広末涼子「旦那さんが豊川悦司さんじゃなくてよかった」寺島しのぶ主演映画『あちらにいる鬼』完成披露試写会
2022年9月29日、東京都内にて、映画『あちらにいる鬼』完成披露試写会が行われ、主演の寺島しのぶ、広末涼子、廣木隆一監督が登壇。今年5月に撮影から半年公開を迎える本作についての撮影時のエピソードや見どころなどを語った。なお、豊川悦司は体調不良で欠席となったが、MCの伊藤さとりよりメッセージが代読された。
本作は、直木賞作家・井上荒野による、父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の<特別な関係>を描いた傑作小説「あちらにいる鬼」を映画化。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
動画概要欄には見どころ頭出しチャプタータイムを記載しています。
■テキストダイジェストレポート
ともにビビッドな赤色のファッションで登壇した寺島と広末。文学に導かれ求め合う主人公・長内みはる(のちの寂光)役の寺島は「撮影は今年5月で髪の毛を剃ったのも5月。こんなにも髪の毛が伸びてしまうなんて…。生きているんだなあと思いました」と笑わせつつ最速のお披露目に大喜び。
白木篤郎(豊川悦司)の妻・笙子役の広末は「とても素敵な映画で自分としても挑戦をさせてもらった役。是非とも本編を楽しんでいただきたいです」と新境地に手応えを得ていた。
出家を決意し、頭を丸める場面では実際に地毛を剃髪した寺島。「私は挑んでいる感じだったので大丈夫でしたが、メイクさんやプロデューサーは剃る前から泣いていて、私が『頭を剃るひと時をみんなと味わえるのは幸せ』と言ったらみんな号泣して、試合前に国歌斉唱で泣いている選手みたいでした。変なアドレナリンが出ていたと思います」と当人はケロッと回想して笑いをとっていた。
廣木監督は「寺島しのぶさんは『ヴァイブレータ』で出会ってそれから何本かやって、今回もご一緒できて良かったです。広末さんは初めてですが、二人の間にいて怖かった…。それがいい感じに出ていて抜群のバランスでした」とキャスティングに大満足。
「怖い」と評された広末は「笙子は耐え忍ぶ妻のように見えるけれど、怖く見えるように演じたつもりはありません。でも男性から見たら怖いと思われるみたいです…」と苦笑いだった。
虚言を弄しながらみはると本妻・笙子の間を行き来する篤郎について寺島は「普通、浮気相手には奥さんの名前を言わないというルールがあるはずなのに、篤郎は言う。それが凄い。最初はイライラしたけれど、撮影が進む中でだんだん篤郎は奥さん込みで浮気にやってくるみたいに感じました」と感想を述べた。妻である広末は「豊川さんからは一度『ごめんね』と言われました。申し訳ない気持ちになったと仰っていました」と反省する豊川の姿を明かしながら「この映画を観ると『ウチの旦那さんが豊川悦司さんじゃなくて良かった…』と思うはず。女性から非難される役ですが、豊川さんは悪くはありません。」とフォローしていた。
完成した本作を観た際には「昼と夜2回観たけれど平常心ではいられず。自分の粗ばかり目についてしまい内容も1/3くらいしか入ってこなかったです」という寺島だが「その後に広末さんが涙を流して会場から出てきて『映画に感動した!』と。どうしてこの人はこんなに切り替えられるのかと思いました(笑)」と客観的に本作を鑑賞した広末の反応に驚き。それに広末が「本当に寺島さんが素晴らしくて3か所は号泣します!」と訴えると「一世を風靡したスーパースターだから底力に溢れている!」とポジティブな資質を絶賛。すかさず広末は「撮影が終わったらもういいんです!映画は監督のものなので私は振り返らない!」と、秘訣を明かしていた。
また、今回体調不良で欠席した豊川からは「恋愛映画であり伝記ものではありません。一人の男と二人の女の不思議な恋愛映画です。観終わったころには心地よい雷に触れたような気分になっているはずです」とのコメントがサプライズで寄せられた。これに寺島は「いい文章を書くね!」、広末は「手紙でも色気がある!」と大喜びだった。
最後に主演の寺島は「人の縁(えにし)というものは尊くて美しいもの。縁は切れるものでなくて、別れたり出会ったりが人生なのかとさらっと映画として成り立たせている廣木監督の映像はとても素敵」と胸を張り「11月11日の初日に沢山の方々に来ていただき、大きな出発ができるよう、応援を宜しくお願いいたします」と大ヒットを祈念しイベントを締めた。
■フォトギャラリー
[動画:三平准太郎]
映画『あちらにいる鬼』
INTRODUCTION
「モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作! !」―瀬戸内寂聴※
父と母、瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の<特別な関係>を描いた傑作小説、
日本を代表するキャスト・スタッフで映画化!
※(「あちらにいる鬼」/朝日新聞出版 刊行時の瀬戸内寂聴コメントより抜粋)
原作は作家・井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、父と瀬戸内寂聴をモデルに創作した「あちらにいる鬼」。直木賞、柴田錬三郎賞、織田作之助賞など様々な文学賞を受賞してきた井上が、彼女にとってもっとも身近な人々である父、母と、光晴と長年にわたり男女の仲だった瀬戸内寂聴の関係をモデルに、二人の女性の視点から、彼女たちの長きにわたる関係と心模様の変化を深く掘り下げ大きな反響を呼んだ。井上が小説を執筆する際、瀬戸内寂聴は協力を惜しまず当時の思い出を語り、小説刊行の際に下記のようなコメントを発表。
「モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作! !
作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。
五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、
この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。
作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。
作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。」――瀬戸内寂聴
【物語】
「髪を洗ってやるよ」。それは、男と女でいられる最後の夜のことだった。
1966年、講演旅行をきっかけに出会った長内みはると白木篤郎は、それぞれに妻子やパートナーがありながら男女の仲となる。もうすぐ第二子が誕生するという時にもみはるの元へ通う篤郎だが、自宅では幼い娘を可愛がり、妻・笙子の手料理を絶賛する。奔放で嘘つきな篤郎にのめり込むみはる、全てを承知しながらも心乱すことのない笙子。緊張をはらむ共犯とも連帯ともいうべき3人の関係性が生まれる中、みはるが突然、篤郎に告げた。 「わたし、出家しようと思うの」。
作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。
五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、
この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。
作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。
作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。――瀬戸内寂聴 ※(「あちらにいる鬼」/朝日新聞出版 刊行時の瀬戸内寂聴コメント)
出演:寺島しのぶ 豊川悦司 広末涼子
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
原作:井上荒野「あちらにいる鬼」(朝日文庫)
製作:「あちらにいる鬼」製作委員会 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
企画・制作:ホリプロ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2022「あちらにいる鬼」製作委員会
公式サイト:happinet-phantom.com/achira-oni
公式Twitter:@achira_oni
2022年11月11日(金)全国ロードショー
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。