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奇妙礼太郎

【ライブレポ】コトリンゴ、吉澤嘉代子、奇妙礼太郎、MOROHAが出演、上田平和音楽祭2018

吉澤嘉代子 - 「上田平和音楽祭2018」

平和の願いとプロの音楽に触れる感動を。

9月23日(日)、長野県・上田市サントミューゼ 大ホールにて、『第31回 上田平和音楽祭』が開催。出演アーティストは、吉澤嘉代子、コトリンゴ、奇妙礼太郎、そして長野県出身のMOROHA。また、地元の子どもたちや合唱団も当日のステージをつくりあげた(ライブフォト&レポート)。

上田平和音楽祭には、以下の3つの柱がある。
1. 平和のため、子ども達の明るい笑顔のために
2. 地元の人達(子どもや学生、大人)がプロの音楽に触れる
3. この音楽祭にご参加されるみんなが感動できるように

実際に会場には、多くの子どもたちの姿がみられ、皆、笑顔で音楽祭を楽しんでいた。音楽を通じて、地元の人達が、子どもから大人まで一丸となって、音楽祭を作りあげている。
地元の大きな観光資源である別所温泉との連携や、市内の商店街の協賛。地元の学生ボランティアによる運営など、社会人とともに活動し、将来の社会を担う人材がうまれることがこの音楽祭開催参加する人たちすべての願いとなっている。

ライブレポート!

コトリンゴ

コトリンゴといえば、2016年11月に公開したアニメーション映画『この世界の片隅に』の音楽を担当し、日本アカデミー賞優秀音楽賞毎日映画コンクール音楽賞、ほか受賞。
「この世界の片隅に」の代表曲を含めた7曲を披露した。

コトリンゴ ~セットリスト~
M1. 雨あがる(instrumental)
M2. 漂う感情
M3. 悲しくてやりきれない
M4. hedgehog
M5. classroom
M6. たんぽぽ
M7. こどものせかい

吉澤嘉代子

吉澤嘉代子は、埼玉県川口市出身のシンガーソングライター。2014年にメジャーデビュー。
今年の3月、NHKの番組「SONGS」で、話題の女性ソロシンガーとして特集され、現在、注目のアーティスト。

吉澤嘉代子 - 「上田平和音楽祭2018」

M1. ミューズ
黒いドレスに身を包み、ステージに登場。「はじめて私の歌をきいてくださるという方がたくさんいらっしゃると思うんですけれども、よろしくおねがいします。」というあいさつとともにミューズの弾き語りからスタート。
この日は、弓木英梨乃がステージにあがり、ギターとコーラスをサポートした。

M2. 綺麗
ステージからちいさな子どもたちへの気遣いや声掛けを行う彼女の姿が印象的だった。子どもたちだけでなく、大人たちにも手を振る彼女に、観客も笑顔で手を振りかえしていた。

「曲をつくるときに、物語を考えて、主人公をもうけて、おはなしをつくるつもりで曲をかくことがほとんど」と語った彼女は、子どもが主人公、少年少女がでてくる物語としてかいた曲「えらばれし子どもたちの密話」を披露した。

M3. えらばれし子どもたちの密話
ギターの音色に会場からは手拍子が起こり、吉澤は曲に合わせてからだを揺らし、ステージ上を左右に歩き、歌い踊った。

このあと、ふたたびギターを手にした吉澤は、祖母が上田市出身であることを語った。
「今日は親戚が10人来ています!」の言葉に、客席からは大きな拍手が起こり、「来てますか?」という彼女からの問いかけに親戚の方々が返答。さらに大きな歓声と拍手が巻き起こった。

「長野でライブすることが初めてで、いつか長野でライブしたいと思っていたところに、上田でライブができた」と、彼女は嬉しさを満面の笑みであらわした。

M4. らりるれりん
M5. ジャイアンみたい

「楽屋でいろいろとお弁当や、ケータリング。野沢菜とざくろとか、リンゴジュースと、いたれりつくせりしていただいて、すてきなイベントだなと。それだけじゃないんですけど(笑)」と今回の音楽祭の感想を語った彼女は、「また、長野でライブできたらうれしいなと思います。そのときはみなさんよかったらきてください。」と観客に呼び掛けた。

M6. 残ってる

ラストの曲は、今の季節にぴったりな曲。季節の変わり目に朝帰りした女の子を主人公としてかいた曲「残ってる」だった。
吉澤嘉代子は、11月7日に『女優姉妹』 というアルバムをリリース予定。「すごくいいアルバムなので、こちらもチェックしてくれたらなと思います。よろしくおねがいします。」という言葉通り、要チェック。

吉澤嘉代子 ~セットリスト~
M1. ミューズ
M2. 綺麗
M3. えらばれし子どもたちの密話
M4. らりるれりん
M5. ジャイアンみたい
M6. 残ってる

奇妙礼太郎

奇妙礼太郎には、“朴訥”という言葉がよく似合う。
恋、ロックンロール、フォークやユーモアあふれる即興曲など、才能あふれるアーティスト。
彼はステージに上がると、長い深呼吸のあと、ギターを弾き始めた。

奇妙礼太郎 - 「上田平和音楽祭2018」

M1. エロい関係
M2. ロックンロールコンプレックス

彼の演奏一曲ごとに客席から大きな歓声と拍手が起こる。
MCの言葉は少なく、脈絡のない話をはじめたかと思うと唐突に話をやめ、演奏をはじめる。

突然、「シャツが猫の毛だらけですみません」と口を開いた奇妙礼太郎。
「昨日、喫茶店に行ったら、ナナちゃんっていう猫が、椅子の下から出てこなくなって、お姉さんが椅子の下をのぞきながら、ナナちゃん!ナナちゃん!って、すごい面白い話ですけど(笑)」

「大阪にね、天王寺っちゅうところがあって、そこでダンスをしているひとがたくさんいて…」と、次の曲「天王寺ガール」を披露した。

M3. 天王寺ガール
M4. tidepool

「くだらない曲がいっぱいあるけど、やっていいのかな?」という彼の声に、大きな歓声と拍手が巻き起こった。
「僕がつくった曲は、全部くだらないからな」…と、♪与謝蕪村~ 与謝蕪村~と歌い始めたかとおもうと演奏をやめ、会場は大きな笑いに包まれた。
「やっぱり。ねぇ、申し訳ないんだけど、与謝蕪村は、好きなわけでもなんでもないんですけど、口にすると気持ちいいなって」と話す奇妙礼太郎。

「え?一緒に歌ってくれるの?なんていい人たちなんだ、上田の人たちは」という言葉に、会場は爆笑。
「Are you ready?」という掛け声とともに、奇妙礼太郎が腕を高くつき上げると、会場からは「Yeah!」という大きなレスポンスの声が上がった。

M5. 与謝蕪村

奇妙礼太郎が♪与謝蕪村~ とうたうと、観客もつづけて♪与謝蕪村~とかえす。
大きな手拍子が鳴り響いていた。
「こんな感じになると思っていたよ。ありがとう!」

M6. 東京23区
M7. しらん節

「あ!26日に、とってもいいアルバムが出ます。僕が出しているんですけど、みんな買った方がいいんじゃないかなぁ」と、さりげない告知と感謝の言葉を残し、奇妙礼太郎はステージ脇に消えていった。

奇妙礼太郎 ~セットリスト~
M1. エロい関係
M2. ロックンロールコンプレックス
M3. 天王寺ガール
M4. tidepool
M5. 与謝蕪村
M6. 東京23区
M7. しらん節

MOROHA

MOROHAは、上田市出身の二人組。UK(Gt)とアフロ(MC)で構成され、UKのギターが奏でる音に、アフロが心の叫びともおもえるMCをラップのようにのせる独自のスタイル。今回は、上田平和音楽祭を地元出身者として、トリを務める。

MOROHA - 「上田平和音楽祭2018」

「MOROHAと申します。よろしくどうぞ!」の声で、ライブパフォーマンスがはじまった。

M1. 革命
M2. 上京タワー

「我々が上田の高校を卒業して一緒に音楽やって、上田平和音楽祭に、こうやってステージに立っていると、よっぽど地元のことが好きなんだろうなって思われるかもわからないですけれども、少なくとも俺は、上田のこと、全然好きじゃなかったっす。」とアフロが話し始めると、客席からは地元ならではの穏やかな笑いがおこった。

「この町のせいだと思っていました。全部。オレがダサイのは。オレがうまくいかないのは。全部。上田のせいだっていう風に、おもっておりました。」とアフロは続け、「そんなオレが、一度だけ、たった一度だけ…」というところで、次の曲「遠郷タワー」へと続いた。

M3. 遠郷タワー

「一曲目にやった曲は、「革命」っていう曲なんですけれども、革命って実は物騒な言葉で、本当は、人が死ぬような言葉であるはずなんです。革命っていうのは、血が流れない革命なんて言うのは、ほとんどないから、革命って言葉は、本当は簡単に言っちゃいけない危険な言葉で、だけど、おれたちの世代っていうのは、簡単に言える幸せな世代でした。革命という言葉に実感が伴わないから、戦争という言葉に血を感じないから、ありがたいことだなと思います。そんなありがたさをしあわせをこの先も受け渡していけるように、音楽でたくさん物騒な言葉がでてきても、なんにも動じない世の中でありますように。手始めに、僕らのちいさな戦争。心の中の戦いをひとつでも減らせますように。オレ自身、大事な人をずっと大切にできますように。」

M4. うぬぼれ

「うぬぼれ」の曲が終わる直前、早めの拍手にアフロがステージ上で、制止するようなポーズをとった。

その理由をアフロは次のように語った。

「まだ拍手はえーっつってね。やめろっつって。生意気なんすよ。せっかく拍手くれてるのに、うるせーってね。まだギター弾いているんだろうっつってね。生意気なんすよ。」
「上田からでていって、10年…。ちがうな、12年。東京で、いまだに生意気を続けております。この生意気がいったい、どこまで貫き通せるのか、遠巻きながら、なんとなくみてもらえたら、うれしいなと思っております。」

彼なりの真剣さをあらわす言葉が続いた。

「最後の曲になります。ちからいっぱいやって帰りたいなとおもいますんで、みなさん、それぞれのペースでどうかきいてくださいって、よくライブとかできくとおもうんですけど、今日に限ってはそれぞれのペースだけはやめてください。おれたち一生懸命うたいますんで、どうか一生懸命きいてやってください。今日はありがとうございました。」

M5. 五文銭

MOROHA ~セットリスト~
M1. 革命
M2. 上京タワー
M3. 遠郷タワー
M4. うぬぼれ
M5. 五文銭

ライブフォトギャラリー

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上田市の子どもたちや合唱団
・しなの子どもの幸せと平和を願う合唱団
・バリアフリー合唱団“コールレインボー”
・神川小学校合唱団
・上田平和音楽祭特別合唱団

[写真・記事:Ichigen Kaneda]

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