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「ずっとわからないまま苦しかった」宮沢氷魚×藤原季節、映画『his』公開記念舞台挨拶

1月25日、TOHOシネマズ日本橋にて、映画『his』の公開記念舞台挨拶が行われ、本作で映画初主演となる宮沢氷魚、藤原季節、松本若菜、外村紗玖良、今泉力哉監督が登壇し、あらためて撮影を振り返り、ずっとわからないまま苦しい思いで撮影を続けたことを明かした。(動画&フォトギャラリー)

恋愛映画の旗手・今泉監督が、本作では初めて、二人の青年の恋愛を題材に、彼らの抱える葛藤と親権獲得や周りの人々への理解を求めて奮闘する姿を繊細に描いている。恋愛の行く末だけではなく、同性の二人が世間とどう向き合い、生きていくのか。“恋愛のその先”までを描き、新境地に挑んでいる今泉監督の意欲作。

舞台挨拶レポート

LGBTQを扱った作品に出てみたかった

– 映画初主演、そして役どころについてプレッシャーなどはありましたか?

宮沢氷魚(井川 迅 役)
最初お話をいただいた時は、初主演ということもありプレッシャーもありましたし、LGBTQが題材ということで、センシティブな内容でもありますので、それに自分が向き合っていけるかなと思っていました。
でも、もともと僕はLGBTQを扱った作品に出てみたいと思っていて、というのも、幼稚園から高校まで男子校だったので、周りにそういう友だちを知っていたからです。なので彼らが少しでも住みやすい、生きやすい世界を作りたいなと思っていたからです。
そういうタイミングでこのお話をいただいた喜びのほうが大きくて、すごく前向きに作品に入れました。

宮沢氷魚

宮沢氷魚

– 上映中、涙を流している方もいらっしゃいましたが、宮沢さん、お客様を前にしていかがですか?

宮沢氷魚
率直に嬉しいというか、たぶん皆さん、いろんな感じ方があって、すごく良かったという人もいれば、もしかして自分は違うなって思う人もいるかもしれませんが、それはそれで良いというか、そう感じた自分に正直になってくれればいいと思うし、皆さんの顔はそのような感じがしていてすごく嬉しいです。

大きかった紗玖良ちゃんの存在

– そして、インタビューで宮沢さん、藤原さんは、紗玖良(さくら)ちゃんの演技に引っ張ってもらったとおっしゃってましたが、改めて撮影を振り返っていかがですか?

藤原季節(日比野渚 役)
(外村紗玖良に向かって)いやほんとありがとね。いろいろ。
ほんとに助けていただいてね。

藤原季節

藤原季節

宮沢氷魚
僕たちはほんとに紗玖良ちゃんにいろいろ助けてもらったんですよ。

外村紗玖良(日比野空 役)
ありがとうございます。

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藤原季節/外村紗玖良

– 紗玖良ちゃんは、撮影でどんなことを覚えていますか?

外村紗玖良
外がすごく寒かったので、藤原さんとコタツの中で寝ているシーンは幸せでした(笑)

外村紗玖良

外村紗玖良(そとむらさくら)

– 松本さんは紗玖良ちゃんとのシーンはいかがでしたか?

松本若菜(日比野玲奈 役)
厳しい母の一面というか、もどかしい気持ちでのシーンがどうしても多かったのですが、紗玖良ちゃんなりに“空”という役を落とし込んで演じているという姿を見て、「この子はなんて天才なんだ」ってほんとに思いました。
ビンタのシーンも自分から「やってください」と言うくらい、女優魂がある子です。私もとても引っ張ってもらったとても大きな存在です。ありがとうございました。

松本若菜

松本若菜

– 紗玖良ちゃん演じる“空”の存在が、この作品を大きく動かしていくポイントですね。

今泉力哉監督
たとえばひとつのセリフでも、言ってから動くのではなく、言いながら動いてくださいって、大人の役者さんへの演出と同じ言い方をしても、紗玖良ちゃんはそのとおりにできたりとか。
また、撮影中、偶発的に起こるハプニングがあっても、動じることなくそのままお芝居を続けることができる子です。
僕は、ひとりで考えることはどうしても限られたものになるので、みんなで一緒に映画を作っていきたいと思っているのですが、セリフをガチガチに覚えたことしか対応できない子役もいる中、紗玖良ちゃんはとても柔軟に対応してくれました。

今泉力哉監督

今泉力哉監督

白川町だからこそ撮れたシーン

– 素敵なキャストの方に囲まれた本作、宮沢さん、藤原さん、改めて振り返っていかがですか?

宮沢氷魚
初主演映画で、今泉監督、素晴らしいキャストの皆さん、そして白川(岐阜県加茂郡白川町)という美しいところで撮影ができたっていうのはほんとに幸せですし、スタジオや都内で撮っている作品とはまた違って、白川だからこそ撮れたシーンもたくさんあったし、エキストラで参加してくださった町の皆様も素敵な方たちが多くて、全体的に温かくて愛にあふれている作品になりました。

藤原季節
個人的には宮沢氷魚くんに感謝の気持ちでいっぱいです。
氷魚くんのストレートさに助けられたというか、自分が物事をこねくり回して考えてしまうタイプなので。
氷魚くん僕もも、迅(しゅん)と渚(なぎさ)に似ている部分があると思うんです。僕が渚に似ている部分は、渚のああいう行動の裏に隠れた臆病さとか、弱さだったと思うんですけど、そういう弱さを、宮沢氷魚というか、迅が光で照らしてくれたというか、それは撮影が終わってからも、『his』に向き合ってきたこの1年間もずっと変わらなくて、それがすごく感謝しています。

宮沢氷魚
嬉しいです。ありがとう。

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ずっとわからないまま苦しかった

– LGBTQをテーマにした本作。宮沢さんと藤原さん、お二人は撮影に入る前にいろいろと勉強されたと伺いました。

宮沢氷魚
勉強と言っていいかわからないですが、僕の周りにいるそういう友だちと一緒に飲みに行ったりしました。素の部分、普通に話しているトーンや空気感というものを自分のものにできたらなって思って。そこで得たものを迅を演じるにあたって大事にしました。

藤原季節
このあいだ話したんですけど、どんなに準備しても自分が渚になれている気がしていなくて、撮影前日も苦しくて。わかる?

宮沢氷魚
撮影初日を迎えたくなかったよね。準備ができていないって思って。

藤原季節
わからないまま撮影に入って、わからないまま突き進んでいったというか。そして最後までわからず、今もわからないままっていう。

今泉力哉監督
撮影が終わった時のこの2人の開放感がすごかったので、よっぽど苦しかったんだろうなって。

藤原季節
人生で初めて、終わった後の清々しさを感じました。天気も良くて桜も咲いていたし。

藤原季節

今泉力哉監督
わからないままっていけないことのように思う人もいるかもしれないけど、わからないのにわかってるフリをしたり、逆にわかっちゃったら良くないという作品もあったりします。僕もずっと迷っていたし、ゲイの話で言うと、僕が取材した人も、当然人によってさまざまですし、ゲイだからこうだってひとつの形が決まっているわけではない。やっぱり当たり前にひとりひとり違うんですよ。

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最後にメッセージ

今泉力哉監督
題材としては同性愛を扱っていますが、これまでたくさんの映画を作ってきたと同じで、特別視することはなくひとつの映画として作りました。この映画がいろんな人の元に届いていけばと思っています。

宮沢氷魚
僕たちは大量の愛を持ってこの作品に挑み、作っていきました。昨日公開されて、ようやく僕たちの手から旅立っていって、皆さんに届いているわけですけども、これが一人でも多くの方に届いて、一人でも多くの方が何かを感じ取って自分に正直になってくれればいいなと思っています。

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今泉監督/松本若菜/宮沢氷魚/藤原季節/外村紗玖良

舞台挨拶動画(トークノーカット)

フォトギャラリー

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[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『his』

【ストーリー】
井川迅は周囲にゲイだと知られることを恐れ、ひっそりと一人で田舎暮らしを送っていた。そこに、6歳の娘・空を連れて、元恋人の日比野渚が突然現れる。「しばらくの間、居候させて欲しい」と言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、いつしか空も懐き、周囲の人々も三人を受け入れていく。そんな中、渚は妻・玲奈との間で離婚と親権の協議をしていることを迅に打ち明ける。ある日、玲奈が空を東京に連れて戻してしまう。落ち込む渚に対して、迅は「渚と空ちゃんと三人で一緒に生きていたい」と気持ちを伝える。しかし、離婚調停が進んでいく中で、迅たちは、玲奈の弁護士や裁判から心ない言葉を浴びせられ、自分たちを取り巻く環境に改めて向き合うことになっていく――。

【クレジット】
宮沢氷魚 / 藤原季節
松本若菜  松本穂香 / 外村紗玖良  中村久美
鈴木慶一  根岸季衣  堀部圭亮  戸田恵子
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊 崇
製作プロダクション:ダブ  企画製作:メ~テレ  製作:映画「his」製作委員会  配給・宣伝:ファントム・フィルム
©2020映画「his」製作委員会 (日本/5.1ch/カラー/127分)
公式サイト:https://www.phantom-film.com/his-movie/

新宿武蔵野館ほか全国公開中

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