森山未來「変わるということを変わらず受け入れていきたい」4部門受賞『アンダードッグ』第75回毎日映画コンクール
2月17日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)にて、第75回毎日映画コンクールが開催された。その中から『アンダードッグ』より男優主演賞・森山未來、日本映画優秀賞・武正晴監督の受賞スピーチ&会見をご紹介。(動画&フォト)
『アンダードッグ』は、第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出されるなど、多数の映画賞を席巻した『百円の恋』から6年。監督・武正晴、脚本・足立紳をはじめとする製作陣が、キャストに森山未來、北村匠海、勝地涼を迎え、再びボクシングを題材に不屈のルーザーたちへ捧げる挽歌を作り上げた。
過去のささやかな栄光が忘れられず〝かませ犬(=アンダードッグ)〟になり果てた今も、ボクシングにしがみつく事しかできない主人公を中心に、人生から見放された三人の男たちのドラマを描く。
受賞スピーチ
森山未來
『アンダードッグ』で4部門受賞できたことを大変嬉しくおもっております。
そして、僕個人としては、水川あさみちゃんや宇野祥平さんも『アンダードッグ』に関わっていただいているということで(それも嬉しいです)。
余談ですけど、宇野さんはサウナの店員役で、僕がバイトで勤めてるという設定なんですけど、その撮影が終わった後に、「今度試合のシーン(の撮影も)よかったら来てくださいよ」って言ったら、本当に最後の試合のシーンに普通にフラっと現れて見に来てくれて、気がついたら、僕の父親役の柄本明さんの下に宇野さんがいて、普通に応援してくれていたんです。多分、そのおかげでこの賞がいただけてるんじゃないかなと僕は思っています(笑)
この時期、自分ではどうしても選択できない境遇によって大変な時期を過ごされている方もいるかと思います。
僕ももちろんその煽りを受けていないわけではないんですけど、そういう方たちの後押しになるような映画になればいいなと思いましたし、自分もこの映画に携わったことによって、ひとつグっと底上げがされたのかなという気分でもいます。
今、どんどん複雑性を増してる世の中になってる気もするんですが、その中でもシンプルに立って柔軟に流動的に表現の世界ってのを謳歌していければいいなと思います。ありがとうございました。
■表彰式後会見
-改めて受賞おめでとうございます。森山さんご自身にとってこの作品はどのような作品になりましたか?
森山未來
あんまりコロナに結びつけるのも良くないんですけど、この作品は2020年に撮影をして、2020年に公開することができました。今年の1月からはAbemaTVさんの方でまた別編集版も公開されました。元々、映画の公開は映画館だけじゃなく、配信でという流れは世の中でありますが、この作品もたまたまそういう時代にフィットしたっていう形にもなりました。
そういった、表現の多様性というかアウトプットの多様性が今、顕著にいろいろ出始めてる中で、そういう流れと共にこの作品は僕ん中ではすごくあるなというのは客観的に感じることです。
-先ほどの受賞スピーチで、今のコロナ禍の影響を受けていないわけではないとおっしゃってましたが、今、お仕事に対してどういう取り組みをされていますか?
森山未來
影響があるっていう意味では、例えば昨年・今年だったら、コロナっていうことですけど、それ以前もこれ以降も、いろんな影響を受けながら生きていくっていう意味で、影響がないわけではないっていうぐらいの、僕はそういう感覚です。
もちろん仕事の内容だったり、変化というのは必ずあるものであって、だけど、自分がどう在るか、どう立ってるかっていうことに関しては、変わらずいれたらいいなっていう感じです。“変わる”っていう事を変わらず受け入れられれればいいなっていう感覚です。
■受賞スピーチ&会見 ノーカット動画
森山未來、武監督の全スピーチ、会見内容は動画でご覧ください。
■フォトギャラリー
[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『アンダードッグ』
STORY
手にしかけたチャンピオンへの道からはずれた今も〝かませ犬(=アンダードッグ)〟としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・晃(森山未來)。幼い息子には父親としての背中すら見せてやることができず“かませ犬”から“負け犬”に。プライドも粉砕され、どん底を這いずる“夢みる”燃えカスとなった晃は、宿命的な出会いを果たす。一人は、 “夢あふれる”若き天才ボクサー・龍太(北村匠海)。児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚めるが、過去に起こした事件によってボクサーとして期待された将来に暗い影を落とす。もう一人は、夢も笑いも半人前な “夢さがす”芸人ボクサー・宮木(勝地涼)。大物俳優の二世タレントで、芸人としても鳴かず飛ばずの宮木は、自らの存在を証明するかのようにボクシングに挑む。 三者三様の理由を持つ男たちが再起という名のリングに立つとき、飛び散るのは汗か、血か、涙か!?
出演:森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、熊谷真実、水川あさみ、冨手麻妙、萩原みのり、風間杜夫、柄本明 ほか
監督:武正晴(「全裸監督」、『百円の恋』)
原作・脚本:足立紳(『百円の恋』、『喜劇 愛妻物語』)
音楽:海田庄吾(『百円の恋』、『喜劇 愛妻物語』)
主題歌:石崎ひゅーい「Flowers」(Sony Music Labels Inc.)
企画・プロデュース:東映ビデオ 制作プロダクション:スタジオブルー
配給:東映ビデオ 製作:ABEMA 東映ビデオ
公式HP:underdog-movie.jp
公式Twitter:@Movie_UNDERDOG #アンダードッグ
(C)2020「アンダードッグ」製作委員会
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。