江戸の町並みが残る伝統保存地区など個性的な会場がズラリ。コトリンゴ ベスト盤発売記念ツアー「コトリ watching」
音楽家・コトリンゴの世界を堪能できる初のBEST盤リリースツアー「コトリ watching」の開催が決定し、4月の6か所の会場が解禁となった。江戸時代の町並みが保存されている呉市豊町御手洗の乙女座など、どの会場をしても同じ風景はひとつもなく、観光・旅行感覚でも楽しめるツアーとなっている。
「コトリ watching」は、2019年12月18日に、コトリンゴ自身の選曲による初めてのベストアルバム「小鳥観察 Kotringo Best」の発売記念ツアー2020と銘打たれている。
アルバムの内容同様、ツアーでも、デビューからの13年間の記録をキリトリ、色トリドリなコトリワールドをテレスコープで覗くように、育った作品たちを「観察、watching」するように、才能あふれるコトリンゴの世界を堪能できるものになっているという。
呉市・乙女座 ~ 伝統的建造物群保存地区に鎮座する劇場
現在発表されている、BEST盤リリースツアー「コトリ watching」の会場は、大正~昭和初期の歴史ある建造物から、建築家隈研吾氏による現代アート建築、そしてチャペルなど、さまざまな特徴あるものとなっている。
本ツアーを企画しているカウアンドマウスの担当者によると、会場選びは、アーティストのイメージでセレクトし、そこでしか感じられない空気感のある場所であることにこだわっているという。コンサートの感動と共に、その場所だからこそ体感できる“思い出”も来ていただいた方々に感じてほしいとの思いがあるとのことだ。
コトリンゴが、広島県呉市を舞台にした劇場長編アニメーション『この世界の片隅に』の主題歌、サウンドトラックを手掛けていることから、広島県呉市の乙女座について本記事では紹介する。
乙女座は、1937 (昭和12) 年、当時の御手洗町長が町民の文化向上に貢献するためにと、私財を投じて建てた劇場。戦後は昭和40年代まで映画館として親しまれていたが、一度は空き家状態に。その後、2002 (平成14) 年3月に創業当時そのままに復元された。
客席は当時のままの畳敷きで、後ろの席には僅かに勾配がかけられている。「桟敷」、「花道」、「黒御簾」、「奈落」などと、小さいながらも芝居小屋としての機能も備えられている。催し物によっては、畳の上に簡易的な椅子が設置される場合もある。
その乙女座があるのは、大崎下島(おおさきしもじま)の広島県呉市豊町御手洗の伝統的建造物群保存地区。呉市の説明では、「御手洗の町並みの特徴は、江戸時代中頃から幕末にかけて形成されていった町の形態や構造がよく残っており、近世から近代にかけての伝統的建造物など、歴史的風致をよく残している。」となっている。
近隣には、住吉神社、恵美須神社などの広島県重要文化財、旧金子家住宅(呉市指定文化財)、若胡子屋跡(広島県史跡)など、歴史的建造物が集積しており、観光にも適したエリアとなっている。
アクセス方法
乙女座がある大崎下島(おおさきしもじま)までは、広島市、呉市方面からだと下蒲刈島(しもかまがりじま)~上蒲刈島(かみかまがりじま)~豊島(とよしま)と、3つの島を経由する。
島と島は安芸灘諸島連絡架橋で結ばれており、車、バスなどで行くことが可能だ。呉駅からは40km以上あるため、タクシーだと往復料金が高額になる。
『この世界の片隅に』公開時に、主人公すずの声を演じたのんの写真集「のん、呉へ。2泊3日の旅」では倉橋島の紹介はあったが、大崎下島は別の群島になり、改めて呉市が多くの島々で構成されていることを認識させられる。
■行き(広島方面から)
アクセスパターン1:JR+バス(とびしまライナー)
JR呉線:広島駅~呉駅~広駅
バス(とびしまライナー):広駅前~御手洗港(約80分)
アクセスパターン2:バス(とびしまライナー)
広島バスセンター~広島駅Cホーム⑮のりば~呉駅前⑦のりば~御手洗港
※乗車時間は、広島バスセンターからだと約140分、呉駅前からだと約90分。
■帰り(広島方面へ)
アクセスパターン1:バス(瀬戸内産交)
御手洗港~広駅 (「中国労災病院」行き)
※コンサート終演時間と思われる、17時台以降は下記時刻表どおり、御手洗港発のバスは2本(土日運休の便があるため)。
https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/life/65796_167620_misc.pdf
なお、JRの時刻表は、春のダイヤ改正で変更予定。
また、現地でのお食事処、宿泊、その他の交通手段の詳細は、下記の「呉市豊町観光協会」のサイトまで。
http://www.yutaka-kanko.jp/index.html
[情報・写真協力:呉観光協会、カウアンドマウス(コトリンゴツアー企画)]
ベストアルバム発売記念ツアー2020 「コトリ watching」
ツアースケジュール
4月17日(金)@福岡/北九州・旧古河鉱業若松ビル
4月18日(土)@山口/下関・川棚の杜・コルトーホール
4月19日(日)@広島/呉・乙女座
4月24日(金)@高知・ニューホープチャペル
4月25日(土)@愛媛/松山・愛媛教育会館 講堂
4月26日(日)@香川/善通寺・旧善通寺偕行社
特設サイト:https://www.cowandmouse.info/kotringo-watching
各公演詳細
各公演では、地元のフードやドリンク出店が予定されており、そちらも楽めるようになっている。
福岡/北九州公演
日時:4月17日(金) 開場18:00 / 開演19:00
料金:前売3,800円 / 当日4,300円
会場:旧古河鉱業若松ビル(北九州市若松区本町1丁目11-18)
大正8年に建設された若松南海岸に位置する煉瓦造の建物。
石炭積出港として繁栄した若松港の姿を伝える数少ない歴史的建築物として、国の有形文化財に指定されている。
山口/下関公演
日時:4月18日(土) 開場14:00 / 開演15:00
料金:前売3,800円 / 当日4,300円
会場:山口・川棚の杜 コルトーホール(下関市豊浦町川棚5180)
川棚温泉街のど真ん中に建つコルトーホールは、三角形を組み合せた多面体の不思議なカタチの建物。
設計は、東京オリンピック新国立競技場を手がける建築家隈研吾氏によるもの。
広島/呉公演
日時:4月19日(日) 開場14:00 / 開演15:00
料金:前売3,800円 / 当日4,300円
会場:乙女座(呉市豊町御手洗248)
重要伝統的建造物群保存地区である、江戸時代の家並みが残る港町「御手洗」にある劇場で開催。
昭和 12 年、御手洗の文化興隆のためにと町長が私財を投じて建設した劇場。
戦後は映画館として親しまれたが昭和40年代半ばに廃業。平成14年復元。
高知公演
日時:4月24日(金) 開場18:00 / 開演19:00
料金:前売3,800円 / 当日4,300円
会場:高知・ニューホープチャペル(高知市桜井町1-7-5)
木の温もりが感じられ、静謐さと安らぎに満ちたチャペル。
夕方から夜間にかけてはフロントの十字架が眩い光を照らします。
愛媛/松山公演
日時:4月25日(土) 開場17:00 / 開演18:00
料金:前売3,800円 / 当日4,300円(ドリンク代別途)
会場:松山・愛媛教育会館 講堂(松山市北持田町131-1)
1937年(昭和12年)に建築され、歴史の激動の中で様々な役割を果たしてきた国登録文化財の講堂。
コトリンゴ アルバム情報
「小鳥観察 Kotringo Best」
コトリンゴ自身の選曲による 初めてのBEST盤。デビュー曲「こんにちは またあした」の 2006年版と今回BEST盤の為に新たに録音したストリングス・アレンジによる同曲の2019年バージョンを含むオリジナル編とカバー/コラボ編の2枚組(31曲収録)。
アートワークは映画のグラフィックアートを中心に、ブックデザインや CD ジャケットを手掛けている大島依提亜が担当。
品番:RZCM-86979~80(CD2枚組)
価格:3,520円(税込)
発売日:2019年12月18日
「この世界の片隅にさらにいくつものサウンドトラック」
2016年以降公開され続けている大ヒット映画「この世界の片隅に」。
250カットを超える新エピソードが追加された最新作映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が2019年12月20日より全国で順次公開。
コトリンゴによる書き下ろしの新曲を加えた『「この世界の片隅に」さらにいくつものサウンドトラック』がリリース。既発のオリジナルサウンドトラックに収録された 33 曲に「さらにいくつもの」のために新規楽曲4曲を収録。さらに、2016年にリリースした前作のオリジナルサウンドトラックにも収録された”たんぽぽ”の一部を新たにレコーディングし、再収録。
品番:VTCL-60514
価格:3,190円(税込)
発売日:2019年12月18日
コトリンゴ/kotringo プロフィール
音楽家。5歳からピアノをはじめる。バークリー音楽大学に留学し、ジャズ作曲科、パフォーマンス科を専攻。
2006年、坂本龍一がナビゲーターを務める J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」のオーディションコーナーにて、のちに2ndシングルとなる『にちよ待ち』がオンエアされ、 坂本龍一プロデュース「ロハスクラシックコンサート」に出演。
同年、坂本龍一プロデュースのシングル『こんにちはまたあした』で日本デビューを飾る。以降、現在までに11枚のソロアルバムと7枚のサウンドトラックアルバムを発表。
最新オリジナルアルバムは、2017年発売の「雨の箱庭」。2016年11月に公開し、ロングヒットのアニメーション映画『この世界の片隅に』のテーマ、劇中歌、BGM の全ての音楽を担当し、第40回日本アカデミー賞優秀音楽賞、第71回毎日映画コンクール音楽賞、おおさかシネマフェスティバル2017音楽賞を受賞。映画の世界を表現した「すずさんとハナウタライブ」が好評を得て、全国各地で開催。
現在は映画、ドラマ、アニメのサウンドトラックや、CMなどを手がけ、演奏のみならずオーケストラアレンジの表現も深め、音楽家として高い評価を受けている。
また、近年はナレーションなど、声での表現の幅も広げている。
2018年には初の海外ツアーでアルゼンチンを訪れ、全6公演を大成功させ、海外での評価も高まっている。
卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描くアーティストとして活躍中。
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