【インタビュー】髙石あかり「夢は朝ドラヒロインです!」
映画『とおいらいめい』(8/27公開)で主演を務めた髙石あかり。舞台「鬼滅の刃」で竈門禰豆子役、映画『ベイビーわるきゅーれ』でもW主演を務めるなど注目の俳優である彼女に、作品の見どころや今後の抱負などを聞いた。
映画『とおいらいめい』は、彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った現在において、家出をした長女・絢音(吹越ともみ)と次女・花音(田中美晴)と、その後生まれた腹違いの妹・音(髙石あかり)が、初めて一緒に生活することになり、ゆっくりと“本当の家族”になっていく姿を瀬戸内を舞台に描く。
髙石あかり インタビュー&撮り下ろしフォト
■キャラクターと役者がリンクする部分が多かった
-台本を最初に呼んだ時の印象を教えてください。
髙石あかり(三女:宮田音 役)
世界が間もなく終わるという設定を知らずに読み進めたので、最初はどういうことなんだろう?という印象を持ったと共に、私が演じた“音(おと)”は、今までに演じたことがないような内気な女の子だったので、お芝居するのが楽しみになりました。
そして、(長女・絢音、次女・花音との)3姉妹が最後に行き着く形に近づけられるように、3姉妹の絆を大切に演じられるよう頑張らなければと思いました。
監督からも「3人の仲を深めて」と言われましたし、お姉ちゃん2人とどう信頼関係を築いていくかというワクワク感と少しの不安も同時にありました。
-吹越ともみ(長女・宮田絢音 役)さん、田中美晴(次女・宮田花音 役)さんとの共演はいかがでしたか?
髙石あかり
キャラクターと役者がリンクする部分がとても多くて、撮影以外のところでも、私にはこの2人がお姉ちゃんに見えていました。
吹越ともみさんは、私たち3人でいる時に、ひとつ芯を置いてくれるような存在で、引っ張っていってもくれます。ともみさんが一つの方向に導いてくれて、そして美晴さんが3人をまとめるバランサーになっている感じです。花音の笑顔で妹を包んでくれる雰囲気が美晴さんご自身の雰囲気でもあって、それは私たちはもちろん、現場のスタッフさんにも伝播してひとつにまとまる空気感がありました。
-そういう中で、髙石さんはどのように役作りを?
髙石あかり
私自身はふだんは感情を表に出す方ですが、音は表面的には閉じこもっているように見える。でも、演じてみると実は音の心の中では、とてもたくさんの感情が蠢いていて、いろんなことに敏感な子だなというのを感じました。それは私の心の変化に似ている部分もあったし、演じやすかったです。
撮影中は、スタッフ、キャスト皆でロケ先の岡山で共同生活していて、その間は家族同然のようでした。だから私もずっと音で居続けることができました。
■海を見ながら一人で大声で歌っていた
-撮影の合間はどう過ごされてましたか?
髙石あかり
私が演じた音は2人のお姉ちゃんに甘えることをしない役だったので、役作りもあって、撮影の合間は一人で居ることが多かったんですが、そういう時は岡山の海を見ながら、大声で一人で歌ったりしていました。
それを吹越さんたちに動画に撮られていて、グループLINEに貼られたりすることがよくありました(笑)
-ぎりぎりコロナ禍前だった岡山ロケはいかがでしたか?
髙石あかり
楽しかったです!
この作品は1年ぐらいかけて撮影されていて、冬に撮って、夏に撮って、そしてまた冬に撮って。最後の撮影が始まるまでの期間は、「また家族に会える!」という気持ちでいました。
-ネタバレに気をつけながらの質問ですが、子ども時代の姉二人を演じた森徠夢/もりくるむさん(絢音役)、武井美優/たけいみゆさん(花音役)との共演はいかがでしたか?
髙石あかり
とっても可愛かったです。撮影の合間に、NiziUさんの曲を一緒に歌ったり踊ったりしてました。
■日が没むまでの一発勝負の12分ワンカット撮影
-日が没むまでの一発勝負の12分ワンカットシーンの撮影はいかがでした?
髙石あかり
絶対に間違えられない緊張がありました。岡山での冬の撮影だったんですが、最終日前日と最終日の2回しか撮影チャンスがなかったからです。
監督からは、「夕日が沈んだら、適時セリフを言って」という指示がありましたが、リハーサルができないので、勘でいくしかないんです。それがもうほんとに怖くて、3人が集まるタイミング、セリフを言うタイミングをどうしたらいいのかって。
1日目の撮影ではたくさんの反省点があって、2日目の最終日ではここを気をつけようとか思っていたんですけど、いざ撮影になったら頭の中が真っ白になって全部飛んじゃったんです(笑)こりゃダメだ!って思ったんですけど、気づいたら、私たち3人は、音、絢音、花音になっていました。
でもその時の記憶はほとんど無くて、ただ覚えているのは、波の音と景色。そして、3人のそれまでの記憶が蘇ってきて、勝手に涙が出てきて、でも同時になにか面白くて笑ってしまっていました。
そうしたら、花音もつられて笑って、その雰囲気がとてもリアルで、完成した映像をスクリーンで観た時、最初に“生きる”という文字が心に浮かびました。これが私が『とおいらいめい』で受け取った意味なんだろうなと思いました。
-このシーンのセリフは台本どおりですか?
髙石あかり
あれは冒頭以外はアドリブなんです。
-12分ワンカットの撮影が無事終わった時は達成感はありましたか?
髙石あかり
はい。「私、泣いたー」って言いながら、周りでも拍手が起きてたいと思います。自分で作ろうとした12分ではないですし、途中、けっこうな間もありますが、とても大切な間です。これからもお芝居をする上で、とても大切な12分間でした。
■もし世界が終焉を迎えることがわかったら。
-もし、今作のように、間もなく世界に終焉が訪れるとわかった場合、髙石さんなら残りの時間をどのように過ごしてみたいですか?
髙石あかり
ちゃんと考えてみたいですけど、たぶんそんなに暗くないのかもしれません。もちろん、大事な人たちに会えなくなるというのは寂しいけれど、死後の世界も家族みんなと楽しみながら過ごすと思います。私の家族は「世界の果てまでイッテQ!」が好きなのでそれを見ながら(笑)
■夢は朝ドラヒロイン
-俳優の道に本格的に進もうと思われたきっかけは?
髙石あかり
幼いころから俳優になりたいという夢はずっとありました。その夢が自分の中で具体的になったのは、ダンスボーカルユニットを卒業したタイミングです。
その時、ふと見た映画で演じられている役者さんを真似して、表情を作ったりしていました。
-本作では音という名前の役でしたが、音楽はどのように聞いていますか?
髙石あかり
私は同じ曲を延々と聞くことの方が多いです。世界観が崩れるからと思って中々次の曲にいけず、その曲の世界からゆっくりと抜けられるように、少しずつボリュームを下げていくようにしています。
-なるほど、音楽を聴いている時でさえ、その世界に浸っているということなんですね。お芝居をしている時の感情と通じるものがあるのかもしれませんね。
髙石あかり
そうだと思います。
-今後やってみたい役や、出演してみたい作品ジャンルはありますか?
髙石あかり
夢は朝ドラヒロインです!
俳優としてはもっともっと経験値を積んで、お芝居の幅を拡げていきたいです。それが私の抱負です。
-最後に本作をこれからご覧になる方へのメッセージをお願いします。
髙石あかり
コロナ禍をみんなで乗り越えようとしている中、ひとりひとりが「自分が生きていく上で何が必要なのか?」という答えを見つけられたと思います。
私は、人とコミュニケーションを取ることがとても大切だなと思っていて、それはこの『とおいらいめい』に通じるものがあります。
この作品をご覧になった方が何を感じて、自身でどう答えを出すのかということも私は気になりますし、人と人の繋がりを再確認した上で、是非劇場でこの作品をご覧になっていただきたいです。よろしくお願いします!
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【インタビュー&撮り下ろしフォト】#髙石あかり「夢は朝ドラヒロイン!」
人類滅亡が迫る中、“本当の家族”になっていく三姉妹の物語。
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■撮り下ろしフォトギャラリー
[写真・インタビュー:三平准太郎]
髙石あかり(Akari Takaishi)プロフィール
2002年12月19日生まれ。宮崎県出身。
2019年女優活動を本格化。
2020年と2021年に舞台「鬼滅の刃」で竈門禰豆子役に抜擢、更に2021年公開の『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾監督)でW主演を務め話題を集めた。
映画『追想ジャーニー』(谷健二監督)の公開が控える他、MBS/TBSドラマイズム「生き残った6人によると」(二宮健監督)にもレギュラー出演中。
映画『とおいらいめい』
世界は簡単には終わらない
姉2人と腹違いの妹が、人類の滅亡を前に
ゆっくりと家族になっていく姿を描く
INTRODUCTION
東京で半年以上のロングランヒットとなった『ベイビーわるきゅーれ』で初主演し、8月9日から放送のドラマ「生き残った6人によると」にレギュラー出演する髙石あかりの主演作『とおいらいめい』の公開が決定!父の死をきっかけに腹違いの姉2人と初めて共同生活をすることになり、1人で抱え込みながらも、時に10代らしい天真爛漫さも見せる三女・音役を繊細に演じる。
彗星の衝突による人類の滅亡を前にシェルターの個室の設計を担当し、暴力によるシェルター強奪の危険と隣り合わせの日々を送る長女・絢音役で、ドラマ「半沢直樹」の吹越ともみ、妻とうまくいっていない妻子持ちの小学校の同級生・良平と再会する次女・花音役で、日仏合作『MINORI』でフランスで話題になった田中美晴がトリプル主演を務め、日が没むまでの一発勝負の12分もの長回しに挑んだ。
世紀末(1999年)と彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った現在(2020年)の二つの「世界の終わり」を舞台に、ばらばらだった三姉妹がゆっくりと家族になっていく姿を描く本作は、日本はコロナ禍で、ウクライナはロシア軍の侵攻でシェルター等で過ごすという、絶望感すら感じる2022年の今に奇しくもぴったりの題材だが、原作は、2004年上演の舞台。
当時主演して、『カメラを止めるな!』の主人公の妻役で大ブレイクしたしゅはまはるみと、舞台版の作・演出を担当し、本作の撮影監督を務めた長谷川朋史及び、映画『イソップの思うツボ』などに出演の藤田健彦が結成した自主映画制作ユニット「ルネシネマ」が、映画化を企画。しゅはまは長女・絢音と次女・花音の母役で、藤田は三女・音が唯一本音を話せる八百屋の店主・耕三役で出演している。
その他、花音の小学校の同級生・良平役でミネオショウ、良平の妻・恭子役で大須みづほ、1999年パートの絢音役で森徠夢、1999年パートの花音役で武井美優が出演。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 短編部門最優秀作品賞の受賞歴がある大橋隆行監督が、
「世界の終わり」でも大切なものを、瀬戸内を舞台に描く。
STORY
彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った2020年。小学生だった1999年にノストラダムスの予言を信じ、家出をした長女・絢音と次女・花音と、その後生まれた腹違いの妹・音が、初めて一緒に生活することになる。
絢音は、彗星の衝突を前にシェルターの個室の設計を担当しており、暴力によるシェルター強奪の危険と隣り合わせの日々。花音は、帰郷を機に、妻とうまくいっていない妻子持ちの小学校の同級生・良平と再会。音は、未成年ながらひょんなことから飲み会サークルと出会い、飲んだ帰りに花音が良平にキスするのを目撃。
互いに踏み込めず、すれ違う三姉妹は、世界の終わりを前に、本当の家族になれるのか。
主演:髙石あかり 吹越ともみ 田中美晴
ミネオショウ 大須みづほ 森徠夢 武井美優
古矢航之介 三原哲郎 川辺純子 石橋征太郎 大田恵里圭 園山敬介 タカ海馬 荒井啓仁 舞木ひと美
藤田健彦 しゅはまはるみ
企画・製作・配給:ルネシネマ
監督・脚本:大橋隆行
原作:とおいらいめい(2004年上演舞台)
撮影監督:長谷川朋史 音楽:上久保汐李 助監督:原啓仙/渡辺喜子
録音:長沼優可/小牧将人/寒川聖美 ヘアメイク:大貫茉央/早川葵
制作:藤田健彦/大原昌典 フードコーディネーター:荒井啓仁
アクションコーディネーター:タカ海馬 ガンエフェクト:小暮法大
協力:岡山県フィルムコミッション協議会/せとうちフィルムコミッション/瀬戸内市商工観光課/備前市役所産業観光課/厚木土木事務所/相模原水系広域ダム管理事務所
2022年/日本/シネマスコープ/ステレオ/150分 ©ルネシネマ
公式サイト:runecinema.com/tooiraimei/
公式Twitter:https://twitter.com/tooiraimei
F公式acebook:https://www.facebook.com/rune.tooiraimei/
予告編
8/27(土)~9/23(金)池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開
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