【河合優実×祷キララ インタビュー】3人で銭湯に行ったのが思い出!映画『サマーフィルムにのって』
映画『サマーフィルムにのって』(8/6公開)で、未来からやってきたタイムトラベラー(金子大地)を侍役に映画づくりに励む主演の伊藤万理華の親友役として出演している河合優実、祷キララに撮影時のエピソードについて伺った。
本作は、第33回東京国際映画祭(2020年)で上映されるやいなや話題を集め、世界各国の映画祭での上映が続々と決定。青春映画には⽋かせない恋と友情に加え、時代劇、SF、全ての要素が華麗にシンクロ。物語は奇跡的なラストシーンへと向かい、唯⼀無二の魅力を放つ。
主役には、猫背・がに股を披露し勝新オタクを熱演、殺陣にも挑戦している元乃木坂46の伊藤万理華。共演に金子大地、河合優実、祷キララと、今後の活躍が期待される新星が勢揃いしている。
監督はドラマや CM、MVなど幅広く手掛ける松本壮史が務め、数々の映像作品を共に作り上げてきた盟友、劇団「ロロ」主宰・三浦直之が脚本を担当。気鋭の若手クリエイターの元に次世代俳優たちが集結、瑞々しくスクリーンに輝く。
河合優実×祷キララ インタビュー&撮り下ろしフォト
■初共演、お互いの印象
-今作で初共演ということですが、お二人のお互いの印象について教えてください。
河合優実(ビート板 役)
(祷キララさんとは)オーディションでお会いしたことはあったんですけど話したことはなかったんです。でも一緒になにかやれたらいいなと思っていたので、今回共演できたのはすごく嬉しかったです。
最初からとても気さくに話してくれて嬉しかったですし、そして仲良くなればなるほど面白い方だなって思いました。
-どのへんが面白いと思いましたか?
河合優実
楽しいこと、面白いことが好きで、とにかくよく笑いますね。私がなにを言っても全部笑ってくれるみたいな感じでした(笑)
-祷さんはそのへん自覚はありますか?
祷キララ(ブルーハワイ 役)
私、ほんとはお笑いが好きだし、よく笑う方なんですけど、これまで演じてきた役柄は、それこそ先日NB Press Onlineさんに取材していただいた『ファンファーレが鳴り響く』(2020年/森田和樹監督)のように、どこか闇を抱えたあまり笑顔を見せない役が多かったんです。
でも、今回の“ブルーハワイ”役は、笑顔も多く、私が今まで表現として出してなかった自分の素に近い部分が多い役でした。
それもあって、今回は笑っていいやって気持ちがいつもよりあったからか、河合さんのちょっとした冗談もツボに入って、笑いが止まらなくなりました。
でも河合さんがそんなふうに冗談を言ったりとか、ふざけるタイプの子だとは最初は思っていなかったんですけどね(笑)
■3人で銭湯に行ったのが思い出
-6月末にTOKYO MXで放送された本作の特番で伊藤万理華さんと3人でBBQされたそうですが、本作の撮影から1年ぶりに会って、どんな会話をされましたか?
河合優実
撮影の思い出話や、この作品を愛するお互いの気持ちとかを恥ずかしくなるぐらいに赤裸々に焚き火を囲みながら話し込みました。
-撮影中の思い出話で印象に残っていることは?
祷キララ
撮影の合間に3人(河合優実、祷キララ、伊藤万理華)で銭湯に行ったんです。泊まり込みのロケだったんですけど、宿の近くに老舗の銭湯があって、3人とも序盤から撮影が続いていて身体の疲れがたまっていたので、3人が同じ時間に撮影が終わる日に、せっかくだから銭湯に入って疲れを取ろうってなって。
河合優実
その銭湯は、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016/中野量太監督)の撮影でも使われた銭湯(*)なんです。それで有名だからすごく楽しみにして行ったんですけど、お湯が熱すぎて(笑)
*栃木県足利市「花の湯」
祷キララ
ほんとに!
河合優実
みんなで桶で水を浴びながら頑張って入ろうとしたんですけど、熱すぎて入れなくて。3人全裸で「どうする?どうする?」ってなって。
祷キララ
でも頑張って入りたいからって、当番を決めて、桶に水を溜めておく係と、身体を冷やす係と、一番に誰が行くとか、ただそれで3人一気に仲良くなったのはありましたね。
そのうち、番台さんが見かねて入り方を教えてくれて、水で温度を調整しながら入るといいよって教えてくれて。
河合優実
けっこう呆れてる感じだったよね(笑)熱さが売りなのに、ちょっとヌルくして入らせてもらったんですけど(笑)
常連さんには当たり前だと思いますが、私たちにはまだ早かった(笑)
-撮影そのもので印象に残っていることは?
祷キララ
3人のシーンは始めから、ホッとする感じがありました。楽しみだなって。
あと、劇中、秘密基地が登場しますが、美術さんのセンスもあって、すごく楽しい場所でした。
クラインクイン前のリハーサルの時から「秘密基地はこんなのだったらいいね」って3人で話していた要素が実際にもたくさんあって、よりワクワクしました。
学校ではあまり居場所が無い3人だけど、この秘密基地では好きなことができて、役としてもこの場所に行くのが楽しみだったし、私個人としてもこの場所で3人で会えるのがすごい楽しかったです。
-秘密基地にしてはちゃんと電気もきていましたが、どういう設定なんでしょうか?
河合優実
たぶん、放置車両を3人で改造したのかなって思っているんですけど。
祷キララ
でも、あそこまでとは、すっごいレベルが高いですよね。ビデオ鑑賞もできるようになってて。
■戦国武将との恋愛ゲームを密かに。
-祷さんが先ほど今回の役は素の自分に近いところが多いとおっしゃってましたが、演じられた“ブルーハワイ”は、劇中ラブコメコミックに夢中になっているシーンがありますが、祷さんご自身もそういうものは読まれますか?
祷キララ
私は、ブルーハワイのようにキラキララブコメとか、恋愛映画を自分から好んで見るわけじゃないんですけど、でも役への架け橋になればと思って、実は、戦国武将と恋愛する疑似恋愛アプリをずっと密かにやってました(笑)
河合優実
(笑)
祷キララ
このことは、クランクアップまで絶対に秘密にしてました。“ブルーハワイ”も好きなことを秘めていたので。で、先日、本作パンフレット用のインタビューで初めて話しました。
このゲームはこの役がなかったらやらなかったと思うんですけど、とても楽しくてかなりハマりましたね(笑)
河合優実
ハマるんだ(笑)
■高3の夏。「私はこれに人生を賭けたい!」
-河合優実さんは、2019年デビューと伺ってますが、この2年半でも多くの作品で活躍されています。そもそも俳優になろうと思われたきっかけを教えてください。
河合優実
高校卒業直前にデビューしたんですけど、
もともとダンスをやっていて、高校時代もダンス部で活動してました。小さい頃から歌うことも好きで、お芝居の経験こそなかったんですけど、自分で表現したものをみんなに見てもらうという場はけっこう多かったんです。
そういう中、高3の時に(学校の伝統行事として)クラスで演劇をやることになって、自分たちで書いたミュージカルを稽古していた夏休みに、堪らなくなっちゃって。「やっぱり私はこれに人生を賭けたい!」っていう思いで。
ダンス以上にお芝居への思いが強くなって、高3の秋というギリギリの時期でしたが、演劇系の大学に進路変更を決意して、そして同時に、事務所も勝手に自分で受けたんです。親と揉めるのがイヤで、事後報告でしたけど(笑)
-まだ2年半と見るのか、もう2年半と見るのかはありますが、デビューしてから今日までを振り返ってみていかがですか?
河合優実
丸2年経って、3年目なんですが、振り返る間もないくらい、目の前の作品やオーディションに一生懸命取り組んできました。
いろんな現場を経験させていただいてとてもありがたいですし、それぞれの現場によって作り方や、関わる方々の熱量が違うし、それぞれの面白さを楽しんでいます。これから先、そういった経験が一周した時に、改めて「じゃぁ、自分はどうしたいのか?」と考えることになるのかなと思っています。
■2人が未来に残したいもの。
-TOKYO MXの特番でもこの話題で話したそうですが、改めて、本作にちなんで、お二人が未来でも残っててほしいものについて教えてください。
祷キララ
番組内では「映画だね」って話しました。残したいものはいろんなものがあるけれど、3人が映画で出会ったというのもあるし、私は映画が一番好きでこの世界に入ったというのもあります。
また、この作品で描かれている“未来では映画が無くなっている”というのは、SFに振り切っているというよりは、リアルも混ざっているなとも思います。実際、映画の観られ方の形というのは時代と共に変わってきている側面がありますから。
でも、映画館で観た時の忘れられない感動は、映画館の匂いと共に思い出したりするし、私は、好きなものがなかった時に映画と出会えたことで、いろんな方々との出会いに繋がり、自分の中でも忘れられない記憶や経験がたくさんできて、これからも映画に携わっていたいなって思います。それは見る側としても。
そういう意味でも、未来で映画が無くなっているかもっていうこの作品に携わったことは大きい意味があるなとも思っています。
-河合さんはいかがですか?
河合優実
“映画が無くなる”というセリフは、脚本を読んだ時、撮影現場で(伊藤)万理華が言った時、そして映画が完成した時と、どんどんリアリティが増していった気がしています。
作品がポップな世界観だからこその妙なザワザワ感や、コロナの影響で、どんどんエンターテイメントが“不要不急”なものとして窮地に立たされているのもあり、この作品のセリフや設定が重みを増していっています。
たしかに映画や演劇は、、人の命に一次的に関わるものじゃないけど、やっぱり絶対に無くしてほしくないですね。
■最後にメッセージ
-最後に作品の見どころと、楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
河合優実
私自身好きな点ですが、この作品は、いろんなキャラクターの子たちが出てきて、みんなそれぞれ愛らしいので、お気に入りのキャラクターを見つけるっていう楽しみ方もあると思います。
そして、好きなものに熱中していくみんなの姿が胸に残ればいいなって思っているので、これから何かを始めたい人や、過去に好きなことに熱中した思い出がある人など、みんなの“好き”っていう思いに重なればいいなって思います。
祷キララ
河合さんの話しに共感するんですけど、たくさんのキャラクターそれぞれが違う個性を持っていて、それぞれが生きているリアリティがあって、群像劇の部分もあるところが、この映画の見どころです。
今の世の中、明るいニュースが少なくなっているところがありますが、好きなことに熱中している登場人物たちの姿を観てワクワクしてほしいですし、観た人もなにかをやりたくなったという気持ちを持ってくれたら嬉しいです。
映画って楽しいなって思ってもらえる映画ですので、是非楽しみに観に来てください!
■フォトギャラリー
[スタイリスト:Hiromi Nakamoto/ヘアメイク:TOM/写真・インタビュー:桜小路順]
河合優実(かわいゆうみ)プロフィール
2000年12月19日、東京都出身。2019年映画『よどみなく、やまない』(芝山健太監督)で主演デビュー。映画、ドラマ、MV、CM、モデルなど多岐にわたり活躍。
2020年、舞台「フリムンシスターズ」(松尾スズキ演出)では、特技の歌やダンスを生かしてミュージカルに初挑戦し堂々とした演技をみせた。ドラマ「夢中さ、きみに。」(21/MBS)以来、伊藤万理華との再共演を果たす。主な出演作品は『喜劇 愛妻物語』(19/足立紳監督)、『アンダードッグ』(20/武正晴監督)、『佐々木、イン、マイマイン』(20/内山拓也監督)などがある。『由宇子の天秤』(20/春本雄二郎監督)が公開待機中。
祷キララ(いのりきらら)プロフィール
2000年3月30日、大阪府出身。2009年、映画『堀川中立売』(柴田剛監督)でデビュー。その後『Dressing Up』(13/安川有果監督)で初主演を果たす。
以降『ハッピーアワー』(15/濱口竜介監督)や『脱脱脱脱 17』(16年/松本花奈監督)、主演を務めた『左様なら』(18年/石橋夕帆監督)、『アイネクライネナハトムジーク 』(19年/今泉力哉監督)、『楽園』(19年/瀬々敬久監督)、ヒロインを務めた『ファンファーレが鳴り響く』(20年/森田和樹監督)などに出演。
映画だけでなくドラマやミュージックビデオにも出演し、フジファブリック 「たりないすくない feat.幾田りら」が話題となった。
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映画『サマーフィルムにのって』
INTRODUCTION
本作は、第33回東京国際映画祭で上映されるやいなや話題を集め、世界各国の映画祭での上映が続々と決定。青春映画には欠かせない恋と友情に加え、時代劇、SF、全ての要素が華麗にシンクロ。物語は奇跡的なラストシーンへと向かい、唯一無二の魅力を放つ。
主役には、猫背・がに股を披露し勝新オタクを熱演、殺陣にも挑戦している元乃木坂46の伊藤万理華。
共演に金子大地、河合優実、祷キララと、今後の活躍が期待される新星が勢揃いした。
監督はドラマやCM、MVなど幅広く手掛ける松本壮史が務め、数々の映像作品を共に作り上げてきた盟友、劇団「ロロ」主宰・三浦直之が脚本を担当。
気鋭の若手クリエイターの元に次世代俳優たちが集結し、ここに新時代を代表する青春映画が誕生した。
STORY
時代劇オタクの女子高生監督が主役に抜擢したのはタイムトラベラー!?
勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。
伊藤万理華 金子大地 河合優実 祷キララ
板橋駿谷 甲田まひる ゆうたろう 小日向星一 池田永吉 篠田諒
監督:松本壮史 脚本:三浦直之(ロロ)、松本壮史
製作:サマーフィルムにのって製作委員会
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:パイプライン
(C)サマーフィルムにのって製作委員会
公式サイト:phantom-film.com/summerfilm
公式Twitter:@summerfilm_2020
本予告
8月6日(金)より、新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開
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