• HOME
  • News
  • 演劇
  • 【ステージレポート】TBS朗読劇「もうラブソングは歌えない」より、稲垣吾郎×門脇麦&佐々木蔵之介×小池栄子
「カラマツより君を愛す」稲垣×門脇

【ステージレポート】TBS朗読劇「もうラブソングは歌えない」より、稲垣吾郎×門脇麦&佐々木蔵之介×小池栄子

8月8日(土)から公演が始まったTBSによる朗読劇「もうラブソングは歌えない」。2日目となる9日に上演された、稲垣吾郎×門脇麦「カラマツのように君を愛す」と、佐々木蔵之介×小池栄子「ひとりのふたり」のレポートをお届けする。

本公演は、総勢5組18名のキャストが、「男と女の“距離”」をテーマとした4作品を日替わり上演する形式で、作品によっては朗読するキャストが変わるが、「カラマツのように君を愛す」だけは、稲垣吾郎と門脇麦コンビのみが演じる。
上演は、東京国際フォーラム ホールCで8月10日まで行われるが、ZAIKOにてアーカイブ(見逃し配信)のオンライン視聴が8月16日(日)まで行われる。
詳細は本公演公式サイト(https://www.tbs.co.jp/event/moulovesonghautaenai/)まで。

「カラマツより君を愛す」稲垣×門脇

「カラマツより君を愛す」稲垣吾郎×門脇麦

公演レポート

公演日時:2020年8月9日(日)17:00

■「カラマツのように君を愛す」~小説『しあわせのパン』より

出演:稲垣吾郎 × 門脇 麦
脚本・演出:三島有紀子(映画版と同じ)
原作:『しあわせのパン』三島有紀子(ポプラ社)
振付:平原慎太郎

本朗読は、2012年公開映画『しあわせのパン』(原田知世・大泉洋)の小説版をベースにしている。
生きづらさを抱えた男(水縞尚/稲垣吾郎)と女(りえ/門脇 麦)が、ふとしたきっかけから出会い、世の中から“月”が無くなっていくことを憂うりえに、水縞が「月の裏に行こう」と、東京から北海道に移り住み、カフェを開く。そこを舞台にさまざまな事情を抱えた人々が訪れる中で、水縞とりえが少しずつ心を通わせていく。
映画版では、明るいおとぎ話のような雰囲気だったが、本朗読劇では、もっと詩的で叙情的な語り口で水縞とりえのそれぞれが抱える生きづらさに焦点を当てている。
朗読劇は、稲垣吾郎演じる水縞がつけている、日付と共にその時の月の形を記録した日記を読む形で進行し、日記の中に登場するりえの言葉を門脇麦が紡ぐ。
そしてその門脇麦が演じるりえは、より脆く先鋭化されたキャラクターとして、水縞の心を揺さぶる存在として描かれる。それがラストシーンでのりえの変化で見事に昇華し、観る者の心に強く響く。
また、朗読劇とはいえ、お芝居やダンスのパフォーマンスもあり、稲垣吾郎と門脇麦の表情の変化も見どころになっている。

■「ひとりのふたり」

出演:佐々木蔵之介 × 小池栄子
脚本:大島里美
演出・総合演出:石井康晴
演奏:加藤真一(コントラバス) 黒川紗恵子(クラリネット) 田中庸介(ギター)

佐藤梲夫(せつお、42歳/佐々木蔵之介)、伊藤毬子(まりこ、42歳/小池栄子)。会社員、独身の二人が、趣味で通う音楽教室で偶然出会うところから物語が始まる。
ステージ後方には、コントラバス、クラリネット、ギターの3ピースバンドが鎮座し、朗読劇の劇伴演奏はもちろん、梲夫が習うコントラバス、毬子が習うクラリネットの下手な演奏も(敢えて下手な演奏で)演出する。
前半で上演された「カラマツのように君を愛す」とはうって変わって、軽い調子で朗読劇は進み、時おり観客の笑い声も響く。
物語はオリジナル脚本のようで、今のコロナ禍の世相が反映されており、そのことも2人の男女の“距離”を左右する要素のひとつとなる。
本作も、半分お芝居のような形で演じられ、佐々木蔵之介、小池栄子それぞれの所作や表情も大きな見どころとなっている。


両作とも、観劇した者の心をじんわりと癒やしてくれる良作に仕上がっており、是非おすすめしたい。
オンライン観劇であれば、先述したように8月16日(日)までアーカイブ(見逃し配信)視聴が可能なことと、複数台のカメラワークにより、舞台をさまざまな角度から見れること、時おりキャストのアップもあり表情もよくわかる。

[撮影:田中亜紀/レポート:桜小路順]

朗読劇「もうラブソングは歌えない」公演概要

公演期間:8月8日(土)~10日(月・祝)
公演スケジュール:
【8月8日(土)】
  12:30開演
  「大山夫妻」三宅弘城 × りょう
  「Re:」田中俊介 × 大塚千弘
  17:00開演
  「カラマツのように君を愛す」稲垣吾郎 × 門脇 麦
  「大山夫妻」マキタスポーツ × YOU
【8月9日(日)】
  12:30開演
  「Re:」松本利夫(EXILE) × 野波麻帆
  「ひとりのふたり」佐々木蔵之介 × 小池栄子
  17:00開演
  「カラマツのように君を愛す」稲垣吾郎 × 門脇 麦
  「ひとりのふたり」佐々木蔵之介 × 小池栄子
【8月10日(月・祝)】
  12:30開演
  「ひとりのふたり」勝村政信 × 木村多江
  「Re:」古川雄大 × 葵わかな
  17:00開演
  「大山夫妻」中尾明慶 × 平岩 紙
  「Re:」古川雄大 × 葵わかな
会場:東京国際フォーラム ホールC
チケット情報:
【劇場観劇】6,000円(税込・全席指定)
【オンライン観劇】配信視聴券 3,000(税込)
チケット販売:
プレリクエスト先行(抽選) 7月25日(土)12:00~7月26(日)23:59
一般発売 7月29日(水)12:00~

※購入方法など詳細は公式サイトまで。(8月16日(日)まで見逃し配信あり)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/event/moulovesonghautaenai/

■公演ラインアップ

「ひとりのふたり」

音楽教室で出会った独身男女、もどかしい恋の20年の物語

脚本:大島里美&演出:石井康晴(TBSディレクター)
出演:佐々木蔵之介&小池栄子/勝村政信&木村多江

「カラマツのように君を愛す~小説『しあわせのパン』より」

生きづらさを抱えた男と女が、北海道を舞台に少しずつ心を通わせていく

脚本・演出:三島有紀子(映画監督)
出演:稲垣吾郎&門脇 麦

「大山夫妻のこと」

売れない脚本家の夫と元売れない女優の妻のセックスレスをめぐる数夜の出来事

脚本・演出:足立 紳 (脚本家/映画監督)
出演:三宅弘城&りょう/マキタスポーツ&YOU/中尾明慶&平岩 紙

「Re:」(アールイー)

間違いメールから始まった10年の愛の軌跡

脚本・演出土田英生(劇団MONO主宰)
出演:田中俊介&大塚千弘/松本利夫(EXILE)&野波麻帆/古川雄大&葵わかな

もうラブソングは歌えない

もうラブソングは歌えない

もうラブソングは歌えない

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA