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窓辺にて

稲垣吾郎「パブリックイメージじゃない素の自分のままで演じた」映画『窓辺にて』舞台挨拶

2022年10月26日、TOHOシネマズ日比谷にて、映画『窓辺にて』舞台挨拶が行われ、主演の稲垣吾郎、今泉力哉監督が行われ、本作製作の経緯や役作りなどについて語った。本作は、第35回東京国際映画祭コンペティション部門出品作品で、その一環としての舞台挨拶となる。

舞台挨拶レポート

■トークノーカット動画レポート

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■テキストレポート(ダイジェスト)

窓辺にて

稲垣吾郎/今泉力哉監督

-この映画は稲垣さんと今泉監督との出会いがきっかけだったとか?

稲垣吾郎(市川茂巳/いちかわしげみ 役)
東京国際映画祭(2018年)で今泉監督とお会いしたのきっかけです。僕は『半世界』で、今泉監督は『愛がなんだ』。僕はもともと監督の映画の大ファンでしたし、その後、雑誌の取材で対談もさせていただきましたが、実はその時、監督の中では、もう既にこのお話というのがあったというのを後で伺いました。

窓辺にて

稲垣吾郎

今泉力哉監督
実はプロデューサーから稲垣さんとこの映画を作る企画を私はいただいていましたが、でも稲垣さんはそのことをまだ知らない状態。その対談中に稲垣さんは「もし僕で映画を作るなら、どんな役とかどんな内容になりますか?」って言われて、こちらは今考えてる途中ですとはまだ言えず、ごまかしながらお話させていただきました(笑)

窓辺にて

今泉力哉監督

-本作の脚本を最初に読んだ時の印象は?

稲垣吾郎
監督は、オリジナル脚本もそうですけれども、いろんな原作のものも映画化されてますが、この『窓辺にて』も、今泉監督らしさが出ていて、やはり今泉監督が生み出した言葉だなというものがセリフにもありました。そして、僕をイメージして脚本を書いてくださったんだというのもすごく伝わりました。
なので、撮影がすごく楽しみでした。

窓辺にて

稲垣吾郎/今泉力哉監督

-稲垣さん、この役を演じられるにあたっての役作りは?

稲垣吾郎
ここまで役作りしない役ってないんじゃないかなっていうくらいに役作りはしませんでした。
僕が言いそうな言葉が綴られていて、監督が僕の内心を見透かしているかのような。
例えば僕が世間で思われてる、いわゆるパブリックイメージに当てて脚本を書くことはあると思いますが、まるで僕の心の中の素の部分を見透かされているような感じがありましたので、自然にそこに佇んでいれば、この役は“市川茂巳”として存在できるんだなと思いました。
今泉監督の作品は、本当に自然に俳優さんたちが演技して、おしゃべりをしています。そのような今泉組のお芝居のスタイルに自分をチューニングしていくというのはもちろんあります。それは僕自身、俳優としてとても最高の体験でした。

窓辺にて

-今泉監督が、この物語を作られるにあたって、参考にされた映画とか小説とかあれば教えてください。

今泉力哉監督
参考にした映画や小説はないんですけど、現実世界にある、これがいい悪いとされていることみたいなことが一つの設定としてあって、それを疑うということをした作品です。
例えば劇中で浮気とか不倫が出てきて、それは大前提としては良くないことですけど、それは、浮気や不倫している時間が楽しい時間だから良くないとされてる気がしています。
この作品の中でも、浮気・不倫についての罪悪感について話していたりしますが、一方、浮気相手の気持ちからしたら、本当に片思いみたいな純粋な気持ちかもしれない。でも、その気持ちを絶対的な悪とするのは、そんな簡単なことなのかなと思ってしまう部分があります。
あと、“手放すこと”について、例えばスポーツ選手が引退するとか、何かをやめることがマイナスで、頑張って続けることがプラスみたいに(世間一般では)言われているけど、実は手放すとか、やめるっていうことも次に進むために必要だったり、全然マイナスなことじゃないんじゃないかっていう思いもあります。“これがいい”“これがいけない”という常識みたいなものを疑ってみた作品です。
あと一つ、“悩み”についての話。
世間の多くが共通認識として持っている感情は、映画の主題になりやすいんですけど、この作品では、他の人には理解されないかもしれない個人的な小さな悩みを主題にしています。
「大変な世界情勢の中、それと比べると自分の悩みなんて小さなことだし、こんな小さなことで悩むなんておかしい」と思うことはないって私は考えています。どんな小さな悩みでも、それで亡くなる人もいるし、ひとつの悩みを大切にしたいと思っていて、それについてこの作品では描きました。

窓辺にて

稲垣吾郎/今泉力哉監督

■フォトギャラリー

[写真・動画・記事:三平准太郎]

映画『窓辺にて』

INTRODUCTION
次々と話題作を連発する稀代の映画監督・今泉力哉。今泉監督と言えば、一筋縄ではいかない繊細な恋人たちの心の機微を描き、その恋愛観が熱烈に支持されてきた。今泉監督が描くオリジナルラブストーリーには定評があり、あらゆる映画ファンが心待ちにしている。17作目となる完全オリジナル作品『窓辺にて』は、今泉組に初参加となる、数々の映画やドラマなどで唯一無二の存在感を放ち観客を魅了し続ける稲垣吾郎を迎え、今泉ワールドの特徴でもある<等身大の恋愛模様>に加え、これまで以上に<好きという感情そのもの>について深く掘り下げた、美くてちょっぴり可笑しい大人のラブストーリーとなった。

さらに共演するのは、稲垣演じる妻についてある悩みを持つ主人公・フリーライター市川茂巳に加え、市川の妻・紗衣役に儚げな存在感で観客を魅了し続け、『母性』の公開が控える中村ゆり、高校生作家・久保留亜役に『ホリックxxxHOLiC』など多数の話題作に引っ張りだこの玉城ティナ、市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に今泉監督作の常連で『街の上で』で主演を務めた若葉竜也、有坂の妻・ゆきの役に幅広い役柄でキャラクターを演じ分ける『架空OL日記』の志田未来、そして紗衣と浮気している売れっ子小説家・荒川円役に『裸足で鳴らしてみせろ』の今後が期待される若手俳優の佐々木詩音が抜擢された。個性的な俳優陣が今泉組に集結し、濃密でほろ苦い愛についての群像劇を繰り広げます。
さらに、映画『空のレストラン』の主題歌などを担当したスカートが主題歌を手掛け、ノスタルジー溢れる温かなポップスが鑑賞後感を特別なものにしてくれます。劇伴は、抒情派エレクトロ・ダブ・バンドの、あらかじめ決められた恋人たちへの池永正二が担当します。

【あらすじ】
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者である妻・紗衣が担当している売れっ子小説家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。また、浮気を知った時に自分の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。
ある日、とある文学賞の授賞式で出会った女子高生作家・久保留亜の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれた市川は、久保にその小説にはモデルがいるのかと尋ねる。いるのであれば会わせてほしい、と・・・。

 

出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、佐々木詩音
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
主題歌:スカート「窓辺にて」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
監督・脚本:今泉力哉
配給:東京テアトル
撮影:2021年7月、都内近郊にて撮影
©2022「窓辺にて」製作委員会
公式サイト:https://madobenite.com/

2022年11月4日(金)全国ロードショー

窓辺にて

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