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ドロステのはてて僕ら

【インタビュー】劇団・ヨーロッパ企画×女優・朝倉あき×藤谷理子が生み出す新感覚映画『ドロステのはてで僕ら』

2分後の未来が見えるタイムテレビで、もっと先の未来を見るには?そのために巻き起こる騒動を描いた時間SF映画『ドロステのはてで僕ら』(6月5日より、オンライン、劇場にて順次公開)。人気劇団・ヨーロッパ企画と女優・朝倉あきの化学反応も見どころのひとつとなっている本作のキャストに撮影の裏話も含めて作品の魅力を語ってもらった。

タイトルにある“ドロステ”とは“ドロステ効果”、すなわち、合わせ鏡のように、互いに映り込んだ映像が無限に続いてくことを指す。1902年発売の「ドロステココア」のパッケージイラストに、尼僧が持っている盆の上に、ココアの入ったコップと一緒にドロステ・ココアの箱が乗っていて、その箱の絵には、コップとドロステ・ココアの箱が乗った盆を持つ尼僧が描かれており、無限に続くその様に由来する。

『ドロステのはてで僕ら』は、京都を拠点に活動を続け、毎年の本公演では1万5千人を動員する人気劇団ヨーロッパ企画が、劇団として初めて取り組むオリジナル長編映画。
本作製作にあたっては、クラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」にて国内外の上映に向けた支援を募集されたが、開始から1日も経たずに目標達成している。

本作は、劇団・ヨーロッパ企画のファンにとっても、新しい発見がある作品かもしれない。本作に出演している藤谷理子は、「近年のヨーロッパ企画の役者さんの役回りとは違う役柄を楽しめるはず。」と語る。
また、映画作品なので、当然ながら役者たちの表情がアップで映し出されているため、舞台とは違う楽しみ方もできる。たとえば、共演者たちが「キムタク感が出ていた!」と、主演・土佐和成(ヨーロッパ企画)の表情を評価するシーンもあるので、それがどのシーンなのか探してみるのも、劇場に足を運ぶ楽しみのひとつになるかもしれない。

インタビュー:土佐和成×朝倉あき×藤谷理子

ドロステのはてて僕ら

朝倉あき/土佐和成/藤谷理子

劇団のみんなで一つの映像作品を作りたかった

– 劇団であるヨーロッパ企画さんが初の長編映画である本作を作ることになった経緯について教えて下さい。

土佐和成(主人公カトウ役/ヨーロッパ企画)
2017年、2018年に下北沢トリウッドで「ヨーロッパ企画と下北沢映画祭のトリウッド大作戦」という、僕たち劇団員がそれぞれ監督した短編映画を上映するイベントをやっていました。そのご縁があって長編映画をやりませんか?というお話があったのがきっかけです。
それとは別に僕が代表の上田誠(本作原案・脚本)に、劇団で映画を撮りたいっていう話しをずっと温めていたこともあります。
このメンバーで劇団を20年やって、劇団のみんなで一つの映像作品を作るということはやったことがなかったので、歳をとった時に自分が見るための記念映像のつもりもありました(笑)
でもすごくいい形で完成して、感無量です。

朝倉あき(メグミ役)
そうだったんですね。そんな思い出の作品に出演させていただいてありがとうございます。

– “ドロステ効果”を題材として扱うことになったきっかけはなんでしょうか?

土佐和成
上田が以前に撮った『ハウリング』(2013)という短編映画がベースになっています。この作品も2分後が映るタイムテレビが登場します。

ドロステのはてで僕ら

場面カット

どこで誰が失敗しているのかもわからない撮影

ドロステのはてて僕ら

朝倉あき/土佐和成/藤谷理子

– 本作は、現在のタイムライン、そして2分後が映っている未来テレビのタイムライン。加えて、カフェとその上の部屋との行き来がワンカット映像に見えますが、実際の撮影はどうだったのでしょうか?

土佐和成
ワンカットと言いたいところですが、そうじゃないんです。

– それでも、ひとつひとつのカットにいろんなものが絶妙なタイミングで絡み合っていて、NGにはかなり気を使われたのではないですか?

土佐和成
カフェのシーンと上階の部屋のシーンとよーいドンで同時にスタートしていて、更に(2分後の未来が映っている)映像とも被らないようにするのは大変でしたね。常に緊張感がありました。

朝倉あき
私はクランクインするまでは楽観的だったんですが、現場に入ると戦場のようで、ヤバイ!って気持ちになりました(笑)

土佐和成
ハハハ(笑)

– では、1カット分の撮影が終わったらホッとする感じでしょうか?

土佐和成
ホッとするというよりは、そもそも撮影が成功したのかどうかその時点ではわからないんですよね。

藤谷理子(アヤ役)
どこで何が失敗しているかわからないので、とにかく最後まで演じきるしかありませんでした。

土佐和成
カメラマン以外は勝手に止めてはいけないという感じでしたね。

ドロステのはてで僕ら

劇中カット

– 藤谷さんは、ヨーロッパ企画の演劇にも出演されていますが、映画撮影の現場はいかがでしたか?

藤谷理子
ヨーロッパ企画さんの本公演の稽古と似ているんだろうなって思って撮影現場に行ったんですけど、全然違いましたね。なんかお祭り感が強くて。
同じメンバーで何日間も夜通しで同じことを続けるっていうのは、お芝居では無いですよね。本公演だと、何時間か稽古したらその日はバイバイ。本番でも公演が終わったらバイバイですから。
なんか、カウントダウンイベントに参加しているようでもありました。感覚的には。

– 撮影期間は?

土佐和成
リハーサルが3日間、素材映像の撮影が3日間、現在タイムラインの撮影が4日間でした。
夕方5時に集まって翌朝5時までの夜通し撮影でした。

– タイムテレビに映っている未来映像と、現在タイムラインとまったく違和感を感じませんでした。

土佐和成
これがねぇ(笑)
ぜひ何度も作品を観ていただいて、あら探ししてほしいですね(笑)

朝倉あき×ヨーロッパ企画

– 朝倉さんは、ヨーロッパ企画さんの作品に初めて参加されたということですが、いかがでしたか?

朝倉あき
参加させていただいたことももちろん、私が拙い中で皆さんに助けていただいてこうやって作品が完成できたっていうことがほんとに嬉しいです。

土佐和成
逆に、朝倉さんが参加されてなかったとしたら、自分たちだけでってことになるので、もっとグダグダになっていたと思います。
朝倉さんがいてくださったおかげで、朝倉さんにいいところを見せたい!ダサイ姿を見せたくない!って気持ちになりました。
理子ちゃんは、ヨーロッパ企画のお芝居には何度か出てもらってたので、もうこっちの人だよねって感じでしたしね。

朝倉あき
私は、理子ちゃんをめざします!

土佐和成
ヨーロッパ企画のファミリーの一員として?

朝倉あき
はい!

ドロステのはてで僕ら

場面カット

朝倉あきは撮影中踊っていた?

ドロステのはてて僕ら

朝倉あき/土佐和成/藤谷理子

– その他、撮影で思い出に残っていることがありますか?

朝倉あき
撮影現場となった「カフェ パラン」さんのご飯が美味しかったです。

藤谷理子
美味しかったぁ!

土佐和成
京都にあるカフェで、撮影所が近いこともあり、映画関係者もよく来られるところです。
そして店長さんが朝倉さんの映画が好きで、娘さんに登場人物の名前をつけるくらい。なので、本作の撮影をそのカフェで行ったというのもある意味奇跡ですね。

藤谷理子
私が印象に残っているのは、撮影中、あきさんが踊っていたことです(笑)

朝倉あき
山口監督が夜中の2時くらいに壊れだして、それに私も影響されてヤバイぞヤバイぞって思って踊りたくなったんだと思います(笑)

土佐和成
劇中最後の僕と朝倉さんの2ショットのシーンでは、かなり素の朝倉さんのお芝居が見れたので嬉しいなって思ってたんですが、カット後、ピョコピョコ跳ねている朝倉さんを見て、「あ、本番中にも跳ねさせんといかんかったかな」って思いました(笑)

朝倉あき
上田さんと山口さんには早い段階から私のそんな面を見抜かれていて、「もっと凛としてください」って言われてました(笑)

藤谷理子
本番では、相当、凛とされてましたね。

土佐和成
床屋なのに、キャリアウーマンみたいでしたからね(笑)
凛としてっていう指示があったのね。

朝倉あき
はい。でも合間に(素が)漏れ出てしまいましたね(笑)

ドロステのはてで僕ら

場面カット

すでに次回作を撮りたい気持ち!

– 撮影でいちばん大変だったのはなんでしょうか?

土佐和成
撮影で一番大変だったのは、事務所のシーンですかね。2分くらいのシーンなんですけど、20テイクくらいになりました。
撮影終盤で疲れがピークになっているからだったかもしれまぜんが、狭い部屋の中に、カメラマン、音声、仕掛けのスタッフと、人が密集していたので、カメラに見切れないようにすることと、タイムテレビの映像と合わせることももちろんあって、段取りが多くて大変でした。

朝倉あき
クランクアップした時の諏訪さんの「こんな濃密な時間を過ごせるとは思ってなかった。」という言葉がとても印象的でした。

土佐和成
そうですね。劇団ができて20年経って、映画という形で初めてみんなで一緒にやるという熱量・想いが作品の中に閉じ込めることができたなっていう喜びを皆が感じたから出てきた言葉だと思います。

– それほど熱く濃い時間を過ごされたってことは、また次回作を撮りたいっていう意欲がわいてきたりしませんか?

土佐和成
はい。もう撮りたい気持ちですね(笑)
本作の続編かもしれませんし、上田以外にも劇団メンバーには監督・脚本の経験ありますし、いろんな種類の映画ができるんじゃないかなと思います。
(朝倉さんは)毎回出演ですよ?

朝倉あき
お願いします!

土佐和成
酒井さん(ヨーロッパ企画)は戦隊モノの作品撮られてますし、もう選べないですよ。

藤谷理子
ヘッドセットみたいなのを付けさせられますよ。

朝倉あき
今回も酒井さんの小道具が楽しかったです。どんと来い!です。お待ちしています!

ドロステのはてて僕ら

本作の見どころとメッセージ

– 本作の見どころとご覧になる方へのメッセージをお願いします。

朝倉あき
私は本作の「時間に殴られろ。」っていうキャッチコピーが最高に好きで、作られた時間の中ですが、これだけ本気で遊んでいるっていうことを味わってほしいなって思います。
それこそあら探ししていただいてもいいですし、いっぱい秘密が散らばっていて、ヨーロッパ企画さんがファンの方々に長く愛されている理由について、私も気づくところがありました。
ぜひたくさんの方に何度も何度も観ていただいて、作品世界にハマってみてください。

藤谷理子
朝倉あきさん×ヨーロッパ企画の作品ということで、「かぐや姫の物語」や「グランメゾン東京」などに出演されている朝倉あきさんのタイムラインと、ヨーロッパ企画のタイムラインが交わったことが驚きです。
私はこの2つのタイムラインが交わることを想像していなかったので(笑)

土佐和成
僕はいつか交わるやろなって思ってたけどね。あぁ、このタイミングかって(笑)

藤谷理子
ほんとですか?(笑)
でも、これはこの映画の紛れもない見どころだと思います!
土佐さんは、主演されてどうですか?

土佐和成
僕自身は、自分が主演だっていう気持ちがあんまりなくて、やっぱり“時間”が主役だなって思いますね。

藤谷理子
名言が飛び出しましたね!

土佐和成
誰にとっても平等な“時間”が大きくクローズアップされている作品なので、“時間”を観に来てもらいたいですね。

– “時間”を観に来て、時間に殴られろってことですね?

土佐和成
はい。軽い気持ちで“時間”を観に来て、ぶん殴られてほしいですね。
そして、朝倉あきさんのファンの方はもちろん、ヨーロッパ企画という劇団をあまり知らない方にとっても、名刺代わりの作品にもなってますので、本作を通して劇団のことについても知っていただきたいです。

ドロステのはてて僕ら

スタイリング(朝倉あき):小宮山芽以 
ワンピース/LADYMADE イヤリング/lili by SERI
ヘアメイク(朝倉あき):野中真紀子(エクラ)

[インタビュー:Jun Sakurakoji/写真:Ichigen Kaneda]

映画『ドロステのはてで僕ら』

INTRODUCTION
雑居ビルのカフェを舞台に、2分先の未来が見える “タイムテレビ”を巡る騒動を描いた“エクストリーム時間SF”。
原案、脚本は、上田誠(『サマータイムマシン・ブルース』『夜は短し歩けよ乙女』『前田建設ファンタジー営業部』)。
監督は、ヨーロッパ企画の映像ディレクター、山口淳太(「警視庁捜査資料管理室」)。そして、出演は、ヨーロッパ企画メンバーと藤谷理子、そして『かぐや姫の物語』『四月の永い夢』などで知られる、若手実力派・朝倉あき。

STORY
とある雑居ビルの2階。カトウが部屋にいると、テレビの中から声がする。見ると、画面には自分の顔。しかもこちらに向かって話しかけている。
「オレは、未来のオレ。2分後のオレ」。どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差で繋がっているらしい。
“タイムテレビ”の存在を知り、もっと先の未来を知ろうと躍起になるカフェの常連たち。
さらに隣人の理髪師メグミや5階のヤミ金業者、謎の客も巻き込み、「時間的ハウリング」は加速度的に事態をややこしくしていく……。
襲いかかる未来、抗えない整合性。ドロステのはてで僕らは--。

原案・脚本:上田誠 監督・撮影・編集:山口淳太
出演:土佐和成 藤谷理子 石田剛太 諏訪雅 酒井善史 中川晴樹 角田貴志 永野宗典 本多力 / 朝倉あき
主題歌:バレーボウイズ「タイトルコール」 音楽:滝本晃司
製作:ヨーロッパ企画 トリウッド 配給:トリウッド 宣伝:下北沢映画祭
(C)ヨーロッパ企画/トリウッド 2020
公式サイト:http://europe-kikaku.com/droste/
公式Twitter:@droste_movie

2分予告編

■映画館上映
2020年6月5日(金)より、京都シネマ(https://www.kyotocinema.jp)、下北沢トリウッド(https://tollywood.jp/)他、全国順次公開
■オンライン上映
日時:6月5日(金)19:00-
配信先(その1):PIA LIVE STREAM(リンク) 料金:1,800円
配信先(その2):uP!!!(リンク) 料金:1,800円(auスマートパス会員は1,200円)
5月23日(土)AM10:00より、チケットぴあとuP!!!サイトにて視聴券販売開始(6月3日(水)23:59販売終了)。
なお、今回のオンライン上映会は、この映画を公開する映画館を支援する仕組みとなっており、視聴券購入時、全国15館のうちから支援したい映画館を選択する。
◾本編上映前に原案・脚本:上田誠、監督:山口淳太、出演者全員によるオンライン舞台挨拶あり
◾鑑賞者限定でメイキング映像が視聴できる特典あり
◾アーカイブ配信期間(日時):オンライン上映イベント終了後~2020年6月6日(土)23:59

場面カット

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