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芦田愛菜にとって“信じること”とは? 映画『星の子』完成報告イベント

9月3日、都内にて、映画『星の子』の完成報告イベントが行われ、実写映画6年ぶりの主演となる芦田愛菜、永瀬正敏、原田知世、大森立嗣監督が登壇した。
イベントでは、本作のテーマである“信じること”について、そして、タイトルにちなんで、“流れ星への願い”をそれぞれ披露した。
特に、16歳・芦田愛菜が語った、“信じること”の持論については、Twitterのトレンドトピックになるなど、大きな話題となっている。

イベントレポート

■芦田愛菜、6年ぶり実写映画主演について

-芦田愛菜さん、6年ぶりの実写映画主演ってことでおめでとうございます。まず最初に脚本を読まれた時の印象を教えてください。

芦田愛菜(林ちひろ 役)
最初に脚本を読んだ時、“信じる”って言うのがひとつのテーマになってるのかなって感じて。身近でよく使う言葉なのに今までちゃんと深く考えたことがなかったなっていうことに気がついたので、自分なりの答えを、演じながら、ちひろと一緒に探していければいいなと思いました。

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芦田愛菜

-今回の映画で髪をバッサリ切るというのご自身で提案されたとも伺っておりますけれども、理由について教えて下さい。

芦田愛菜
髪が長い自分がちひろを演じてるっていうのが、あんまりこうしっくりこなかったというか、何かイメージと違うなっていう気がして監督に相談させていただきました。

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芦田愛菜

-ちひろと自分が似ている点、違う点について教えて下さい。

芦田愛菜
性格的にはちひろとはそれほど似ているとは思わなかったんですけど、南先生にいろいろひどいことを言われた後に、友達に泣きながら話を聞いてもらうシーンっていうのは、親にも言えなくて一人で抱え込んでいた悩みを心を許せる友達にだったら話せるっていうのが、思春期の私たちのリアルな一コマだなって感じて共感しました。

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芦田愛菜

-演じる上で考えられたことは?

芦田愛菜
ちひろってすごく多面性がある女の子で、一人でいる時は両親についての悩みだったりとか、悲しみだったり決意だったりとかが表れている。
かと思えば、みんなと過ごしてる時はすごく純粋に楽しんでいたり。
そういうちひろの多面的な部分を表現できたらいいなとは思ってました。

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芦田愛菜

■ちひろの両親役として

-そんなちひろの両親役のオファーをどのように受け止められましたか?

永瀬正敏(ちひろの父 役)
僕はまた大森監督の現場に立たせて頂けるっていうので非常に興奮しながら脚本を読みました。
先ほど、娘に娘に言われちゃいましたけど、これはひたすら信じるしかないなと。あとはもう大森監督について行こうと思いました。

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永瀬正敏

原田知世(ちひろの母 役)
宗教にはまっていく両親ということなんですけど、このお母さんは、ただひたすら娘の幸せと健康を願っていて、その思いには全く濁りがないんですね。とてもピュアなんです。
物語の中で生活ぶりはいろいろ変わっていくんですけど、愛情のクリアな部分は最後まで持ち続けようと思って演じました。

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原田知世

■芦田さんはさすがでした。

-芥川賞作家・今村さんの小説をご自身で脚本を書かれて映像化される上で、どんなところを気をつけられましたか?

大森立嗣監督
とにかくちひろの感情をなるべく固定化しないようにしました。
両親は新興宗教に入ってるけれども、学校で暗くなりすぎてないとか、信頼しあえる友だちもちゃんといて、いわゆる教室の隅っこにいるタイプではないけど、でも悩みは抱えている女の子。
その心の揺らぎをなるべく自由に演じられるような環境を作りたいと心がけました。
とにかく、芦田さんに頑張ってもらうしかないってずっと思っていました。さすがでした。

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大森立嗣監督

-どんなところがさすがでしたか?

大森立嗣監督
一番すごかったのは、目に涙が溜まってるシーンで、「今の涙写ってました?」でって言われた時に、スゲエなこの人ってまず思いました。確かに溜まってたなぁって思って。
あとは、本(台本)を読む力もすごくあるし、的確な演技力もある。
あと、僕はあんまり決めこまないで現場に来てくださいと、現場で永瀬さんや原田さんと会話する中で生まれてくる物を大事にしてくださいって言い続けたので、それをどうやら楽しんでくれていたみたいです。
大丈夫でしたよね?

芦田愛菜
はい、楽しかったです。

大森立嗣監督
ほんと?良かったです。言わせたみたいですみません(笑)

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大森立嗣監督/原田知世/芦田愛菜

■それぞれにとっての“信じること”とは?

-この作品は登場人物それぞれの“信じること”が描かれています。芦田さんにとっての“信じる”とはどういうことでしょうか?

芦田愛菜
“その人のことを信じます”っていう言葉を使うと思うんですけど、それってどういう意味なんだろうっていうのを考えた時に、その人自身を信じているのではなくて、自分が理想とするその人の人物像みたいなものに期待してしまってることなのかなって感じて。
だからこそ、人は裏切られたとか、期待していたのにとか言うけれど、別にそれはその人がこう裏切ったとか、そういうわけではなくて、その人の見えなかった部分が見えただけであって、その見えなかった部分が見えた時に、それもその人なんだって受け止められる、揺るがない自分がいるって言うのが信じられることなのかなって思いました。
でも、その揺るがない自分の軸を持つのってすごく難しいじゃないですか。だからこそ、人は信じるって口に出して、不安な自分がいるからこそ、たとえば成功した自分だったりとか、理想の人物像だったりに縋りたいんじゃないかなって思いました。

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芦田愛菜

永瀬正敏
これ以上の答えはないんじゃないかっていう。
そうですね、信じることの裏側にある、愛情だったりとか、もしかしたら狂気と、裏腹のものがあるかなと。あとはそれをどれだけ純粋に思ってやっていくかっていうのが一つあるかなと思って、本作に取り組みました。
そして、僕自身が信じているのは、ずっと一貫して映画ですね。映画に裏切られたことは一度もないので、映画を信じています。

原田知世
信じるって、大きなことから小さなことまで本当にたくさんあるなと思ったんですね。
例えば、何かすごく肌に良いってものが自分にとって良かったらそれを信じるし、でもそれが合わなくなる時もあって、そしたら信じなくなる。
そういう小さな信じる信じないってのもあると思います。
あとは、思春期だったら両親の事だったり、近くにいる大人の影響をすごく受けていて、それらを受け入れてるんだけども、ある時からやっぱり違和感も芽生えたり。
その人自身が成長していく過程で必ず通る所なのかなっていうのを、この映画を通して考えました。
でも何かを信じることってすごく大切なことだなと思いました。それが自分のエネルギーになる場合もあるし、人それぞれに信じる物が違うっていうことも、自分の中では理解していたいです。この映画もそうですけど、そこに“優しさ”が必要になってくるのかなって考えました。

大森立嗣監督
僕は映画を作っている時に、俳優さんもそうだし、スタッフさんもそうですが、とにかく信じることからしか始まらなくて、やっぱり映画はみんなの力でできていくものなので、僕の頭の中だけだとやっぱりつまんないものになっちゃうと思うので。
ともかく、信じることをいつもやっている感じです。

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原田知世/芦田愛菜/永瀬正敏

■流れ星が流れてきたら何をお願いしたいですか?

それぞれの願いを写真で紹介。

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芦田愛菜「猫と話したい!」

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永瀬正敏「和」

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原田知世「自由に旅できる日がやってきますように」

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大森立嗣監督「コロナのない日常」

■最後にメッセージ

大森立嗣監督
芦田さんと、この両親を見ていると、人を信じることで少し気持ちが柔らかくなるんじゃないかなって思います。
なかなかいい映画に仕上がったと思いますので、皆さん是非足を運んでください。お願いします。

原田知世
見終わった後に、きっと信じることについて、友だちの関係や、家族との関係、人を思う気持ちについていろんなことを周りの方とも話したり、自分でも、いろんなことを考えるきっかけにもなるような作品です。是非多くの方に見ていただけたら嬉しいです。

永瀬正敏
ぜひぜひ多くの方にご覧いただければと思いますけど、僕がとても好きなシーンがあります。
それは、うちのちひろが、あることがあって、あることをしてっていうところなんですけど。そこを是非劇場で、これかな?あれかな?と考えながら見ていただければと思います。皆さんよろしくお願いします。

芦田愛菜
私はこの映画を通して、信じるって何だろうってすごく深く考えたんですけど、きっとその答えって人それぞれ違うし、答えがあるものではないと思うんですけど、映画を見てくださった皆さんにとっては、信じるって何なんだろうとか、自分が信じたいと思えるような大切な人って誰なんだろうとか、そんな風に考えるきっかけになっていただけたら嬉しいなと思います。

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■トークノーカット動画

記事に書ききれなかった分も含めてトークノーカット動画もどうぞ。

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■イベントフォトギャラリー

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『星の子』

【INTRODUCTION】
原作は、最新作『むらさきのスカートの女』で令和初の第161回芥川賞を受賞し、いま最も次作が気になる最注目の気鋭の小説家・今村夏子の同名小説。本作も157回芥川賞候補、第39回野間文芸新人賞受賞、2018年度本屋大賞7位になるなど高い評価を受けている。監督・脚本は、『さよなら渓谷』(13)が第35回モスクワ国際映画祭で「人間関係への深い理解と洗練された演出」と評価され審査員特別賞を受賞、樹木希林の遺作の一本となった『日日是好日』(18)で報知映画賞の最優秀監督賞を受賞した大森立嗣。

【STORY】
大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親は、病弱だった幼少期のちひろを治した“あやしい宗教”を深く信じていた。
中学3年になったちひろは、一目惚れしてしまった新任のイケメン先生に、夜の公園で奇妙な儀式をする両親を見られてしまう。
そして、彼女の心を大きく揺さぶる事件が起きるー。

キャスト:芦田愛菜 岡田将生 大友康平 高良健吾 黒木華 蒔田彩珠 新音 永瀬正敏 原田知世
監督・脚本:大森立嗣(『日日是好日』)
原作:今村夏子『星の子』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
製作幹事:ハピネット、ヨアケ
製作プロダクション:ヨアケ、ハーベストフィルム
配給:東京テアトル、ヨアケ
(C)2020「星の子」製作委員会
公式サイト:hoshi-no-ko.jp

特報

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2020年10月9日(金) TOHOシネマズ 日比谷  ほか 全国公開

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