映画『はじまりの日』

【インタビュー】岡崎紗絵「いろんな人に“私の始まり”を教えてもらった」映画『はじまりの日』

ex JAYWALKのボーカリスト・中村耕一と実力派シンガーの遥海がW主演を務める映画『はじまりの日』。遥海演じる“女”の才能を見出し売り出すべく奮闘する若き音楽プロデューサーを演じた岡崎紗絵に自身の役どころと本作の見どころを聞いた。
 
映画『はじまりの日』は、従来のミュージカル映画とは一線を画す、フィルム撮影にこだわった抒情的な映像と魂の歌声で紡ぐ大人のための音楽ファンタジーだ。
主演を務めるのは、元JAYWALKのボーカリストとしてミリオンヒットを飛ばし、「何も言えなくて・・・夏」にて日本レコード大賞を受賞したロックスター・中村耕一。
中村とともにW主演を演じるのは、2020年5月シングル「Pride」でソニー・ミュージックレーベルズ/アリオラジャパンからメジャーデビューし、その歌唱力、表現力にミュージカルでも注目されている実力派シンガーの遥海。
かつて一世を風靡したロックスターと、未来の歌姫という世代を超えたコントラストの中で描かれるのは、再び光を放つことへの優しい視線と自信を小さな一歩へ変える勇気。そして脇を固める実力派の俳優陣が物語をさらに味わい深いものに導いている。

岡崎紗絵 インタビュー&撮り下ろしフォト

■台本に歌詞が書かれているのは初めて見た

‐本作の脚本を読んだ時の印象は?
 
岡崎紗絵(女の可能性を信じた「矢吹」のアシスタント・望月 役)
台本をいただいた時に、英語の歌詞が書かれていて、そういう台本は初めて見たのでビックリしたのがひとつと、年齢差のある2人が音楽で繋がっている様がとても繊細に描かれているなと思いました。
映画『はじまりの日』

岡崎紗絵

‐演じられた望月は新しい才能を応援する立場として描かれていますが、演じるにあたって取り組まれたことは?
 
岡崎紗絵
若き音楽プロデューサーという肩書きなんですけど、もちろん未経験の仕事ですし、音楽業界のこともそれほど詳しくないんのですが、やはり音楽アーティストを育てていくというのが主な仕事の役だということの緊張感はありました。
でも、竹中直人さん演じるレコード会社の矢吹社長に付いて、音楽プロデューサー業を学んでいる立場ということでもあるので、撮影ではそれほど気負わずに取り組めました。
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岡崎紗絵(女の可能性を信じた「矢吹」のアシスタント「望月」役)© ジジックス・スタジオ

‐今、お名前が出た竹中直人さんとの共演シーンが多かったですが、竹中さんの印象は?
 
岡崎紗絵
はじめましてだったのですが、おちゃめで面白い方で、すべてを面白がるというか、何が起こっても笑いに変える精神が素晴らしいなと思いました。現場では笑いが絶えなかったです(笑)
映画『はじまりの日』

竹中直人(一世を風靡していた時代の「男」の同僚で、音楽プロデューサー「矢吹」役)© ジジックス・スタジオ

‐竹中さんが映画の舞台挨拶に登壇されたときは、劇場全体を笑いの渦に巻き込まれますが、現場でもそうなんですね。
 
岡崎紗絵
そうなんです!
で、いざ撮影本番になると、ガラっと変わるので、そのギャップにビックリしちゃいます。
映画『はじまりの日』

岡崎紗絵

■観客役の方たちが本当に感動して歌を聴いていた

‐中村耕一さん、遥海さんとの共演はいかがでしたか?
 
岡崎紗絵
中村さんとは初めましてで、ロッカーというイメージがありますけども、お会いするととても穏やかで、静かにそこに佇んでいらっしゃるという印象を持ちました。
反面、完成した映像で拝見しただけなんですが、歌っていらっしゃるシーンは、まさに表現者という感じで、ギターを持って歌うと人ってこんなにも変わるのかってぐらい、とても感銘を受けました。

映画『はじまりの日』

‐たしかに、中村さんの登場シーンからしばらくは、普通の穏やかな初老のおじさんという感じですが、歌唱シーンになるとガラリと雰囲気が変わりますね。
 
岡崎紗絵
はい。本当に同一人物なのか?ってぐらいにエネルギッシュで驚かされました。
そして、遥海さんとも初めてお会いしたのですが、彼女の歌は生で聞かせていただくタイミングがあって、あまりのパワーに圧倒されて、涙ぐんじゃうぐらい感動しました。世界レベルの歌唱力だし、すごい歌姫の誕生だなと思いました。
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遥海(「女」役)/中村耕一(「男」役)© ジジックス・スタジオ

‐中村さんと遥海さんに共通しているのは、日常シーンでは素朴な人という印象なんだけど、いざ歌うと別人になるという。
 
岡崎紗絵
歌った途端にすごいパワーを発揮するお二人ですよね。
 
‐撮影全体を通して印象に残っていることは?
 
岡崎紗絵
遥海さん演じる「女」がライブハウスなどでお客さんの前で歌うシーンがあるのですが、観客役としてそこに来られていたエキストラの方々が、遥海さんの歌に本当に感動して聴いているのが、目に見えて分かるんです。
私も音楽プロデューサー役として、そこで歌を聴いているのですが、音楽の力の凄さを肌で感じました。
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遥海(「女」役)© ジジックス・スタジオ

‐本作の主なロケ地は名古屋だったそうですが、ご出身地での撮影はいかがでしたか?
 
岡崎紗絵
自分の出身地でお芝居をするのは、やっぱりちょっと感慨深い気持ちになります。東京で撮るのとはちょっと違って、気持ちがほぐれる感覚の中でお芝居できるのはいいなって思いました。
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遥海(「女」役)© ジジックス・スタジオ

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岡崎紗絵

■いろんな人に「始まり」を教えてもらった

‐この作品のタイトル「はじまりの日」にちなんでの質問ですが、岡崎さんにとって、例えば今の芸能活動における始まりの日と言えるような、何か思い出とかきっかけはありますか?
 
岡崎紗絵
私にとっての「はじまりの日」は、2012年のSeventeenオーディションだと思います。それまでは普通の高校生で、まさか雑誌の世界に飛び込めるだなんて思ってもみなかったので、そこからスタートしたっていう感じがあります。
 
‐オーディションを受けようと思われたのは、芸能のお仕事には興味があったと?
 
岡崎紗絵
はい、興味はあったのですが、私は大抵の場合、入り口がわからないところから始まって(笑)、モデル雑誌は見ていたし、可愛いなとは思っていたんですけど、自分とは別物だと思っていました。
そういうとき、人の紹介で事務所に入ることになり、事務所の方からの勧めでSeventeenオーディションを受けることになったんです。
お芝居を始めることになったのも、事務所から興味があるなら挑戦してみようかっていうことで始まったことなんです。
なので、私はいろんな人に「始まり」を教えてもらって、今ここにいるという感じです。
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岡崎紗絵

■勇気出したもん勝ち!

‐そういう始まり方をした岡崎さんですが、この映画を見る人の中で、これから始めてみたい夢を持っている人や、再生したい人がいたとしたら、何か応援のメッセージはありますか?
 
岡崎紗絵
これは自分にも言える言葉ですけど、この作品の中でも“勇気”が一つのキーワードになっている気がして、勇気出したもん勝ちっていう人生、そんな気はするなと思います。ちょっと興味はあるけど、今の現状がこうだからやめておこうかなとか、守るものが多かったりとかすると、すごく大変だったりするかもしれないけども、今の現状を変えてみるとまた違う景色が見えたりすることもあると思うので、小さなことからでもいいけども、勇気を出して踏み込んでみるっていうのはすごく大きいかなと思います。
人生一回きりだって本当に思うので、勇気を出してやったもん勝ちだなって思います。
 
‐遥海さん演じる「女」がデビューして、徐々に脚光を浴びるようになり、どんどんハコ(=コンサート会場)が大きくなっていく様子が劇中に描かれていますが、岡崎さんが個人的にブレイク前から応援していたアーティストっていますか?
 
岡崎紗絵
以前、たまたま音楽のオーディション番組を見たときに、ものすごく透明感のある綺麗な声を持った高校生が一人でオーディション番組に出られてて、本当に感動したことを覚えていて。
で、その方がデビューされて、どんどん大きくなって、私も出演させていただいた「ナイト・ドクター」っていうドラマの主題歌も歌われることになったんです。琴音さんっていう方なんですが、このときは本当に感動しました。
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岡崎紗絵

■とりあえず全部やってみる!

‐本作のコピーに「本当はあきらめていない」とありますが、岡崎さんがあきらめていないことはありますか?ちなみに2022年、ドラマ「ドクターホワイト」の会見を取材したとき、岡崎さんは「自分が決めたところまではちゃんとやってみる。途中で止めないこと。途中で諦めると、結果としてなんにもならなかったりするからです。ただ、完璧主義になるとやらずに終わるので気をつける」と回答されていました。
 
岡崎紗絵
本当にそう!過去の私が言っていること本当にわかる!(笑)
何か物事があったら、まずは走りきる。「完璧にできないからもうやめちゃおう」って言って途中で止めちゃったら何にもならないから、とりあえず全部やってみる。そうするとやりきったからこその精度が上がっていくから、本当にそれはそう思います。過去の私と同じく今もそう思っています。
あと、プライベートであきらめていないことは、海外に行くことです(笑)もう少し視野を広げられたらなって思うんです。世界は本当に広いし、世界の秘境とかを見るのもとても好きなので、そういうのをちゃんと目の当たりにしたらまた違うんだろうなってすごく思います。
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岡崎紗絵

‐普段、いろんな現場やお仕事において、自分自身の目標をどのように設定されていますか?
 
岡崎紗絵
各現場それぞれのメンバーと、コミュニケーションをしっかり取りたいと思っていますし、そのとき、この映画で竹中さん演じる社長のようなとても柔らかい空気を自分も作れるように参加できたらいいなと思っています。
現場での始まりは、やっぱりコミュニケーションから始まることなので、現場ではそういうことを気にしながら居るようにしています。
 
‐最後に本作の見所について、自身の役どころ含めたPRメッセージをお願いします。
 
岡崎紗絵
人それぞれいろんな理由があって、今置かれている現状があると思うんですけど、そこから一歩踏み出す勇気、本当は諦めてないはずの、本当の自分を忘れないでいるこが大事だと思っています。
これはきっと誰しもに言えることなので、それをこの映画を観て感じてくださるといいなと思います。

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■撮り下ろしフォトギャラリー

[インタビュー・写真:三平准太郎]
 
岡崎紗絵(おかざきさえ)プロフィール
1995年11月2日生まれ、愛知県出身。モデルとして2012年『ミスセブンティーン』でグランプリを獲得しデビュー。
現在は雑誌『Ray』の専属モデルを務める。
俳優としては、ドラマ 『教場Ⅱ』、『ナイトドクター』、『花嫁未満エスケープ』、『GTOリバイバル』 『マウンテンドクター』など話題作に出演。
映画では『mellow』、『緑のざわめき』など数々の作品に出演。
10月8日より放送されるドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」に出演の他に映画「はじまりの日」、「BISHU~世界でいちばん優しい服~」2作品の公開を控える。
俳優とモデルの活躍が多岐にわたる。

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《INTRODUCTION》
モントリオール映画祭で最優秀ドキュメンタリーを受賞した「健さん」、故・樹木希林さんが企画・出演した「エリカ38」などで注目を集める日比遊一監督の最新作「はじまりの日」の全国公開が10月11日に決定した。
本作は従来のミュージカル映画とは一線を画す、フィルム撮影にこだわった抒情的な映像と魂の歌声で紡ぐ大人のための音楽ファンタジーだ。
主演を務めるのは、ex JAYWALKのボーカリストとしてミリオンヒットを飛ばし、「何も言えなくて・・・夏」にて日本レコード大賞を受賞したロックスター・中村耕一。
中村とともにW主演を演じるのは、2020年5月シングル「Pride」でソニー・ミュージックレーベルズ/アリオラジャパンからメジャーデビューし、その歌唱力、表現力にミュージカルでも注目されている実力派シンガーの遥海。
かつて一世を風靡したロックスターと、未来の歌姫という世代を超えたコントラストの中で描かれるのは、再び光を放つことへの優しい視線と自信を小さな一歩へ変える勇気。そして脇を固める実力派の俳優陣が物語をさらに味わい深いものに導いている。
 
《STORY》
かつてロックスターとして一世を風靡した「男」(中村耕一)。ある事件がきっかけで、音楽を封印し、ビルの清掃会社で働きながら質素に暮らしている。仕事場とアパートを往復し、生きる意味を問う事すらしない男の日々。かつて男のファンだった同僚の寺田(山口智充)が唯一心ゆるせる相手だ。
男の隣人は会社の同僚の「女」(遥海)だった。夜な夜な女と母親(高岡早紀)の激しいやり取りが男の部屋に響き渡ってくる。
ある日、公園で一人口ずさむ女の歌声に大きく心を揺さぶられる男。それをきっかけに男の日々は、ゆっくりと動き出す。
男は、女の才能を確信し、昔の同僚である音楽プロデューサーの矢吹(竹中直人)にその歌を聴くよう頭を下げる。矢吹に断られながらも通い詰める男。女の可能性を信じたアシスタント望月(岡崎紗絵)のサポートもあり、女は次第にチャンスを掴んでいく。そして男もまた自分の歌が、他人の心に灯をともすことに気づかされる出来事が…
出演:中村耕一 遥海
  高岡早紀 山口智充 岡崎紗絵 羽場裕一/尚玄 鈴木美羽 穴倉秀磨
  秋野暢子 麿赤兒/竹中直人
 
監督・脚本・プロデュース:日比遊一
プロデューサー:増田悟司 右近和紗 岡村徹也
劇中歌プロデュース:Mayu Wakisaka(ソニー・ミュージックパブリッシング)
特別協賛:株式会社三清社/偕行会グループ/タケウチビユーテー株式会社/株式会社インフォファーム
協力:愛知県/名古屋市
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
製作プロダクション:ジジックス・スタジオ
2024/日本/カラー/107分/PG12
© ジジックス・スタジオ
 
予告編
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2024年10月11日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!
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