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いくつもの片隅に

すずさんとリンさんが思い出話に花を咲かせる。3年ぶりに監督&キャスト再集結!『いくつもの片隅に』公開記念舞台挨拶

いくつもの片隅に

牛山茂/新谷真弓/潘めぐみ/細谷佳正/のん/岩井七世/尾身美詞/片渕須直監督

12月21日(土)、テアトル新宿にて、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開記念舞台あいさつが行われ、主役の北條すず役・のん、細谷佳正、尾身美詞、潘めぐみ、岩井七世、新谷真弓、牛山茂、片渕須直監督が登壇した。2016年公開版から、3年ぶりの監督&キャスト再集結という形だ。

舞台挨拶では、のんと岩井七世がレコーディングのことを振り返りつつ、特に気に入っているシーンなどを語り合った。
また、この日は登壇できなかった小野大輔(水原 哲役)からは手紙が届いており、MCを務めた伊藤さとりが代読する一幕もあった。

のん

舞台挨拶レポート

いくつもの片隅に

舞台挨拶全編は動画でもどうぞ!(トークノーカット)

最初のあいさつ

のん(北條すず 役)
皆さん、今日はありがとうございます。ほんとにこの日を迎えられて嬉しく思います。ありがとうございます。

のん

のん

片渕須直(監督・脚本)
皆さんに声を入れていただいた後も、絵を作る仕事がたくさんあって、いつになったら終わるんだろうなと思ってたんですけど、とうとうこうやってみんなと一緒に皆さんの前に並ぶことができました。今日はほんとにありがとうございます。

片渕須直

片渕須直監督

3年経ち、新作として再誕生

– のんさん、ついにこうやってすずさんを取り巻く人々との舞台挨拶、しかも2016年に公開されてから3年経ってこうやって素晴らしい作品がまた生まれたわけですが、今、どんなお気持ちですか?

のん(北條すず 役)
ほんとに嬉しいですね。まさか3年も年月が経つとは思わなかったんですけども(笑)

のん

細谷佳正(北條周作 役)
ほんとにそんなに待つとは思わなかったですよね(笑)

のん
そうですよね(笑)
シーンが追加されてまた新作として送り出すっていう他にない経験をさせていただいて、とても喜びに満ちています

– こうやってまた片渕監督と舞台挨拶に立たれてどんなお気持ちですか?

のん
嬉しいですね。これまで9年もひとつの作品に力を注いで、真っ直ぐに作品を作っていくというすごい執念の監督の作品に参加できたというのがすごく誇らしくて、ほんとに一生忘れないなって思っています。

周作さんは男性なんだなって。

– 今作では、周作さんの過去のことも描かれていますが、周作の心をどのように捉えられましたか?

細谷佳正(北條周作 役)
前回よりも周作さんが、すごく男性なんだなということを非常に意識させられるような内容でした。
前作ではすずさんを中心としたその時代のこと、どうやって前向きに力強く生きていくかっていうところを中心として描き、観る人に感動を与えていた作品でした。だから、夫婦間、男女間の愛っていうものは、人間愛に近い形で描かれていたなっていう印象でした。
それに対して今回は、夫婦なので新婚から始まっている男女のリアリティがあって、そして、やっぱり男性なんだなっていう部分を改めて意識させられたなと思っています。

細谷佳正

細谷佳正

3年間待ち続けた“リン役”

– そして今回はリンさんが映像でもたっぷり観ることがきます。今回はどんなところに注意を払いながら声を吹き込まれていきましたか?

岩井七世(白木リン 役)
3年ぶりのリンさん、ほんとにこの日を待ち望んでいたのですが・・・

片渕須直監督
3年前、アフレコが終わった時に「(岩井さんが)もっとやりたかったです」て言われて、大丈夫って答えてた約束がやっと果たせました。

岩井七世
はい、監督がアフレコ最終日に「ちょっと待っててください」とおっしゃったのを待ち続けて3年、ようやく叶いまして。それだけに緊張も募って現場に臨みました。
桜の木の上で、リンさんがいつになくたくさんすずさんにおしゃべりをするシーンでは、いろんな感情が渦巻いていて、自分の話もするし、戦争のことをしゃべったりもするので、そのひとつひとつの関所にいろんな思いが込められていて、丁寧に時間もかけさせていただきました。

岩井七世

岩井七世

すずさんとリンさんが「フフフっ」って笑い合うところが好き。

– のんさんと岩井さんは一緒にアフレコされたと伺いましたが、いかがでしたか?

のん
私は緊張してました。

岩井七世
私も!緊張しますねって感じで2人でお部屋に入って(笑)
でも、すずさんとリンさんが「フフフっ」って笑い合ってお辞儀をするところがすごく好きで、台本には「フフフっ」とは書いてなかったんですが・・・

のん
なんか絵に合わせて言ってくださいみたいな感じでしたよね。

新谷真弓(北條サン 役)
あれは監督のナイス演出で、ずっと笑っててくださいというご指示があったので。あの長さをセリフなしでお二人が笑っているだけというのはすごく素敵ですよね。

のん
レコーディングしていて、(私たち)すごく密にやりとりをやってましたよね。

岩井七世
あの「フフフ」は、心からの「フフフ」で、楽しかった瞬間でした。予告編にも入っていたので嬉しかったです。

いくつもの片隅に

3年間共に進んできた

– 尾身さん、潘さんに伺います。また新たに声を吹き込むんだとなった時のお気持ちは?

尾身美詞(黒村径子 役)
前作が完成したあと、監督が追加シーンを入れてやりたいっておっしゃっていて、でもそんなことって叶うのかしらって思ってたんですけど、ほんとに皆さんがたくさん応援してくださって、前作を気に入ってくださったおかげで、このように声の家族達も一同に揃ってお会いできる機会に恵まれて、なんかほんとうにこういうことってあるんだなって思います。
なので、私たち自身も前作から3年かけて皆と何度も会う機会があって、共に時を進めている感じがしてとても幸せに思っています。またこの作品が更にたくさんの方々に届くといいなと思っています。

尾身美詞

尾身美詞

潘めぐみ(浦野すみ 役)
ほんとうにありがたいことだと思いました。製作発表がある前にずっと上映自体は続いていて、毎日のようにそれこそ世界の片隅のどこかの映画館に足を運び続けてくださって、あぁ、人の思いの力ってほんとに偉大だなと。愛情注いでくださってほんとうにありがとうございます。

潘めぐみ

潘めぐみ

方言指導としてありがたい役割

– 新谷さん、牛山さんは、アフレコで印象に残っていることはございますか?

牛山 茂(北條円太郎 役)
前作で、呉弁のテープをいただいてたんですが、テープだとなかなか微妙なニュアンスがわからないので、不安に思いながらスタジオに行きましたら、なんと奥さん役の新谷さんが方言指導してくださるという、横で「牛山さん、ニュアンス違います!」「あ、はい。では、“この子がどこかで見初めたんじゃと思います”」っていうやり取りでした。ほんとに助かりました。

牛山 茂

牛山 茂

新谷真弓(北條サン 役)
私は、サン役の他に、方言監修という形でずっとアフレコでスタジオに主のようにいて、入れ代わり立ち代わりいらっしゃる声優さんに方言指導させていただきました。3年前の前作と今作の橋渡しもできますようにと。ほんとに光栄な役割でした。皆さんの素敵な広島弁が聞けてお得な役割でした。ありがとうございます。

新谷真弓

新谷真弓

いくつもの片隅に

3年前の家族たちがそのままそこに居た。

– 監督、改めまして完成おめでとうございます。

片渕須直監督
3年は長くて、3年後にまた皆さんに集まっていただいて同じ人物を演じた時に違っていたらどうしようって、ちょっとだけ頭をかすめた瞬間があったんですけど、いざマイクの前に立たれたら、途端にその不安が消し飛んじゃんって、みんな前のままなんです。
「あ、同じ人だ!あの場所にいた人が今も生活し続けている!」っていう感じで皆さん、演じてくださってそれが繋がって長い長い1本の映画になりました。
どこが新しく録り足したところなのかもうわからない、最初っからずっとこんなに長い時間があって、その中でみんな、生きていたように演じてもらって、それがほんとにありがたかったです。ほんとに皆さん、ありがとうございます。ご苦労さまでした。

いくつもの片隅に

心に響いたセリフ

– 代表して、のんさん、細谷さん、岩井さんに伺います。特にお気に入り、心に響いたというセリフはございますか?

のん
今回追加されたシーンで言うと、私は“代用炭団”のセリフのやり取りがすごい心に残っています。「代用炭団が炭になりきっとらんかっただけ」っていうところ。この映画のすごいところだと思うんですけど、ダブルミーニングとか、セリフの裏に隠された意味があって、そういう余白がたくさんあって、それを観た人がいかようにも解釈できます。
代用炭団のセリフは、この作品の威力が凝縮されているような気がしました。

細谷佳正(北條周作 役)
つい昨深夜、この映画の完成版を自宅で観終えたんですけど、好きなシーンが2つあります。
周作の声をやらせていただいているので、その立場でどうしても見てしまうんですけど、リンさんとすずさんが桜の木の上で会話をした後に、リンさんと周作さんが「こんにちは、お久しぶり」ってすれ違った後に、2人で家族が待っているところにゆっくり歩いていきます。その時すずさんの「よかった、周作さんがいつもの笑顔で。」というモノローグを聞いた時に、めちゃめちゃ愛されてるじゃないかって、夫婦間の愛情が前作以上に際立っていて、そこがすごく印象的でした。
そして、もうひとつ。最後の最後に、径子さんが「晴美の昨年のはまだこまいかね」ってセリフで、僕もう深夜の2時に号泣してしまいまして。なんていい話なんだって。
この2つがほんとにいいなって思ってます。

岩井七世(白木リン 役)
私は好きなシーンがたくさんあります。前作も映画館に10回くらい観に行って。その時にいつも耳に入ってくるのは、晴美ちゃんの「ちぃとだけ ちぃとだけ」と、「すずちゃん、私こんなよ」って、すみちゃんが手首を見せるカットとか、いつもすごく胸に残ります。
今回のリンさんのシーンで、リンさんって茶目っ気があって可愛らしい面がすごくあるなって思ったのが、「でもほれ見てみ、下に細袴はいとる。消火救助活動にも速やかに従事できるし、木登りもできるで」って木をうんしょうんしょって登っていくところがすごく好きですね。
この木を登る時の声、「“うんしょ”って言葉にして言ってください」って監督がおっしゃって、すごく楽しかったです。

片渕須直監督
可愛かったですね。

細谷佳正
僕、そのシーンを見ててなんか衝撃でした。“うんしょ”って可愛い掛け声でありながら、力強く木を登っていって印象的なシーンでした。

いくつもの片隅に

小野大輔(水原 哲 役)からの手紙

代読:伊藤さとり(MC)

今日は舞台挨拶に参加できず申し訳ありません。皆さんに会いたかったです。せめてお手紙をということで、あの例の羽根ペンでしたためさせていただきます。
3年前のアフレコの時はただただ、水原哲という男の人生を生きることしか考えていませんでした。すずさんとの納屋のシーンでは、当初彼の心が理解できず、片渕さんに質問。さらに長考し、アフレコが止まってしまったことを思い出します。
丁寧に説明してくれた監督。その節はすみませんでした。実は試写会もスケジュールが合わず、一般公開後の劇場に足を運びました。まさにテアトル新宿の客席でした。そこで驚きが。上陸時の北條家での団らんのシーン。ずっと笑っている哲。それにつられて劇場内のお客様がみんな声を出して笑ってくれていたのです。その時、この映画は老若男女問わず愛される、誰の心にも必ず響く作品なのだと実感しました。改めて、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開おめでとうございます。
より緻密に、より深く、更に面白く、本作は間違いなくずっとずっと心に残り語り継がれる名作です。観てくれた人がまた折に触れて、僕らのことを“笑うて思い出してくれ”たら、それが何より幸せです。

小野大輔

– のんさん、小野さんのお手紙を聞かれていかがですか?

のん
すごくレア!
レアで嬉しいですね。こうやって小野さんのお気持ちを伺うって貴重だと思うので。細谷さんもかなりレアだと思うんですけど。

細谷佳正
僕はレアじゃなくなりますよ。夫婦役ですからね。

のん
素敵な、初日劇場の生の感想を伺えて、すごくありがたいです。

細谷佳正
なんか複雑ですね。(すずさんの夫の)役としては。なんかちょっと複雑です(笑)

いくつもの片隅に

– 片渕監督はいかがですか?

片渕須直監督
3年前、アフレコの途中で小野さんから質問があったのは、「水原哲はここですずさんを押し倒さないんですか?」。それに、「それはね、水原哲はいいやつだからなんだ。」って答えたら、「わかりました!僕はいいやつを演ってたんですね、今まで。」って小野さんは言ったんです。
私は本当に水原哲はいいやつだと思っていて、今回も小学生の水原哲は机を持ち上げたりしますよね。小野さんには「小野さん、これは乱暴者だからじゃないんだ。すずさんの前で、すずさんに目を合わせられないからやってることなんだ。」って言いました。
このシーン、アフレコの時はまだ絵が無かったんですが、目を合わせない水原哲をやってくれないかってお願いしたら、「わかりました!すずさんに目を合わせない水原哲をやります!」って言ってくれて、こいつ男だな!って思いました(笑)
それが素晴らしい結果を生んだんじゃないかなと思います。小野さんありがとう!

最後のメッセージ

のん
皆さん、ほんとに本日はありがとうございます。
新しいシーンが追加されて、まったく違う味わいの映画になったと思います。いいなって思ってくださった方は是非周りのご家族や、ご友人に広めて、おすすめしていただけたらなと思いますので、また一緒に『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を応援してください。よろしくお願いします。

片渕須直監督
今朝、ちょっとビックリしたんですけど、昨日が公開初日なのに、もう「毎日映画コンクール」にノミネートされていて、昨日発表になりました。で、その話をのんちゃんにしたら、「あっ、じゃぁ、新作として認めていただけたんだ!」ってのんちゃんが言って。ディレクターズカットとかそういうものだと映画賞とかの対象にはならないんですけど、本作は新しい映画なんだ、また新しいことを語っている映画なんだって言いながら作ったものが、こうして認めていただけたってことなんですね。
それはほんとに嬉しいなって思っています。2016年に作った『この世界の片隅に』は、公開から1133日ずっと上映を続けることができて、1134日目が実は昨日だったんですけど、昨日からは『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』に変わって、これは新しい映画だから、記録更新にはもうならなくて、また1日目からの再スタートだと思っています。
ずっとずっと皆さんの前で、スクリーンですずさんとたくさんの家族たちが上映され続けたいと思いますので、これからもみなさん、よろしくお願いします。ずっとずっと応援していただけるとありがたいです。

いくつもの片隅に

フォトギャラリー

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

【Introduction】
210万人の胸を震わせたあの場面が、まったく異なる印象で迫ってくる。
この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も 1 本の‟新作“として体感することになるだろう。すずの内面を大人の表現で魅せる女優のん、岩井七世(リン役)、細谷佳正(周作役)など、前作のキャストがパワーアップして再集結。さらに遊郭の女性テル役として花澤香菜が初参加。コトリンゴによる書き下ろしの新曲と共に、私たちを新たな世界へといざなう。

【Story】
誰もが誰かを想いひみつを胸に 優しく寄り添う
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。

声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/花澤香菜/ 澁谷天外(特別出演)
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊) 企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔 音楽:コトリンゴ プロデューサー:真木太郎 監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA 配給:東京テアトル 製作:2019「この世界の片隅に」製作委員会 ©2019 こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:ikutsumono-katasumini.jp

12月20日(金)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開

 

 

 

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