【インタビュー】初の医師役に挑戦中の菅野莉央「吉沢亮さんや高杉真宙さんはいつも中学生みたいな会話を」月９ドラマ『PICU 小児集中治療室』

放送中の月９ドラマ『PICU 小児集中治療室』で主演を務める吉沢亮の幼なじみの医師役として出演している菅野莉央に、本ドラマの魅力や撮影現場のことを聞いた。

PICU（Pediatric Intensive Care Unit）とは、およそ15歳以下の子どもを対象にした小児専門の集中治療室のこと。
舞台は北の大地、北海道。広大ゆえ「大規模なPICU の運営は極めて困難」と言われるこの地で、駆け出しの小児科医・志子田武四郎（しこた・たけしろう／吉沢亮）が、PICU科長・植野元（うえの・はじめ／安田顕）ら先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、そして、１秒でも早く搬送できる医療用ジェット機の運用を実現するために奔走する姿を描いていく。

菅野莉央が演じる河本舞（かわもと まい）は、志子田武四郎（演：吉沢亮）の同級生で幼なじみ。バスガイドの涌井桃子（演：生田絵梨花）、救命医の矢野悠太（演：高杉真宙）といつも４人でつるんできた腐れ縁だ。
舞は、サバサバした性格で髪型はいつもショートカット。ツッコミの名手で武四郎がボケをかますたびに「ダサっ！」「アホすぎっ！」と間髪入れずにツッコむ。昔からの医師になるを夢を実現し小児外科医に。物語序盤で、武四郎の異動先であるPICUに舞も同僚として働くことになった。クールでキレ者、友情に熱く、武四郎を鼓舞する頼りになるキャラクターだ。

菅野莉央 インタビュー＆撮り下ろしフォト

■PICUの現場は温かい人間的なコミュニケーションがある

－初の医師役をやると決まった時のお気持ちは？

菅野莉央（河本舞／かわもと まい 役）
制服のあるお仕事は初めてだったので、すごくワクワクしましたし、それと同時にちょっと背筋が伸びる思いがして、頑張るぞって思いました。

－役作りにおいて“医師役”だからこそというものはありますか？

菅野莉央
今回で言いますと、実際のPICUの現場を見させていただくことができて、そこで医療の従事されている方々の立ち振舞いとか、子どもに話しかけるときのコミュニケーションの取り方などはすごく参考にさせていただきました。

－たとえば？

菅野莉央
子どもに接するときはとても明るく接して、声がけもこまめにしていらっしゃいましたし、ご家族の方へのケアとかもすごく徹底されていて、想像していた以上に人間的なコミュニケーションがたくさんあって、温かさを感じました。

－なるほど。子どもに対してはもちろん、同時にご家族に対してのケアも必要ですもんね。

菅野莉央
そうなんです。私が見学に行ったときも、急患で運ばれてきた子がいたんですが、ご家族に対して「今はここまで」と制止されていてその先は見せられないという厳しさも同時にあるんだなと思いました。

－PICUを舞台にした本ドラマのこれまでの撮影を通して、医療に関すること、特に子どもの医療について、感じられたことがあれば教えてください。

菅野莉央
ドラマを通して、こんなに判断に迷うことや葛藤があるんだということを初めて知りました。こういうケースではこうという決まりきった答えがあるわけじゃなく。やっぱり相手が子どもであるということゆえに、その子のこれからの人生の時間も考えなければいけないし、どうすればベストなのか常に悩んでいくというのは、すごい大変だし、プレッシャーもあるし、責任の伴う大変な仕事なんだなっていうのを感じて、小児科の先生たちへの尊敬の気持ちが湧きました。

■信頼できる友人や母に相談すると楽になることがある。

－演じられている“河本舞”は「ツッコミの名手」というコピーがついていますが、菅野さんはどのようなキャラクターだと捉えられていますか？

菅野莉央
“ツッコミ”に関連するところで言うと、思ったことはすぐに口に出すし、サバサバとしていて切り替えも早い。そして頭の回転もとても早い子なんだろうなって感じています。

－“河本舞”は悩んでいるようでも、食事はしっかり摂るなどのある種の力強さを感じるところがありますが、菅野さんが、仕事などで悩んだりした時などは、どうやって前に進もうとされることが多いですか？

菅野莉央
自分の感情の問題だったら１人で解決することもあるんですけど、でもやっぱり、人に聞いてもらって客観的な意見をもらえるとすごく楽になることってあると思うので、そういうアドバイスがほしいときは、信頼できる友人に電話したりします。
あと、私の性格をいちばん把握しているのは母なので、こういうときどうしたらいいと思う？っていうのは、母に相談することもあります。

■志子田武四郎は普通の男ではない！？

－ドラマでは、吉沢亮さん演じる“しこちゃん先生”こと志子田武四郎（しこた たけしろう）は、一見未熟な医師としての側面も描かれますが、一方で純粋でまっすぐな気持ちからくるその行動に、時にはベテラン医師の心も動かされているような印象もあります。

菅野莉央
まさにそうなんです。私も毎エピソード、そう思っていて、猪突猛進みたいな感じで思われていますけど、その素直さを大人になっても持ち続けるというのはとても稀有なことだと思いますし、そういうエネルギーが周りを巻き込んでいくという姿は、武四郎は普通の男ではないんじゃないかっていう気が私はしています。幼なじみの役という立場から見てもすごいなって思います。

－河本舞は、幼なじみのしこちゃん先生に対してはどういう思いを持っていますか？

菅野莉央
同じ職場の同士として本音を言い合える仲で、舞も相談に乗っているようで逆に助かっている部分もあると思いますし、心強いと感じていると思います。
あと、彼が幼なじみの中ではツッコまれキャラというかイジられる役回りでいるからこそ、みんなの間が温かい空気になっていて、彼がいるからこの４人が幼い頃から大人になるまで仲良くやってこれたんだろうなっていうのをすごく感じています。

－舞は、志子田武四郎がいるPICUにあとから異動してきますが、それはどういう想いからの行動だと思いますか？

菅野莉央
第一話の最後で、武四郎と植野先生（演：安田顕）が一対一で対話する場面がありますが、それを聞いた時に、武四郎がそれだけの想いを持ってやっているんだっていうことに感銘を受けたことがきっかけだったと捉えています。

■居心地の良い撮影現場

－金城綾香プロデューサーや平野眞監督とは旧知だそうですが、本作の撮影現場の印象はいかがでしょうか？

菅野莉央
昨年お世話になった『SUPER RICH』（2021年／フジテレビ）のチームの方々なので、クランクインの日から居心地が良くて、再会できた！という気持ちで臨ませていただきました。
『PICU』はシリアスなシーンも多いんですけど、監督の平野さんがいつも盛り上げてくださるので、ずっと笑い声の中で撮影している感じです（笑）

－プロの俳優さんには失礼な質問ですが、そういう笑いのある中、本番撮影に切り替えるのは大変だっていうことはないですか？

菅野莉央
キャストのみなさん、ベテランの方ばかりなので、たぶんそれを見越して監督もそうしてくださっているんだと思います。

－幼なじみ役の吉沢亮さん、高杉真宙さん、生田絵梨花さんとの共演で印象に残っていることは？

菅野莉央
最初の頃は、吉沢亮さん、高杉真宙さんの男性陣２人は、寡黙なイメージがあったんですけど、北海道ロケで一緒にアクティビティを楽しんだりして、なんとなく打ち解けて、今はスタジオのセットでもけっこう話すようになりました。
男性２人はいつもくだらない話をしているんですが、昨日も「（ゲームの）あの武器は強いの？」って、中学生みたいな会話していて、横で聞いていて笑っちゃいました（笑）

－一方で女子チームはいかがですか？

菅野莉央
生田さんもマイペースで、それこそ男子２人がゲームの武器の話をしている時に、生田さんは絶対に知らないのに「その武器ってさぁ」って会話に入っていくんですよ（笑）なんで入ろうとしたんだろう？って思っちゃいました。
みんなマイペースすぎてほんとに面白いです。

－そういう３人に対して菅野さんは？

菅野莉央
面白すぎて横で笑って聞いていることもありますし、乗っかった方がもっと面白いなって思ったら乗っかることもあります（笑）

■気になる今後の展開

－第四話では、高杉真宙さん演じる幼なじみの１人矢野悠太が緊急搬送されてくるシーンがありますが、生田さん演じる涌井桃子や、菅野さん演じる河本舞も今後、なにか展開がありそうですか？

菅野莉央
桃子は妊娠しているので、どうお母さんになっていくかということが描かれるでしょうし、高杉さんのことで言うと、第五話で幼なじみの４人が改めて結束していく絆が描かれるので、個人的には好きなエピソードです。
河本舞は、医局の中でも徐々に発言できるようになっていくので、私としても舞が医師として成長していってくれたら嬉しいなって思っています（※）。
※河本舞が今後の放送でどう描かれるかは是非実際の放送でお確かめください。

－舞として今後は医療専門用語も増えそうですか？

菅野莉央
どうなんですかね。増えたらそれはそれで怖い気もします（笑）今は先輩たちがすごい苦労されているのを横で見ているので。
オペのシーンもすごく緊張するんです。オペのモニター用の映像を撮った時に、私がやることになって、指先ってこんなに緊張するんだってぐらい、ドアップで撮られました（笑）

■クランクアップの日は寂しくなりそう

－シリーズもののドラマにレギュラー出演するというのは、役者にとってどういう思いがありますか？しかもメインキャストの１人として。

菅野莉央
毎日撮影の現場に行って、スタッフさんや共演者の方に会えるというのは、すごくホーム感があって、そこは嬉しいですし、慣れている環境だからこそのお芝居をしやすいというのもあります。

－映画だと作品にもよりますが、比較的撮影期間が短いこともありますが、シリーズドラマだとホーム感が生まれることもあるっていうことですね。

菅野莉央
そうですね。第２の家みたいにだんだんとなっていくような感じです。

－となるとクランクアップの日はより寂しさが増しそうですね。

菅野莉央
はい、寂しいと思います。もう白衣は着れないのか・・・とも思うでしょうし。

－最後にご自分の役どころを中心に本ドラマを楽しみにしている視聴者、読者に向けてのメッセージをお願いします。

菅野莉央
医療ドラマでありながらも、医師側の葛藤や人間模様、悩んでいく姿がとてもリアルに描かれている作品です。舞自身も悩みながら武四郎と共に成長していけるんじゃないかと思っていますし、PICUのチームが最後どうなるのか、力強く大きくなっていけるのか？というところを視聴者の方には楽しみにしていただきたいです。

－ありがとうございます。まだまだ撮影は続いているようですね。

菅野莉央
ありがとうございました！

菅野莉央（かんのりお） プロフィール
1993年生まれ。埼玉県出身。
2歳から子役として活動をスタート。
主な出演作として、映画『ジョゼと虎と魚たち』『世界の中心で、愛をさけぶ』『いちばんきれいな水』『悪の教典』『RUN!-3 films-』『人数の町』『地獄の花園』
NHK大河ドラマ「青天を衝け」、ドラマ「下町ロケット」（TBS系）、「エロい彼氏が私を魅わす」（FOD）、「SUPER RICH」（フジテレビ系）など。映画『わたし達はおとな』（加藤拓也監督）に臼井役で出演している。

■撮り下ろしフォトギャラリー

[スタイリスト：九（Yolken）／インタビュー・写真：三平准太郎]

[衣裳アイテム／ブランド]
ジャケット／RE SYU RYU
パンツ／RE SYU RYU

RE SYU RYUオンラインストア
https://www.ninjin.co.jp/online-store/

月９ドラマ『ＰＩＣＵ 小児集中治療室』

吉沢亮主演！子どものICUが舞台の医療ドラマ！
「生きるとは－」普遍的な問いに真っ正面から向き合った“命の物語”

【INTRODUCTION】
PICU（読み：ピーアイシーユー）とは、Pediatric Intensive Care Unitの略称で小児専門の集中治療室のこと。高度かつ集中した治療が必要とされるおよそ15歳以下の子どもを対象にした、いわば“子どものためのICU”だ。
舞台は北の大地、北海道。広大ゆえ「大規模なPICUの運営は極めて困難」と言われるこの地で、駆け出しの小児科医・志子田武四郎（しこた・たけしろう／吉沢亮）がPICU 科長・植野元（うえの・はじめ／安田顕）ら先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、そして、１秒でも早く搬送できる医療用ジェット機の運用を実現するために奔走する姿を描いていく。

『監察医 朝顔』スタッフ陣が雄大な北海道を舞台に“子どもの命”をテーマに描く今作。PICU という名の戦場で命のリミットと死闘する医師、尊い小さな命、そしてその家族－。時に目を背けたくなる ほど残酷な現実に彼らはどのように向き合っていくのか。「生きるとは」「命とは」「家族とは」という普 遍的な問いに真っ正面から向き合った感涙必至の医療ドラマだ。

出演：吉沢 亮
安田 顕　木村文乃　高杉真宙　高梨 臨　菅野莉央
生田絵梨花　中尾明慶　菊地凛子
松尾 諭　正名僕蔵　甲本雅裕　イッセー尾形　大竹しのぶ

主題歌：中島みゆき『俱(とも)に』（ヤマハミュージックコミュニケーションズ）
脚本：倉光泰子
音楽：眞鍋昭大
医療監修（小児外科）：浮山越史（杏林大学病院）、渡邉佳子（杏林大学病院）
医療監修（PICU）：植田育也（埼玉県立小児医療センター）
取材協力：宮城久之（旭川医科大学）
プロデュース：金城綾香（『監察医 朝顔』シリーズ、『SUPER RICH』、『元彼の遺言状』など）
演出：平野 眞（『監察医 朝顔』シリーズ、『SUITS/スーツ２』、『SUPER RICH』など）、相沢秀幸、阿部雅和

公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/PICU/
公式Twitter：@PICU_cx
公式Instagram：@picu_cx

放送：10月10日（月）スタート　毎週（月）21時～21時54分