草彅「慎吾ちゃんとの30年以上の絆で生み出される舞台」香取「セリフは8割しか覚えてない！」舞台『burst!～危険なふたり～』囲み会見＆公開舞台稽古

2022.10.01

2022年9月30日、日本青年館ホールにて、10月1日に初日を迎える舞台『burst!～危険なふたり～』の囲み会見＆公開舞台稽古（ゲネプロ）が行われた。
本作は、作・演出：三谷幸喜、出演：草彅剛＆香取慎吾により実現した奇跡の舞台で、2015年に初演があり、今回は7年ぶりの再演となる。
１時間４０分、舞台に立つのは草彅剛と香取慎吾の２人のみ。生の２人をずっと見続けられるというファンにとってはとても貴重な機会となる。

本記事は、ゲネプロ前の囲み会見の全文と、ゲネプロ前半部分の舞台写真をお届けする。ゲネプロ後半部分の舞台写真と、ゲネプロ後の、草彅剛と香取慎吾によるアフタートークの内容は、後編記事（LINK）で配信中。

三谷幸喜×草彅剛×香取慎吾囲み会見

－明日、初日公演を迎える今のお気持ちは？

三谷幸喜（作・演出）
今僕が着ているのは初演の時のスタッフジャンバーなんです。僕もこの作品が好きで、早くこの２人と再演をやりたいと思い続けて７年前からずっと着ています。その夢がようやく叶うということで感無量です。

草彅剛
慎吾ちゃんとの２人芝居です。慎吾ちゃんは三谷さん作品には多く出ているけど、僕はほぼこの作品だけで三谷さんにガッツリ面と向かって演出してもらっています。
7年前の公演もとても楽しく終えた記憶がありますが、またこうやって再演できることはなにか意味があるのかなと思っています。再演によって完成する作品もたくさんあるので、今回は初演の良いところもありつつ、また新たな発見もあるんじゃないかなと、明日からの公演を楽しみにしています。よろしくお願い致します。

香取慎吾
三谷さんといろいろお仕事をさせていただいて、いつも刺激的で経験したことのない時間を作ってくださいます。
今回は7年前の再演ということなんですが、おもしろいことに、7年前の映像や資料が一切残っていなくて、こんなこともあるんだ！？っていうぐらいになんにも残っていない中で、思い出しながら、でも、思い出すだけじゃなく、新しい要素をたくさんいれて、新しいと思ってやっていたら、「これ、７年前もやってましたね」みたいな、そんな発見もありながら、楽しい時間を過ごしてきました。
そしていよいよ明日から始まるということで、三谷さんの作品に出られることもそうなんですが、草彅剛という僕がとても好きな俳優さんと一緒に芝居ができて、とても楽しいです。
（草彅くんは）僕よりも舞台経験が多いので、昨日通した時も、始まる直前に「慎吾ちゃん、よろしくね！」ってサラッと言われて（笑）、僕も「お願いします！」って、ほんと冗談じゃなく本気の雰囲気で（笑）
古くからの付き合いですが、改めてこうやって本気でぶつかり合えることができてとても楽しいです。

－新聞の連載で三谷さんがお二人のことを「最強のふたり」と表現されていましたが、どんなところが最強だとお感じでしょうか？

三谷幸喜
二人芝居って実はとても難しくて、たぶんこのお二人はそういうことは何も感じずにサラッとやってこられているんだけども、僕からするとよくこんなことができるなって思うんです。
しかもこのお芝居って、普通の２人芝居ではなく、２人しか舞台には出ていないんだけど、２人が顔を合わせるのって、１回だけなんです。あとはずっと二人は違う方向を向いてしゃべっている。
こんなのってあんまりないし、これは演劇的にはとても高度なことなんです。（２人に向かって）知らないでしょ？

草彅剛
そうだったんですか？もっと早い段階でそういうことを言ってくれたら自信を持てたのに。

三谷幸喜
普通は相手の顔を見て、呼吸を合わせないとできないことなんだけど、この舞台ではそれが無く、遠隔操作みたいに２人が遠くを見ながら喋っている。それでなおかつ呼吸がピッタリ合って、こういう綿密な構成の演劇空間が１時間４０分続く。そんなことって、まず普通の俳優さんはなかなかできない。できたとしても、ものすごく稽古しなくちゃいけない。それをサラッとやっちゃう２人は、最強な２人だなと思います。

－お二人は最強と言われたことについての感想はありますか？

草彅剛
三谷さんにそんな風に褒めていただいて嬉しいです。（香取慎吾に向かって）ね？

香取慎吾
うん。嬉しいんですけど、三谷さん、自分で作った作品を褒めているようにも聞こえる。

記者たち
（笑）

三谷幸喜
これって僕の作品というよりは、２人の作品だと思うからこうやって自画自賛しています。

香取慎吾
ありがとうございます。

－三谷さんと香取さんはまだ距離感は縮まらないんでしょうか？電話番号はご存知ですか？

三谷幸喜
知らないです。でも僕と草彅さんの関係はどんどん深まっています。稽古場から帰る時も一緒になってくれたりとか、プライベートでもお酒を飲んだこともある俳優さんです。僕はそういうことはほとんど無いんですけど、この方とは２回行きました。

草彅剛
おかしいですよね。慎吾ちゃんに連絡する時、僕のところにかかってくるんですよ。

三谷幸喜
今後とも、草彅さんとはこういう関係を続けて、仲良くしていきたいと思います。

－一ヶ月後の公演をやり終えた時を想像するといかがですか？

草彅剛
終わってしまうのは寂しいかな。なので明日初日を迎える今日はとてもワクワクしていて、もしかしたら今日が一番楽しいかなって思ったりします。だから気が早いですけど、再々演をしたいなってそんな気持ちでもいます。

三谷幸喜
演出家って寂しい仕事で、僕が関わる時間っていうのは明日の初日が最後なんです。それまでに完璧なものを作っておいて、で、幕が開いたら、千秋楽までおまかせというか。僕も毎日ここに来ることはないですし、だからあとはもうこの２人におまかせするしかないんです。
なので、１ヶ月後は「え、まだやってたの？」ってそんな感じになっているかもしれません（笑）

香取慎吾
一ヶ月後、僕は「やった！終わった！」ってなってます。やっぱり緊張するので、一ヶ月も緊張の日々が続くと思うと、その緊張を楽しみながらなんだろうけど、終わったなぁっていう開放感があると思います。
僕は、明日のこと、目の前のことしか見てないので、（草彅くんが）再々演って言ってるのが信じられないしビックリです！

三谷幸喜
今初めて知ったんですけど、（香取さんは）緊張されているんですか？

香取慎吾
緊張していますよ！

三谷幸喜
他の仕事とはぜんぜん違いますか？

香取慎吾
違いますね・・・あ、ちょっといいですか？（草彅剛に向かって）何、ニヤニヤ笑ってるんだよ！！

草彅剛
緊張しているのかなって思って（笑）１ミリも感じないんだもん。そうなの？
でもまぁ、わかんないかも。香取くんはポーカーフェイスなところがあるんで。もしかしたらほんとうに緊張しているのかもしれない。

香取慎吾
まだ（セリフを）覚えてないんだもん。そりゃ緊張しますよ。

三谷幸喜
それは緊張しますね（笑）

香取慎吾
もうちょっとなんです！８割ぐらいまでは覚えられたんで。

草彅剛
天才ですよね！明日初日なのに８割ってね。半端じゃないですよね！
あと２割をここからどうやって巻き返すんだろう？すごいなぁ。

香取慎吾
覚えてないままやろうとしているんですよ。めっちゃ緊張しますよ！

－前回は草彅さんが本番中にセリフを忘れてお客さんに「なんだ？」って聞くシーンがありましたね。

草彅剛
ありましたね。まぁ、今回もなんかあるんじゃないですかね。ハプニングが起きそうなシーンもあるので、ほんとに皆に助けられながら、どうにか最後までたどり着けたらなって、毎日、瞬間瞬間ハラハラする舞台なので。そういった面ではほんとに楽しみな舞台だと思います。
とにかく２人だけなので、頼れるのはお互い同士。冷静に考えたら三谷さんがさっきおっしゃったようにすごい舞台だなと思います。

－最後にお客様に向けてメッセージをお願いします。

三谷幸喜
僕はこのお２人の大ファンで、この２人ために作品を作ることができたのはすごく光栄に思っています。
この舞台は１時間４０分ありますが、お客さんの皆さんも、こんなに長く生の２人を見ていられるチャンスってあんまり無いと思います。ずーっと出ていますから。それはとても貴重な機会だと思いますので、その機会を存分に味わって楽しんでいただきたいと思います。

草彅剛
コロナ禍で有観客だといろいろ課題がある中、このように舞台を上演できることはほんとうに幸せに感じてますし、来ていただくお客さんにはとても感謝しています。
この舞台は、慎吾ちゃんとの３０年以上の絆だったり、お互い、自身がわからないようなところで繋がっている気持ちだとか、大げさでもないんですけど、２人の人生が交差して何かが生み出される。お互いの人生のすべてを賭けてというか、なんかそんなような素敵な舞台になればいいなと思っています。来ていただける方には幸せを持って帰ってもらいたいと思っています。１ヶ月よろしくお願いします。

香取慎吾
コロナ禍でエンターテインメントというものが形をどんどん変えていく中で、こうやって有観客でお客さんに足を運んでもらって、１時間４０分、必ず皆さんに良い思い出になる、忘れられない楽しい時間だったり、ハラハラする時間だったり、そんな気分になれる舞台だと思うので、たっぷりその時間を楽しんでいただきたいと思います。ちなみに僕はこの舞台には人生は賭けていません（笑）

草彅剛
（笑）

香取慎吾
ちゃんちゃん！！