瀧内公美「柄本佑さんとのバディ感ばっちり。こっちは裸にも」映画『火口のふたり』試写会舞台挨拶
8月6日、映画『火口のふたり』(8月23日公開)の完成披露試写会が行われ、上映後の舞台挨拶に、たった二人の出演者で主演でもある、柄本佑、瀧内公美と、荒井晴彦監督が登壇。R18指定で二人の濃密な辛みのシーンも多い本作の撮影エピソードについて明かした。(フォトギャラリー)
映画『火口のふたり』の原作は、直木賞作家・白石一文による同名小説。
主演は、『きみの鳥はうたえる』、『アルキメデスの大戦』など数々の話題作に出演している柄本佑と、『彼女の人生は間違いじゃない』で大胆な演技を披露し、現在OA中のTBSドラマ「凪のお暇」にも出演している瀧内公美。
結婚前に昔の恋人と再会。次第に蘇る身体の記憶。抑えきれない衝動の深みにはまっていく危ういふたりを描いている。
R18指定だが、関係者を中心に既に試写を観た人の感想として、女性客からの評判が良く、観終わった後に「結婚前に昔の恋人に会いたくなるってあるよね」「恋愛と結婚、求めるものが違うのは当然」といったような女子会トークで盛り上がる現象が起きている。
なお、本作で登場するアルバムシーンは、男性ヌードで知られる写真家・野村佐紀子が撮影。本作のフォトストーリーブックが8月10日発売。また、Bギャラリー(新宿)にて、8月10日から写真展も開催される。
B GALLERY EXHIBITION / 野村佐紀子 写真展 『火口のふたり』
会期:2019年8月10日(土)~ 9月8日(日)
会場:Bギャラリー(ビームス ジャパン 5階)
東京都新宿区新宿3丁目32-6 5F
<あの頃の「火口のふたり」>(河出書房新社)
発売日:2019年8月10日(土)
写真 野村佐紀子/ 文 白石一文
舞台挨拶レポート
たった二人の出演者の理由
– 出演者が賢治と直子の二人だけということの意図は?
荒井晴彦(監督・脚本)
意図じゃなく、予算がなかったんです(笑)
柄本佑(永原賢治 役)
一刀両断じゃないですか(笑)
荒井晴彦監督
佑と瀧内さんのギャラが高かったんですよ。
柄本佑
高くないし(笑)
荒井晴彦監督
原作に合わせて節約(笑)
指示書のように事細かく書かれた脚本
– 柄本さん、瀧内さんはは荒井監督の脚本はいかがでしたか?
柄本佑
僕はもともと、荒井さんが脚本された作品が好きでした。
本作の台本を読ませてもらった時、非常に洗練された物語の面白さを感じました。
瀧内公美(佐藤直子 役)
事細かく書かれた指示書のような台本で、絡みのシーンでも、ここでキスするだったり、このセリフの間で手を回すとか。もう台本の内容で演出までしてますよ、という感じでした。挑戦しがいのある良い台本をいただいたなと思いました。
柄本佑
台本(ホン)を読ませていただいて、「あぁ、荒井さんのホンだなぁ」って感じてたんですが、その後、原作を読んでみたんです。そしたら、セリフが小説のまんまなんですよ(笑)
なので、俺が荒井さんのセリフだなぁって思ったのはなんだったのか?って(笑)
絡みのシーンはアクションシーン
– 柄本さんとの共演はいかがでしたか?
瀧内公美
絡みのシーンは割とアクションシーンでなかなか難しかったです。
ひとつひとつ確認しながら進めてたんですけど、それでも私がカメラワークを意識しきれない時に、柄本さんが動きを臨機応変に変えて助けてくれたりもしました。
柄本佑
ベッドシーンが多いんですが、瀧内さんの度胸の良さを感じました。
最初にお会いした時も、どうぞって男らしさを感じて、安心できました。
– 監督の演出は?
柄本佑
さっき瀧内さんが言ったように、台本に事細かく演出まで書かれているのですが、ひとつ印象に残っていることがあります。
テーブル(での絡みのシーン)で、俺が腰を振っている時、目の前に荒井監督がいて、どこで果てるかっていうのは荒井監督に指示される形でやったんですが、その時、「荒井監督は俺が5歳の時も知ってるんだよな」ってのが頭の中によぎってました(笑)
瀧内公美
荒井監督は、絡みのシーンと食事のシーンだけはすごい厳しいんですよ。
某・戦艦大和の映画よりもバディ感ある!こっちは裸にもなってる!
– 柄本さん、瀧内さん、お二人の関係性はどのように育まれていったんですか?
柄本佑
この映画にとって3人目の登場人物と言っていいアルバムがあります。
これは、賢治と直子が以前付き合ってた頃の写真で、俺と瀧内さんがほとんど最初にお会いした時に、写真家・野村佐紀子さんに撮ってもらったものです。野村さんは過激な写真を撮られる方で、その時、俺と瀧内さんとの二人の空気を作っていただけました。
過去としてのアルバムの頃と、本編撮影と、映画の物語の時系列としても合っていたので、二人の関係を疑似体験するようでした。
瀧内公美
現場のスタッフさんも温かくて、これだけ絡みのシーンも多いですし、最初、私が緊張して躊躇していたら、撮影の川上皓市さんが「絶対に綺麗に撮りますから。それだけはお約束します。」って私に言ってくださったんです。そうやってみんなで現場の空気を作っていったって感じです。
– 戦艦大和が出てくる映画(『アルキメデスの大戦』)で、柄本佑さんと菅田将暉さんとのバディ感が評判になってますが、本作での柄本さんと瀧内さんのバディ感もすごいですよね。
瀧内公美
こっちの方がバディ感ありますよ!私たちは裸にもなってますから。
柄本佑
バディ感で言えばそうだよね(笑)
荒井晴彦監督
(『アルキメデスの大戦』と言えば)最初、柄本が坊主頭で来るからビックリしたよ。
柄本佑
この作品の最初のホン読みの時は、もうその作品に入ってましたからね。それで坊主頭で現場に行ったら荒井監督がギョッとした顔で「聞いてねぇよ」っておっしゃって(笑)
そこからずっと「賢治が坊主にしたいきさつを脚本に書き足さなきゃな」ってボヤいてました(笑)
荒井晴彦監督
それで、「賢治は戦争映画のエキストラに行ったことにしよっか」って言ったら、スタッフみんなから「それはやめろ」って言われた。
柄本佑
ハッハッハッハ!
瀧内公美が役と一体化した瞬間
– 瀧内さんに質問です。ベッドシーンが多い本作ですが、相手の男性の愛し方を通して、瀧内さんが「直子」と一体化するような瞬間ってありましたか?
瀧内公美
「賢ちゃんのことが好きだったから」っていうラストのベッドシーンがあります。この時、荒井監督からは「泣かないでくれ」って演出されたんですけど、私は初めて荒井監督に「無理です」って答えました。
直子がずっとそういう思いを抱えてきたんだっていうことを思うと、私の中にそういう部分があるのかはわからないんですけど、すごく感情移入したからです。
撮影が終盤になっていたということも重なり、「これで最後なのか」ってすごく寂しい気持ちになったんです。
荒井晴彦監督
(このシーンは)驚いたよね。
柄本佑
驚きました。監督はずっと泣かないでくれって淡々と言ってましたけどね。
瀧内公美
でもどうしても譲れなかったんです。
荒井晴彦監督
こっちの負けでした。
フォトギャラリー
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映画『火口のふたり』
【物語】
十日後に結婚式を控えた直子は、故郷の秋田に帰省した昔の恋人・賢治と久しぶりの再会を果たす。
新しい生活のため片づけていた荷物の中から直子が取り出した1冊のアルバム。
そこには一糸纏わぬふたりの姿が、モノクロームの写真に映し出されていた。蘇ってくるのは、ただ欲望のままに生きていた青春の日々。
「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」
直子の婚約者が戻るまでの五日間。身体に刻まれた快楽の記憶と葛藤の果てに、ふたりが辿り着いた先は―。
出演:柄本 佑 瀧内公美
原作:白石一文「火口のふたり」(河出文庫刊)
脚本・監督:荒井晴彦 音楽:下田逸郎
製作:瀬井哲也 小西啓介 梅川治男 エグゼクティブプロデューサー:岡本東郎 森重 晃 プロデューサー:田辺隆史 行実 良
写真:野村佐紀子 絵:蜷川みほ タイトル:町口覚
配給:ファントム・フィルム レイティング:R18+
公式HP:http://kakounofutari-movie.jp/
8/23(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開
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