映画『星に語りて~Starry Sky~』、「第37回日本映画復興賞」受賞。特別上映も。
東日本大震災を舞台にした映画『星に語りて~Starry Sky~』が、歴史と権威ある「第37回日本映画復興賞」において、日本映画復興奨励賞を受賞した。賞の贈呈式と祝賀会は、5月30日(土)14:00から、新宿農協会館にて執り行われる予定。
今作は、全国にある障害者就労施設をはじめ、グループホームや相談支援事業所など、障害のある人が生きていく上で関わる事業を対象に、障害のある人々の労働や権利の保障を目指し、活動を続けている団体『きょうされん』の、結成40周年記念映画として製作された。
2月末現在までに、全国400ヶ所以上で上映会を開催し、観客動員数3万3千人を記録。公開から1年近く経つ今も、全国各地で上映会が続いており、高い評価を得ている。
「第37回日本映画復興賞」とは、故山本薩夫監督の発意により、「平和と民主主義を守り、戦争に反対し、ヒューマニズムの理念に徹した日本映画界の業績」を顕彰する為、日本映画復興会議が1983年に設立した賞。
日本映画の産業的復興と文化的向上を図る為、懸命の努力を続けている映画制作者や作品を評価し、激励する役割を果たしており、今回で37回目を数える。
過去には山田洋次、大林宣彦、高畑勲、木下恵介、新藤兼人などの監督の他に、渥美清、三國連太郎、仲代達矢などの俳優や、「この世界の片隅に」も賞が授与された、歴史と権威ある映画賞である。
松本動監督メッセージ
この度は、数多くある映画賞の中でも、見識があり、過去には錚々たる映画人の方々が受賞された、歴史と権威ある「日本映画復興賞」にて、日本映画復興奨励賞を頂けた事は、心から嬉しく思うと同時に、映画に描かれた知られざる実情を多くの人に知ってもらおうと、制作や上映に協力して下さったすべての方々に、心より感謝致します。今後の上映活動を続ける上でも、とても励みになります。
これを機に、まだ映画を鑑賞していない方はぜひ観て頂き、既に観て頂いた方は、この映画を広める協力を、どうぞ宜しくお願い致します。
私が強く願うことは、この映画を障害者福祉へ関心の無い人たちにこそ、ぜひ観てもらいたいという思いです。
私はこの映画に携わるまで、恥ずかしながら自分もその一人でした。
人は、いつ障害を持つかわかりません。それは病気や事故によるものかもしれませんし、健康である人も歳を取ると共に、何かしら障害のある人になり得るのですが、それに気づいていない人たちが大勢いるのです。
この映画は、過去の東日本大震災を描きながら、すべての人にいずれ訪れる、未来の有り様をも描いています。
ですから、一人でも多くの人が観なくてはいけない映画なのです。そして、映画で描かれた真実を知ってもらい、いつ何処で起こるか分からない災害に向け、教訓として頂きたいのです。
緊急特別上映決定
「第37回日本映画復興賞」受賞を受け緊急特別上映が決定した。
日程:2020年4月3日(金)、4日(土)
時間:10:30~/13:15~/16:00~/18:45~
※開場15分前 ※上映後、監督による舞台挨拶あり
料金:一般1,200円/大・専・障600円/高校生以下300円
劇場:高円寺シアターバッカス(杉並区高円寺北2-21-6 レインボービル3階)
定員:各回30名限定
予約(Peatix)※当日払い
https://hoshinikatarite.peatix.com/view?type=owner
映画『星に語りて~Starry Sky~』
概要
この映画は被災地を取材し、証言者たちの実話をもとに、その知られざる実情をフィクションとして描いた物語です。
脚本は自らも被災を経験し、長きに渡り第一線で活躍し続ける漫画家の山本おさむ氏が務め、メガホンを取ったのは、大林宣彦監督作品の監督捕にも従事し、ドキュメンタリードラマや短篇映画での台頭が著しい、新進気鋭の松本動(ゆるぐ)監督。
作品は『ごく普通の人たちの群像劇』を描くため、固定イメージが先行する俳優よりも「知名度は低くとも、実力のある役者に演じてもらう事により、観客が自然と感情移入できる」という、脚本の山本おさむ氏と、松本動監督の強いこだわりによる実力派がキャスティングされ、そこに名バイプレイヤーとして活躍する螢雪次朗や、数多くの山田洋次監督作品に出演する赤塚真人、宮城県気仙沼市出身の生島ヒロシらが名を連ね、オーディションで選ばれた、普段は障害者就労施設で働く障害当事者も出演しており、その強い人間力と存在感は素晴らしく、心を鷲掴みにされる芝居は、今作の一番の見所となっている。
映画はバリアフリー上映対応で、障害の有無に関わらず鑑賞が可能となっており、英語字幕版も制作され、日本だけでなく、世界中の人に届けたいという、強いメッセージが込められた骨太の作品です。
物語
岩手県陸前高田市の共同作業所『あおぎり』は、津波の直接的な被害からは免れたが、仲間の一人を失い落胆する利用者たちを、女性所長が励ましながら、一日も早く障害のある人が日常を取り戻せる様に歩み始めていた。
そんな中、全国障害者ネットワークでは、日本各地のグループが連携して支援活動を始めようとした矢先、「障害者が消えた」という情報が入り、避難所を回っても障害のある人がほとんど居ないという不可思議な現実に直面する。
一方、福島県の南相馬市では、原発事故により避難を余儀なくされていたが、共同作業所『クロスロードハウス』の代表らは、避難出来ずに取り残された障害のある人たちを、放射能の危険と闘いながら支援を続けており、安否確認のための障害のある人の情報が必要だったが、個人情報保護を理由に開示されなかったのである。
法律により守られる人権は支援の障壁となり、一刻を争う人命救助との狭間で苦しむ支援員たちと、被災した障害のある人たちの知られざる実情とは…。
予告編
出演:
要田禎子/今村澄子(共同作業所・所長)、螢雪次朗/小沢隆(秋田支部所属の施設職員)
今谷フトシ/森川秀二(共同作業所・代表)、植木紀世彦/大島明(岩手支部所属の施設職員)
枝光利雄/浦田光明(岩手支部所属の施設職員)、菅井玲/岡本真澄(陸前高田市役所職員)
入江崇史/瀬川功(全国障害者ネットワーク・連盟専務理事)、宮川浩明/河野慶次(南相馬市役所職員・福祉部長)
生島ヒロシ/八重樫亮(南相馬市役所職員)、赤塚真人/戸村克彦(視覚障害者)とナレーションの2役
監督:松本動
製作統括:西村直、企画:藤井克徳、脚本:山本おさむ、音楽:小林洋平、制作プロダクション:ターゲット、製作:きょうされん
〈2019年/DCP/カラー/5.1ch/アメリカンビスタ/115分〉
※バリアフリー上映対応
©きょうされん 〈公式HP:http://www.kyosaren.or.jp/starrysky/〉
場面カット
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