のん、片渕監督から「周作さん、新しい玉投げてるよ」ってプレッシャー受けたことを明かす。コトリンゴスペシャルライブも。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』スペシャルライブ付き特別試写会
12月9日、TOKYO FMホールにて、映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』スペシャルライブ付き特別試写会が行われ、上映前に、のん、コトリンゴが登壇。本作について語ると共に、コトリンゴによるスペシャルライブが行われた。(動画&フォト)
ライブで披露されたのは、新曲「試験栽培」と、本作テーマ曲の「悲しくてやりきれない」の2曲。ボーカル&ピアノ・コトリンゴ、サクソフォン・副田整歩(そえだなおむ)の2ピース構成で、この日のために大人バージョンにアレンジされたもの。
同じステージでライブに聴き入っていたのんは「何度も鳥肌が立ちました。このまま余韻に浸って一緒に映画を観たいくらい感動しました。」とすっかり魅了されていた。
「いくつもの片隅に」では4曲の新曲を作ったコトリンゴは、「2016年の前作の時は、すずさんの声が決まってない段階で手探りで曲を作ったところがあったけど、今回は、のんさんの声がすずさんの声として頭の中にあるから作りやすかった。漫画を読む時でものんさんの声が頭の中に出てくるので、それは感動します。」と、その思いを語った。
今作で追加されたシーンのレコーディングで片渕監督からどんな演出があったか?という質問に、のんは、「“(先に収録を終えた細谷佳正演じる)周作さん、新しい玉投げてますよ。気合い入れてね。”って監督から脅しを受けた。」と明かし、会場の笑いを誘っていた。
この日の上映は、ワールドプレミア上映が行われた第32回東京国際映画祭と同じく「特別先行版」。最終エディションは、この日も製作の最後の仕上げが行われており(片渕監督のTwitterによる)、一般公開となる12月20日に初お披露目となる予定だ。
また、コトリンゴによるサウンドトラックCD『映画「この世界の片隅に」さらにいくつものサウンドトラック』が12月18日に発売される。
舞台挨拶レポート
舞台挨拶全編&コトリンゴライブシーンは動画でどうぞ!
– これから皆さんに[特別先行版]をご覧いただきますが、お二人は今どんなお気持ちですか?
のん
すごく緊張しますけれど嬉しいですね。興奮してます。
コトリンゴ
今日初めてご覧になる方も多いと思うので、2016年版とは印象が変わって、とても心に残る作品だと思うので楽しんでいってください。
– コトリンゴさん、歌っていただける2曲についてお話ください。
コトリンゴ
1曲目は新しいサントラの中から「試験栽培」というインスト曲で、すずさんと晴美さんが小松菜の種をイタズラっぽく、盆栽の隅とかいろんなところに蒔く時に流れます。
もう1曲はオープニングテーマの「悲しくてやりきれない」を歌わせていただきます。今日はサキソフォンの副田整歩さんといういつもお世話になっているミュージシャンの方に来ていただいているので、ちょっと大人なバージョンで聴いていただこうかなと思います。
のん
すごい楽しみですね。今日は皆さんと一緒にこのライブを聴きに来たといっても過言ではないので(笑)、すごく楽しみにしています。
– 「試験栽培」は今回は初お披露目ということでいいんですよね?
コトリンゴ
そうですね。「試験栽培」というタイトルがちょっと堅苦しいので、「試験栽培」「悲しくてやりきれない」と続くと、試験栽培が失敗したみたいな感じに聞こえるんですけど(笑)
<コトリンゴスペシャルライブ>
– のんさん、横でライブを聴いていていかがでしたか?
のん
最高でした!何度も鳥肌が立って、今日は来て良かったなぁってすごく思います。このまま余韻に浸って一緒に映画を観たいくらい感動しました。ありがとうございます。
– コトリンゴさんは皆さんの前で歌われていかがでしたか?
コトリンゴ
とても嬉しかったです。3年前も(草月ホールで)、片渕監督とのんさんが見守ってくださっている前で歌ったシチュエーションとかも思い出して、でもその時よりは落ち着いてできたなと思って。この3年間、曲たちと一緒に歩いてきたという気がして、すごく嬉しいです。
– 12月18日に発売されるサウンドトラックCDには新曲が4曲あるんですよね?
コトリンゴ
そうです。でも今日は特別先行版なので、1曲流れないんです(笑)
– その中でコトリンゴさんの思い入れのある曲は?
コトリンゴ
そうですね・・・、大変心苦しいんですが今日は流れないんです(笑)
のん
12月20日の公開版では流れるんですよね?
コトリンゴ
そうです。「わたしの居場所」という、クラウドファンディングのクレジットのところで流していただく予定の曲です。
監督から脅しを受けた!?
– 片渕須直監督から「いくつもの片隅に」を作るというお話を聞いた時、お二人はどう思われましたか?
のん
3年前の「この世界の片隅に」のレコーディングの時も(長尺版を)作るっておっしゃってたので、「すぐにレコーディングしなきゃな」って思ってたんですけど(笑)
でも、「あっ、監督、忙しいから無くなったのかな」って思ってたら、ほんとに決まったので、あのシーンもこのシーンも加わるんだっていうことがとっても嬉しかったです。
コトリンゴ
3年かかって、でも今日も監督さんはまだ作っていらっしゃる。今日も来れるか来れないかみたいな。でもやっぱり来れませんって。
ほんとに20日の公開が楽しみだなって気持ちが日に日に増してます。
– 追加のシーンで片渕監督からオーダーされたことで印象に残っていることはありますか?
のん
私は現場に行って監督に演出を受けて答えるという作業だったんですけど、2日目のレコーディングの前に監督とお会いする機会があっ時、周作さん役の細谷佳正さんのレコーディングが終わった後のことで、「周作さん、新しい玉投げてますよ」っていう脅しを受けて、気合い入れてねみたいな感じで言われました。
– リンさんとの大人なシーンが増えてますが、どういう思いで演じられましたか?
のん
すずさんにとってリンさんが特別な友だちだっていうのは前作でも描かれていたと思うんですけど、今回はかなりリンさんとのシーンが多くなっているので、改めてすずさんにとってリンさんってどんな存在かなっていうのはすごく身長に考えて臨みました。
– では今までとはちょっと違うすずさんの一面も?
のん
そうですね。前作とは違うセリフの響きがあったりとか、同じシーンでも違う意味合いになったりとかしているので、すごい作品になっていると思います。
– コトリンゴさんは曲作りの部分ではいかがでしたか?
コトリンゴ
前作で曲を作った時は声が入っていない状態だったので、まだすずさん役が誰になるのかもぜんぜん知らないまま、割と手探りで作っていきました。
でも今回は、のんさんの声がすずさんの声として頭の中にあるから、のんさんの声とすずさんの一体感がすごいなって思って、作りやすかった部分がすごくあって、面白いなと思いました。漫画を読む時ものんさんの声で頭に出てくるので、それはすごい嬉しいというか、感動しますね。
– 完成版ではないですけど、今回の作品はどんな風に思われましたか?
のん
すずさんの感情がすごく描かれているシーンが加わっているので、すずさんがこんな風に感じてたんだとダイレクトに伝わって、こんなことを考えていたんだってハッとしたり、そういう感情が渦巻いていることにすごく驚きがある作品になっていると思います。
コトリンゴ
前作は戦争の印象が強かった気がして、そういう中で人々が生活しているというのが印象に残ったと思いますが、今回は更に片隅で友だちになった2人の心の交流がクローズアップされているので、より作品の深いところまで一緒に入って感じることができるんじゃないかなと思います。
最後のメッセージ
のん
30分強、加わったことにより、前作と新しい映像とが影響し合って、新たな作品が誕生しました。じっくり御覧ください。よろしくお願いします。
フォトギャラリー
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映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
【Introduction】
210万人の胸を震わせたあの場面が、まったく異なる印象で迫ってくる。
この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も 1 本の‟新作“として体感することになるだろう。すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。
【Story】
誰もが誰かを想いひみつを胸に 優しく寄り添う
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/花澤香菜/ 澁谷天外(特別出演)
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊) 企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔 音楽:コトリンゴ プロデューサー:真木太郎 監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA 配給:東京テアトル 製作:2019「この世界の片隅に」製作委員会 ©2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:ikutsumono-katasumini.jp
12月20日(金)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開
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