ディーン・フジオカ「日本でなぜそれができないのかずっと疑問」映画『Pure Japanese』完成披露舞台挨拶
2022年1月12日、新宿バルト9にて、映画『Pure Japanese』完成披露舞台挨拶が行われ、主演・企画・プロデュースのディーン・フジオカ、蒔田彩珠、坂口征夫、松永大司監督が登壇。アクションなど本作の見どころと共に、オリジナル作品が日本では育ちにくい土壌への思いなどを明かした。
本作は、映像・音楽・ファッションなど様々なカルチャーシーンで活躍するディーン・フジオカが企画・プロデュースを手掛け、さらに主演も担う。映画界が注目する若手女優・蒔田彩珠をヒロインに、脚本は小林達夫による完全オリジナル作品。そして共演者として、別所哲也、渡辺哲、金子大地、村上淳、嶋田久作といったヴァラエティに富んだ個性派俳優たち、さらにDDTプロレスリングプロレスラー・元総合格闘家として活躍する坂口征夫が参加している。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
■フォトレポート
▼シンプルに感動しています
ディーン・フジオカ(企画・プロデュース/立石 役)
シンプルに感動しています!素晴らしい出会いに恵まれ、このクルー(仲間たち)と一緒に、企画立ち上げから、脚本完成、撮影オールアップ、ポスプロなど、都度都度フレッシュな感動と向き合ってきました。まずは、お客様に観ていただくこの場所にたどりつきました!
言い出しっぺなので、責任を持って最後までやり遂げることこそが、自分がやるべきことだと思っていました。
蒔田彩珠(アユミ 役)
(撮影中のディーンについて)自分の役だけでなく登場人物全員の役のことを考えていらっしゃいました。真っ直ぐ作品と向き合っている姿がかっこよかったです。
ディーン・フジオカ
現場の指揮は監督に任せて、撮影中は役者として立っていたいという思いでした。
(現場で仕事を)お願いした人に委ねることが信頼の表現の形だと思っていました。ただ、溢れる思いが(自分の中に)あったのでしょうね。さまざまな場面でその想いが滲み出ることはありました。
▼怖い人たちとやりあうシーンは、刺激的でした
-ショットガンを使用したアクションシーンはいかがでしたか?
蒔田彩珠
女子高生のアユミには自分と近いところが多いと感じていました。怖い人たちとやりあうシーンは、刺激的でした(笑)
坂口征夫(地元のヤクザ長山組を率いる陣内 役)
すみません、怖い人で(笑)
-坂口さん、ディーンさんの印象は?
坂口征夫
すべてにおいて真っ直ぐなんです。話をしていても、芝居をしていても。自分は曲がってばかりなので(笑)、憧れの目で見ていました。
ディーン・フジオカ
恐縮です。坂口さんの出演は映画の勝敗を分ける大きな要素でした。俳優同志のアクションは、怪我をしないようにと考え、もう一歩踏み込めない部分があるのですが、坂口さんからは“当ててくれないと困る”と言われて(笑)
その言葉が僕にとっては安心感でした。坂口さんの佇まい、肉体に“強い”という説得力があるからこそ、胸を借りて思いっきり演じることができました。坂口さんが積み上げてきたレガシーみたいなものをお借りした形です。
松永大司監督
坂口さんは現場で本当に組長みたいになっていきました。コロナで食事に出かけられないので、坂口さんはロビーでお酒を飲んでいたのですが、気づくとそこに組の人たちが集まっている(笑)
アクションシーンの撮影でも同じ光景が見られて。アクションシーンの撮影後、ディーンさんの周りにはトレーナーの方たちが集まり、坂口さんの周りには組員がいました。
坂口征夫
現場でお会いして、ディーンさんってこんなに体大きかった?と驚きました。
松永大司監督
(それを知って)坂口さん、撮影から東京に戻ってきて、体を鍛え直したんですよね?
坂口征夫
負けていられない、という思いで鍛え直しました(笑)
▼タイトル『Pure Japanese』について
ディーン・フジオカ
現代社会においての日本人の定義ってなんだろうという考えからスタートして、DNA的に日本とまったく関係ない人でも日本で生まれ育ったら、言語含めて日本人だし、逆に両親が日本人だとしても海外で生まれ育って国籍も違って日本語も話せないこともある。そう考えると、日本人とは、日本語を使う人かなと思って。たとえば極端な話で「日本のここがスゴイ」というような、純化されたものの根拠ってどこにあるんだろうとも考えました。
今は、DNA検査キットで、日本人度を数値化できますが、「あなたの日本人度はxx%です」って言うと可愛らしんだけど、逆に皮肉でもあって、存在の根底を揺るがすような恐ろしさも感じる。
複数の意味を込められるなと思って、『Pure Japanese』という言葉をタイトルにしました。
でも、本作は、作品としてはバイオレンスではありますが、アクション映画というエンターテイメントとして楽しんでほしいです。
▼日本でなぜそれができないのかずっと疑問
-作品タイトルにちなんで「自身のピュア」な部分を教えてください。
坂口征夫
撮影中の自分です。長山組一同、どうやったら立石(ディーン)を倒せるのか、組長としてひと肌脱ぐというピュアな気持ちで現場にいました。
蒔田彩珠
私はまだまだ、ピュアだと思います(笑)
撮影現場などでスタッフの方が上司からきつい指導を受けているところを見ると、一緒に悲しい気持ちになったりします。
ディーン・フジオカ
僕は自分が作るものに対して、それが音楽であってもなんであっても、ピュアでいれたらいいなと思いながらやっています。
松永大司監督
ディーンさんとはこの仕事で初めてお会いしたんですが、「僕は作品を良くするために監督の後ろにいますよ」と言ってくれたんです。これはほんとに心強くで感謝でした。こういう人と一緒にモノを作れたらいいなと思える人です。ディーンさんと話した時に僕は「日本のトム・クルーズになった方がいい」と言ったんです。プロデュースもしながら役者もやって。そういう存在の人が出てくるべきだと思いながらこの映画を作ってました。ありがとうございます。
ディーン・フジオカ
記者のみなさん、「これはいいタイトルをもらった」っていう感じじゃないですか?(笑)
でもとても責任重大ですよね。自分がこれまで日本以外の国で仕事をしてきて、役者の方が自分でお金を集めてプロデュースもするという姿を垣間見てきたので、日本でなぜそれができないのかというのは、この10年間ずっと疑問であったことでもあります。もちろん、原作があって、それを映像化するという話はたくさんありますが、なかなかオリジナルでそういうことをするのが難しいのが日本。
どうやったら映画という様式美が一番力を発揮できるようなフィルムメイキングできるのかなと考えます。
日本には優秀なアクションコレオグラファーの方もいますが、海外で活躍しつつも日本でなかなか活躍できないのはもったいないなと思います。
そういう方々が力を発揮できる場が増えたらいいなと思います。そういう意味でもこの『Pure Japanese』での、“立石”という元アクションスタントマンの物語は、自分の中でもとても意味のある映画作品としてのスタート地点になりました。
トム・クルーズさんの規模は遥か彼方ですけど、地道に一歩一歩続けることが大切だと思っているので、引き続きピュアな精神でより良い作品を作り続けていけたらいいなと思っています。
▼最後にメッセージ
ディーン・フジオカ
初めてのことなので、いろんな思いがあふれちゃいます。素敵なチームで作った作品です。ぜひ、楽しんでください!
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『Pure Japanese』(ピュアジャパニーズ)
INTRODUCTION
映像・音楽・ファッションなど様々なカルチャーシーンで活躍するディーン・フジオカ(『空飛ぶタイヤ』『海を駆ける』)が企画・プロデュースを手掛け、さらに主演も担う『Pure Japanese』(読み:ピュアジャパニーズ)が2022年1月28日(金)に全国公開となる。
本作は、『朝が来る』で渾身の演技を披露し、映画界が注目する若手女優・蒔田彩珠(まきたあじゅ)をヒロインに、国内外で数々の映画賞を受賞した『トイレのピエタ』、『ハナレイ・ベイ』の松永大司(まつながだいし)監督によるタッグが実現した。
松永監督といえば、『ピュ~ぴる』が海外映画祭で大反響を呼び、続く『トイレのピエタ』(2015)で各国の国際映画祭で高い評価を受けてきた。そんな松永大司が監督、脚本は『合葬』の小林達夫による完全オリジナル作品となる。
共演者として、別所哲也、渡辺哲、金子大地、村上淳、嶋田久作といったヴァラエティに富んだ個性派俳優たち、さらにDDTプロレスリングプロレスラー・元総合格闘家として活躍する坂口征夫が参加する。
STORY
日光大江戸村で働く立石大輔(ディーン・フジオカ)は抜群の身体能力の持ち主だが、社交性がなく、一方日本の文化に傾倒している変わった男で、周囲からは距離をおかれていた。
忍者ショーでも任されているのは、立ち回りではなく効果音担当。神社で人知れず、非科学的なトレーニングに勤しむのが日課だった。
同僚の送別会が行われたパブには高校生でありながら、年齢をごまかして働くアユミ(蒔田彩珠)、アユミが祖父・隆三(渡辺哲)と暮らしている土地一帯を県議・黒崎(別所哲也)と結託し、中国人ブローカーに売り払ってしまおうと画策している地元のヤクザ長山組・陣内(坂口征夫)、佐伯(二ノ宮隆太郎)らの姿も。
P(ure)J(apanese)キットという、日本人の純度を図る試薬が出回っていた。結果が50%と中途半端な数字だった佐伯は腹を立て、江戸村の忍者たちにも検査を強いる。
その場での検査を拒否した立石だったが、自宅でPJキットを使用してみると、数値は100%。何故か湧き上がる高揚感。立石はショーである役に参加することになるが、アユミたちが見に来ているとき、派手に失敗してしまう。
立石が立ち回りをできないのは過去に参加していた撮影現場でおこった事故によるトラウマで暴力に対するリミットをかけているのであった。
アユミの家には相変わらず嫌がらせが続いていた。ある日、隆三が怪我をし、入院する。
アユミと立石は黒崎の仕業だと思い込み、黒崎の事務所に乗り込むが、しらをきられ怒りを爆発させた立石は黒崎事務所を破壊する。
立石は初めてアユミに己の暴力を肯定される。アユミの家の敷地は重機が搬入され、強引に掘削が着手される。アユミは立石に助けをもとめ、立石は今まで封印してきた暴力衝動を爆発させるのだった。
出演:
ディーン・フジオカ
蒔田彩珠 渡辺哲 金子大地 坂口征夫(DDTプロレスリングプロレスラー・元総合格闘家)
村上淳 嶋田久作 別所哲也
監督:松永大司(『ハナレイ・ベイ』『トイレのピエタ』『ピュ~ぴる』)
脚本:小林達夫(『合葬』)
企画・プロデュース:ディーン・フジオカ
製作:アミューズ
企画・制作協力:ブリッジヘッド
制作プロダクション:ザフール
配給:アミューズ 配給協力:クロックワークス
撮影:2020年9月
©2021「Pure Japanese」製作委員会
予告編
2022年1月28日(金)ロードショー
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