
是枝裕和監督がまさかの“撮影セットから追放”!?出口夏希×蒔田彩珠W主演 実写映画『ルックバック』完成報告イベントで爆笑クロストーク連発!
2026年8月20日、丸の内ピカデリー ドルビーシネマにて実施された実写映画『ルックバック』完成報告イベントに、W主演の出口夏希、蒔田彩珠、子役の七瀬ふうり、岡田六花、是枝裕和監督が登壇。爆笑の掛け合いや原作者・藤本タツキの絶賛コメントに会場が沸いた、温かい舞台挨拶の模様をレポート。(動画&フォト)
藤本タツキの代表作を是枝裕和監督が初の実写映画化した『ルックバック』(2026年9月11日公開)。本作は、4コマ漫画の連載で称賛を浴びる自信家の小学4年生・藤野と、圧倒的な画力を持つ不登校の同級生・京本の出会いから始まる物語。
漫画へのひたむきな情熱で結ばれたふたりは、共に創作を続けかけがえのない時間を積み重ねていくが、ある日その日々を大きく揺るがす出来事が訪れる。
出口夏希と蒔田彩珠がW主演を務め、少女たちの13年間にわたる瑞々しい成長と喪失を、にかほ市の美しい四季の風景とともに描き出す。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
■フォトレポート
出口夏希(藤野 役)
本日はお忙しい中お越しいただき、本当にありがとうございます。みんなが心を込めて作り上げてきた『ルックバック』を、やっとこうして皆様に観ていただける日が来て、本当にとても嬉しく思っています。本日は短い時間ですが、たくさんの魅力をお伝えできればなと思っています。よろしくお願いします。
蒔田彩珠(京本 役)
1年という贅沢な期間をかけて丁寧に作ったこの作品が、ようやく完成報告できたというのがすごく嬉しいです。今日は撮影の話だったり、作品の話だったり、色々お話できたらなと思っています。よろしくお願いします。
七瀬ふうり(子ども時代の藤野 役)
子ども時代の藤野を演じました七瀬ふうりです。今日はお集まりいただきありがとうございます。
岡田六花(子ども時代の京本 役)
子ども時代の京本を演じさせていただきました岡田六花です。皆さん、お忙しい中足を運んでいただき、誠にありがとうございます。ぜひ(色々なお話を)聞いていただけたらなと思います。よろしくお願いします。
是枝裕和監督
今日は、こんな場に、一緒に映画を作ったキャストやスタッフと一緒に集まることができて、なんだか懐かしいですね。
撮影の時の楽しい記憶が蘇って、今とてもいい時間を過ごしております。よろしくお願いします。
現場の温かさを象徴する「汽車ごっこ」
‐ さあ、いくつかご質問させていただきたいんですが。まず、七瀬さん、岡田さん、さっき登壇されるとき「汽車」をやっていましたね?あの感じがそのまま、撮影現場の仲の良さの空気感になっていたわけですね。
七瀬&岡田
(うんうんと頷く)
出口夏希
現場でも汽車をやってたもんね(笑)
七瀬ふうり
うん、やってた、やってた(笑)!
完成した映画を観て――「美しすぎるにかほの景色」と「眩しくて尊いお互いの演技」
‐ 本作は、昨年(2025年)2月から各季節ごとに1年以上にわたって撮影をされてきたと伺っています。まずはキャストの皆様、完成版をご覧になってのお気持ちをお聞きしたいと思います。出口さんは、どんなことをお感じになりましたか?
出口夏希
(試写が)始まる前から、今までにないほどの緊張があったんです。でも、映画の最初に出てきたのがこの子たち(七瀬さん、岡田さん)だったので、すごくほっとして、自分の出番が来るまでしっかり観ることができました。
そのあとは、(秋田県)にかほ市の景色とか、私たちが実際に見ていたものがそのまんま美しく映し出されていて、本当に綺麗で。自分が出ているのも忘れてしまうくらい、すごい見入ってしまいましたね。ありがとうございます。
‐ 蒔田さんは、完成版をご覧になってどんなことをお感じになりましたか?
蒔田彩珠
撮影現場では、この子供時代のお2人(七瀬ふうり、岡田六花)のお芝居を直接見ていなかったんです。なので、映画が始まってふうりちゃんがまず出てきたときに、「本当にあのふうりちゃんだ!」というくらい、ちゃんと自分の役を演じていて。そのあと六花ちゃんが出てきたときも、2人で(出口さんと顔を)見合わせて「可愛い!」ってなっていました(笑)
作品自体が素晴らしいのはもちろんなんですけど、この2人が現場でどれだけ頑張っていたのかを知っていたからこその感動があって、なんだかほっこりしましたね。
‐ 七瀬さんは、ご自身が出演されている『ルックバック』をご覧になった時は、どんなことをお感じになりましたか?
七瀬ふうり
あんまり自分の演技を見るっていう機会がないので、最初はすごく恥ずかしくて。ちょっと目を瞑っちゃって、最初のほうはあまりちゃんと観られなかったんですけど……(笑)
でも、(岡田)六花ちゃんの演技や、(出口)夏希ちゃんの演技、(蒔田)彩珠ちゃんの演技を見て本当に感動しました! やっぱり私の演技の先輩たちですから、すごく勉強になったし、心から感動しました。……あ、六花ちゃんもすごく良かったよ!
岡田六花
ありがとう!
七瀬ふうり
ありがとう(笑)!
‐ いいですね、2人はこの感じなんですね。劇中でも「うわ、いいキャラクターだな」と思って観ていましたが、ご本人同士も割とそういう距離感なんですね。
七瀬&岡田
はい(笑)
‐ 岡田さんは映画を観ていかがでしたか?
岡田六花
やっぱり、にかほの景色がものすごく綺麗でした。春夏秋冬、全部にかほの景色がとっても綺麗で。でも、まあ、1番はもう……皆さんの演技がとてつもなくお上手で!
出口&蒔田
いやいやいやいや……!(照れながら手を振る)
岡田六花
本当に!ふうりちゃんのあの演技がもう、とてつもなく好きです。それに、大人の(出口さん、蒔田さんの)お2人の演技もとっても素敵だし、もう何と言っても可愛いし、綺麗だし、神々しいです! 眩しいです! 本当にありがとうございます。
出口&蒔田
ありがとうございます(笑)!
岡田六花
こちらこそです(笑)!
是枝監督が語る、映画に収められた「特別な時間」と「祝福の風景」
‐ 是枝監督、さっきまで(裏では)皆さん少し緊張されていましたけど、今はそうは思えないくらい堂々とされていますね。
是枝裕和監督
はい、本当にいつもの空気が戻ってきて良かったです(笑)
‐ 良かったです。監督は編集もされているので、完成まで何度もご覧になっていると思いますが、改めて完成した映画をご自身でご覧になって、どんなことをお感じになりましたか?
是枝裕和監督
もちろん素晴らしい原作に出会ったことからスタートしている作品なので、撮っている間中ずっと、「どうやってこの原作に応えなければいけないか」ということを考えていました。けれど、いざ撮影が始まってみると、本当に天気や大自然など、いろいろなものに恵まれました。
「何か特別な、かけがえのない時間がこの映画の中に収められているな」という実感を、僕だけではなく、現場を共有したスタッフ全員が抱いていたんです。だからこそ、編集をしながら「その現場の特別な空気を、きちんと作品の中に残せたかどうか」が少し心配でもありました。ただ、完成したものを観ていただいた時に、登場人物とにかほの風景が、何かこう「祝福されている感じ」というのを、観てくださる皆様とも共有できたらいいなと、自分自身で作品を観ながら思っていました。
オファー時の葛藤――「怖い」という不安と、「ついに実現した」という高揚感
‐ 出口さんは、本作のオファーを最初に聞いた時、また脚本を読まれた時はどんなことを感じましたか?
出口夏希
オファーをいただいた時は、これだけ本当にたくさんの方に愛されている作品が自分のところに来たので、嬉しいという気持ちはもちろんありつつも、嬉しい以上に「怖い」という不安のほうが勝っていました。
あとは、是枝監督とは(Netflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」以来)4年ぶりの作品になるので……。
もし自分が4年前から全然成長していなかったらどうしよう、と思って、そこがすごく怖かったです。
‐ 4年ぶりの是枝組ですもんね。そうですよね。蒔田さんは、オファーが来た時はいかがでしたか?
蒔田彩珠
私は、数年前に『ルックバック』の単行本が発売されたくらいの時期に、監督から直接「この作品をやりたいと思っているんだ」と原作本をいただいていたんです。それから4、5年経ちましたよね。
是枝裕和監督
うん。
蒔田彩珠
なので、「やっと来た、ついに実現した!」という気持ちがすごく大きかったです。ただ、私も「舞妓さんちのまかないさん」ぶりに監督とご一緒だったので、ちょっと恥ずかしかったです。
‐ その「恥ずかしさ」というのは、具体的にどういうところから来るものなのですか?
蒔田彩珠
なんだか、今更というか(笑)、監督の前でちゃんとお芝居ができるかなって、ちょっと照れくさくなって恥ずかしかったです。
脚本の印象――「言葉にできない胸の締め付け」と「余白に宿る是枝監督らしさ」
‐ 脚本のことも伺います。出口さんは、最初に脚本を読まれた時はどのような感想を持ちましたか?
出口夏希
私はお話をいただいてから読ませていただいたんですけど、1回目は「自分がこの役をやるんだ」と思いながら読んだので、全然集中できなくて(笑)
でも、何度も何度も読み込んでいくと、すごく言葉には表せないけれど、胸がぎゅっと締め付けられるような感覚があって。それをどうやってお芝居で表現していこうかと、日々悩んでいましたね。
‐ 蒔田さんは、脚本を読んでいかがでしたか?
蒔田彩珠
原作のストーリーが本当にそのまま文字になっているような、とても忠実な脚本でした。でも、「きっと是枝監督が撮ったら、台本に書かれていない、セリフ以外の部分で、是枝監督らしいとても温かい作品になっていくんだろうな」というのがすごく見えて、撮影に入るのがとても楽しみでしたね。
オーディション合格の瞬間と、驚きの「監督セット追放事件」!?
‐ 七瀬さんと岡田さんはオーディションで選ばれたと伺っていますが、ご出演が決定した時、七瀬さんはどんなお気持ちでしたか?
七瀬ふうり
もう、嬉しすぎて、本当にびっくりして! 家の中で叫んで、ぴょんぴょん飛び跳ねたんですよ(笑)
まさか本当に自分が合格して決まると思ってなかったので、本当に嬉しかったです。
是枝裕和監督
七瀬さんに関して言うと、オーディション会場に来た一次審査の段階で、立ち会っていたスタッフ全員が「あ、藤野が来た」と思ったんです。それくらいぴったりでした。
七瀬ふうり
ありがとうございます!
‐ いいお話ですね。岡田さんは、出演が決まった時はいかがでしたか?
岡田六花
学校から帰ってきた時にお母さんから「決まったよ」と言われて。私もまさか自分が受かるとは思っていなかったので、本当に夢だと思いました。
そこから1、2週間くらいは全然実感が湧かないまま、ずっとぼーっとして過ごしていたんですけど、本当にびっくりしました。もうその一言に尽きます。
七瀬ふうりわかる、わかる!
‐ 七瀬さんは、今回の是枝監督の現場でどんなことを感じましたか?
七瀬ふうり
監督がすごくほっこりしていて、優しくて! 「この人だったら、そりゃあみんなに愛されるよね」って思いました。
出口夏希
大きな“くまさん”みたいなね(笑)
是枝裕和監督
いや、なんかちょっとそれは違うんじゃ……(笑)
この(子供時代の)2人には台本を渡していないので、現場で僕がその都度、口伝えでセリフを渡して、その場で作っていくやり方をしたんです。そうしたら、それを数回繰り返した後に、ふうりちゃんから「分かった。じゃああとは自分でやるから、出来上がるまで監督は(部屋から)出ていって」って言われて(笑)僕はセットを追い出されてしまって……(笑)
自分が完璧になったら、呼ばれるっていう(笑)
七瀬ふうり
これにはワケがあって! 監督に完璧な状態で見せたかったからなんです(笑)!
是枝裕和監督
セットを「出てくれ」って言われたのは、監督人生で初めてでした(笑)
七瀬ふうり
あの、練習しているところをバレたくなかったんです(笑)! 頑張っている姿を監督に見せるより、完成したお芝居を楽しみにしてほしかったから、「出ていって」って言いました(笑)
是枝裕和監督
(まさしく役の)藤野だね(笑)
‐ 岡田さんは、現場の雰囲気はいかがでしたか?
岡田六花
やっぱり同じで、すごく温かい現場でした。監督は一言で言えば、本当に「人格者」だと思います。間違いなく人格者です。
それにスタッフの皆さんも、私にお菓子を分けてくれたり、人見知りな私にもたくさん話しかけてくれたりして、本当に優しい現場でした。
‐ そういえばさきほど、出口さんがこそっと監督のことを「くまさん」と言っていたような気が……?
出口夏希
言ってないです!(笑)
原作者・藤本タツキの発言から着想を得た「ペンの音の変化」で描く少女の成長
‐ 是枝監督、今回この漫画を描く2人の少女の物語を映像化するにあたって、「漫画を描く」シーンで特にこだわった部分を教えてください。
是枝裕和監督
原作の藤本タツキ先生にお会いしてお話をさせていただいた時、その場で先生から「ベテランのアシスタントの方がペン入れをする時の、迷いのない勢いのある“シャッ”という音がすごくかっこいいんですよね」というお話が出たんです。それを聞いて、「あ、音だな」と強く気付かされました。
原作の漫画にはないものとして、今回はその「ペンの音の変化」をきちんと撮ることで、彼女たちの成長を描こうと最初から考えていました。録音の冨田(和彦)さんとも話をして、「最初は1つのペンの音だったものが、2人になり、その音が変わり、1人になって最終的にはデジタルで描く音になっていく」……そうした音の変化で彼女たちの成長をきちんと表現しましょう、ということが今回の大きな狙いでした。
‐ なるほど。本作において、手元を映して漫画を描くシーンが、非常に長い尺で丁寧に描かれている印象を受けました。それはやはり、その「音」という着想があっての描写だったわけですね。
是枝裕和監督
そうですね。その成長をきちんと捉えようと思いました。
指に豆ができるまで、徹夜して描いた。4ヶ月以上の過酷な漫画練習!
‐ キャストの皆様はクランクイン前から漫画を描く練習を重ねてこられたと伺っています。練習で大変だったことや印象深かったことを教えてください。
出口夏希
まずはとにかく「手が痛い」です(笑)。撮影の合間も終わった後も、練習できるブースを作っていただいてずっと練習していたんですけど、監督から最初に「音と、かっこいい線を描くこと」を求められていて。かっこいい線を引けるようになるまでにものすごく時間がかかったんです。
最初は細い頼りない線しか引けなかったり、線が2つに割れたり……(笑)
ひたすら描いて、自分たちの手で感覚を覚えていくしかありませんでした。本当に手に豆ができるくらい練習しましたね。
‐ あの線をただ引く、というだけでも、まずそこに1個の大きなハードルがあるわけですね。蒔田さんは漫画の練習をされてみていかがでしたか?
蒔田彩珠
私は宿題(課題)がとにかく大変でした。撮影に入る4ヶ月前くらいから練習を始めていたのですが、当時は他の作品の撮影もあったので、その合間に練習に通っていました。
けれど、どうしても日数があまり取れないので、先生から課題をたくさんもらって、「次までにこれを描いてきてね」と言われるのが、なんだか学生時代を思い出して本当に大変でした(笑)
‐ 出口さんも同じように課題があったのですか?
出口夏希
2人ともがっつりありました!
1枚描くのに結構1時間くらいかかるんです。それを1日に8枚くらいこなさなければいけなくて。本当に徹夜して描かないと課題の提出に間に合わないレベルだったので、徹夜して描いてそのままの状態で撮影現場に行く、ということもやっていました(笑)
‐ 本当に学生さながらの猛練習だったのですね。七瀬さんも練習をされたと思いますが、いかがでしたか?
七瀬ふうり
私は、この作品を始める前から普段から絵は少し描いていたんですけど、全身を描くことや、動きのあるポーズを描くのがすごく難しかったです。
(指導の)先生が「自分の描いてみたいアニメや漫画の表紙を模写していいよ」と教えてくれたので描いてみたのですが、どうしてもバランスがおかしくて。バランスを考えながら絵を描くのは本当に大変なんだなと実感しました。
模型(デッサン人形)を借りて、それを見ながら描いたりもしました。たった1コマを描くだけでもものすごく時間がかかるので、改めて漫画を描く凄さを勉強させていただきました。
でも、この作品のおかげですっかり絵を描くのにはまり出しました!
‐ 元々描いていたけれど、この映画がきっかけでさらに好きになって夢中になったのですね。岡田さんは練習で大変だったのはどんなところですか?
岡田六花
私もふうりちゃんと同じで、もともと絵を描くのは好きだったのですが、これまではキャラクターばかりを描いていて、背景や自然を一度も描いたことがなかったんです。
なので、まず背景を描く練習から入るのが本当に大変でした。毎日毎日ひたすら描いて、私も手が痛くなりましたし、京本ほどではないですが、家にスケッチブックがたくさん溜まりました(笑)
七瀬ふうり
ちょっといいですか? 六花ちゃんは、この映画の練習を始める前から、本当に絵がものすごく上手だったんですよ!
岡田六花
いや、そんなことないよ(照)
七瀬ふうり
しかもデジタルなんです! アナログじゃなくてデジタル。本当にレベチ(レベルが違う)でした! 本当に上手なんですよ。
岡田六花
そんなことないです(笑)
‐ 京本を演じる上で、やはり「背景」をしっかり描けるということは大切な要素でしたね。
岡田六花
はい。でも、この映画のおかげでさらに絵を描くのが好きになって、キャラクターだけじゃなく描くようになりました。今は学校で美術部に入っているのですが、その美術部でも背景や自然をよく描いています。
七瀬ふうり
それが本当にすごいよね!背景なんて普通描けないから。
岡田六花
ふうりちゃんがキャラクターを描けるのだってすごいよ。
七瀬ふうり
いや、私はキャラクターしか描けないから(笑)
‐ この2人で、ずっとこういうやり取りをされているんですね。本当にいつまでも見ていられますね(笑)
岩手県にかほ市での最高の思い出――「おばあちゃんの家に帰った感覚」と「スイカ割り対決」
‐ 本作は秋田県にかほ市を中心に四季を通しての撮影が行われました。にかほ市での撮影の思い出で、特に印象に残っていることを出口さんと蒔田さんに伺いたいです。
出口夏希
雪、海、すべての春夏秋冬をにかほ市で楽しませていただきました。その中で1番の思い出は、にかほの現地の方たちと、本当に友達みたいになれたことです。お休みの夏休みや冬休みに、おばあちゃんちに帰ったような感覚になって、現地のみんなとたくさん美味しいご飯を食べたのが、1番の思い出として残っています。
‐ かなり現地の方にお手伝いいただいて、美味しい食事を出していただいたりしたのですね。蒔田さんはいかがですか?
蒔田彩珠
私はスイカ割りですね。海に行って、みんなでスイカ割りをしたんです。京本・京本 vs 藤野・藤野でスイカ割り対決をして、それが本当に夏休みの思い出のようで、すごく楽しかったです!
‐ ちなみに、どちらがスイカ割りの勝者になったのですか?
七瀬ふうり
(挙手して)私です!
出口夏希
(ふうりちゃんを)ちゃんと誘導したのは私です(キリッ)
七瀬ふうり
そう、だから割ることができたんだよ〜♪
岡田六花
(ふうりちゃんの)棒の持ち方がすごかった(笑)
七瀬ふうり
棒をひきずりながら怪しい人みたいに(笑)
‐ そのスイカ割りには、是枝監督も参加されていたのですか?
是枝裕和監督
はい、もちろん現場にいました(笑)。とても楽しかったです。
ヴェネチア国際映画祭【コンペ部門】出品!「美味しいリゾット」を巡る是枝監督への猛烈おねだり
‐ 本作は、第83回ヴェネチア国際映画祭の【コンペティション部門】への正式出品が決定しています。是枝監督、長編デビュー作(1995年『幻の光』での金のオゼッラ賞受賞)から非常に縁の深いヴェネチアへのコンペ出品について、今のお気持ちをお聞かせください。
是枝裕和監督
やはり僕にとっても非常に思い出深い映画祭ですし、そこでこのキャストたちと一緒にワールドプレミアに参加できるというのは、本当に感慨深く、嬉しく思っています。
‐ キャストの皆様も全員現地に行かれると伺っていますが、ヴェネチアで楽しみにしていることは何ですか?
出口夏希
ご飯です!(笑) 美味しいご飯食べたいよねって、ずっと話していて。監督から「すごく素敵な街だよ」と教えていただいたので、美味しいご飯屋さんに連れていってもらおうと密かに企んでいます。
‐ それはもう是枝監督なら、現地の美味しいお店を熟知されているのではないですか?
是枝裕和監督
いや、そんなことないです(笑)。今、一生懸命情報を集めている真っ最中なんです。
‐ 蒔田さんはいかがですか?
蒔田彩珠
私もやっぱりご飯ですね(笑)。さっきもちょうど楽屋で監督に「美味しいご飯屋さんないんですか?」って聞いたら、「調べてる途中」って言われました。
‐ ちなみに監督、ヴェネチアで美味しいものといえばどのようなものがあるのでしょう?
是枝裕和監督
やっぱり・・・イタリアンですよね(笑)これから全力でリサーチします。
‐ 七瀬さんは、ヴェネチアで何を楽しみにしていますか?
七瀬ふうり
私はご飯と・・・、あとは綺麗な景色です! 初めて海外に行くので、朝、昼、晩とどの時間も絶対に綺麗だと思うんですよね。ずっと写真を撮って、自撮りもたくさんしまくって、みんなと写真をいっぱい撮って楽しみたいです!
‐ 上映が終わったら、街中から声をかけられると思いますよ。映画祭というのはそういう場所ですから。岡田さんは、ヴェネチアで楽しみにしていることはありますか?
岡田六花
私もやっぱりご飯ですね。本場のピザとティラミスを絶対に食べたいです! あとは、ゴンドラに乗るのがすごく楽しみだなと思っています。ただ、私、泳げないので、もし落ちて溺れたらどうしようという心配はあるんですけど(笑)、頑張って乗りたいと思います!
‐ 監督、かなり具体的なリクエストが出ましたね。
是枝裕和監督
応えたいと思います!
七瀬ふうり
パスタも!
是枝裕和監督
頑張ります!
出口夏希
食べたい、食べたい!
是枝裕和監督
‐ 監督、プレッシャーがすごいですね(笑)
是枝裕和監督
でもみんな、(映画祭は)上映がメインだからね(笑)
京本の下の名前「奏(かなで)」の誕生秘話
‐ 今回、作品を制作するにあたって、是枝監督は原作の藤本タツキ先生とどのようなお話をされて進められたのでしょうか?
是枝裕和監督
最初は、映画化の交渉をしに行ったというよりは、「こんなに素敵な漫画を描いていただいて、本当にありがとうございました」という感謝を直接お伝えしに行ったのがスタートでした。
そこから映画化に向けて進めていく上で、「こういう形にしたいです」「四季をきちんと取り入れたいです」「ロケは地元の秋田(にかほ市)でやらせていただきます」といったことを、一つひとつ丁寧にご報告しながら作っていきました。
‐ 本作の実写映画化にあたり、原作では描かれていなかった京本の下の名前が設定されています。これについてはどのようなお話し合いがあったのでしょうか?
是枝裕和監督
そうですね。やはり実写化するにあたって、原作で省かれていた部分や描かれていなかったディテールをどうプラスしていくか、というご提案をいくつかさせていただいたのですが、その中の一つが名前でした。
僕の記憶だと、「奏(かなで)」という名前自体は、藤本先生からアイデアが出たと思っています。劇中で、京本が描く漫画が「音」を連れてくるような形にして、藤野が描く漫画との違いや個性を際立たせていく……という、今回の映画で大切にしている「音」のコンセプトを踏まえた上で、先生が「奏」という文字を考えてくれたのかなと。
後日、先生に「あれ、どっちから出た名前でしたっけ?」と聞いたら、先生も「いや、どっちでしたっけ(笑)」とおっしゃっていたのですが、僕と藤本先生、お互いの話し合いの中から自然と生まれた、本当に大切な名前だと思っています。
原作者・藤本タツキ先生からの絶賛コメント!
‐ ここで、原作の藤本タツキ先生より、完成した実写映画をご覧になっての感想コメントが届いておりますので、代読させていただきます。
【原作者・藤本タツキ先生のコメント全文】
漫画の実写映画化などで漫画のセリフや演技がそのまま実写になると、リアリティのないものになる事があると思います。
ルックバックの実写映画化ではそこを是枝監督映画特有の俳優が持つ所作やカメラの動きで、原作のテイストを崩さずに原作が持っていた雰囲気をリアリティを持って出す事でできていたのでとても嬉しかったです。
映画内での漫画のアナログ道具の使いっぷりや、ペンを入れる特有の気持ちのいい音、家の経年劣化具合や小道具が魅せる生活感は、そこに藤野と京本が本当に生きている証拠のように見えて映る度に感動していました。
原作は僕の漫画ですが、以上の点からしっかり是枝監督作品になっていたので初めて見る作品の様にとてもとても楽しめました!
ただ、地元にかほ市が出てくる場面ではどうしても当時を思い出してしまい、映画に集中できませんでした!
‐ 是枝監督、藤本先生からのこの素晴らしいコメントをお聞きになって、いかがですか?
是枝裕和監督
本当に嬉しいですね。僕たちがこだわって描いた生活感や音、そうした細かいディテールを、しっかりと観て褒めていただけて、心からほっとしています。
‐ 出口さんは、藤本先生のコメントを聞いていかがですか?
出口夏希
実は、私も出来上がったものを藤本先生と一緒に試写室で観させていただいたんです。その際にも直接お褒めの言葉をいただいたのですが、こうして改めてお言葉をいただくと本当にほっとします。
やはり、映画が世の中に出るまではすごく緊張と不安の日々を過ごしているので、原作者の藤本先生にそう言っていただけただけで、本当に少しだけ救われた、ほっとした気持ちです。
‐ 原作者の先生からの太鼓判は大きいですよね。蒔田さんはいかがですか?
蒔田彩珠
役者自身のちょっとした所作などを取り入れて、是枝監督らしい空気感を作っていく……という現場でのこだわりを、先生が一度観ただけで見抜いてくださったのが本当に嬉しいです。
撮影現場でも、監督が「今の動きいいね、それやってみよう」とおっしゃることが多かったので、それがちゃんと映画の画面に映っていて、先生に伝わったんだなと思うと、すごくやりがいを感じます。
‐ 試写の際に藤本先生に直接お会いになった時は、どのようなご様子だったのですか?
蒔田彩珠
私たちは先生がいらっしゃることを知らなくて、試写室を出たら藤本先生がそこにいらっしゃって。
出口夏希
「あ、もしかして……先生!?」って(2人で)すごく驚きました(笑)
‐ 何か役柄について、先生から直接お話はありましたか?
蒔田彩珠
実はその時は、みんな緊張してしまってあまり深いお話はできなくて、一緒に写真を撮って終わってしまいました(笑)
でも、先生から直接「すごく良かったよ」と笑顔で言っていただけて、本当に嬉しかったです。
米津玄師、三浦透子、久野遥子、ジブリ精鋭陣……超豪華クリエイター集結!
‐ 本作には、様々なジャンルから非常に多彩なクリエイターが参加されていることが本日発表されました。
米津玄師:シャークキック・ギター友情演奏
三浦透子:劇中曲Vocal
久野遥子:ロトスコープアニメーション監督
西川洋一:背景美術/スタジオジブリ所属
男鹿和雄:劇中絵画/『となりのトトロ』等
串田達也:劇中絵画/『シン・エヴァンゲリオン劇場版』等
小川太一、小林寛也:劇中アニメ/スタジオジブリ所属等
‐ 是枝監督、これほど多彩なプロフェッショナルたちが集結した本作について、改めてどのような手応えを感じていらっしゃいますか?
是枝裕和監督
手応えというか、もう贅沢すぎて自分でもびっくりしています(笑)。音楽の坂東(祐大)さんと話している時に、坂東さんが「ギター、よねちゃん(米津玄師さん)に頼みたいんだよね」とボソッと言って。「え、誰!? よねちゃんって、あの米津さん!?」と驚いたのを覚えています(笑)。それが本当に実現してしまって。
僕は米津さんのギターレコーディングも、三浦透子さんのボーカルレコーディングも、すべて録音に立ち会わせていただいたのですが、そこに居合わせること自体がものすごく贅沢な時間でした。自分の映画かどうかは置いておいても、一人のリスナーとして本当に贅沢な時間でしたね。
また、久野(遥子)さんがロトスコープを仕上げていくプロセスでも、実際にキャストの4人を実写で撮影した映像をベースにアニメーションにしていくので、例えば子供たちが海を泳いでいるシーンでは、飛び箱の上に腹ばいになってもらって、それを動かしながら撮影する、といった協力もさせていただきました。
その制作プロセスを間近で見届けて、出来上がりまで一緒に過ごせたことは、僕にとっても本当に素晴らしい経験になりました。
クロージングメッセージ
‐ 最後に、出口さん、蒔田さん、そして是枝監督よりメッセージをいただきたいと思います。
出口夏希
キャストの皆さん、スタッフの皆さん、そしてにかほ市の皆さんをはじめ、本当にたくさんの方々の熱い思いが込められた『ルックバック』が完成しました。さっきは「ヴェネチアではご飯を食べたい」なんて言ってしまいましたが(笑)、にかほ市の皆さんや関わってくださったすべての方々の思いを、私たち5人でしっかりとヴェネチアに持っていきたいと思っています。
私自身、この作品を通して、心もですけど、たくさん成長させてもらったと感じています。にかほ市の本当に美しい景色、ペンを走らせる音、私たちが現地で目にしたすべての素晴らしいものが、そのままスクリーンに美しく映し出されています。
ぜひ劇場の素晴らしい環境で、それを全身で感じていただけたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました。
‐ ありがとうございます。続いて蒔田さんからもお願いします。
蒔田彩珠
私はこの作品を通して、劇中で京本が「藤野ちゃんはなんで絵描いてるの?」と問いかけるシーンがあるのですが、それを自分自身に置き換えて「私はなんでお芝居をしているんだろう?」と改めて考えるきっかけをもらいました。その答えは、やっぱり原作の2人と一緒で「お芝居が本当に好きだから」なんです。
これまで一度も「何でやっているんだろう?」と立ち止まって考えることなく進んでこられたのは、自分自身も彼女たちと同じように、まっすぐにひたむきに役に向き合ってきたからなんだな、と気づかせてもらいました。
この映画を観てくださった方々が、自分の大好きなことや、大好きな大切な人に対して、改めて何かを考えるきっかけになるような作品になればいいなと思っています。……記者のみなさん、ぜひ良い記事を書いてくださいね(笑)! 本日はありがとうございました。
是枝裕和監督
蒔田さんが本当に素晴らしいことを言ってくれたので、僕からあえて言葉を重ねる必要は全くないなと感じていますが・・・今回の映画は、本当に「素晴らしい出会い」に恵まれた作品になりました。僕がした仕事といえば、キャスティングを終えるところまでで、あとは現場で彼女たちの輝きをただ見つめていただけなんじゃないかと思うほどです。
でも、出来上がった作品をスタッフみんなで観ていた時に、ふうりちゃん演じる小学生の藤野が、文房具屋さんで買ってきたばかりのスケッチブックに、初めて1本の線をおそるおそる引き始めるシーンがあるんです。そこで、なぜか涙が出てきてしまって。悲しいシーンというわけではないのですが、人が何かに一生懸命に向き合っている姿や、ひたむきな背中というのは、それだけでこんなにも人の心を動かし、感動させるものなんだな、と改めて気づかされました。
誰の人生にも、ああいう「何かが始まる瞬間」があったはずです。そんな瞬間を思い出させてくれる、本当に愛おしい映画になったのではないかと思っています。ぜひ皆さん、応援してください。本日は本当にありがとうございました。
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[動画・写真・記事:三平准太郎]
映画『ルックバック』
《STORY》
自信家な小学4年生の藤野は、学年新聞に4コマ漫画を連載し、クラスメートたちから絶賛されていた。
しかしある日、学年新聞に掲載された不登校の同級生・京本の漫画を目にし、その圧倒的な画力に打ちのめされる。それ以来、藤野は絵が上手くなりたい一心で漫画を描き続けるが、その差は埋まらず、一度は漫画を諦めてしまう。
ところが卒業式の日、京本の家へ卒業証書を届けに行った藤野は、京本が自分の漫画のファンだったことを知る。
漫画へのひたむきな思いで結ばれたふたりは、一緒に漫画を描き始める。かけがえのない時間を積み重ねていく藤野と京本。しかし、そんなふたりの日々を大きく揺るがす出来事が訪れる――。
- メインカット
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- 場面写真6
- 場面写真7
出演:出口夏希 蒔田彩珠 七瀬ふうり 岡田六花 野呂佳代 池田良 佐々木みゆ 山田真歩 宮藤官九郎/菅田将暉
原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊)
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:坂東祐大
後援:秋田県にかほ市
企画・プロデューサー:小出大樹
配給:K2 Pictures
撮影期間:2025年2月~4月、5月(冬・春編)、7月(夏編)、11月(秋編)
©藤本タツキ/集英社 ©2026 K2 Pictures・集英社
公式サイト:https://k2pic.com/film/lb/
公式X:https://x.com/lookback_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/lookback_movie/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@lookback_movie
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特報
2026年9月11日(金)全国公開
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