美味しいご飯の話?映画『いつも月夜に米の飯』プレミア上映&トークイベント
7月28日、映画『いつも月夜に米の飯』のプレミア上映&トークイベント挨拶が新宿シネマカリテで行われ、主演の山田愛奈、加藤綾佳監督が登壇した。同じ新潟県出身の二人。本作の企画段階で初めて会った時のエピソードや、ポスタービジュアルからは想像がつきにくいがしっかりと加藤監督節が効きまくった作品であることなどを紹介した。一般公開は9月8日より(舞台挨拶動画&フォト)
トークイベント
初めて出会った時は不機嫌そうだった
– 山田さんと監督のお二人は新潟県ご出身ということが本作企画のきっかけだったと伺ってますが、そのあたりの経緯は?
加藤綾佳監督
山田愛奈さんが「新潟美少女図鑑」に出られたりしていて、そのあたりから企画の話が持ち上がりました。
彼女の性格のことを聞きたいつもりで「どんな子ですか?」って聞いたら、企画の方から「梅干しおにぎりが好きな子」って言われて意味がよくわかんないと思って(笑)
そして初めてお会いした時は、山田愛奈さん(当時17歳)はすごい不機嫌そうな顔をしていて。後で聞くと、当時はお芝居なんてやりたくないと思っていたそうで。
大人の中で無言で戦おうとしている女の子。それがすごくいいなと私は思って、そういうところからキャラクター像を考えました。新潟県ってお米どころですし、食の映画をやりたいってずっと思っていたので、これを期にやれるかなと思いました。
ベテラン俳優に囲まれて
– 山田さんは主演ということでほとんどのシーンにガッツリ出られてますが、和田聰宏さんとか高橋由美子さんとか、それこそベテランの小倉一郎さんとかの錚々たるメンツの中で演じられましたけど、いかがでしたか?
山田愛奈
ひとことで言うならば、吸収するものが多すぎて、毎日毎日、ほんとに大物の方と一緒に共演するシーンがあったので。でも、カメラが回っていない時でも、お話をしてくださったので、打ち解けるのはけっこう早かったです。
やっぱり加藤監督節効きまくり!
– 山田さんは最初に脚本を読んでいかがでしたか?
山田愛奈
加藤節が効いている前作もいろいろ観ていた中で、この話をいただいた時に「美味しいご飯の話」って聞いてたので、監督は路線を変えてきたのかなって思ったんです。
で、いざ、脚本を見た時に、おい、いや待てよと(笑)これ、美味しいご飯の話かよと。やっぱり加藤節が効きに効きまくっていい味出してましたね(笑)
– 実際、高橋由美子さんとは親子バトルがありますね。
山田愛奈
いやー、貴重ですよね。ドッキドキバックバクですよ。しかもビンタをされてビンタをするシーンもあったので。
試写で初めて気づいたシーン
– 印象的だったエピソードはありますか?
山田愛奈
結婚式の後のシーンでアサダさん(和田聰宏)が「千代里、目を閉じて」って言って、実際ほんとに目を閉じてるんですけど。その後、試写で観た時に初めて気づいたんですけど、アサダさんが口パクで「ありがと」って言ってて。「なにこれ」ってマジで感極まっちゃって。
加藤綾佳監督
私と和田聰宏さんとこっそり打ち合わせして、スタッフにも言ってなかったから。
山田愛奈
それ、さっき初めて聞きました。やられたーって(笑)
これから映画をご覧になる方へのメッセージ
– 最後にPRお願いします。
山田愛奈
この映画に出ている千代里含めいろんな登場人物の想いだったり、愛だったり、不安だったり、色んな気持ちが出ていたと思います。
みなさんももちろん不安とか悩み事とかあると思うんですけど、この作品を観終わったら、重荷になっている何かがちょっとでも軽くなってくれたら嬉しいなと思います。
そして、同じように悩み事していたり、ちょっと最近落ち込んでいるなって子がいたら是非この映画を薦めて、2回でも3回でも劇場に足を運んでもらいたいなと思います。ありがとうございました。
加藤綾佳監督
映画って、最初は自分の部屋でパソコンで一文字一文字打ち込むことから始めて。
ほんとに形が無かったものが、役を演じてもらって、カメラで撮って、映像になって、お客様に観ていただいて初めて映画になれるって思っています。
ですので、お客さんには『いつも月夜に米の飯』を生んでくださってありがとうございますと、こちらが言うものだと思っています。
新潟県を舞台にした、おいしそうでちょっぴり焦げついた、ごはんと家族と恋の物語
初の単独主演を務めるのは、「ミスiD 2015」に入賞しデビューした山田愛奈。
2017年からは女性ファッション誌「non-no」専属モデルに起用され、同年に公開された映画『最低。』でも本格的に女優業をスタートさせている。
「千代里と重なる自分と、自分と重なる千代里」と山田が語るように役にのめり込んだ撮影現場となった。
加藤監督の前作『おんなのこきらい』が出世作となった森川葵のように、監督と主演の二人にとって地元である新潟県でオールロケが敢行された本作で、山田愛奈は女優として大きく羽ばたいていくことを予感させる。
千代里が思いを寄せる料理人・アサダには実力派の和田聰宏。千代里とわだかまりを抱える母の麗子を高橋由美子。幼なじみ役に渡辺祐太朗。小料理屋常連客には、MEGUMI、春花、森下能幸、マッスル坂井、飯田孝男、小倉一郎、角替和枝などの個性派が脇を固める。
主題歌には、加藤監督がシナリオを書いている時から、この作品の主題歌にしたいと熱望していた吉澤嘉代子の楽曲を起用。中でも、最も好きだという「雪」に決定した。挿入歌には山田愛奈自身が歌う「おいしい声」も使用されている。
誰かと一緒にいること、同じものを食べて飲んで毎日同じ空気を吸うこと。
お互いの体が同じようなものでできていると思えること。
「誰かを愛する」すべての人に向けた物語でありながら、加藤綾佳監督の地元である新潟を舞台に「恋愛」と「家族」を「食べる」ことを通じて描いた意欲作。
ことわざ「いつも月夜に米の飯」
不足の無い生活のこと、あるいは満足な生活を願っても実際はそうはいかないことを意味することわざ。
昔は電気が無く夜は真っ暗で、白米は庶民にとってとても貴重な食べ物だったため、月の光で明るい夜に白米を食べられるような生活は庶民の理想だったこと。ただし、そんな理想の日々は願うように続かない、といったことから。
『いつも月夜に米の飯』
http://itsukome.com
監督・脚本:加藤綾佳
出演:山田愛奈 和田聰宏 高橋由美子 渡辺佑太朗 ほか
主題歌:吉澤嘉代子「雪」(e-stretch RECORDS/日本クラウン)
挿入歌:SOROR feat. 山田愛奈『おいしい声』
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
© 2018「いつも月夜に米の飯」製作委員会
9月8日(土)、シネマカリテ、9月22日(土)、新潟・シネウィンドほか全国順次公開
舞台挨拶動画
[動画・写真・記事:Jun Sakurakoji]
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