
ぜんぜんしゃべってなかったですね。
中川大志
なので、僕の中の天音くんはベールに包まれたままでした。
現場でガッツリご一緒させてもらったのは、今回が初めてだったので嬉しかったですし、楽しかったです。
岡山天音
楽しかったですね。
中川大志
図書館で2人で隠れてずっと密談してたよね(笑)
岡山天音
現場で共演の俳優さんと、お芝居のことや台本のことについて話し合うって意外と無いじゃないですか。だからそういった意味でも貴重でしたし、最初に共演した頃から考えると、だいぶ(距離が)近くなったなって。
中川大志
ただ、天音くんの感情というものがあまり表に出てこないので、果たして今楽しいのかな?とか、俺と一緒にいてつまんなくないかな?とか、最初は不安だったんですけど(笑)、だんだん天音くんの空気感、テンポ感がわかってくると居心地が良くなりました。
でも、今日久しぶりに会ったらまたちょっと距離が・・・(笑)
岡山天音
あんなに濃密な時間を過ごしたじゃないですか(笑)
前回、共演した時の大志くんは10代でしたが、既に世の中的には認知されていて、ほんとうにスマートでエリートな印象がありました。
今回は、剣持役ということもあるのかもしれませんが、役に対してほんとに愚直で、かと思えばとってもピュアな部分もあって、まぁ前回が数日だったからというのもあるかもしれませんが、イメージがひっくり返ったという印象です。
大志くんがいないところで「大志くん、大好き!」って言うくらいになってますね。ファンです!
中川大志
僕もです。僕も大好きです!
■天音くんは何を考えているのかわからない
-この二人をキャスティングされた理由は?
飯塚健監督
剣持という役は、いろんな仕事をしてきた中で大志だと決めていて、で、そこの隣にいる男は果たして誰なんだろう?って思った時に、一番何を考えているのかわからない人がいいなって思って、天音ってそういうやつなんですよね。さっきの話にもあったと思うんですけど、ちょっと怖いんで似合うかなって思って(笑)
岡山天音
みんな、そう思ってたんですね。
■「今、想像力でどうにか乗り越えたいこと」
-この作品には「剱持語録」がたくさん出てきます。そこでキャッチコピーにもある「世界を救うのはいつだって想像力だ!」というセリフについて皆さんに質問します。今、想像力でどうにか乗り越えたいことは?
中川大志
僕は今、想像力で客席にお客さんを見てますよ。やっぱりこういう環境になってから、画面越しが多くなって、直接会ってその人の温度感だったりを感じる機会がほんとに少なくなったので、そういうことをより考えるようになりました。
一度も直接顔を合わせることなくひとつの仕事が終わっていくこともあったりするので、より想像する機会が増えました。
岡山天音
僕は人間関係ですね。人と人は難しいですからね。
飯塚健監督
何があったの?
岡山天音
一人で過ごすことは基本的に苦ではなく、一人で解決する趣味ばかりなので・・・
飯塚健監督
何を言ってるの?ぜんぜんわかんない(笑)
中川大志
いろいろあるんですよね。人と人の間でいろいろあることを想像力で乗り越えていきたいよね。
岡山天音
そう、想像力で。
飯塚健監督
僕は今、6歳になろうとしている娘がいるんですが、僕らが子どもの頃には考えられなかったいろんな制限が増えていて、小さい子たちの遊びも変わってきちゃってるんです。どういうふうに大人になっていくのかってすごく考えるようになりました。
■SNSで募集した質問コーナー
Q.皆さんは続編を希望しますか?ドラマ化もしてほしいです。
中川大志
今回は、図書館とラジオ局が舞台となるエピソードですけど、他にもエピソードがありますので、このメンバーでそれができたらどんなに楽しいだろうと強く思っています。またやれたらほんとに幸せなことだと思っています。
岡山天音
僕も大志くんと同じくなんですけど、先に舞台版の映像を見て好きな作品になりましたし、当時は自分がまさか参加することになるとは思ってなかったですけど、今後また僕が漆原を演じるという形で続編があるんだったら絶対に参加したいです。
中川大志
ほんとにやってくれるんですか?常に多くの仕事で飛び回っている天音くんだから、今作の撮影中でもスケジュールが心配になっちゃうことが。
岡山天音
ほんとに皆さん、心配していただきました。エナジードリンクをくれたりとか(笑)
Q.「ウサギが過去を呼び覚ます」というセリフがありますが、戻りたい過去ってありますか?
中川大志
それこそ道を歩いている時に、登下校の学生さんたちを見かけると、学生の時に戻りたいなぁって思うような歳になりました(笑)
もっと遊んどきゃよかったなぁとか、この仕事をやりながらの学生生活だったので、そんな中でもすごく楽しかったんですけど。
修学旅行も行きたかったなぁ。
あと、だんだん学生服を着る仕事が減ってきたんですが、今作では着ているのでそこは見てほしいですね。まだまだ学生服もいけるぞと。
飯塚健監督
あと2年くらいはいけるんじゃない?(笑)
岡山天音
考えたんですけど、無いっすねぇ・・・
すみませんね、トークリレーで毎回僕のところで失速させて。
中川大志
今がいちばん楽しいってことですよね?
岡山天音
そうなんですよ。過去には戻りたくないです。
中川大志
常に先しか見てないってことですよね。
岡山天音
そうです!
そうなんです、今日までほんとに大変でした。
中川大志
なにが!?(笑)
岡山天音
未来が大好きです。
-では、未来に何かやってみたいことはありますか?
岡山天音
無いんですよねぇ(笑)
飯塚健監督
天音くん、記者の皆さんが書きやすいような話を披露してくださいよ(笑)
岡山天音
もし続編があったら、その時にお話します・・・
飯塚健監督
でも僕もないんですよね(笑)過去に戻りたいとはまったく思わないですね。戻ってたまるか!です。
Q.着ぐるみでの演技で大変だったことは?
中川大志
大変でしたね。二人とも被っているので、隣同士で話してても、お互い何を言っているのか聞こえないんですよね。お互いどこにいるのかの距離感も難しいですし。視界がとても狭いので、あれでよく走ったりしてたなぁ。
岡山天音
前半、被ったままお芝居していると気分も落ち込んできたんですけど、脱げたあとは「お芝居楽しい!」っていう開放感がありましたね。と思ったら、また被ることになるんですけど。
飯塚健監督
すみませんでした(笑)
中川大志
でも、何よりも感染対策にはなってましたね(笑)
Q.中川さん演じる剣持は自殺志願者を見抜く特殊能力がありますが、皆さんがもし何か持てるとしたらどんな特殊能力がいいですか?
中川大志
僕、緊張するとお腹が痛くなっちゃうんですよ。なので、お腹が痛くならない特殊能力がほしいですね。
弱いエピソードですね。(記者さんの)それじゃ書けないよって空気を感じてます(笑)
Q.図書館で衝撃のシーンがありますが、いかがでしたか?
岡山天音
めっちゃうがいしました。嫌われないように。
中川大志
あの感触が忘れられないですね。あれからずっと脳裏に焼き付いています。
飯塚健監督
当たった瞬間って何を思うんですか?
中川大志
半ば意識が半分ぶっ飛びながら、バンバン分泌させながらやってたので・・・
飯塚健監督
カットかかっても酸欠に近い状態だったもんね。
■最後にメッセージ
中川大志
この1年、作品を作ってお届けするという仕事は、現場の環境も届け方も変わってくる中、どういうことができるんだろうと考える1年でした。そんな中、この作品は劇場と配信の同時公開ということで、作品は皆さんに見ていただいて初めて成立するので、お客さんの選択肢が増えたことは良かったと思います。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/記事:桜小路順]
映画『FUNNY BUNNY』
INTRODUCTION
ドラマ、舞台、PVなど様々な分野で才能を発揮する映像作家・飯塚健による傑作舞台&小説がついに映画化!
ウサギの着ぐるみによる[図書館襲撃]と[ラジオ局電波ジャック]―。2つの事件に隠された謎と悲しい真実が明かされた時、おかしくて、切ない物語は加速する。
自殺志願者を見分ける能力を持つ、自称“小説家”の剣持聡。彼が自らの正義のもとで繰り広げる奇想天外な騒動が、人生につまずき、暗澹たる思いをする若者に、再び生きる希望を与えていく。
様々なロジックを散りばめた“剣持語録”を含め、隅々に至るまで小ネタ満載でエッジの利いた新感覚エンターテインメント。
絶望や悲しみ、慟哭が、大きな希望へと昇華され、先が見えない不安を抱える現代人の心に、希望という名のくさびを打つ!
一癖も二癖もあるアクの強いキャラクターの主人公・剣持聡役には、数々の映画やドラマで今や国民的人気を得た中川大志。剣持の相棒・漆原聡役には、映画やドラマ、舞台で独自の個性を発揮する岡山天音。その他、関めぐみ、森田想、レイニ、ゆうたろう、田中俊介、そして落合モトキら、全員がテンポのいいアンサンブルを繰り広げ、角田晃広、菅原大吉が脇を固める。謎が謎を呼び、最初から最後まで先が全く読めない痛快シニカルミステリー!
ウサギが過去を呼び覚ます。
STORY
とある図書館に「強盗」しに現れた二人の愛くるしいうさぎ。目的は「絶対借りられない本」を見つけること・・・はぁ!?だが、あっという間に形勢は逆転し、捕らえられてしまう。観念した二人組・剣持と漆原から事の真意が明かされる。「絶対に借りられない本の中に、宝の地図が隠されている」。そこに秘められた驚愕の真実とは!?
月日は流れ、図書館で出会った五人は、またしてもとんでもないミッションをするハメに。それはラジオ局を「襲撃」し「電波」を盗むこと。剣持から語られたのは、まったく売れなかったバンドと幻の名曲に秘められた哀しい真実。果たして無事にクリアできるのか? DJブースのマイク前に立つバンドによる、最後の曲が流れ始めるー。
中川大志 岡山天音 / 関めぐみ 森田想 レイニ ゆうたろう / 田中俊介 佐野弘樹 山中聡 落合モトキ / 角田晃広 菅原大吉
監督・脚本・編集:飯塚健 製作総指揮:森田圭 エグゼクティブプロデューサー:多田一国 大野高宏 プロデューサー:金山 宇田川寧 吉田憲一
共同プロデューサー:田口雄介 音楽:海田庄吾 撮影:小松高志
原作:舞台「FUNNY BUNNY -鳥獣と寂寞の空-」(演出・脚本 飯塚健 /青山円形劇場、 2012)、小説「FUNNY BUNNY」(飯塚健/朝日新聞出版)
製作:KDDI
制作プロダクション:ダブ
配給:「FUNNY BUNNY」製作委員会
(C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会
公式サイト:https://funnybunny-movie.jp
4/29(木・祝)より、映画館&auスマートパスプレミアムにて同時ロードショー
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