太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』本編冒頭映像解禁
太宰治の名著「斜陽」執筆75周年を記念する『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』(11/4公開)より、宮本茉由演じるヒロインかず子のモノローグで背景を語る、本編冒頭映像が解禁となった。
「人間は恋と革命のために生れてきた」―太宰治の名言が刻まれた名著「斜陽」執筆から75年を記念する映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』が完成した。今もなお若い読者を獲得し読み継がれている「斜陽」は、戦後の日本を舞台に没落貴族の娘かず子と彼女が想いを寄せる売れっ子作家との“恋と革命の物語”だ。
ヒロインのかず子を宮本茉由、彼女が想いを寄せる売れ子作家を安藤政信が演じ、戦後の日本を舞台に“恋と革命の物語”が綴られる。山日YBS グループ創業150周年記念作品として、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された。
今回、宮本茉由演じるヒロイン島崎かず子が物語の背景を語る、本編冒頭映像が解禁となった。
映像は、戦後の日本をとらえた写真を背景に、GHQによる改革、華族令の廃止を語る独白から始まる。「すべての爵位はなくなり、この国には貴族という階級の人間は一人もいなくなった」の言葉とともに映し出されるのは、憂いを帯びた表情のかず子。水野真紀演じる母・都貴子は、「今日でこの家も庭も見納めよ。かず子さん、しっかりその目に焼き付けて」と決意のにじむ声音で語り掛ける。
場面は変わり、10年前に父を亡くし、爵位も失い、さらには弟の直治も終戦後行方知れずと島崎家の苦悩を滔々と語る背景には、浮かない表情のかず子と、真っ直ぐに前を見つめる都貴子が電車に揺られる姿。
「残された私と母は、母のたった一人の肉親、和田の叔父に本郷・西片町の家屋敷を売ってもらい、親子二人、伊豆で暮らすことになった」と語るかず子は、ちらりと気遣わしげな目線を母に向けている。
戦後の動乱の時代を、古い道徳とどこまでも争い“強く真っ直ぐに生きる女”かず子。映画デビューにして初主演の宮本茉由が体現するその生きざまは、さまざまな不安や不況を巻き起こし、生活や人間関係を一転させたコロナ禍の現代にも通じる、やがて来るであろう“明日への希望”を謳い上げている。
刊行当初「斜陽族」の言葉を生み出す大ベストセラーとなり、太宰の生家である記念館「斜陽館」の由来となった名著が、名匠増村保造の草稿を基に再び描かれる。今の時代にこそ心に響く作品となっている。
本編映像
映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』
太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品
宮本茉由 / 安藤政信 水野真紀 奥野壮
田中健 細川直美 白須慶子 三上寛 柏原収史 / 萬田久子 / 柄本明
尾崎右宗 菅田俊 岡部尚 中谷太郎 緒方美穂 三木秀甫
岡元あつこ 栗原沙也加 今泉朋子 白石恭子 薗田正美 光藤えり
山村友乃 野崎小三郎 ジョナゴールド / 春風亭昇太
原作:太宰治 監督:近藤明男 脚本:白坂依志夫 増村保造 近藤明男 製作:野口英一
プロデューサー:足立喜之 石戸谷洋治、市川武 今泉朋子 上村正樹 小浜圭太郎 栗原隆一 野崎小五郎 山村隆昭
音楽:海沼正利 主題歌:小椋佳「ラピスラズリの涙」(作詞・作曲・歌)
撮影支援協力:青森県 山梨県 五所川原市 つがる市 弘前市 甲府市 山梨市 都留市 三鷹市
2022年/日本/日本語/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/109分/配給:彩プロ 映倫G
©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)
予告編
10/28(金)よりTOHOシネマズ甲府シアターセントラルBe館にて先行公開
11/4(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。