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橋本愛/のん

橋本愛「のんさんとの7年ぶりの共演は快感だった」映画『私をくいとめて』ワールドプレミア舞台挨拶

11月5日、映画『私をくいとめて』のワールドプレミア@第33回東京国際映画祭および上映前舞台挨拶が行われ、主演・のん、林遣都、橋本愛、大九明子監督が登壇し、本作への思いを語った。

本作でメガホンを取ったのは、『勝手にふるえてろ』(17)で、第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞、その後も『美人が婚活してみたら』(19)、『甘いお酒でうがい』(20)など次々と話題作を手掛ける、大九明子。
原作は、高校在学中の2001年「インストール」で第38回文藝賞を受賞しデビュー後、芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた綿矢りさ原作の小説「私をくいとめて」。
おひとりさまヒロイン・みつ子に扮するのは、女優・創作あーちすと のん。みつ子が恋する年下男子・多田くん役には、実力派俳優・林遣都が演じる。また、みつ子の親友役皐月を、のんとは2013年に放送されたNHK連続テレビ小説以来7年ぶりの共演となる橋本愛が演じる。

本作『私をくいとめて』は、第33回東京国際映画祭の「TOKYOプレミア2020」選出作品で、観客投票による観客賞対象となっている。

舞台挨拶レポート

私をくいとめて

■ワールドプレミアの日を迎えて

のん(みつ子 役)
みつ子を演じさせていただきましたのんです。皆さん今日はお集まりいただきありがとうございます。
映画を上映する今日の日を迎えられててめちゃくちゃ嬉しく思っています。

のん

のん

林遣都(多田くん 役)
こんばんは。多田くん役を演じさせていただきました林遣都です。
何日か前に完成したこの映画を見させていただいてすっごく面白くて、高揚した状態で皆様にお披露目できる日を楽しみにしておりました。
皆さんと一緒に、そして映画を愛する方々、映画作りに関わる方々と今日という時間を共有できてとても幸せに感じております。

林遣都

林遣都

橋本愛(皐月 役)
のんさん演じるみつ子の親友役の皐月を演じました。
綿矢さんと大九さんの再タッグ作品に自分が携わることができて本当に幸運でしたし、映画を見て本当にポップでチャーミングですっごく面白くて、これから皆さんに観ていただけるのかと思うとものすごくワクワクします。

橋本愛

橋本愛

大九明子(監督・脚本)
まず、東京国際映画祭で、このようにお客様をお入れする形で開催していただいたことは、世界中の映画人が敬意と感謝、色々な思いを持って迎えていると思います。
それに大変感動いたしましたし、感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
そしてその中に私どものこの映画を選んでいただきましたことも大変幸福に思います。
おかげさまで私どものこの映画、本日この日がこの国際映画祭という舞台で初お披露目、ワールドプレミアという形を取らせていただいて、これも色々なことがあった1年の映画祭ですので感慨もひとしおです。ありがとうございます。

大九明子監督

大九明子監督

■大九明子監督×綿矢りさ再タッグのきっかけ

-監督に伺います。3年前『勝手にふるえてろ』で本映画祭で観客賞を受賞されました。それに引き続き綿矢りささん原作の本作ですが、どんなところに魅力を感じられましたか?

大九明子監督
ちょうど『勝手にふるえてろ』仕上げている頃だったと思うんですけど、色々な方から「大九さん綿谷さんの新作読みました」と言われ、なんかとんでもないことになってますよと。
私が「勝手にふるえてろ」を勝手にお預かりして、主人公のモノローグの文体で書かれている小説を会話劇に開いて演出したんですが、そのようなことが(本作の原作では)脳内の“A”っていう人との会話として出てくるという話を聞きまして、すぐに書店に走りました。
そうしたら、色に溢れたとってもカラフルで楽しい読書体験をさせていただけたので、最初は映画にするつもりなく読んでたんですけど、もし他の人がこれを映画にして、私が好きなこの綿矢文学の世界が、もし私が期待しているものと違う映画になったらイヤだなと思ってすぐにシナリオを書いてしまいました(笑)

■のん「原作を攻略本に台本を解釈した」

-のんさんにお伺いしたいと思います。今回は脳内相談役“A”がいるというとても珍しい役です。撮影はいかがでしたか?そして、どのように役を作っていかれたのでしょうか?

のん
みつ子を演じられたのはとても楽しい時間でした。みつ子の痛みはどこにあるのかっていうのを台本と共に原作も読んで探っていきました。原作本を片手に台本読んでるというような。
大九監督の書かれたセリフと共に、そこに流れる原作のみつ子の感情みたいなのを探るために、原作を攻略本にして台本を読み、解釈するというような感じです。
あとは、みつ子が買いそうな、カフェ巡りや旅行雑誌を買って、みつ子が好きそうなものに丸をつけたり、おひとりさまを楽しむ実感を掴む作業をしたりしました。

のん

のん

-林遣都さんはのんさんとの初共演はどうでしたか?そして、多田くんというキャラクターをどのように作っていかれたましたか?

林遣都
のんさんとは初めてお会いして、一緒にお芝居をしていてすごく楽しかったです。
普段の穏やかな印象から、お芝居が始まって本番スタートがかかった時に、一気に目の色から変わるというか、すごい吸引力みたいなものがあって、常にそこに突き動かされていて、一緒にお芝居をしていて、細い瞬間を大事に大事に共有できてる感覚があってとても楽しかったです。
撮影も本当に楽しくて、多田くんいう役は、原作とは変わっているので新たに作っていこうという思いがあったんですけれど、脚本にはヒントが少ない人物だったので(笑)、自分なりに想像して膨らましていって、あとは大九監督の演出を楽しみたいなっていう思いで現場に臨みました。
でも、序盤のうちから自分の浅はかな想像を超えた演出が毎日のように監督から飛んでくるので、それがもう楽しくてたまらなかったです。そして終わる頃にはもっともっと演じたいっていう思いがピークに達しているところで撮影が終わってしまって。僕、もっといろいろやりたいんでまたよろしくお願いします(笑)

林遣都

林遣都

大九明子監督
こちらこそです!

林遣都
映像を観た時に、今まで見たことがない自分の表情を見た気がしたので、それがとても嬉しかったです。

私をくいとめて

のん/林遣都

■のん×橋本愛 7年ぶりの再会&共演は、お互いニヤニヤから。

-そして橋本さんにお伺います。のんさんとは7年ぶりの共演ですが久々の再会はいかがでしたでしょうか?また、皐月というキャラクターどのように作っていかれましたか?

橋本愛
7年ぶりということでございまして(笑)、久しぶりにお会いしたんですが、私が(現場に)入った初日に、私とのんさんとのラストシーンの撮影だったんです。
で、その頃には二人の役どころの関係性はエンディングを迎えているのに、私たちは久しぶりすぎてメチャクチャ照れて、ヘラヘラしながら段取りして(笑)
しかも、セリフのないシーンでアドリブで作り上げなくてはいけなかったに、私たち二人、お互いニヤニヤしながらで(笑)、大九監督には段取りにならないものを見せてしまって申し訳なかったです(笑)

橋本愛/のん

橋本愛/のん

大九明子監督
いえいえ、とんでもないです(笑)

橋本愛
でもその後に、これじゃヤバイと思って、「本読みしてください」とお願いして、2人でほんと軽く読み合わせただけなのに、ものすごいスピードで2人の関係が埋まっていく実感があって、そのシーンの撮影ははなんとか(スケジュール内に)間に合って、すごい!魔法だなと思いました。
(のんさんとの)久しぶりのお芝居は、玲奈ちゃんの瞳から、いろんな感情とか、いろんな情報がたくさん入ってきて、セリフ以上の心の言葉っていうのをやり取りする時間っていうのを、毎シーン、毎シーン感じていて、それが電気が走ったみたいな快感だったんです。
だから私も毎日本当に楽しく撮影していました。

-のんさんは橋本さんとの再会はいかがでしたか?

のん
めちゃくちゃ嬉しかったです。なんかすごい嬉しくて、撮影の前の日は「明日は愛ちゃんとだ!」ってワクワクしてたんですけど、実際に顔を合わせてみるとすっごい恥ずかしくて緊張して、目を合わせられないみたいな、すっごいドキドキしちゃって。
それまで、映像での愛ちゃんは見てはいたけど、実際に数年ぶりに会ってみると、「美しさが増している!」ってドキドキしちゃって呼吸がしづらくなっちゃうくらい。なので、待ち時間になったら「はぁ、はぁ、はぁ、息してなかった」みたいに緊張してしまったんです(笑)
でも、本番に向けて愛ちゃんが本読みに誘ってくれて、そこで“みつ子”と“皐月”が心を通わすことができて、演技を始めたら、自分の中では愛ちゃんと演技を交わしてるという状況がすごく自然なことだったっていうか、何も不自然なことがなくて、何の抵抗もなくて、すごく楽しかったです。

橋本愛/のん

橋本愛/のん

■最後にメッセージ

橋本愛
おひとりさまを描いた映画で・・・、あれ?最終的にはどうなるかを言っていいんですか?

-ダメです、上映前舞台挨拶です(笑)

橋本愛
(笑)
ある幸せを見つけるんですけど(笑)、みつ子にとっての一つの幸せの形なだけであって、その幸せがこの世の女性のすべての幸せだって謳っている映画ではなく、ただ、人と関わるっていうことがどれだけ努力が必要で、どれだけの苦しみや痛みを乗り越えて人と人とが繋がっていくんだっていうことを、改めて感じてもらえればいいなと思いますし、そうやって頑張るみつ子の姿に勇気を映画をご覧になった方がもらっていただければいいなと思っています。

橋本愛

橋本愛

林遣都
この映画は、一度では味わいきれない面白さがあると思っていて、大九監督ワールドはユーモアと遊び心が満載で、何度も観ていただきたいと思っています。明日も元気でお過ごしください(笑)今日はご来場いただきありがとうございました。

林遣都

林遣都

のん
今日いらしてくださった皆さんの中にも、みつ子的な部分を持ってる方がいるんじゃないかなって思うんですが、そういう世の中にたくさんいるみつ子さんに共感していただける映画だと思います。
自分のみつ子的な部分を全肯定してくれる映画で、観見終わったらとても気分良く劇場を後にしていただけると思うので、是非じっくりご覧ください。そして、面白いと思った方、ぜひ(東京国際映画祭の観客賞に)投票をお願いします。よろしくお願いします。

のん

のん

大九明子監督
まだまだ出歩くことがなかなかこうスムーズにいかない中、劇場までお運びいただき、私どもの映画を選んでいただいた皆様、本当にありがとうございます。皆様の130分が素敵なものであることを、祈るような気持ちでおります。
みつ子という人は、多田くんと出会って恋をする、そういったラブストーリーという面もこの映画にはありますが、海外に行って妊娠している(親友の)皐月と再会したり、上司の澤田(片桐はいり)という人がいたりと、いろいろな人との出会いや別れの中で、“A”と一緒に脳内を旅するような、冒険のような、そういうスケール感のある旅をしていただきたいなという思いで作った映画でもあります。
そして、いろんなことがあって撮影も中断したし、今日という日を迎えられて大変嬉しいですし、みつ子とお客さんをとにかくローマに連れてくんだ!という、もう意地のような思いで作った映画ですので、どうぞ皆さん、旅するような気持ちで映画をお楽しみいただけたらと思います。

[大九監督Q&Aにつづく・・・]

橋本愛/のん

橋本愛/のん

橋本愛/のん

私をくいとめて

<第33回東京国際映画祭>
■開催期間:2020年10月31日(土)~11月9日(月)
■会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、東京国際フォーラム ほか
■公式サイト:https://2020.tiff-jp.net/

■フォトギャラリー

[写真:Ichigen Kaneda/記事:Jun Sakurakoji]

映画『私をくいとめて』

STORY
30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子。みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのには訳がある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。
「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くんに恋をしてしまう。
きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことにする。

監督・脚本:大九明子 原作:綿矢りさ「私をくいとめて」(朝日新聞出版)
音楽:髙野正樹
劇中歌 大滝詠一「君は天然色」(THE NIAGARA ENTERPRISES.)
出演:のん 林遣都 臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩 片桐はいり/橋本愛
製作幹事・配給:日活
制作プロダクション:RIKIプロジェクト
企画協力:猿と蛇
(C)2020「私をくいとめて」製作委員会
公式HP:kuitomete.jp
公式Twiter:@kuitometemovie

12月18日(金) 全国ロードショー

私をくいとめて

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  • コメント ( 1 )

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  1. しっとうし

    沢山のキレイな画像ありがとうございます。他サイトには無い記事も嬉しいです

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