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喜劇 愛妻物語

映画『喜劇 愛妻物語』は足立監督の妻への復讐映画!?公開直前イベント

9月3日、都内にて、映画『喜劇 愛妻物語』の「大ヒット祈願!公開直前イベント」が行われ、濱田岳(32)、水川あさみ(37)、新津ちせ(10)、足立紳監督(48)が登壇した。

本作は、『百円の恋』で日本アカデミー賞に輝いた名脚本家・足立紳が、自身の夫婦生活を赤裸々に綴った(ほぼ)実録小説「喜劇 愛妻物語」を自ら映画化。この日のイベントでも、足立監督は「自分の妻がいかに鬼嫁かを世間に知らしめたくて作った」と語ったほど。
また、アニメ監督・新海誠を父に持つ新津ちせは、罵倒し合う夫婦役の水川あさみと濱田岳が怖かったと本音を明かしつつも、彼女なりの持論として家族・夫婦とは信頼の積み重ねで成り立っていくのかなとその思いを語った。

イベントレポート

足立紳(原作・脚本・監督)
もうすぐ公開なんですが、でも公開が近づくと夢をよく見るんです。初日なのに、一列目しかお客さんが入ってないっていう。。

新津ちせ(【娘】アキ 役)
本当に面白い映画なので、全部の席が埋まることを願います。是非たくさんの方にこの映画を見てほしいです。

喜劇 愛妻物語

新津ちせ/濱田岳/水川あさみ/足立紳監督

■水川さんから想像以上の罵声を浴びせられた

-ある意味監督の分身とも言える、豪太役。年収50万円の脚本家。この役のオファーについていかがですか?

濱田 岳(【夫】豪太 役)
最初にお話をいただいた時は、うわっこんな役はやりたくねぇなぁって正直思いました。ただ、足立さんの脚本力っていうのは映画界皆が認めているものですし、一冊の書籍のような面白さがありました。
物語のキーとなる鬼嫁と呼ばれる女性は誰がやるんだ?って思ったら、水川さんだって聞いて、それはもう俳優業をやっていて、こんなやりたい映画はないと思ってチャレンジしました。
でも、自分に豪太と似ている部分なんてないよって割り切ってたんですが、
毎日毎日(水川さん演じるチカに)怒鳴られる役なので、もっと気持ちがクサクサするのかなって思ってたら、意外にそうでもなくて、剛太の謎の余裕、図太さと、僕の図太さが徐々にシンクロしていく感覚を覚えました。僕も意外と図太い人間だったんだって気づきがありましたね。

濱田 岳

濱田 岳

-でもやっぱりそれは水川あさみさんが共演者っていうのも大きかったのではないですか?

濱田 岳
はい。撮影初日から水川さんから罵声を浴びせられて、自分が台本を読んでの想像力の乏しさを反省しました。水川さん、やばい、すごい怒るじゃんっていう。思ってたより汚く言ってくるじゃんっていう驚きと。それがもう明日への活力、楽しみに変わっていきました。ほんと、水川さんが奥さんで良かったって思いましたね。

水川あさみ(【妻】チカ 役)
私が37年間生きてきて、発したことのない言葉、タンツボとか(笑)
エネルギー値の高い女性で、沸点も低い、ずっと怒っているので、(撮影が夏だったので)夏バテしないように演じてましたね。

水川あさみ

水川あさみ

■台本だとわかっているんだけど怖かった

-このママとパパは優しかったですか?

新津ちせ
シーンの中だとすごいやりやってて、わーどうしようって思ってたんですけど、裏だとめっちゃくちゃ仲が良くて、ちょっとホッとしました。
裏ではいっぱい遊んだし、楽しかったです。

新津ちせ

新津ちせ

-でも正直撮影中は怖くなかったですか?

新津ちせ
台本だとはわかっているんですけど、怖いなーとか、早く終わってくれないかなってずっと思ってました。
それと、ちょっとだけネタバレになっちゃうかもしれないんですけど、二人が車の中ですごい暴言を浴びせあっている時に、アキが嘘ついて、「車に酔った」って言って、車を停めさせるってシーンがあるんですけど、多分それは本当に酔ったわけじゃなくて、喧嘩をやめて欲しいから言ったんだと思います。
そのアキの気持ちに共感できちゃって、アキ、ナイス!って思いました。

■こんなに酷い女がいるんだって世の中に知らしめたかった。

-撮影は、足立晋監督の自宅で行われたんですよね?

足立紳監督
はい。ただ撮影中にうちの奥さんが、スタッフに「あの人今は監督やってますけど、普段は最悪ですからね。」みたいなことを吹聴して回ってるんで気が散ってしょうがなかったというか、お前、この作品めちゃくちゃにする気かって思いましたけどね(笑)

足立紳監督

足立紳監督

-水川さんはその奥様をモデルにした役ですよね。実際に奥様に会われていかがでしたか?

水川あさみ
台本にある面白さがそのまま乗っかってる方だなって思いました。
ただ、スタッフさんにスイカを切ってくれたり、体調を気遣って労ってくれたりはされてました。

足立紳監督
外っ面はいいんですよ。

水川あさみ
(笑)

喜劇 愛妻物語

濱田 岳
それ、ずっと言ってますね(笑)

足立紳監督
でも、小説を書いたのは、奥さんに対する復讐の気持ちもあって、とにかくこんなに酷い女がいるんだって世の中に知らしめてやろうっていう思いはかなり大きかったです。

水川あさみ
(爆笑)

水川あさみ

足立紳監督
でも彼女の罵詈雑言がこうやって作品になったので、ありがとうっていう気持ちもちょっとあります。

濱田 岳
素敵な奥様でしたけどね。
ただ、遠巻きに、夫婦としてのやり取りを見ていると、(この作品のような)要素はあるんじゃないかなって匂う瞬間はありました。
でも僕らに対しては、肝っ玉母ちゃんのようなすごくハツラツとした素敵な方でした。

喜劇 愛妻物語

■『喜劇 愛妻物語』は復讐映画!?

-豪太とチカのような夫婦ってどう思いますか?

新津ちせ
この二人はいつもすごく暴言でやりあってるんですけど、困った時にはチカさんが助けてあげたりとかしてなんとか夫婦が成り立っているみたいな。
二人とも信頼してるし、信頼しないと暴言とか吐けないから、だから信頼してるっていう意味では、ある意味理想の夫婦なのかなって思います。
チカには豪太がいて良かったし、豪太にはチカがいて良かったなって思います。

足立紳監督
やっぱり、演技はキツかった?

新津ちせ
なんでこんなに暴言を吐くんだろう?って思いました。

新津ちせ

足立紳監督
そうだよね。ほんとにごめんなさい。だからこの映画を奥さんに見せて、どんだけ教育上良くないことやってるか分かるかっていうのを教えてやりたかったっていうのもあるんですけど(笑)

濱田 岳
監督、大丈夫ですか?このままだと復讐の映画ってことになっちゃいますが。

足立紳監督
そのへんは、口八丁手八丁で記事にしてもらえれば。

水川あさみ
いやいやいや・・・

濱田 岳
お願いする態度でもないし。。。

新津ちせ
(笑)

■最後にメッセージ

新津ちせ
この二人はすごくなんか信頼してるから暴言を言うし、あんまり信頼してない人と一緒にいると暴言とかも言えなくて溜まっていって、最後に爆発とかしちゃうと思うんですけど、二人は信頼してるからそれがなくて。
なんか夫婦とか親子って、戸籍上そうだからっていう形じゃなくて、こういう信頼とかが積み重なって初めて夫婦とか家族とか言うのかなって思います。
この映画を見たら、家族の概念が変わると思うのでたくさんの人にこの映画を見てほしいです。

新津ちせ

新津ちせ

水川あさみ
夫婦って他人と他人が寄り添って、そして家族になっていくっていう、なんかすごいへんてこなものだなって私は思っていて。
でもそれがすごく素晴らしくて面白くて素敵なんだっていうことが、この映画を見て頂いた方に伝わればいいなと思います。面白がって笑ってもらえたらなと思うので、公開した際には是非よろしくお願いします。

水川あさみ

水川あさみ

濱田 岳
喜劇と銘打った以上は、どなたが見ていただいても笑っていただける作品になってると思います。
ご近所の2軒、3軒隣の家庭を覗き見しているような、ちょっとした背徳感もあり、それゆえもう堂々と指さして他人の不幸大笑いしていい映画だと思っています。笑っていただければ、馬鹿にしていただければ、豪太とチカちゃんのことも綺麗に消化できると思います。
ちせちゃんが言ってくれたように、子どもが大人を親にしてくれるっていうのをすごい表している作品でもあります。
あとは、もうお察しの通り、監督はこれ以上のネタを五万と持っているので、皆様のお力をお借りして、2作、3作と続けてできたらいいなって思っています。
毎年、『喜劇 愛妻物語』が帰ってきたって言って、お客様をイライラさせるのが目標です(笑)またあの夫婦が戻ってきたのかってそう思わせるくらいの映画になったらいいなって思います。

濱田 岳

濱田 岳

■トークノーカット動画

記事に書ききれなかった分も含めてトークノーカット動画もどうぞ。

YouTube player

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『喜劇 愛妻物語』

とんでもなく情けなく、とことん笑える、最笑夫婦のサイテーな悲喜劇。

INTRODUCTION
稼ぎがほぼゼロで家に居場所もないのに、隙あればセックスに持ち込もうと奮闘するダメ夫・豪太役には、独特の憎めない個性で愛される人気俳優、濱田岳。
そして夫に罵声を浴びせながら、家計や子育てを支える不機嫌妻のチカには水川あさみが扮し、罵詈雑言を連発する毒舌キャラを熱演。
また、豪太とチカの娘アキには、音楽ユニット「Foorin」のメンバーでもある新津ちせ。
さらにチカの親友・由美役の夏帆や、光石研、ふせえり、大久保佳代子らが脇を固める。
『百円の恋』で日本アカデミー賞に輝いた名脚本家・足立紳が、自身の夫婦生活を赤裸々に綴った(ほぼ)実録小説「喜劇 愛妻物語」を自ら映画化! ほぼほぼ険悪な豪太とチカの夫婦の姿は、みっともなくて、カッコ悪くて、それでいてどこか愛らしい。あまりにも赤裸々で、スケールの小さい痴話ゲンカ。見終えた後に押し寄せるのは、胸にしみる感動か、呆れ混じりの乾いた笑いか、それとも他人ごととは思えないディープな共感か?日本の“家族映画”の伝統に新たな1ページを加える痛快な喜劇が誕生した。

物語
結婚して10年。いまだにうだつの上がらない脚本家の豪太と、トキメキを失って久しい妻のチカが、幼い娘と三人で旅に出た。四国を舞台にしたシナリオを書くための五日間の取材旅行。しかし豪太にはもうひとつの重大ミッションがあった。旅の間になんとしても、「セックスレスの妻とセックスする」という悲願を達成するのだ!

濱田岳 水川あさみ 新津ちせ
大久保佳代子 坂田 聡 宇野祥平 黒田大輔 冨手麻妙 河合優実
夏帆 ふせえり 光石 研

脚本・監督:足立 紳 原作:足立 紳「喜劇 愛妻物語」(幻冬舎文庫)
製作:『喜劇 愛妻物語』製作委員会
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:キュー・テック/バンダイナムコアーツ
2019/日本/カラー/アメリカンビスタ/117分/PG-12
©2020『喜劇 愛妻物語』製作委員会
公式サイト:kigeki-aisai.jp

9月11日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー

喜劇 愛妻物語

■『喜劇 愛妻物語』 映画祭出品&受賞歴
★第32回東京国際映画祭 【最優秀脚本賞】受賞
★第22回ウディネ・ファーイースト映画祭 コンペティション部門正式出品

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