• HOME
  • News
  • インタビュー , 映画
  • 【金子大地×石川瑠華インタビュー】「監督が取り除いてくれたことがありがたかった」映画『猿楽町で会いましょう』
石川瑠華/金子大地

【金子大地×石川瑠華インタビュー】「監督が取り除いてくれたことがありがたかった」映画『猿楽町で会いましょう』

2021年6月4日より公開中の映画『猿楽町で会いましょう』でW主演を務める、金子大地、石川瑠華にお互いの印象、そして「猿楽町に会いましょうについての100の告白」での告白のさらなる深堀りインタビューを行った。同時に2人のビデオメッセージも収録&紹介。

本作は、変わりゆく街、渋谷を舞台に、駆け出しのフォトグラファーと純牧そうに見えて嘘だらけのヒロインの夢と欲望が交錯する衝撃のラブストーリー。
これまで、第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に正式出品されたほか、ウディネ ファーイースト映画祭2020コンペティション部門ノミネート、台北ゴールデンホース映画祭(台北金馬映画祭)に正式招待された経緯がある。
コロナ禍により当初公開より1年延びた形となったが、結果的に上映館数も当初より増える形となっている。

金子大地×石川瑠華 インタビュー

■ビデオメッセージ

■インスタグラムのDMで出演依頼

-本作について振り返ってみたいと思います。本作は2018年4月に受賞された「第2回の未完成映画予告編大賞」があり、その後、映画化され、東京国際映画祭で上映されたのは2019年の10月でした。映画版の撮影時期はいつ頃でしょうか?

金子大地(小山田修司 役)
2019年の6月ですね。撮影期間は2週間くらいでした。

金子大地

金子大地

-「第2回の未完成映画予告編大賞」での映像の段階から、主演を務められたのが石川さんでした。当時、児山監督からInstagramのDMから出演依頼があったとのことですが、いつ頃のことでしょうか?また、当時のことを教えていただけますか?

石川瑠華(田中ユカ 役)
2017年のことで、当時、私はお芝居の経験がほとんどありませんでした。

石川瑠華

石川瑠華

金子大地
そんな前だったんだね。

石川瑠華
その時の私は、知りもしないのに怖いもの知らずで、「とりあえずやってみよう!」という精神でした。(連絡してきた相手が)児山監督じゃなかったら、危なかったかもしれません。とりあえず、当時の私は映画に関わりたいと思っていたので、監督に会いに行って、話を聞きました。

-監督からのDMには、「怪しい人ではありません」と書かれていたそうですね。

石川瑠華
書かれていましたね。ただし、フランクな感じで、映像資料のリンクもきちんと送ってくれていました。なので、しっかりしていて怪しい感じはありませんでした。当時の私は何も疑わない怖いもの知らずでした(笑)

-金子さんへのキャスティングはどのように決まったのでしょうか?

金子大地
監督との面談がありました。実際にお会いしたら話をして数分で、「よろしくお願いします。」と言っていただいたのを覚えています。
監督にお会いする前に、この映画の予告編映像を観て、是非参加したいなと思っていたので、オーディションのように本読みをするのかなと思っていたら、それもなく決めていただいて驚きました。

■それぞれの“初体験”

-お二人に質問です。金子さんにとっては初主演作品で、石川さんにとっては初の映像出演作品ということで、この“初めて”という部分に関して、どのように取り組もうとし、考えたかを教えてください。

金子大地
予告編映像で主演の石川さんに惹かれて、僕も参加したい思ったので、今回の長編ではそれを超える石川さんを引き出したいと思ったのと同時に、絶対に作品を面白くするんだ!と考えていました。
小山田という役は、予告編映像では別の方が演じていて、石川さん以外のキャストも全員改めてのキャスティングだったので、そういう方々の思いも背負う気持ちでやらせていただきました。

猿楽町で会いましょう

場面写真 Ⓒ2019オフィスクレッシェンド

石川瑠華
予告編映像に出た当時のことを振り返ると、私はお芝居をやりたいって気持ちがあっても、映画はあまり観ていませんでしたので、どうしてやりたいのかという理由が自分の中に明確にはありませんでした。
ただ、自分の欲のためにやっていた部分もあって、そんな気持ちのまま現場にいると、本当に自分が浮いてるのが分かったんです。
児山監督の組は、ずっと映画を撮りたくてやってきた組で、団結力が強いことを感じました。そんな映画を撮りたい人達に囲まれて、自分がポツンと浮いているのに気づいて、「これはここで辞めるか、変わらなきゃを決断しなければいけないんだな」っていうのを予告編映像の撮影現場で思いました。

猿楽町で会いましょう

場面写真 Ⓒ2019オフィスクレッシェンド

■カメラマン役に臨むにあたって

-金子さんは、カメラマン役ということでしたが、カメラについての勉強はされましたか?

金子大地
カメラの扱い方や掃除の仕方、部品の取り扱い方を撮影前に教わったので、街中を散歩して少し写真を撮ってみました。撮影現場では、プロのカメラマンの方がいたので撮影中にその都度、その方々に確認しながら撮影に臨みました。

-映画の撮影中にもご自身で実際に撮影されているのでしょうか?

金子大地
実際に撮影しました。自分では結構いい写真が撮れていると思ったのですが、作品資料としてはあまり使われていなかったですね(笑)
撮影していて、石川さんを撮るのが楽しいなと思いました。

-写真を撮るのと撮られるのはどちらが好きですか?

金子大地
撮る方が好きですね。撮られるのはまだ慣れていないのか、あまり好きではないです。

■お互いの色

-海外向けの映画のタイトルが『colorless』なので、色についての質問です。金子さんから見た石川さん、またその逆のパターンで、お互いから見た相手の色のイメージと理由をお聞かせください。

金子大地
日によって変わります(笑)
何にでも染まれると思うんです。

金子大地

石川瑠華
私の答えも同じですね。“日によって変わる”ではありませんが、「色がないと同時に色がちゃんとある。」というように、決めつけたくないですね、何色だとか。

石川瑠華

■「#猿楽町に会いましょうについての100の告白」の深堀りQ&A!

-映画の公開日の100日前から作品公式Twitterアカウントで展開されていた「#猿楽町に会いましょうについての100の告白」の企画が面白いと思いました。この企画のコメント収録はいつ行われたのでしょうか?

金子大地
公開が100日前になる日の3週間くらい前だったと思います。

石川瑠華
公開日が6月4日になるって決まってから、児山監督がこの企画で撮りましょうという話になりました。

金子大地が感じた“壁”と“とにかくカッコ悪く”

-この企画の中で、金子さんは、最初に脚本を読んだ時の質問に対して、「自分の中の壁をひとつ乗り越えられるかもしれない」と答えていらっしゃいましたが、どんな壁だと感じていましたか?

金子大地
小山田という役自体が、未完成で真っ直ぐでピュアな少年で、どこか自分の格好悪い部分だったり、見られて恥ずかしい男としてのダサい部分を前面に出したような役柄だったので、そういう言い方をしたんだと思います。
でも、撮影中はとても楽しく撮影することができました。この作品を必ず良いものにしようと思っているスタッフさん・作り手とキャストが集まった作品だったので、絶対にいいものにしてやるぞと言う気持ちがありました。

-続けて金子さん。監督から「とにかくカッコ悪くなってくれ」って言われて、「食事でメンタルが変わるからなんか体に悪い物を食べて、陰に落ちた」と回答されていましたが、どんなことを意識されたのでしょうか?

金子大地
これを役作りと言っていいのかわかりませんが、でも何か格好悪くみえるように意識しました。生活は画面越しでも出ると思うので、僕自身の食生活も意識してみたんです。劇中にも出てくる、うどんに生卵をぶっかけただけのようなシンプルなものがそこにあると思います。

探るべき人

-石川さんは、「主人公のひとり、小山田について」という質問に対して、「純粋な人か、探るべき人か、でも純粋だと思ってます。」と回答されていましたが、“探るべき人”とはどういった意味が含まれているのでしょうか?

石川瑠華
純粋一筋な人っていないと思っていて、もうひとつぐらい裏にあるものを何か、私は掴みたいなって思っていました。小山田に対して、私は裏側に何かあるだろうなって思っています。

児山監督の“敢えて見せない演出”  「監督が取り除いてくれたことがありがたかった」

-「自分が脚本上知らなくて部分を監督が入れたシーンがあって、それを映像で見て知って美しいと思って涙した」という主旨のことを石川さんが語られていますが、それについて改めてお気持ちをお聞かせください。
(補足:東京国際映画祭での舞台挨拶で児山監督は「脚本ってみんなに出回るもの。小山田とユカを演じる二人の片方は知らないっていう状況を作れると、知らないことで生まれることがあると僕は思っている。なので、時には(個別に)差し込み原稿を渡したりていました。」と語っている)

石川瑠華
そういったことが裏であったことを知った時は、監督に対して「ありがとうございます。」と思いました。
(役者のお芝居のプロセスとして)“知っていることを知らないこととする作業”が必要になりますが、監督がそれをあらかじめ取り除いてくれたからです。
“ユカとして見ているはずもないことを見せなかった”と監督が配慮してくれたことは、ユカを演じるにあたって、ありがたかったです。

-それぞれの役に知らせない部分を敢えて作るという、児島監督の演出は、石川さんに対してだけでなく、金子さんに対してもあったんですよね?

金子大地
ありました。僕は、小山田もユカもすごく純粋だと思っていますが、それは端(はた)から見た画だと思うんです。演じていた身ではありますが、それが映画として出ていて、さらにこういう風になるんだという発見もあって、監督に感謝しています。

猿楽町で会いましょう

場面写真 Ⓒ2019オフィスクレッシェンド

嫌いな人もユカ。好きな人もユカ。

-金子さんに質問です。「好きな登場人物は?」という質問に、「小山田の先輩」と回答されていましたが、その後「嘘をつきました」と答えていらっしゃいました。今同じ質問をされた場合の答えは?

金子大地
ユカですね。嫌いな人(登場人物)もユカであり、好きな人もユカです。

“今日”好きだと思うシーン

-石川さんは、「好きなシーンは?」という質問に対して、「日によって変わる」と回答されていましたが、今日(取材当日)だと、どのシーンが好きと答えられますか?

石川瑠華
今日答えるとしたら、歩道橋の上で走ってるシーンです。
(※新予告編の40秒あたりでも確認できる)

猿楽町で会いましょう

場面写真 Ⓒ2019オフィスクレッシェンド

金子大地
(小山田とユカが)ラブラブの時だね。すごくキラキラしているよね。

石川瑠華
本当にラブラブですね。観ていて笑っちゃうというか、ニヤニヤしちゃうんですよね。そこって、何も考えずに、いいなーって思います。あのシーンは、一日の最後、夜に撮って帰りました。

目の前にユカが現れたら?

-撮影に臨む上で気を付けたことという質問に対して、石川さんは「私自身がユカを嫌いになったり見捨ててはいけない。ちゃんと援護をしないと。」と回答されていました。もし、石川さんの前に、ユカが現れたとしたら、どのように接しますか?

石川瑠華
どうしたら仲良くなれるのかとか、どうしたらその人のためになるのかとか、それはわかりませんが、ただ、その存在を嫌うことはしたくないと思います。一緒にいるとか、理解しようとしてあげようとするとか、きちんと一歩踏み出したいって思います。

■映画の見どころとご覧になるお客様へのメッセージ

金子大地
「このシーン、この画すごくいい!」と思える場面が、いくつもある映画です。全く隙が無いと言うか、本当にコンマ単位で編集されているというか、それが児山監督の凄さだと思います。どんな意見があるとしても、刺さる人には刺さりますし、絶対に皆さんの中にこびり付くような作品だと思うので、是非観ていただきたいです。

石川瑠華
今思うと、ユカも小山田も意外に、普通の人だと思うんです。その二人がお互いにまず夢を追いかけて、恋愛して交わるとこんなに何か醜い姿というか、綺麗ではない自分の認めたくないものとか、いろんな所、人と人が交わってちゃんと生まれてくるのがとても面白いと思います。
きちんとシーンのこだわりを一個一個持って、映画が好きな人たちが集まって作った映画だと思うので、持った感想を、自分でなんか好きでも嫌いでも何か意見を持ってくれることが嬉しいです。
人って100%分かると言うのは無理ですし、映画を観ても100%は理解できないし、そういった確実じゃないものを、考えられる映画だと思います。私も、「ユカはこれだ!」いうのは提示していないので、観た人の中で広げてもらいたいです。

-公開日がコロナ禍で1年延び、ようやく公開に至りましたが、感想をひとことお願いします。

金子大地
この待ち遠しい時間のおかげで、上映館数も増えましたし、悪運に恵まれているとポジティブに考えています。なので、より多くの人に観ていただいて、是非楽しんでもらいたいです。

石川瑠華
確かに上映館数が増えました。その点がラッキーですね。首都圏以外の方でも観られる機会が増えて、嬉しいです。よろしくお願いします。

石川瑠華/金子大地

[写真・聞き手:金田一元/動画:桜小路順]

関連記事

映画『猿楽町で会いましょう』

INTRODUCTION
第2回「未完成映画予告編大賞MI-CAN」グランプリ受賞作を映画化したラブストーリー『猿楽町で会いましょう』。
鳴かず飛ばずのフォトグラファー・小山田は、読者モデルのユカと出会う。
しだいに距離を縮めていく2人だが、ユカが小山田に体を許すことは決してなかった。そんな中、小山田が撮った彼女の写真が、2人の運命を大きく変えることになる。
フォトグラファー・小山田役には、「おっさんずラブ」「腐女子、うっかりゲイに告る。」など出演作が相次ぎ、業界大注目の金子大地。
どこか掴めないユカ役には、ネクストブレイク必至の石川瑠華。
そのほか、ユカの元恋人・良平役に栁俊太郎、ユカがタレント養成学校で出会う友人・久子役に小西桜子、雑誌編集者役には、前野健太がそれぞれ脇を固める。
監督は、本作が長編映画デビューとなる児山隆。変わりゆく渋谷の街を舞台に、若者たちの刹那の恋を流麗なカメラワークで切り取っている。

STORY
小山田修司(金子大地)は、フォトスタジオアシスタントから独立した、駆け出しのカメラマン。売り込みに行った雑誌編集者の嵩村秋彦(前野健太)には、「作品にパッションを感じない。ちゃんと人を好きになったことがある?」と厳しく意見される。仕事の代わりに嵩村に紹介されたのは、インスタグラム用の写真を撮影してくれるカメラマンを探していた、読者モデルの田中ユカ(石川瑠華)だった。
渋谷でユカと待ち合わせた小山田は、作り笑顔のユカを何気ない会話でリラックスさせながら撮影してゆく。ユカに彼氏がいないと知った小山田は、写真チェックを口実に彼女を猿楽町のアパートに誘う。なにもしない約束でユカを泊めるが、強引に迫って彼女に泣かれてしまった。目を覚ました時にはユカの姿はなく、小山田の撮った写真だけはしっかりとユカのインスタグラムにアップされていた。
ユカのインスタをフォローしていた小山田は、彼女が新しいプロフィール写真を撮りたいという書き込みを見て、チャンス到来とばかりに、撮影をさせてほしいとLINEメッセージを送る。なんとか撮影にこぎつけて、ふたたびユカを部屋に誘うが、彼女のペースではぐらかされてなにごともないまま別れてしまう。
しかし、小山田が撮影したユカの写真は編集者にも評判が高く、彼女の存在は小山田にとってかけがけのないものになっていた。猿楽橋でユカへの好意を正直に告げる小山田に、ユカはこう口にする。「好きだったこととか、会いたかったこととか、人って忘れちゃうじゃん」。どこか哀しげなユカの言葉に、小山田はもっとユカを撮りたい、自分ならきっと本当のユカを撮れるのではないかと思いを伝える。小山田の言葉に笑顔を見せたユカは、彼の告白を受け入れて「よろしくお願いします」と答えた。その日から、ユカは小山田にとって最愛の被写体となった。会うごとに彼女のさまざまな表情に魅了されながら、街中でシャッターを切り続けた。しかし、ユカは決して小山田を自分の部屋には入れようとしない。小山田は、ユカとの間にまだ見えない壁がある気がしていた。
そんなある日、以前、小山田が売り込みに行った編集者から仕事の依頼が舞い込んでくる。その矢先に、突然、泣きはらした顔のユカがアパートにやってきたのだ。打ち合わせに向かおうとしていた小山田に抱きついて「お願い、ひとりにしないで」と懇願するユカ。小山田のなかで溜まっていた思いが爆発して、そのまま二人は初めて身体を重ねた。

金子大地 石川瑠華
栁 俊太郎
小西桜子 長友郁真 大窪人衛 呉城久美 岩瀬 亮 / 前野健太

監督:児山 隆
製作:長坂信人
脚本:児山 隆 渋谷 悠
後援:ドリームインキュベータ
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
配給:ラビットハウス、エレファントハウス
Ⓒ2019オフィスクレッシェンド
公式サイト:sarugakuchode.com

新予告編

6月4日(金)渋谷ホワイトシネクイント 、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

猿楽町で会いましょう

 

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA