ユーミンがコロナ禍にある日本全国のライブ関係者にエールを贈る「JAPAN LIVE YELL project」のアンバサダーに。
11月24日、都内にて「JAPAN LIVE YELL project」の記者発表会が開催され、シンガーソングライター・松任谷由実の「エール・アンバサダー」就任が発表された。
また、松任谷さんの名曲「春よ、来い」が使用され自身も出演する、音楽・演劇・ダンス・伝統芸能など、さまざまな舞台芸術のパフォーマンスが繋がれた日本全国のライブ関係者に向けた応援ムービー「ライブのリレー」をお披露目した。
「JAPAN LIVE YELL project」(ジャパン・ライブエール・プロジェクト)は、公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会(以下、芸団協)が取り組む、コロナ禍により失われた文化芸術鑑賞・参加の機会をどうにかして取り戻したいという、出演者、スタッフ、ファンなどライブに関わるすべての人の気持ちを力強く後押しし、活動を支援する全国規模の事業。
記者会見レポート
■名曲「春よ、来い」でつないだ応援ムービー「ライブのリレー」がお披露目
文化庁の矢野和彦からのあいさつと、日本芸能実演家団体協議会の関からの「JAPAN LIVE YELL project」の内容説明のあと、日本芸能実演家団体協議会会長で能楽師(人間国宝)の野村萬があいさつ。
「各地域で舞台に参加なさる方々、事業の担い手である27地域の皆様方には、ぜひ一期一会の心を持って、芸能の持つ教育的要素を大事にしつつ、魅力ある舞台を作り上げ、観客との交流を大切にしていただきたいと切に願っております」と「JAPAN LIVE YELL project」への思いを語った。
続いて、音楽・演劇・ダンス・伝統芸能など、さまざまな舞台芸術のパフォーマンスが繋がれた日本全国のライブ関係者に向けた応援ムービー「ライブのリレー」がお披露目。
エール・アンバサダーに就任された松任谷由実の名曲「春よ、来い」を松任谷由実、平原綾香、子どもたちなどが歌いつなぎ、三遊亭小遊三(落語家)、森山未來(俳優・ダンサー)、ナイツ(漫才師)をはじめ、音楽・演劇・ダンス・伝統芸能などのさまざまなパフォーマンスが一つにつながる、ライブ復活への熱い思いが込められた映像が映し出された。
応援ムービー「ライブのリレー」
■松任谷由実が登場 ライブへの熱い思いを語る
応援ムービー「ライブのリレー」がお披露目されたあと、エール・アンバサダーに就任した松任谷由実が、「春よ、来い」のメロディとともに登場し、コロナ禍での松任谷さんの状況やライブへの熱い思いなどを語った。
3、4月はパニックのような状態に陥り、「世界中がこのまま朽ち果てていくんじゃないかという恐怖」を感じてすべてにやる気を無くすという、生まれてはじめて体験したという松任谷由実。
だが、夏少し前頃には「未曾有の年を記録したいという欲求」から創作意欲が湧いてきてアルバムのレコーディングに取り掛かり、なんとしても今年中に発表させることを目標としたことを語った。
MCから39枚目になる制作中のアルバムについて聞かれた松任谷由実は、アルバムのオープニング曲である「1920」に、施設にいる100歳になる母親が大きく影響をしていることを明かした。
施設にいる母親に会いたくても会えないという状況の中にコロナの残酷さをリアルに感じた上で、松任谷由実は母親の生まれた100年前について調べ、スペイン風邪が流行していたこと、オリンピックが閑散とした中で開催されたことなど、今と通じる部分が多くあったことを知ったと語った。
また、大正生まれの母親は舞台が大好きで、歌舞伎、新派新劇、宝塚なども見に行かせてくれ、幼稚園の先生には「娘を宝塚に入れたい」と語るほど、“英才教育を施してくれた”母親に思いを馳せていた。
お披露目されたばかりの応援ムービー「ライブのリレー」については、「本当に感動しました」と即答。
たくさんの表現者、スタッフ、観客がいてライブが成り立つことを再認識したことを明かした。
さらに、オンラインライブにも良い面があることを認めつつ、「ライブは行こうと決めた時から始まっている」と会場に向かうまでの道のりも景色が違って見えるなど、ライブ以外の時間にも多様な楽しみ方があることや、会場を熱く盛り上げる「人いきれ」などのライブの魅力について語った。
最後にエール・アンバサダーとして、メッセージを求められた松任谷由実。「全国にたくさんの表現者の方がいらして、それを支えるスタッフがいて、それにはやはりライブをあきらめない、これからも送り続けるという意志が双方に必要ですし、それを楽しみにされるお客様の心が必ず(ライブを)復活させると思います。私もそれに対してできることがあれば、身を挺してできることをしたい。エールを送りたいと思います」とメッセージを送った。
さらにライブを訪れる観客に対しては、「目に見える、人に言葉で説明できるものだけじゃない。むしろそれ以上のパワーがあるものがライブなので、ぜひ再び体験していただきたいと思います」とライブの魅力を訴えた。
■「応援」「エール」への決意を新たに
このあと、松任谷由実が応援団員として活躍する「みんなの応援村」について実行委員長である浜松市長 鈴木康友から説明があった。
説明では、「みんなの応援村」が実行した「77億人えがおプロジェクト」で、全国の子どもたちから「えがおのイラスト」が約1万2000枚も集まったことなどが紹介された。
「応援団の一員としてエールをみんなに送ります!」と、目的を同じにする「応援団員」「エール・アンバサダー」としての思いを新たにしていた。
■応援ムービー「ライブのリレー」フォトギャラリー
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