安藤政信×三吉彩花×山田孝之 映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』初日舞台挨拶
2021年9月17日、新宿バルト9にて、映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』初日舞台挨拶が行われ、安藤政信、枝優花、武正晴、西遼太郎、花田陵、針生悠伺、藤原知之、三吉彩花、山下敦弘、山田孝之が登壇。
伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。
本作は、そのプロジェクトのひとつとして制作されたもので、9本のオムニバスから構成される。本日の舞台挨拶に登壇したのは、本来、俳優や漫画家も含まれているが、本作では、映画監督に挑戦している。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
安藤政信は、初監督作のお披露目について聞かれると「素直に嬉しい。自分の作品のために素晴らしい芝居をくれた孝之や葵、撮影クルーに感謝しています」とコメント。
タイトルの“桜”が劇中に登場しないが?との質問には「金沢でのロケハン時、『桜並木があるから』と連れて行ってもらったんです。でも行ったら咲いていなくて。これから咲くのかと思ったら、すでに散ったあとでした(笑)」と苦笑い。続けて「桜は登場しませんが、その代わり、ラストシーンで“桜色”を彷彿させる描写を入れました」と独自の美意識を明かす。
安藤と同じく監督初挑戦となった三吉彩花は「自分にとっての大きい変化が、誰かにとっては些細なことだったり、その逆もある。今回、プロのバレエダンサーである飯島望未さんに、主人公(山口まゆ)にしか見えていない“ニケ”という存在を演じていただきましたが、彼女の踊るシーンを一番美しく撮ろうと思ったし、観た方にも自分の変化を思い返すきっかけになって欲しいと思いました」と語り、最後は「監督業は初めてでしたが、迷いながらも伝えたい気持ちを込められたかなと思う。次は長編にもチャレンジしていきたいです」と意欲を見せた。
同じく初監督組の漫画家・花田陵は、「漫画というのは、自分でコマを作って絵を描いていくもの。全て自分で決めていく作業であり、言い換えれば自分の能力を超えるものはない。でも映画というものは、素晴らしい役者さんとスタッフが集まって画面を作ってくれる。自分一人では絶対に生み出せない“画”ができあがっていくのは素晴らしい体験でした」と振り返る。
一方、枝、武、山下、3人の監督たちは次のように撮影の舞台裏を語った。
枝優花監督
(『Petto』の)着想は、テレビで政治家がある発言が原因で世間から叩かれていたこと。彼はずっと前から同じような発言をしていたし、今に始まったことじゃない。そんな時、我が家で飼っている犬は散歩もせずだらだらしていて、人間がいないと生きられない。その時に、ペットと政治家が結びついたんです。
武正晴監督
監督作『暴れる、女』は、僕と脚本家の足立紳にとって10年越しの企画なんです。『百円の恋』より前の、何もしていなかった頃に2人で喫茶店でアイデアを出し合っていました。今の心境は『短編映画で終わらせてたまるか!』というか、長編にしたい気持ちがある。なので、これを観てもらって『続きが観たい』と思う方はぜひご連絡をください(笑)
山下敦弘監督
(脚本の向井康介や撮影の近藤龍人など)大阪芸術大学時代からの仲間たちと撮った作品。プロになる前から遊んでいたメンバーなので、若干照れ臭さはありました。第1弾が始まったばかりですが、商業映画がたくさん作られている中で、本シリーズのような“しがらみのない映画”も楽しんでもらえたら」
また、選定クリエイターの3人は次のコメントを。
西遼太郎監督
就職をきっかけに九州から上京したものの、すぐにコロナの影響で仕事もあまりできなくなってしまって。そんな時に企画したのがこの作品。『充電人(じゅでんちゅ)』というタイトルの由来は、自分のメモ帳に1行、“充電人”と書いてあったのがきっかけ。その1行から設定や物語を膨らませていきました。
針生悠伺監督
2014年に撮った、自分にとって初めてのショートムービー。スケートボードやトランスフォーマーなど、自分が大好きなものを詰め込みました。いくつかの海外映画祭で上映されましたが、国内ではあまり機会がなかったので、今回の企画は本当に嬉しいです。
藤原知之監督
コロナ禍で仕事がなくなったことをきっかけに作ろうと思った映画。一時期は劇中の映画監督と同じような苦悩に陥り、脚本が書けなくなりましたが、この悩みこそ映画にしてみようと思ったんです。『それでも映画を撮っていいんだよ』と言ってもらえるようなものにしたかったです。
それぞれの監督のコメントを見守っていた山田孝之Pは、今回プロデュース業だけでなく、安藤監督作『さくら、』にも出演。「撮影は大変でした。安藤さんには常にマックスの状態でぶつかっていきましたし、そんな僕を安藤さんは全力で受け止めてくれました」と撮影を述懐。
シーズン2以降で監督としても参戦する山田は「僕らが考えた面白い取り組みが、多くの方に支えられながらようやくスタートしました。9作品をご覧になった皆さんは、気になる監督や俳優を見つけたら、過去の仕事を振り返ったり、彼らのこれからを応援して欲しい。僕らは映像で何かを表現して、何かしらの気づきや感動を皆さんに提案することがメイン。こういう人たちがいることを忘れずに、これからのシーズンも応援していただけたら嬉しいです」と締めくくった。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』
監督:安藤政信 枝 優花 武 正晴 西遼太郎 花田 陵 針生悠伺 藤原知之 三吉彩花 山下敦弘 (五十音順)
出演: 安藤政信 飯島望未 宇野祥平 奥村心結 春日潤也 河井青葉 木村多江 友近 永井理子 仁村紗和 本田響矢 水澤紳吾 森川 葵 山口まゆ 山田孝之 山中蓮名 山本浩司 山本剛史 横田真悠 吉田美月喜 渡辺大知 渡辺 哲 (五十音順)
©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
公式サイト:films.mirrorliar.com
予告編
■収録作品
『さくら、』
主人公は、友人Aの恋人と秘密の逢瀬を重ねていた。だが友人Aが突然亡くなる。 順調に思われていた3人の友情は、友人Aの死を引き金に次第に歪んでいく。
監督:安藤政信 出演:山田孝之、森川葵、安藤政信
『Petto』
高校2年生の春乃は親の希望通り国立大学進学を目指しているが、本当はトリマーになりたい。しかし、ずるずると本音を打ち明けられずにいた。そんな春乃のもう一つの悩みは、幼馴染がパパ活しているという噂だった…。
監督:枝 優花 出演:吉田美月喜、横田真悠、河井青葉、渡辺哲
『暴れる、女』
模範囚を演じきり、仮出所できることになった響子。彼女を出迎えたのは、響子の恋人に頼まれた男、友広だ。車に乗り込んだ彼女は、食欲や性欲、あらゆる欲望を開花させる。
監督:武 正晴 出演:友近、渡辺大知
『充電人』
目覚めるとおへそから電源ケーブルが生え、充電がないと生きられない「充電人」になってしまった轟 雷太。そんな矢先、雷太が恋心を抱く神名瑠輝からデートのお誘いが!
監督:西遼太郎 出演:本田響矢、永井理子
『INSIDE』
物心ついてから一度も外に出たことのない少女。「外は危険だ」と母は言うが、ある日玄関の向こうから聴こえた「音」。その<ほころび>が、少女のINSIDEを動かし始める。
監督:花田 陵 出演:山中蓮名、木村多江
『B級文化遺産』
“B級文化遺産”に登録されているマンホールを踏んでしまったスケーターのアキラは、そのペナルティとして、謎の組織から命を賭けたゲームに強制的に参加させられる。
監督:針生悠伺 出演:春日潤也
『無題』
ある日出会ったホームレスの少女を主人公に、映画を撮り始める若手監督イツキ。しかしイツキはそのことで、ずっと気づかない振りをしていた歪んだ現実を突きつけられることになる。
監督:藤原知之 出演:仁村紗和、奥村心結
『inside you』
自分のしたいことが分からない主人公。「幼い頃、何を夢見ていたのか?」と自問自答する彼女は、移動中のバスの中から、河川敷でクラシックバレエを踊る女性の姿を見つける。
監督:三吉彩花 出演:山口まゆ、飯島望未
『無事なる三匹プラスワン コロナ死闘篇』
震災から10年。あの男たちが帰ってきた。彼らに待ち受ける新たな敵は、「新型コロナウイルス」。新しい出会いのない4人の前にやってきたのは…。
監督:山下敦弘 出演:山本浩司、山本剛史、宇野祥平、水澤紳吾
9月17日(金)全国順次公開!
MIRRORLIAR FILMSとは?
「だれでも映画を撮れる時代の幕が開く」
《MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)》はクリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクトです。年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、メジャーとインディーズが融合した、自由で新しい映画製作に挑戦します。
“変化”をテーマとした36名の監督による短編映画を4シーズンに渡りオムニバス形式で公開。初監督多数、俳優、漫画家、ミュージシャンらが参加し、一般公募枠の12作品は、419作品の応募から選抜されました。映画祭の開催ほか、多様な作品を多様な形で国内外に届けていきます。全国の地域と連携した制作支援や上映会、ワークショップと連動することで、だれでも参加できる参加型プロジェクトを目指します。
参加監督:Azumi Hasegawa/阿部進之介/安藤政信/井樫彩/池田エライザ/枝優花/GAZEBO/紀里谷和明/Ken Shinozaki/駒谷揚/齊藤工/志尊淳/柴咲コウ/柴田有麿/武正晴/西遼太郎/野﨑浩貴/花田陵/林隆行/針生悠伺/福永壮志/藤井道人/藤原知之/真壁勇樹/松居大悟/三島有紀子/水川あさみ/三吉彩花/村岡哲至/村上リ子/ムロツヨシ/山下敦弘/山田孝之
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