岡田准一「大事な作品は堤さんと共演」「平手友梨奈の芝居に震えた」映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』公開直前!プレミアイベント
5月26日、都内にて、映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』公開直前!プレミアイベントが無観客で行われ、主演の岡田准一、木村文乃、堤真⼀、安藤政信 山本美月 江口カン監督が登壇。前作を遥かに凌ぐアクションにかけた思い、そしてコロナ禍の今、エンターテイメントを届けることの思いを語った。(記事最後に動画あり)
本作の原作は、累計800万部の人気を誇る原作コミック「ザ・ファブル」(原作:南勝久)。2019年6月に全国公開された映画『ザ・ファブル』の続編となる。
イベント完全レポート
レディー・ガガとアリアナ・グランデによる主題歌「レイン・オン・ミー」が流れると、ステージに設置された『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』と巨大なタイトルが入った幕前からジェットスモークが高らかに湧き上がり、爆発音とともに振り落とされた幕の中から登壇者陣が登場するという、まさに本作らしいド派手な演出で始まった本イベント。
■最初のあいさつ
岡田准⼀(ファブル/佐藤アキラ 役)
2作目ということで、僕らは1作目を越えなきゃいけないという裏テーマのミッションを掲げながら、撮影に臨みました。アクションもストーリーも笑いも、前作よりさらにパワーアップした作品に仕上がっていると思います。
コロナ禍で制限が多い撮影の中、今の時代にエンターテイメントを届ける、面白いものを届けるということを、自分たちにちゃんと語りかけながら面白いものをめざそうとチャレンジした作品です。
木村文乃(佐藤ヨウコ 役)
こうやって皆さんにお届けできる日が一歩一歩近づいていることを嬉しく思います。
堤真一(宇津帆 役)
こういう状況下ですけど、公開できることになって喜んでおります。
安藤政信(鈴木 役)
ミステリアスで凄腕な殺し屋というキャラクターのキャッチコピーになってますが、ぜんぜんそうじゃないです。映画の中では(笑)
山本美月(清水ミサキ 役)
前作では可愛そうな役柄だったんですけど、今回は楽しいところだけ参加させていただきました。箸休め的に楽しんでいただけたらなと思います。
江口カン監督
前作を越えられるように、いろんな演出や仕掛けを盛り込んでいますので、是非皆さんの目で確かめに劇場に来ていただけたらと思います。
■度肝を抜く世界規模のアクション
-本作は日本映画の限界突破を目ざして製作されたと伺いました。ファブルの見せ場と言えば、度肝を抜く世界規模のアクション。岡田さんは前作に引き続き、アクションづくりにも参加し、自ら危険なアクションに挑んでいらっしゃいますけど、まず冒頭のカーアクションのポイントをお聞かせください。
岡田准一
堤さんと共演した他の作品でカーアクションをやったことがあるんですけど、その時は道路交通法の関係でできないことが多かったので、CG合成でトラックの上で戦うということをやりました。
今回はそのリベンジと言いますか、道路交通法が及ばない私有地の立体駐車場での激しいアクションになっています。
江口カン監督
駐車場から車を落としてるんですけど、(駐車場を)貸してくれた人がまずいちばんすごいなと(笑)
そして、映画ではなかなか使わない、ワイヤーカムというもので撮影しています。
岡田准一
なかなか使われないというカメラを使って、その日に雨が降ったというなかなかの恐怖体験もありました。
-そして、団地を使ったアクションシーンもあります。岡田さんの現代もののアクションとしては最高峰なんじゃないかと。
岡田准一
アクション監督に相談してダメ出しをされながらも、(アクションの)振り付けもやらせてもらいました。
前作以降、多くのことを勉強してきたことを、事前に監督やプロデューサーらと話し合って、どういうアクションをやっていきたいかという、共通言語を作る場を持てたんですよね。それで、やっとやりたいことの一歩目、二歩目を踏み出せたのが今回の作品です。
-まさに、ファイトコレオグラファー(アクションの振り付け)をされ、現場では指導もされたそうですが、演じるという俳優の役割もあって、その両立というのはいかがですか?
岡田准一
やっぱり“熱”って現場で伝染するんですよね。だから“熱”を現場で作るようにしました。
たとえば、カメラマンさんが空中で吊られるのを最初は嫌がられていたんですけど、途中で熱意が伝染して、団地でワイヤーで吊られながら撮影をしたりとか。
もちろん、安全・安心が第一で、その上で、現場の“熱”が皆に伝染していくことで、どんどんほんとに面白いものを目ざしていけたのは良かったのかなと思います。
-アクションシーンを作るとなると、演じられるアクション俳優だけではなくて、それを撮れるアクションカメラマン含む多くのスタッフの方が必要だと。
岡田准一
そうです。構成(被写体位置、カメラ角度、セットなど、いざカメラを回すまでに作り上げておくさまざまなこと)というのは前日に作ってできるものではなくて、美術さんやいろんなスタッフの方が準備をしてアクションを作っていくものなので、打ち合わせ期間含む準備期間があって作られていくものです。なので、アクションシーンはみんなの力によるものですよね。
(アクションの)振り付けも文乃さんはめちゃくちゃ練習してくれて。いろんなところに練習に行ったりしながらやっていただきました。
-今、名前が出ましたが、木村さんは前作に続き、ファブルの相棒としての出演ですが、さらにファブルとのバディ感が増してのキレキレの本格アクションがありました。本格的なアクションは初めて挑戦されたのでしょうか?
木村文乃
初めてです。ほんとは前作にもあったんですけど、現場に言ったら「蹴り一発でいいよ」って言われてしまって披露することがなく(笑)、今回が初になります。
-演じてみていかがでしたか?
木村文乃
安藤さん演じる鈴木とのアクションシーンが大事だよとは言われていたので、気合を入れて3ヶ月くらい前から練習を始めたんですけど、岡田さんは、ひとつの課題をクリアすると、さらに2つくらいの課題を出してきますので、どんどん自分で自分の首を絞めちゃうような感じもありました(笑)
でも、私がどうしても振りを覚えられなくて、どうすればいいかわからなくなって固まっちゃった時に、「アクションというのもお芝居なんだよ。対話なんだよ」と、ただ、殴る・蹴るじゃないってことを岡田さんが初めて教えてくださって、そこからアクションがほんとに楽しくなったので、とても貴重な体験をさせていただいたなと思いました。
-指導した岡田さんからご覧になって木村さんのアクションはいかがでしたか?
岡田准一
原作ファンも印象に残っていると思う、ヨウコが鈴木と戦うシーンがあって、すごくかっこよく撮れていると思います。(安藤さんと)二人で朝までじっくり時間かけて撮られていたりとか。安藤さん、やってみてどうでしたか?
安藤政信
今までいろんな映画でアクションをやってきたんだけど、岡田に会ってから、自分がアクションをやっていると言うのはおこがましいんじゃないかって思うくらい、岡田のアクションは、ぜんぜんヨイショしてるわけじゃなくて、マジでスゴイと思いました。
僕も指導されたんですけど、最初はなんで指導なんてされなきゃいけないんだ?って、最初はそんな気持ちだったんです。でも、岡田の動きや、アクションに対する考え方、哲学を目の前で見て、すぐに「弟子にしてください!道場に通いたいです!」ってことを伝えました。
どう考えたって、岡田の動きはマネができないんですけど、岡田に会ってから、アクションというものをちゃんと自分の身体で、芝居で伝えたいってことがすごく大切だって思いました。
-最近、岡田さん、弟子が増えてますよね。
岡田准一
そうですね。最近、芸能界にどんどん弟子が増えています(笑)
-安藤さん、ご自身の役についてはどのように役作りされましたか?
安藤政信
役作りというか、監督から言われたことは、“ちょっと面白いおじさん”というキーワードだけで、あとはセリフ、文脈を解釈しながら演じていきました。
■「佐藤二朗さんは誠実にアドリブを入れてくる」
-ファブルの魅力を語る上で欠かせないのは、殺しを禁じられ、一般人として奮闘するちょっとズレたファブルのコミカルな日常のシーン。山本さんは、ファブルのバイト先の“ミサキ”として、前作から引き続いての出演です。久しぶりの岡田さん、そして佐藤二朗さんとの共演はいかがでしたか?
山本美月
相変わらず、ずっと笑ってました。やっぱり二朗さんのアドリブがすごいので、ずっと笑わされてました。でも、その後、駐車場のシーンが残っているんだよねっていう話を聞いていたので、ガンバレ~と思いながら演じてました。
-佐藤さんを前にすると、笑ってはいけないシーンでも笑いそうになることはありませんでしたか?
山本美月
二朗さんは意外とマジメにアドリブをやっているんですよ。二朗さん、すごい一生懸命アドリブをやっていて、私も一生懸命笑いました(笑)
楽しくて賑やかな現場でした。
-完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
山本美月
すごかったです。(私は)あんな楽しい現場しかやってないのが申し訳ないくらい、皆さん、すごくて。安全の上であんなすごいアクションができるんだなってビックリしました。
-監督、コミカルなシーンもこの映画の重要なエッセンスになりますよね?
江口カン監督
ハードなアクションシーンとか、山の中とか、キツイ撮影ばっかりだったので、(山本さんのシーンの撮影の時は)スタッフみんな、オアシスって言ってました(笑)
-岡田さんはアクション以外のこういったコミカルなシーンは?
岡田准一
やっぱり癒やしだったですね。二朗さんがいらっしゃって、山本さんがいる現場というのは。
でも、二朗さんは誠実にアドリブを入れてくるので。たとえば僕が違うところを見ていても、全部拾ってくれるんですよ。「どこ見てんだよ、おい!」「どういう顔や?」って。なので、いろいろやることで、二朗さんがアタフタするのを楽しみながらやってました(笑)
-撮影って、ドライがあったり、カメリハがあったり、何回か同じシーンを繰り返すと思います。アドリブというのは毎回違うものなんですか?
岡田准一
台本から膨らませながら作っていくのが現場なので、本番になって出てくるものもあります。ただ、アドリブばっかりやってると、繋がりがわからなくなるんですよね。同じことをやってくれって言われた時に、「え?どっちの手で持ってたっけ?」ってなったり。手で触っているものが何だったかわからなくなったり。スクリプター(記録係)の方に「二朗さんはこうでしたよ」って言われて、二朗さんが「くそっ」って顔をされるのが、現場の名物になってました。
■「大事な作品で堤真一さんと共演することになる」
-今作は原作ファンがもっとも泣けると話題の「ウツボ編」を映画化し、アクションと笑いだけでなく、より濃密な人間ドラマも加わっています。堤さんは、ファブルの因縁の敵で、もっともヤバイ男、宇津帆を演じられました。ここまで振り切った圧倒的な悪役を演じられていかがでしたか?
堤真一
ここまでの悪党は初めてですね。演じるにあたっては、悪党にもなにかの(行動原理の)理由や思考回路があるだろうから、どういう人間なんだろうと思いながら探していきました。表の顔、裏の顔という考え方は止めようと思って、宇津帆自身の正義感で行動していると考えるようにしました。
-堤さんは岡田さんとは何度も共演されてますが、この『ザ・ファブル』での俳優・岡田准一はどのように映りましたか?
堤真一
岡田くんとは、数年に一度という間隔で会うことが多いんですけど、どんどん身体が変わっていくというか。今日も久しぶりに会ったんですが、映画の撮影中はガッシリと胸の筋肉とかすごかったんですが、今はちょっとスっとしている感じかなって。
岡田准一
今は何も撮影していないので、絞り期間です(笑)
堤真一
毎回体型が違うので、ビックリしますよね。
-岡田さんは堤さんとの共演はいかがでしたか?
岡田准一
僕の大事な作品でいつも共演させてもらえる役者さんで、安心感と信頼感があり、素晴らしい共演者として尊敬しています。
この作品も、堤さんが演じてくれているということは、大事な作品になるなと思いながら撮影に臨んでいました。
■「平手友梨奈のもう一段上の芝居に震えた」
-そして、ラストの森のシーンでは、堤さん、かなりの熱演でしたが、そのあたりはいかがでしたか?
堤真一
あれは、僕というよりは、平手友梨奈さんがすごく変化する瞬間ですので、それをどうしたら出せるかなと思ってました。そのあたりは、平手さんはほんとに素晴らしかったですね。
-岡田さんはラストシーンはいかがでしたか?
岡田准一
森の中というと、原作を読まれている方はわかると思うんですけど、とっても大事なシーンで、ヒナコの慟哭というか、感情の流れみたいなものを大事に撮れるようにこだわってました。
ただ、お芝居をもっとよく撮りたいという思いがあり、3回くらい撮り直しました。それほどにこだわったシーンです。
一度は天候のため。もう一度は、平手さんのもう一段上の演技を撮りたいと監督がこだわられて。
-監督、そのあたりの手応えは?
江口カン監督
一回、OKと言ったものを、もう1回やらせてくれって言うと、スタッフのみなさんがものすごく「え~?」ってなるんですけど、堤さんがちゃんと引き出そうとしていただいて、平手さんに対して、いろんななじり方をしてくれた時に、さっき撮ったものよりすごいヒナコが出てきたんです。
それを見て、まだまだ上があるんだなって思って、スタッフにも頼み込んで、キャストの皆さんにも頼み込んで、やらせていただいたら、見ていて、こっちが震えるようなお芝居が出てきて良かったです。
■コロナ禍でのエンターテイメントとは?
-撮影中もコロナ禍。今も収束していない状況ですが、そんな中での撮影、公開について、岡田さん、いかがでしょうか?
岡田准一
エンターテイメントの大事さや、求める思いとかは、緊急事態宣言などを経験して僕も改めて考える中、僕たちがどう戦って、どう届けるのか、たくさん考えた作品です。
やっぱり届けるからには映画館にふさわしい届けるべき作品を目ざすという熱意を自分たちは持たないといけないと思って、現場で取り組んだ作品です。
そういう思いを込めて、皆さんにお届けしたいなと今、思っています。
-堤さん、長年俳優として活躍されてきた中で、今、エンターテイメント業界は非常に大変な状況ですが、こういう時に映画を作って届けるということに関してはどのように感じられてますか?
堤真一
それについてはすごく複雑な思いがあります。僕らはこういうモノづくりしかできなくて、でも、苦境に直面している方たちのエンターテイメントどころじゃねえぞっていう気持ちもわかります。
ただ、僕らにはこれしかできないっていうことだけなので、何も偉そうなことは言えませんし、ただ、なにかしらの形で救いになったり、元気づけになったりすれば、少し救われるかなって思います。
■最後にメッセージ
岡田准一
来月、6月18日に公開となります。前作を遥かに凌ぐいい作品に仕上がっています。公開までまだ少しありますけど、是非楽しみに待っていただけたら嬉しいなと思っています。
イベント終了後の登壇者からの<特別コメント>
■フォトギャラリー
[写真・記事:桜小路順]
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』主題歌ミュージックトレーラー
映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』
【STORY】
最強の殺し屋が挑む究極ミッション!誰も殺さず、最狂の偽善者から、訳ありの少女を救出せよ。
どんな相手も6秒以内に仕留める――伝説の殺し屋“ファブル”(岡田准一)。
ある日、ボス(佐藤浩市)から「一年間、誰も殺すな。一般人として“普通”に生きろ」と命じられ、佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコ(木村文乃)と共に一般人のフリをして暮らし始める。猫舌で変わり者のアキラは、今日もバイト先の社長(佐藤二朗)と同僚のミサキ(山本美月)と関わりながら<プロの普通>を極めるため奮闘中。
一方この街では、表向きは子供を守るNPO代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆(堤真一)が暗躍。凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と共に、かつて弟を殺した因縁の敵・ファブルへの復讐に燃えていた。
同じ頃アキラは、4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコ(平手友梨奈)と偶然再会し、これが後に大騒動へと発展する――!
出演:岡田准一
木村文乃 平手友梨奈 安藤政信
黒瀬 純 好井まさお 橋本マナミ 宮川大輔
山本美月 佐藤二朗 井之脇海 / 安田 顕 / 佐藤浩市
堤 真一
原作:南勝久『ザ・ファブル』(講談社ヤンマガKC刊)
監督:江口カン
アクション監督:横山誠 ファイトコレオグラファー:岡田准一
企画・製作:松竹×日本テレビ
配給:松竹株式会社
制作プロダクション:ギークサイト
(C)2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会
公式サイト:https://the-fable-movie.jp/
公式Twitter:@the_fable_movie
公式Instagram:@fable_movie
長尺予告
6月18日(金)全国公開!
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