初共演の森山未來×藤竜也が親子を演じる『大いなる不在』、トロント国際映画祭でワールドプレミア上映決定。キャストコメント&海外ポスター到着
森山未來が主演し、藤竜也、真木よう子、原日出子が出演する映画『大いなる 不在』が、現地日程9月7日(木)~9月17日(日)開催、第48回トロント国際映画祭のコンペティション部門となる「プラットフォーム部門」で、ワールドプレミア上映されることが決定し、キャストの喜びのコメントとともに、海外ポスターが解禁となった。
トロント国際映画祭は、長らく非コンペティションの映画祭といわれていた が、2015年にコンペティション部門を新設。名匠ジャ・ジャンクーの監督作品名にちなみ「プラットフォーム部門」と名付けられた。
芸術的価値が高く、力強く監督のビジョンを示している作品を中心に選出され、過去に第89回アカデミー賞《作品賞》となった『ムーンライト』がこの部門で上映されたことから、アカデミーの前哨戦として注目されるトロント映画祭の中でも特に注目される部門になっている。
また、日本人監督としてこのコンペティション部門に招待されるのは、黒沢清監督(『タゲレオタイプの女』2016)以来、2人目となる。
本作では、森山未來演じる主人公の父親を藤竜也が、妻を真木よう子が演じる。また、物語で重要な鍵となる父親の後妻を、原日出子が演じている。森山と藤は《初共演》となる。森山と真木は『モテキ』(2012)ぶりの共演となり、藤と原は、『ションベンライダー』(1993)以来40年ぶりの共演に。
本作の監督を務めるのは、近浦啓。長編デビュー作『コンプリシティ/優しい共犯』(2018)が、トロント、ベルリン、釜山などの名だたる国際映画祭に正式招待され、本作が2作目の長編作品となる。
本作のスタッフは、『誰も知らない』『海よりもまだ深く』などの多くの是枝裕和監督の作品を支えた山崎裕が『コンプリシティ/優しい共犯』に続き撮影を担当し、本作は全編35mmフィルムで撮影された。サウンドミックス・デザインには、『ドライブ・マイ・カー』などの野村みき・大保達哉のユニット P.A.T Works が担当。音楽は、これが長編映画初劇伴作品となる新進気鋭の作曲家糸山晃司が担当している。
本作は、コンペティション部門にノミネートされた10作品の中から選出される「プラットフォーム・アワード」に加えて、すべての上映作品から選ばれる「観客賞」(ピープルズチョイス・アワード)の対象となっており、映画祭期間中に、キャストの森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子が、揃って映画祭への出席を予定している。
映画『大いなる不在』は、2024年の日本公開を予定している。
コメント
●森山未來(もりやま・みらい)
この度は『大いなる不在』が評価され、トロント国際映画祭のコンペティション部門という名誉あるセクションに選ばれたことを、心から光栄に思います。ある種の虚構の世界で生きる父にまるで俳優のように寄り添い、やがては世界に溶けていく彼を穏やかに見守る。近浦監督の実体験に着想を得たそんな物語に役者として参画するという、不可思議なレイヤーの海の中で揺れていた北九州での記憶が甦ります。トロントでの上映を経て、多くの方にこの作品を観ていただけることを願っています。
●藤竜也(ふじ・たつや)
2022年、年が明けて間もないころ、近浦監督から新作のオファーを頂いた。『Empty House』『コンプリシティ/優しい共犯』に続いて3回目のご指名だった。嬉しかった。光栄なことだと思った。でも、期待に応えられるかどうか心配だった。台本を読んだ。読んだ、読んだ。私が演ずる男が好きになった。物理学を研究して、その分野で名を残したが、うんと普通で、煩悩にまみれた男。純粋ばかのおとこ。私は新幹線のように素早く、この男の中の入りこめたように思います。『大いなる不在』の試写を見ました。私の魂のどこかにくらった重い衝撃!これは何だろう?無理に分析したら、大切な何かが行方不明になりそう。この映画は、一人ひとりの見る側と、近浦さんの映画との会話で成り立つのではないかと思った。
●原日出子(はら・ひでこ)
この度は出演作『大いなる不在』が、栄誉ある映画祭のコンペティションに選出されました。このような素晴らしい作品に出逢えましたこと、心から感謝いたします。そして近浦監督をはじめ映画制作に携わった全ての方たちにお祝い申し上げます。ある種ドキュメンタリーのようなリアリズムと、計算され、完成され尽くした作品作りの中で直美の役を生きた時間は私にとってかけがえのない時間となりました。素晴らしい作品に参加できたことを光栄に思います。是非世界の舞台に羽ばたいていって欲しいです。
●真木よう子(まき・ようこ)
私は、初めて生きている、歩く芸術に目を奪われた。それが森山未來の仕草であった。なんて美しく、気高く、女の私が敗北をくらった、許すまじ森山未來。台本を頂き、キャストの名を聞き、恐らくその頃からこの様な名誉を頂く作品だという事を疑う事すら愚かな事だと感じた様に思います。だけど、多くの人には共感させない。お目が高い人だけご覧下さい。
●近浦啓(ちかうら・けい)監督
この映画は、その名の通り「不在」についての映画です。「ない」何かに向けて目を凝らすことは、その輪郭を形づくる「ある」何かに対して思索を深めることになります。そんな抽象的な考えを具象化し、ミステリー傾向の高いエンタテイメント映画に仕上げたい、という想いでスタートしました。日本が誇る役者の方々、そして、技術者の方々が集まってくれたことにこの場を借りて深く感謝いたします。トロント国際映画祭のコンペティションという大きな舞台でこの映画が船出できることをとても嬉しく思います。いつかきっとこの航海が、日本の劇場に辿り着きますように。心から願っています。
近浦啓監督 プロフィール
2013年、短編映画『Empty House』で映画監督としてのキャリアをスタート。2015年から2017年にかけて、短編映画2本を発表し、第38回クレルモン=フェラン国際短編映画祭、第 70回ロカルノ国際映画祭、第42回トロント国際映画祭をはじめ数多くの映画祭に選出され、長編映画制作への土台を築く。2018年、『コンプリシティ/優しい共犯』で長編映画デビュー。第43回トロント国際映画祭(ディスカバリー部門)でのワールドプレミア上映を皮切りに、第23回釡山国際映画祭(アジア映画の窓部門)にてアジアプレミア、さらには、第69回ベルリン国際映画祭(キュリナリー・シネマ部門)でヨーロッパプレミアを果たし、世界各国のトップクラスの映画祭に招待。日本国内では、第19回東京フィルメックスで、観客賞を受賞。2020年2月に全国劇場公開された。2023年、2本目の長編映画である『大いなる不在(英題: GREAT ABSENCE)』を発表。第48回トロント国際映画祭のコンペティション部門でのワールドプレミアが決定した。
映画『大いなる不在』
出演:森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子 ほか
監督・脚本:近浦啓
共同脚本:熊野桂太
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
特別協力:北九州フィルム・ コミッション
製作:クレイテプス
© 2023 CREATPS
2024年公開予定
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