
古川琴音「気持ちが混沌として孤独だった」写真集『CHIPIE』発売記念会見
2025年7月6日、東京・代官山 蔦屋書店にて、女優・古川琴音の2nd写真集『CHIPIE』(講談社)の発売記念会見が行われた。本作は、写真家・松岡一哲との7年ぶりのタッグで制作され、古川琴音の「現在地」を収めた一冊となっている。
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会見に登壇した古川は、集まった報道陣を前に「こんな素敵な空間を用意していただけるとは思っていなくて、一気に心拍数が上がってるんですけど、今日のこの日を迎えることができてとても嬉しいです」と率直な心境を明かした。
7年ぶりの写真集発売について問われると、「やっとやっとこの日が来たなという気持ちです。一哲さんにまた一緒に写真集やりましょうってお話いただいてから多分2年近く経ってるんじゃないかなと思うんですけど、その想いも撮影も出版に至るまでの過程も本当に1つ1つ大切にした写真集ですので、早く皆さんに見ていただきたいなと思ってます」と、作品への深い愛情を語った。
発売後の反響については、「友達でもう届いたよって連絡をくれた人もいますし、家族は駅に貼ってある大きなポスターを見に行ったと連絡がありました」と述べた。
また、ヘアメイクスタッフが写真集を見て「嘘がない」と言ってくれたことがとても嬉しかったと明かし、「他の皆さんはどんな反応されるか今からとっても楽しみです」と期待をにじませた。
写真集のタイトル『CHIPIE』(シピ)はフランス語で猫によくつけられる名前だという。古川は、「一哲さんと写真集について話し合っていた時に、古川琴音の写真集ではあるけれど、スナップ写真のような、どこの国で、どう過ごしてきた女の子なのか分からないような写真集にしたいという話をしていて」とコンセプトを説明し、「私じゃない女の子の名前をつけたいなっていうのが最初に浮かんだんですけれど、色々探していくうちにこの“シピ”という響きと、私が猫好きなのでフランスで猫によくつけられる名前だというのが私の気持ちにフィットしてこの名前にしました」と、タイトルに込めた思いを語った。ちなみに、古川は現在2歳になる「ムー」という名の保護猫(白と黒の八割れ)を飼っており、そのやんちゃぶりも明かした。
本作は、古川が映画祭でドイツ・フランクフルトを訪れた際に、松岡一哲が同行し5日間もの間、朝から晩まで密着するという「ドキュメント」に近い手法で撮影された。
衣装についても、「スタイリストさんのお家に行って好きなものをピックアップして、気分に合ったものを選びましたし、現地の古着屋さんにも行って、その場で買ってそのまま街を歩くということもしました」と、その時の感情に合わせた自然なスタイルを追求したことを明かした。
作品のテーマについては、「私の写真集でありつつも、見ている人の心の風景と合う写真集になればいいなと思っていて、この写真集の中に1枚でもそのお客さんと繋がり合える写真があればいいな」という願いを語った。
会見ではお気に入りのカットも披露された。それはフランクフルトでの映画祭と撮影のハードなスケジュールの中で、「私の気持ちとしてはすごく混沌としていたというか、初めての海外映画祭で、私のことを知られていない中で常に『あなたは何者なんですか?どういうことができる人間なんですか?』っていうのを問われているような気がしていて、ちょっと思い詰める瞬間も」あった時期に撮られた一枚だという。
古川は、「この写真を見た時に、自分の混沌とした気持ちと同時に、自分では見るのも怖いと思っていた自分のこの表情がこんなに綺麗に映ってるっていうことに感動した1枚でもあるんです。当時、孤独だと思っていたけれど、周りに一哲さんを始めスタッフの皆さんがこういう温かいまなざしで私のことを見てくださっていたんだなっていうのが分かる1枚でお気に入りです」と、その写真への思いを語った。
フランクフルトでの撮影エピソードとして、「正直言うと記憶があまりないんですけれど」と前置きしつつも、ドイツ料理の「シュパーゲル」(ホワイトアスパラガス)を挙げた。映画祭の時期の6月が旬で、フランクフルト特有のハーブソースがかかったシュパーゲルを大変気に入り、時間が限られた中でも2回も食べに行ったと楽しそうに語った。
一方で、フランクフルトの6月はまだ寒い時期であり、湖での撮影は疲労が溜まっている中でだいぶ過酷だったと振り返り、「一哲さんがすごく震えていた」ことや、自身も湖から上がった瞬間に寒さを感じたことを明かした。
写真家・松岡一哲との7年ぶりのタッグについて、古川は「また出していただけるんだっていうよりも、一哲さんともう一度写真集が作れるっていうことが単純に楽しみだなと思ってました」と語った。
松岡との最も印象的な思い出として、フランクフルトに着いた日の夜に2人でホテルのバーでお酒を飲んだ時のことを挙げた。
7年前の1作目『pegasus01 古川琴音×松岡一哲』が自身の中で大きな存在であるため、「もう一度松岡さんと一緒にあの作品ができるっていう喜びももちろんあったけれど、同時にやっぱりその『pegasus01』という写真集を意識せざるを得ない。まだ写真を1枚も撮ってない中でこの写真集はどういう写真集になっていくんだろうっていうことに対して初めて怖さみたいなのが込み上げてきたのがその夜だった」と、再タッグへのプレッシャーもあったことを語った。その時の空気感は、「戦いの前に戦友と一杯飲み交わすみたいな、そういう夜でした」と表現した。
7年前のデビュー直後に出した1作目と今作を比較し、古川は「7年前は事務所に入り立てで、この仕事を始めたばかりの時で、撮られ方も分かってないし、撮られる意識っていうのもそもそもない時期だったので、本当に純粋に楽しんでる姿が映ってるなと思ってます」と分析した。
今作については、「もっと自分の奥に入っているような感じ。ただ楽しいとかその周りに反応しているだけじゃなくて、この写真のこの時の自分って何を考えてたんだろう?って思い返したくなるような写真がいくつもあって、そういった意味ではこの7年間のいろんな蓄積が表現されているのかな」と、自身の成長を感じさせるものになったと述べた。
一方、松岡との撮影では、「やっぱりレンズを全然意識していないというか、カメラが消えるんですよね。それは7年前も思ったことだし、この撮影を通しても、本当にびっくりするほど素の自分が映っているので、そこは一哲さんと一緒にお仕事をする中でこの7年間変わらなかったことかな」と、松岡との揺るぎない信頼関係に触れた。
今後の仕事での目標やプライベートでチャレンジしたいことについては、「自分のお尻を叩くためにも言うんですけれど、英語をもっと頑張りたいなと思ってます」と語り、フランクフルト映画祭でのコミュニケーションを通じて、もっと自由に表現したいという思いが強くなったと述べた。海外での仕事への扉を開くためにも、英語学習に力を入れていきたいという。
最後に、写真集の魅力について、「個人的には本当にとても思い入れの強い作品となっているんですけれど、でも皆さんにはもう至ってニュートラルに見ていただきたくて、その中でも何か皆さんの心の風景と重なる写真があったら本当に本当に幸せなことだなと思ってます。ぜひ、楽しんで何度も何度も見ていただけたら嬉しいです」と、改めてファンに向けてメッセージを送った。
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[動画・写眞・記事:三平准太郎]
タイトル:『CHIPIE』
写真家・松岡一哲と7年ぶりのタッグ!未完成な彼女の現在地
◆写真集紹介
舞台は、古川琴音が映画祭のために訪れたドイツ・フランクフルト。本人の「主人公はすごくわかったような気がするが結局何もわからない人というイメージにしたい」という希望を基に本作を制作。
5日間もの間、朝から晩まで、スケジュールの合間や映画祭の裏側までもカメラが彼女を追うという、「ドキュメント」に近い手法でシャッターを重ねました。
衣装は、並べられた大量の服の中から、その時々の気分に応じて古川が「今はこれが着たい」と思ったものを着ています。
撮影は盟友ともいうべき写真家、松岡一哲。彼女がまだデビューしたばかりの頃に制作され、カルト的人気を誇る写真集『pegasus01 古川琴音 × 松岡一哲』から7年を経て再タッグとなりました。
俳優としても、一人の女性としても、まだまだ未完成であるがゆえに大きな可能性を秘めた古川琴音の現在地をたっぷり詰め込んだ、まさに映画を見ているような一冊です。
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【商品情報】
タイトル:CHIPIE(読み:シピ/フランス語)
著者:古川琴音
撮影:松岡一哲
発行:講談社
発売日:2025年7月3日(木)
価格:4,180円(税込)
仕様:B5 176ページ
ISBN:978 4065382578
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