「母や友達にも一切連絡をとらなかった」映画主演デビュー花瀬琴音のインタビュー&場面写真解禁。映画『遠いところ』
『すずめの戸締り』に大抜擢された注目の若手女優、花瀬琴音の映画主演デビュー作『遠いところ』(7/7公開)より、沖縄に生きる17歳のアオイを瑞々しく演じ世界から絶賛されたオフィシャルインタビュー&場面写真が到着した。
沖縄市のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳のアオイが、社会の過酷な現実に直面する姿を描く本作。
主人公アオイを演じる花瀬琴音は、2020 年-2021 年開催された総勢600 名を越す沖縄、東京オーディションで主演に抜擢された新星。
東京生まれ・東京育ちである彼女が、沖縄在住の方々から見ても、違和感なく“沖縄で生まれ育った若者”に見えるアオイを体当たりで演じた。内に秘めた怒りと野生的な存在感溢れる演技が高く評価され海外メディアからも絶賛されている。
■世界の映画祭で高い注目を集めた新星女優、花瀬琴音のオフィシャルインタビュー到着
オーディションを経て主演が決定した花瀬は、沖縄での一か月の滞在期間で一番初めに役作り取として取り組んだのは、沖縄の言葉を習得することだった。とにかく“聞く”ことを徹底し、地元の方からも沖縄出身と間違えられるほどまで上達させた彼女は、「聞き馴染みのある標準語や関西弁を一切遮断して、ラジオなどでとにかく沖縄弁をたくさん聞いてとにかく現地の方と話すことを心がけました。聞いて、口に出して、聞いて口に出して、それの繰り返しでなんとか方言を身につけました」と説明する。役作りへの徹底ぶりはそれだけに留まらない。アオイの心情に寄り添うため、「なるべく人に頼らない。助けを求めない、自分の気持ちを話さない」ように自分自身を追い込んだ。「東京で心配して連絡をくれるお母さんや友達にも、一切連絡をとりませんでした。それはアオイが後半につれて追い込まれていく中で、誰にも言えない。頼れない。助けを求められないという状況に少しでも寄り添いたかったからです」と述懐する。体当たりで臨んだ演技が世界の観客たちを魅了、高く評価された。
花瀬が演じたアオイは17歳でキャバクラで働く一児の母。自分とは全く違う環境に生きるヒロインを演じるために、水商売をしながら子供を育てる人や、離婚したくてもできない人たちの話に耳を傾けた花瀬は、「『遠いところ』の台本を見て、自分の話のようだと話す方が沢山いました」と、本作が描くリアルを感じとった。そして、アオイが2歳の息子、健吾に対して抱く母としての強い愛情表現は、「それぞれの環境の中で、子供を想う母の気持ちを強く感じていました。若くても、遊びたくても、大変でも、心の真ん中にあるものは子供なんだということは、私がお話を聞いた方々が教えてくれたことでした」と彼女たちから多くのことを学び、演技の質を磨き上げていったと語っている。
■17歳で過酷な現実を突きつけられるアオイの場面写真3点が解禁
最初の一枚は、夜の沖縄であまりにも辛い現実に途方に暮れ、遠くを見つめるアオイの姿をとらえている。キャバクラで働く17歳の彼女は疲れ果てている様子だ。
続いて、顔をアザだらけにしたアオイが弁護士事務所を訪れた場面。実は、仕事を辞めてから働こうとしない夫のマサヤが暴力を振るうようになり、顔のアザの原因は夫の家庭内暴力だったのだ。しかも、飲食店で酔ったマサヤが暴力事件を起こし、アオイは被害者への示談金の支払いを迫られているのだ。
最後の一枚は、誰にも助けを求めることができず絶望に淵にいるアオイの背中が痛切なカット。キャバクラで働けなくなり収入を断たれたアオイは俯いて途方に暮れている。彼女の隣には何も知らない幼い息子の健吾が寄り添っている。幼い母と息子の姿が痛切に胸を打つカットとなっている。ただ「普通に生きたい」と願いながらも、厳しい現実から逃げることすらできない彼女が最後に選んだ未来とは。
『遠いところ』が描くのは沖縄の局地的な社会問題ではなく、日本中のどこでも今まさに起こっている問題である。今を生きるすべての人に見つめてほしい次世代に残してはいけない現実の問題を描く。
映画『遠いところ』
これは“映画″ではなく、“現実″-
次世代に残してはいけない問題がここにある-
《INTRODUCTION》
沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳のアオイ(花瀬琴音)が社会の過酷な現実に直面する姿を描き、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 [クリスタル・グローブ・コンペティション部門]に出品、Variety誌が“貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇。”と激賞した映画『遠いところ』が、6月9日(金)沖縄先行、7月7日(金)より全国公開となります。
主人公アオイを演じるのは、昨年『すずめの戸締り』への出演で話題を呼び、本作が映画初主演となる花瀬琴音。東京出身の彼女が、撮影の1ヶ月前から現地で生活し、“沖縄で生まれ育った若者”アオイを体現する。アオイの友人、海音には映画初出演となる石田夢実、夫のマサヤには『衝動』(21)の佐久間祥朗が起用され、花瀬と同様に撮影1ヶ月前から現地入り、沖縄・コザで実際に体感した生活感溢れるリアルな演技を披露している。
監督は、長編デビュー作『アイムクレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。長編3作目のオリジナル作品『遠いところ』は、4年に渡り沖縄で取材を重ね脚本を執筆、全編沖縄での撮影を敢行した。日本公開に先立ち、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品、約8分間のスタンディング・オベーションを受けた。さらに第23回東京フィルメックス[コンペティション部門 観客賞受賞]、第44回カイロ国際映画祭 [インターナショナル・パノラマ部門]、第53回インド国際映画祭(ゴア)[シネマ・オブ・ザ・ワールド部門]、ヨハネスブルグ映画祭など、海外映画祭で高く評価されている。
《STORY》
沖縄県・コザ。17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾(ケンゴ)と3人で暮らし。
おばぁに健吾を預け、生活のため友達の海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイだったが、建築現場で働いていた夫のマサヤは不満を漏らし仕事を辞め、アオイの収入だけの生活は益々苦しくなっていく。マサヤは新たな仕事を探そうともせず、いつしかアオイへ暴力を振るうようになっていた。そんな中、キャバクラにガサ入れが入り、アオイは店で働けなくなる。
悪いことは重なり、マサヤが僅かな貯金を持ち出し、姿を消してしまう。仕方なく義母の由紀恵(ユキエ)の家で暮らし始め、昼間の仕事を探すアオイだったがうまくいかず、さらにマサヤが暴力事件を起こし逮捕されたと連絡が入り、多額の被害者への示談金が必要になる。
切羽詰まったアオイは、キャバクラの店長からある仕事の誘いを受ける―
出演:花瀬琴音
石田夢実、佐久間祥朗、長谷川月起/松岡依都美
監督・脚本:工藤将亮
音楽:茂野雅道 美術:小林蘭 共同脚本:鈴木茉美
主題歌:“Thanks”by 唾奇
製作:Allen、ザフール
配給:ラビットハウス
公式サイト:https://afarshore.jp
公式Twitter:https://twitter.com/afarshore_jp
2023年6月9日(金)より沖縄先行公開 7月7日(金)より全国順次ロードショー
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